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5月月例労働経済報告

〈概観〉

一般経済の概況

 景気は、さらに弱含んでいる。

・ アメリカ経済の減速から輸出が減少し、それに伴い、生産が減少している中で在庫が増加している。
・ 企業部門の自律的回復に向けた動きはなお続いているが、このところ弱まっている。設備投資は増加しているが、企業収益の伸びが鈍化し、企業の業況判断は製造業を中心に急速に悪化している。
・ 失業率は高水準で推移し、個人消費はおおむね横ばいの状態が続いている。

 先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど、懸念すべき点がみられる。

労働経済の概況

 労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。

(1) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、減少している中で、在庫が増加している。生産は、季調済前月比で2月1.0%増の後、3月(速報)は同2.1%減(前年同月比2.9%減)となった。業種別にみると、電気機械、一般機械、輸送機械等が低下したが、化学(除医薬品)、鉄鋼、金属製品等が上昇した。出荷は、季調済前月比2.6%減(前年同月比2.9%減)となった。在庫は、季調済前月比0.7%増(前年同月比3.0%増)となった。在庫率は、季調済前月比2.5%増(前年同月比6.6%増)となった。製造工業の生産予測指数は、4月季調済前月比0.8%減の後、5月も同0.8%減を予測している。

生産・出荷・在庫グラフ
  企業収益は、これまでの高い伸びが鈍化している。また、企業の業況判断は、製造業を中心に急速に悪化している。内閣府「法人企業動向調査」(資本金1億円以上、3月調査、季調値)によると、売上高の判断(「増加」―「減少」)は、13年1〜3月期は「減少」超に転じ、経常利益の判断(「増加」―「減少」)は、13年1〜3月期は前期に比べ「減少」超幅が拡大した。また、企業経営者の景気判断(業界景気の判断「上昇」―「下降」)は13年1〜3月期は前期に比べ「下降」超幅が拡大した。中小企業金融公庫「中小企業動向調査」(3月調査、季調値)によると、業況判断D.I.(「好転」―「悪化」)は、13年1〜3月期、4〜6月期(予測)ともに前期に比べ「悪化」超幅は拡大している。
業況判断DIグラフ
2) 設備投資は、増加している。当面は製造業を中心として堅調に推移すると見込まれるものの、先行きについては鈍化の兆しがみられる。前出「法人企業動向調査」によると、全産業の設備投資額は、前年同期比で12年10〜12月期(実績)7.6%増(うち製造業12.5%増、非製造業5.3%増)の後、13年1〜3月期(実績見込み)は6.6%増(同20.1%増、同0.6%増)となっている。また13年度4〜9月期(計画)は、前年同期比で2.3%増(うち製造業12.0%増、非製造業2.8%減)と見込まれている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で1月11.8%減の後、2月は同5.0%増(前年同月比5.9%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、3月は前年同月比で23.8%減となった。
 住宅建設は、弱含みとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、2月5.7%減(前年同月比5.9%減)の後、3月は同6.3%増(同1.4%減)の10万1千戸(年率121万戸)となった。
住宅建設グラフ
 公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で1月は9.8%増の後、2月は同1.6%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で2月28.9%減の後、3月は同16.9%減となった。

(3) 個人消費は、家電リサイクル法施行前の駆け込み需要があったものの、おおむね横ばいの状態が続いている。3月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で1.0%増、実質で1.5%増となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、73.6%となった。3月の小売業販売額(速報)は前年同月比1.6%増、大型小売店販売額(速報、既存店)は同3.1%減となった。4月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比0.9%減となった。なお、内閣府「消費動向調査」によると、3月の消費者態度指数(季調値)は、40.2と前期差2.8ポイントの低下となった。

個人消費グラフ
消費者態度指数グラフ
(4) 輸出は、減少している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で2月3.5%増の後、3月は同2.4%増となった。
 輸入は、おおむね横ばいで推移している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で2月4.3%減の後、3月は同4.3%増となった。

(5) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人や残業時間も弱含んでいる。3月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比2.5%減(前月同2.1%減)と3か月連続して減少し、有効求職者が同1.7%増(前月同0.4%減)となり、0.61倍と前月より0.03ポイント低下した。3月の雇用者数は前年同月比1.3%増(前年同月差68万人増)となった。3月の完全失業率(季調値)は、4.7%と前月と同水準となった。完全失業者数(原数値)は343万人で前年同月差6万人減となった。

雇用・労働市場グラフ
(6) 賃金、労働時間の動向をみると、3月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.3%減となり、実質賃金は同0.1%増となった。また、定期給与は前年同月比0.6%減となった。特別給与は前年同月比4.2%増となった。
 3月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比3.1%減となり、そのうち所定内労働時間は同3.3%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比3.5%減となった。

