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6月月例労働経済報告

〈概観〉

一般経済の概況

 景気は、悪化しつつある。

・ 個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。失業率は高水準で推移している。
・ 輸出、生産が引き続き減少している。
・ 企業収益の伸びは鈍化し、設備投資は頭打ちとなっている。

 先行きについては、在庫率の増加や設備投資の弱含みの兆しなど、懸念すべき点がみられる。

労働経済の概況

 労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。

(1) 平成13年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季調済前期比0.2%減(年率0.8%減)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は0.0%、財貨・サービスの純輸出の寄与度はマイナス0.2%となった。なお、平成12年度の実質GDP成長率は、0.9%増となった。

国内総生産のグラフ
(2) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は引き続き減少する中で、在庫が増加している。生産は、季調済前月比で3月2.1%減の後、4月(速報)は同1.7%減(前年同月比3.9%減)となった。業種別にみると、輸送機械、窯業・土石製品、精密機械等が上昇したが、電気機械、その他、一般機械等が低下した。出荷は、季調済前月比2.5%減(前年同月比5.0%減)となった。在庫は、季調済前月比2.1%増(前年同月比4.7%増)となった。在庫率は、季調済前月比3.1%増(前年同月比9.3%増)となった。製造工業の生産予測指数は、5月季調済前月比0.3%増の後、6月は同0.8%減を予測している。
生産・出荷・在庫のグラフ
 企業収益は、これまでの高い伸びが鈍化している。また、企業の業況判断は、製造業を中心に急速に悪化している。財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の売上高は平成12年10〜12月期前年同期比4.2%増の後、平成13年1〜3月期同2.8%増(うち製造業同0.7%増、非製造業同3.7%増)となり、経常利益は平成12年10〜12月前年同期比31.9%増の後、平成13年1〜3月期同0.0%増(うち製造業18.0%増、非製造業10.5%減)となっている。

(3) 設備投資は、頭打ちとなっている。産業別にみると、製造業は堅調に増加しているものの、非製造業では弱含んでいる。前出の「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、平成12年10〜12月期前年同期比7.1%増の後、平成13年1〜3月期同2.5%増(うち製造業同22.6%増、非製造業同5.8%減)となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で3月3.6%減の後、4月は同6.3%増(前年同月比10.5%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、4月は前年同月比で13.7%減となった。

設備投資表
 住宅建設は、弱含みとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、3月6.3%増(前年同月比1.4%減)の後、4月は同5.8%減(同7.2%減)の9万戸(年率114万戸)となった。
住宅のグラフ
 公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で3月は6.7%減の後、4月は同7.2%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で3月16.9%減の後、4月は同11.7%増となった。

(4) 個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。4月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で5.2%減、実質で4.6%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、69.1%となった。4月の小売業販売額(速報)は前年同月比1.2%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同3.5%減となった。5月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比2.1%増となった。

個人消費のグラフ

(5) 輸出は、減少している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で3月2.5%増の後、4月は同8.1%減となった。
 輸入は、減少している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で3月4.4%増の後、4月は同6.8%減となった。

(6) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。4月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比1.1%増(前月同2.5%減)と4か月ぶりに増加し、有効求職者が同0.5%増(前月同1.7%増)となり、0.62倍と前月より0.01ポイント上昇した。4月の雇用者数は前年同月比1.3%増(前年同月差70万人増)となった。4月の完全失業率(季調値)は、4.8%と前月より0.1%ポイント上昇した。完全失業者数(原数値)は348万人で前年同月差2万人増となった。

労働市場のグラフ

(7) 賃金、労働時間の動向をみると、4月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.2%増となり、実質賃金は同0.9%増となった。また、定期給与は前年同月比0.2%減となった。特別給与は前年同月比17.3%増となった。
 4月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比0.9%減となり、そのうち所定内労働時間は同0.8%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比3.5%減となった。

(8) 国内卸売物価は、弱含んでいる。5月の総合卸売物価は前月比0.3%下落(前年同月比0.9%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比横ばい、輸出物価は同1.5%下落、輸入物価は同1.4%下落となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。4月の消費者物価は、前年同月比0.4%下落(生鮮食品を除く総合同0.5%下落)、5月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落(生鮮食品を除く総合同0.9%下落)となった。

