トピックス  厚生労働省ホームページ

3月月例労働経済報告

〈概観〉
 
一般経済の概況
 景気の改善に、足踏みがみられる。
  • アメリカ経済の減速から輸出が減少し、それに伴い、生産がこのところ弱含んでいる。
  • 失業率はこれまでの最高水準で推移し、個人消費はおおむね横ばいの状態が続いている。
  • 企業収益や設備投資は増加しており、自律的回復に向けた動きは続いている。
 先行きについては、アメリカ経済の減速や設備投資に鈍化の兆しなど、懸念すべき点がみられる。
労働経済の概況
 労働経済面をみると、雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率がこれまでの最高水準で推移し、求人の増加傾向にも足踏みがみられる。
(1) 平成12年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)成長率は、季調済前期比0.8%増(年率3.2%増)となった。内外需別にみると、国内需要の寄与度はプラス1.1%、財貨・サービスの純輸出の寄与度はマイナス0.3%となった。

国内総生産のグラフ

(2) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、このところ弱含みとなっている。生産は、季調済前月比で12月1.8%増の後、1月(速報)は同3.9%減(前年同月比2.2%増)となった。業種別にみると、石油・石炭、化学が上昇したが、輸送機械、電気機械、一般機械等が低下した。出荷は、季調済前月比3.8%減(前年同月比1.7%増)となった。在庫は、季調済前月比0.6%増(前年同月比2.0%増)となった。在庫率は、季調済前月比2.6%増(前年同月比3.3%増)となった。製造工業の生産予測指数は、2月季調済前月比2.7%増の後、3月は同1.4%減を予測している。
 企業収益は、引き続き大幅に増加している。また、企業の業況判断は、改善に足踏みがみられる。財務省「法人企業統計季報」によると、全産業の売上高は平成12年7〜9月期前年同期比3.2%増の後、平成12年10〜12月期同4.2%増(うち製造業同3.1%増、非製造業同4.6%増)となり、経常利益は平成12年7〜9月前年同期比24.4%増の後、平成12年10〜12月期同31.9%増(うち製造業37.1%増、非製造業27.8%増)となっている。

生産・出荷・在庫の推移のグラフ

(3) 設備投資は、製造業、非製造業ともに増加している。当面は堅調に推移すると見込まれるものの、先行きについては鈍化の兆しがみられる。前出の「法人企業統計季報」によると、全産業の設備投資は、平成12年7〜9月期前年同期比0.2%増の後、平成12年10〜12月期同7.1%増(うち製造業同10.4%増、非製造業同5.7%増)となっている。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で12月3.8%増の後、1月は同11.8%減(前年同月比0.8%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社民間発注分、非住宅)は、1月は前年同月比で31.5%減となった。
 住宅建設は、おおむね横ばいとなっている。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、12月1.0%増(前年同月比10.6%増)の後、1月は同4.6%減(同11.1%減)の10万戸(年率120万戸)となった。
 公共投資は、総じて低調に推移しているが、工事の受注にはこのところ前年を上回る動きがみられる。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で12月は2.2%減の後、1月は同9.8%増となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で12月19.5%増の後、1月は同2.7%減となった。

設備投資の表
新設住宅着工戸数の推移のグラフ

(4) 個人消費は、おおむね横ばいの状態が続いている。1月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で0.5%減、実質で0.5%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、71.7%となった。1月の小売業販売額(速報)は前年同月比1.2%増、大型小売店販売額(速報、既存店)は同2.4%減となった。2月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比0.2%減となった。

個人消費のグラフ

(5) 輸出は、減少している。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で12月2.2%減の後、1月は同5.9%減となった。
 輸入は、緩やかに増加している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で12月2.2%増の後、1月は同1.3%減となった。
(6) 雇用情勢は、依然として厳しい。完全失業率がこれまでの最高水準で推移し、求人の増加傾向にも足踏みがみられる。1月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比1.8%減(前月同1.7%増)と20か月ぶりに減少し、有効求職者が同保合い(前月同保合い)となり、0.65倍と前月より0.01ポイント低下した。1月の雇用者数は前年同月比0.9%増(前年同月差50万人増)となった。1月の完全失業率(季調値)は、4.9%と前月と同水準となった。完全失業者数(原数値)は317万人で前年同月差8万人増となった。

