一般経済の概況
景気は、悪化しつつある。
先行きについては、在庫率の増加や設備投資の弱含みの兆しなど、懸念すべき点がみられる。
労働経済の概況
労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。
(1) 平成13年1〜3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季調済前期比0.2%減(年率0.8%減)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度は0.0%、財貨・サービスの純輸出の寄与度はマイナス0.2%となった。なお、平成12年度の実質GDP成長率は、0.9%増となった。
(3) 設備投資は、頭打ちとなっている。産業別にみると、製造業は堅調に増加しているものの、非製造業では弱含んでいる。前出の「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、平成12年10〜12月期前年同期比7.1%増の後、平成13年1〜3月期同2.5%増(うち製造業同22.6%増、非製造業同5.8%減)となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で3月3.6%減の後、4月は同6.3%増(前年同月比10.5%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、4月は前年同月比で13.7%減となった。
(4) 個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いているものの、足元で弱い動きがみられる。4月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で5.2%減、実質で4.6%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、69.1%となった。4月の小売業販売額(速報)は前年同月比1.2%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同3.5%減となった。5月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比2.1%増となった。
(5) 輸出は、減少している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で3月2.5%増の後、4月は同8.1%減となった。
輸入は、減少している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で3月4.4%増の後、4月は同6.8%減となった。
(6) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。4月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比1.1%増(前月同2.5%減)と4か月ぶりに増加し、有効求職者が同0.5%増(前月同1.7%増)となり、0.62倍と前月より0.01ポイント上昇した。4月の雇用者数は前年同月比1.3%増(前年同月差70万人増)となった。4月の完全失業率(季調値)は、4.8%と前月より0.1%ポイント上昇した。完全失業者数(原数値)は348万人で前年同月差2万人増となった。
(7) 賃金、労働時間の動向をみると、4月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.2%増となり、実質賃金は同0.9%増となった。また、定期給与は前年同月比0.2%減となった。特別給与は前年同月比17.3%増となった。
4月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比0.9%減となり、そのうち所定内労働時間は同0.8%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比3.5%減となった。
(8) 国内卸売物価は、弱含んでいる。5月の総合卸売物価は前月比0.3%下落(前年同月比0.9%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比横ばい、輸出物価は同1.5%下落、輸入物価は同1.4%下落となった。
消費者物価は、弱含んでいる。4月の消費者物価は、前年同月比0.4%下落(生鮮食品を除く総合同0.5%下落)、5月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落(生鮮食品を除く総合同0.9%下落)となった。
1 雇用、労働市場の動向
《1》 4月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で1.1%増、有効求職者が同0.5%増となり、有効求人倍率(季調値)は0.62倍と前月より0.01ポイント上昇した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.47倍、パートを除く有効求人倍率は0.48倍(うち常用0.48倍)となった。
4月の新規求人は季調済前月比で4.9%増、前年同月比で10.3%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比14.8%増、パートを除く新規求人は同8.2%増となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比18.9%増)、運輸・通信業(同18.3%増)、卸売・小売業,飲食店(同12.7%増)、建設業(同4.2%増)、製造業(同2.7%減)となっている。一方、4月の新規求職者は季調済前月比で2.0%増、前年同月比4.5%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比4.2%増、パートを除く新規求職者は同4.6%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比4.9%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同9.7%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同0.1%増となった。以上の結果、4月の新規求人倍率(季調値)は1.05倍(前月1.02倍)となった。
2 賃金・労働時間・労働災害の動向
《1》 4月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は292,505円で、前年同月比0.2%増となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.1%減となったほか、所定外給与は同1.5%減、特別給与は同17.3%増となり、実質賃金は同0.9%増となった。
3 勤労者家計・物価の動向
《1》 4月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比1.1%減、実質で同0.5%減となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比2.5%減、臨時収入・賞与が同9.2%減、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同5.0%減となった。可処分所得は名目で前年同月比2.8%減、実質で同2.2%減となった。
4月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比5.0%減、実質で同4.4%減となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比3.7%減、サ−ビスは同3.3%減となった。
4月の平均消費性向は84.4%と、前年同月差2.0%ポイントの低下となった。