1 雇用、労働市場の動向

《1》 4月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で1.1%増、有効求職者が同0.5%増となり、有効求人倍率(季調値)は0.62倍と前月より0.01ポイント上昇した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.47倍、パートを除く有効求人倍率は0.48倍(うち常用0.48倍)となった。
 4月の新規求人は季調済前月比で4.9%増、前年同月比で10.3%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比14.8%増、パートを除く新規求人は同8.2%増となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比18.9%増)、運輸・通信業(同18.3%増)、卸売・小売業,飲食店(同12.7%増)、建設業(同4.2%増)、製造業(同2.7%減)となっている。一方、4月の新規求職者は季調済前月比で2.0%増、前年同月比4.5%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比4.2%増、パートを除く新規求職者は同4.6%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比4.9%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同9.7%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同0.1%増となった。以上の結果、4月の新規求人倍率(季調値)は1.05倍(前月1.02倍)となった。

求人・求職の表
《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、4月は前年同月比1.3%増(前年同月差70万人増、うち常雇41万人増)と12か月連続で増加した。男女別には、男性は前年同月差34万人増、女性は35万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差47万人増、卸売・小売業,飲食店で同34万人増、製造業で同16万人増、運輸・通信業で同13万人減、建設業で同16万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、4月は産業計で前年同月比0.2%減、製造業で同1.6%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.3%減、パートタイム労働者は同2.6%増となった。
 4月の完全失業率(季調値)は4.8%となり、前月より0.1%ポイント上昇した。男女別にみると、男性は5.0%(前月差0.1%ポイント上昇)、女性は4.4%(前月差0.1%ポイント低下)となった。
 完全失業者数(原数値)は348万人で、前年同月差2万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は111万人(前年同月差3万人減)、自発的理由による離職者は122万人(同6万人増)、他方、その他の理由による失業者は78万人(同5万人減)となった。また、世帯主の失業者は96万人(同2万人減)となった。
 4月の男性の労働力率は76.1%(前年同月差0.3%ポイント低下)、女性の労働力率は49.4%(同0.5%ポイント低下)となった。
雇用・失業の表
《3》 厚生労働省「労働経済動向調査」(5月調査)により、1〜3月期の雇用調整実施事業所割合を見ると、調査産業計では23%(前期差2%ポイント上昇)、金融・保険業及び不動産業を除く5産業計では24%(前期差2%ポイント上昇)と2期連続で上昇した。産業別には、サービス業で前期差横ばい、建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業では同上昇となった。なお、4〜6月期の雇用調整実施予定事業所割合は、産業計で24%、5産業計で25%と見込まれている。5月現在の常用労働者過不足判断D.I.(「不足」―「過剰」)をみると、調査産業計でマイナス6ポイント(前期差2ポイント低下で2期連続の低下)、5産業計ではマイナス8ポイント(前期差4ポイント低下で2期連続の低下)となった。また、産業別に常用労働者過不足判断D.I.をみると、建設業、製造業、運輸・通信業、サービス業で低下し、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業では上昇した。
産業別雇用調整実施事業所割合の推移グラフ

2 賃金・労働時間・労働災害の動向

《1》 4月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は292,505円で、前年同月比0.2%増となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.1%減となったほか、所定外給与は同1.5%減、特別給与は同17.3%増となり、実質賃金は同0.9%増となった。

賃金グラフ
《2》 4月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は158.3時間で、前年同月比0.9%減となった。内訳をみると、所定内労働時間は148.3時間で前年同月比0.8%減、所定外労働時間は10.0時間で同2.0%減となった。なお、月間出勤日数は20.5日と前年同月差0.1日減となった。
 4月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は13.5時間で、前年同月比3.5%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比3.5%減、100〜499人規模で3.2%減、30〜99人規模で同4.2%減、5〜29人規模で同3.0%減となった。
労働時間グラフ
《3》 平成13年4月の労働災害による全産業の死亡者数は92人(速報)で、前年同月比9.5%増となっている。

3 勤労者家計・物価の動向

《1》 4月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比1.1%減、実質で同0.5%減となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比2.5%減、臨時収入・賞与が同9.2%減、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同5.0%減となった。可処分所得は名目で前年同月比2.8%減、実質で同2.2%減となった。
 4月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比5.0%減、実質で同4.4%減となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比3.7%減、サ−ビスは同3.3%減となった。
 4月の平均消費性向は84.4%と、前年同月差2.0%ポイントの低下となった。

勤労者家計グラフ
《2》 5月の総合卸売物価は、前月比0.3%下落(前年同月比0.9%上昇)となった。うち国内卸売物価は、食料用農畜水産物、石油・石炭製品等が上昇したが、電気機器、輸送用機器、鉄鋼等が下落したため、前月比横ばい(前年同月比0.6%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比1.5%下落(前年同月比3.6%上昇)、同1.4%下落(同9.8%上昇)となった。
 4月の全国消費者物価は、前年同月比0.4%下落(前月比0.2%上昇)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.5%下落(前月比0.3%上昇)となった。5月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落 (前月比0.3%上昇) となった。
物価グラフ
6月の主要変更点(概観部分)


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