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4月月例労働経済報告
〈概観〉
一般経済の概況
景気は、弱含んでいる。
- ・ アメリカ経済の減速から輸出が減少し、それに伴い、生産が減少している。
- ・ 企業部門の自律的回復に向けた動きはなお続いているが、このところ弱まっている。設備投資は増加しているが、企業収益の伸びが鈍化し、企業の業況判断は製造業を中心に急速に悪化している。
- ・ 失業率は高水準で推移し、個人消費はおおむね横ばいの状態が続いている。
先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど、懸念すべき点がみられる。
労働経済の概況
労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人も弱含んでいる。
(1) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、減少している。生産は、季調済前月比で1月4.2%減の後、2月(速報)は同0.4%増(前年同月比2.1%減)となった。業種別にみると、電気機械、金属製品、窯業・土石製品等が低下したが、輸送機械、一般機械、その他等が上昇した。出荷は、季調済前月比0.7%増(前年同月比1.7%減)となった。在庫は、季調済前月比0.7%増(前年同月比2.4%増)となった。在庫率は、季調済前月比0.7%減(前年同月比4.8%増)となった。製造工業の生産予測指数は、3月季調済前月比0.8%減の後、4月は同0.6%増を予測している。
- 生産・出荷・在庫グラフ
企業収益は、これまでの高い伸びが鈍化している。また、企業の業況判断は、製造業を中心に急速に悪化している。日本銀行「企業短期経済観測調査」(3月調査)によると、大企業の12年度下期の経常利益計画は、製造業では前年同期比16.1%の増益(12年度上期実績同37.5%の増益)、非製造業では14.3%の減益(12年度上期実績同25.3%の増益)が見込まれている。こうしたなかで、大企業の業況判断D.I.(「良い」―「悪い」)をみると、製造業はマイナス5%ポイントと「悪い」超に転じ、非製造業はマイナス13%ポイントと、「悪い」超幅が拡大した。
- 業況判断DIグラフ
(2) 設備投資は、増加している。当面は堅調に推移すると見込まれるものの、先行きについては鈍化の兆しがみられる。前出「企業短期経済観測調査」によれば、大企業の12年度の設備投資計画は、製造業で前年度比14.6%増、非製造業で同1.4%減、全産業では同4.5%増となっており、製造業、非製造業、全産業で前回調査から下方修正されている。中小企業の設備投資計画は、製造業で前年度比11.2%増、非製造業で同6.7%減となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で1月11.8%減の後、2月は同5.0%増(前年同月比5.9%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、2月は前年同月比で7.7%減となった。
- 設備投資表
住宅建設は、弱含みとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、1月4.6%減(前年同月比11.1%減)の後、2月は同5.7%減(同5.9%減)の9万戸5千戸(年率114万戸)となった。
- 住宅建設グラフ
公共投資は、総じて低調に推移している。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で1月は9.8%増の後、2月は同1.6%減となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で1月2.7%減の後、2月は同28.9%減となった。
(3) 個人消費は、一時的な要因もあって、年末に比べれば増加しているものの、おおむね横ばいの状態が続いている。2月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で保合い、実質で0.1%増となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、74.4%となった。2月の小売業販売額(速報)は前年同月比0.6%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同5.0%減となった。3月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比0.7%増となった。
- 個人消費グラフ
(4) 輸出は、減少している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で1月5.9%減の後、2月は同3.5%増となった。
輸入は、伸びが鈍化している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で1月1.3%減の後、2月は同4.3%減となった。
(5) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率が高水準で推移し、求人も弱含んでいる。2月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比2.1%減(前月同1.8%減)と2か月連続して減少し、有効求職者が同0.4%減(前月同保合い)となり、0.64倍と前月より0.01ポイント低下した。2月の雇用者数は前年同月比1.4%増(前年同月差72万人増)となった。2月の完全失業率(季調値)は、4.7%と前月より0.2%ポイント低下となった。完全失業者数(原数値)は318万人で前年同月差9万人減となった。
- 雇用・労働市場グラフ
(6) 賃金、労働時間の動向をみると、2月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比0.2%減となり、実質賃金は同0.2%減となった。また、定期給与は前年同月比0.2%減となった。特別給与は前年同月比17.4%減となった。なお、平成12年年末賞与は、471,809円、前年比1.3%減(前年同3.1%減)となった。
2月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比1.0%減となり、そのうち所定内労働時間は同1.1%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比2.9%増となった。
(7) 国内卸売物価は、弱含んでいる。3月の総合卸売物価は前月比0.6%上昇(前年同月比1.1%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比0.1%下落、輸出物価は同2.4%上昇、輸入物価は同3.7%上昇となった。
消費者物価は、弱含んでいる。2月の消費者物価は、前年同月比0.1%下落(生鮮食品を除く総合同0.6%下落)、3月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.9%下落(生鮮食品を除く総合同1.1%下落)となった。
1 雇用、労働市場の動向
《1》 2月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で2.1%減、有効求職者が同0.4%減となり、有効求人倍率(季調値)は0.64倍と前月より0.01ポイント低下した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.53倍、パートを除く有効求人倍率は0.50倍(うち常用0.49倍)となった。