(7) 国内卸売物価は、弱含んでいる。3月の総合卸売物価は前月比0.6%上昇(前年同月比1.1%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比0.1%下落、輸出物価は同2.4%上昇、輸入物価は同3.7%上昇となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。3月の消費者物価は、前年同月比0.4%下落(生鮮食品を除く総合同0.6%下落)、4月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.8%下落(生鮮食品を除く総合同0.9%下落)となった。

1 雇用、労働市場の動向

《1》 3月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で2.5%減、有効求職者が同1.7%増となり、有効求人倍率(季調値)は0.61倍と前月より0.03ポイント低下した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.47倍、パートを除く有効求人倍率は0.48倍(うち常用0.48倍)となった。
 3月の新規求人は季調済前月比で4.0%減、前年同月比で8.3%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比10.0%増、パートを除く新規求人は同7.6%増となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比16.2%増)、卸売・小売業,飲食店(同12.8%増)、運輸・通信業(同2.8%増)、建設業(同1.8%増)、製造業(同0.3%増)となっている。一方、3月の新規求職者は季調済前月比で2.1%増、前年同月比2.6%増となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比0.6%減、パートを除く新規求職者は同3.2%増となった。また、常用新規求職者は前年同月比2.7%増となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同10.7%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同2.0%減となった。以上の結果、3月の新規求人倍率(季調値)は1.02倍(前月1.08倍)となった。

求人・求職の状況表
《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、3月は前年同月比1.3%増(前年同月差68万人増、うち常雇26万人増)と11か月連続で増加した。男女別には、男性は前年同月差23万人増、女性は44万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差55万人増、製造業で同28万人増、卸売・小売業,飲食店で同10万人増、運輸・通信業で同8万人減、建設業で同23万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、3月は産業計で前年同月比0.2%減、製造業で同1.2%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.1%減、パートタイム労働者は同3.5%増となった。
 3月の完全失業率(季調値)は4.7%となり、前月と同水準となった。男女別にみると、男性は4.9%(前月差0.1%ポイント上昇)、女性は4.5%(前月と同水準)となった。
 完全失業者数(原数値)は343万人で、前年同月差6万人減となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は100万人(前年同月差4万人減)、自発的理由による離職者は117万人(同1万人減)、他方、その他の理由による失業者は86万人(同4万人増)となった。また、世帯主の失業者は94万人(同保合い)となった。
 3月の男性の労働力率は75.8%(前年同月差0.4%ポイント低下)、女性の労働力率は48.8%(同0.4%ポイント上昇)となった。
雇用・失業の状況表
産業別雇用者数の推移グラフ

2 賃金・労働時間・労働災害の動向

《1》 3月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は303,821円で、前年同月比0.3%減となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.6%減となったほか、所定外給与は同1.3%減、特別給与は同4.2%増となり、実質賃金は同0.1%増となった。

賃金グラフ
《2》 3月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は152.4時間で、前年同月比3.1%減となった。内訳をみると、所定内労働時間は142.2時間で前年同月比3.3%減、所定外労働時間は10.2時間で同0.9%減となった。なお、月間出勤日数は19.7日と前年同月差0.6日減となった。
 3月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は13.8時間で、前年同月比3.5%減となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比2.3%減、100〜499人規模で同保合い、30〜99人規模で同7.5%減、5〜29人規模で同3.9%減となった。
労働時間グラフ
《3》 平成13年3月の労働災害による全産業の死亡者数は135人(速報)で、前年同月比2.3%増となっている。

3 勤労者家計・物価の動向

《1》 3月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比2.7%減、実質で同2.2%減となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比2.9%減、臨時収入・賞与が同11.3%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同2.7%減となった。可処分所得は名目で前年同月比2.5%減、実質で同2.0%減となった。
 3月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比0.5%増、実質で同1.0%増となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比1.5%増、サ−ビスは同0.6%増となった。
 3月の平均消費性向は91.6%と、前年同月差2.8%ポイントの上昇となった。

勤労者家計グラフ
《2》 3月の総合卸売物価は、前月比0.6%上昇(前年同月比1.1%上昇)となった。うち国内卸売物価は、石油・石炭製品等が上昇したが、食料用農畜水産物、電気機器、一般機器、鉄鋼等が下落したため、前月比0.1%下落(前年同月比0.5%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比2.4%上昇(前年同月比4.9%上昇)、同3.7%上昇(同10.0%上昇)となった。
 3月の全国消費者物価は、前年同月比0.4%下落(前月比0.1%下落)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.6%下落(前月比0.1%上昇)となった。4月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比0.8%下落 (前月比0.3%上昇) となった。
物価グラフ
5月の主要変更点(概観部分)


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