2月の新規求人は季調済前月比で1.9%減、前年同月比で13.1%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比14.8%増、パートを除く新規求人は同12.3%増となった。新規求人を産業別にみると、運輸・通信業(前年同月比21.9%増)、サービス業(同21.2%増)、卸売・小売業,飲食店(同11.0%増)、製造業(同9.3%増)、建設業(同2.2%増)となっている。一方、2月の新規求職者は季調済前月比で1.1%増、前年同月比1.3%減となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比1.7%減、パートを除く新規求職者は同1.2%減となった。また、常用新規求職者は前年同月比1.3%減となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同1.7%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同3.2%減となった。以上の結果、2月の新規求人倍率(季調値)は1.08倍(前月1.11倍)となった。
- 求人・求職の状況表
《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、2月は前年同月比1.4%増(前年同月差72万人増、うち常雇27万人増)と10か月連続で増加した。男女別には、男性は前年同月差13万人増、女性は59万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差93万人増、製造業で同21万人増、建設業で同11万人減、運輸・通信業で同13万人減、卸売・小売業,飲食店で同15万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、2月は産業計で前年同月比0.1%減、製造業で同1.0%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.0%減、パートタイム労働者は同3.8%増となった。
2月の完全失業率(季調値)は4.7%となり、前月より0.2%ポイント低下となった。男女別にみると、男性は4.8%(前月差0.1%ポイント低下)、女性は4.5%(前月差0.3%ポイント低下)となった。
完全失業者数(原数値)は318万人で、前年同月差9万人減となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は95万人(前年同月差20万人減)、自発的理由による離職者は113万人(同3万人減)、他方、その他の理由による失業者は83万人(同9万人増)となった。また、世帯主の失業者は87万人(同10万人減)となった。
2月の男性の労働力率は75.2%(前年同月差0.5%ポイント低下)、女性の労働力率は48.6%(同0.7%ポイント上昇)となった。
- 雇用・失業の状況表
《3》 日本銀行「企業短期経済観測調査」(3月調査)によれば、全国企業(全産業)の雇用人員判断D.I.(「過剰」―「不足」)はプラス11%ポイント(12月調査プラス9%ポイント)と前回と比べ2%ポイント上昇した。内訳をみると、大企業はプラス19%ポイント(同プラス20%ポイント)、中堅企業はプラス9%ポイント(同プラス6%ポイント)、中小企業はプラス10%ポイント(同プラス9%ポイント)となり、大企業で低下した一方、中堅企業、中小企業でともに上昇した。産業別にみると、製造業はプラス18%ポイント(12月調査プラス15%ポイント)と前回と比べ3%ポイント上昇し、非製造業はプラス5%ポイント(同プラス5%ポイント)と横ばいとなった。
- 雇用人員判断DIグラフ
2 賃金・労働時間・労働災害の動向
《1》 2月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は284,272円で、前年同月比0.2%減となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.3%減となったほか、所定外給与は同1.8%増、特別給与は同17.4%減となり、実質賃金は同0.2%減となった。
- 賃金グラフ
《2》 2月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は151.5時間で、前年同月比1.0%減となった。内訳をみると、所定内労働時間は141.8時間で前年同月比1.1%減、所定外労働時間は9.7時間で同1.0%増となった。なお、月間出勤日数は19.6日と前年同月差0.3日減となった。
2月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は13.9時間で、前年同月比2.9%増となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比3.6%増、100〜499人規模で同6.2%増、30〜99人規模で同1.5%増、5〜29人規模で同4.2%増となった。
- 労働時間グラフ
《3》 平成13年2月の労働災害による全産業の死亡者数は79人(速報)で、前年同月比32.5%減となっている。
3 勤労者家計・物価の動向
《1》 2月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比2.2%減、実質で同2.1%減となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比3.1%減、臨時収入・賞与が同8.1%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同1.3%減となった。可処分所得は名目で前年同月比2.0%減、実質で同1.9%減となった。
2月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比0.8%増、実質で同0.9%増となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比1.9%増、サ−ビスは同2.5%増となった。
2月の平均消費性向は78.4%と、前年同月差2.1%ポイントの上昇となった。
- 勤労者家計グラフ
《2》 3月の総合卸売物価は、前月比0.6%上昇(前年同月比1.1%上昇)となった。うち国内卸売物価は、石油・石炭製品等が上昇したが、食料用農畜水産物、電気機器、一般機器、鉄鋼等が下落したため、前月比0.1%下落(前年同月比0.5%下落)となった。
一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比2.4%上昇(前年同月比4.9%上昇)、同3.7%上昇(同10.0%上昇)となった。
2月の全国消費者物価は、前年同月比0.1%下落(前月比0.3%下落)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.6%下落(前月比0.2%下落)となった。3月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比0.9%下落 (前月比0.1%下落) となった。
- 物価グラフ
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