雇用・労働市場のグラフ

(7) 賃金、労働時間の動向をみると、1月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は前年同月比1.2%増となり、実質賃金は同1.2%増となった。また、定期給与は前年同月比0.1%増となった。特別給与は前年同月比12.9%増となった。
 1月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は、前年同月比0.3%増となり、そのうち所定内労働時間は同0.2%増となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は、前年同月比4.2%増となった。
(8) 国内卸売物価は、弱含んでいる。2 月の総合卸売物価は前月比0.3%下落(前年同月比0.1%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比保合い 、輸出物価は同0.9%下落、輸入物価は同1.8%下落となった。
 消費者物価は、弱含んでいる。1月の消費者物価は、前年同月比0.1%上昇(生鮮食品を除く総合同0.5%下落)、2月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.5%下落(生鮮食品を除く総合同1.1%下落)となった。

1 雇用、労働市場の動向
《1》 1月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で1.8%減、有効求職者が同保合いとなり、有効求人倍率(季調値)は0.65倍と前月より0.01ポイント低下した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.55倍、パートを除く有効求人倍率は0.51倍(うち常用0.50倍)となった。
 1月の新規求人は季調済前月比で5.2%減、前年同月比で16.7%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比18.3%増、パートを除く新規求人は同16.0%増となった。新規求人を産業別にみると、運輸・通信業(前年同月比23.3%増)、サービス業(同22.2%増)、製造業(同17.0%増)、卸売・小売業,飲食店(同17.0%増)、建設業(同2.8%増)となっている。一方、1月の新規求職者は季調済前月比で2.0%減、前年同月比2.3%減となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比1.7%減、パートを除く新規求職者は同2.3%減となった。また、常用新規求職者は前年同月比0.6%減となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同2.9%増、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同3.1%減となった。以上の結果、1月の新規求人倍率(季調値)は1.11倍(前月1.15倍)となった。

有効求人倍率等の表

《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、1月は前年同月比0.9%増(前年同月差50万人増、うち常雇2万人増)と9か月連続で増加した。男女別には、男性は前年同月差7万人減、女性は58万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差67万人増、卸売・小売業,飲食店で同21万人増、製造業で同1万人減、建設業で同17万人減、運輸・通信業で同23万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、速報)の動きをみると、1月は産業計で前年同月比0.1%減、製造業で同1.0%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比1.2%減、パートタイム労働者は同4.1%増となった。
 1月の完全失業率(季調値)は4.9%となり、前月と同水準となった。男女別にみると、男性は4.9%(前月差0.1%ポイント低下)、女性は4.8%(前月差0.2%ポイント上昇)となった。
 完全失業者数(原数値)は317万人で、前年同月差8万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は99万人(前年同月差2万人減)、自発的理由による離職者は113万人(同4万人減)、他方、その他の理由による失業者は83万人(同14万人増)となった。また、世帯主の失業者は90万人(同5万人減)となった。
 1月の男性の労働力率は75.3%(前年同月差0.6%ポイント低下)、女性の労働力率は48.5%(同0.4%ポイント上昇)となった。

雇用者数の表

《3》 労働省「労働経済動向調査」(2月調査)により、10〜12月期の雇用調整実施事業所割合を見ると、調査産業計では21%(前期差1%ポイント上昇)、金融・保険業及び不動産業を除く5産業計では22%(前期差1%ポイント上昇)と7期ぶりに上昇となった。産業別には、建設業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業、不動産業では前期差低下、製造業、運輸・通信業、サービス業で同上昇となった。なお、1〜3月期の雇用調整実施予定事業所割合は、産業計で24%、5産業計で24%と見込まれている。2月現在の常用労働者過不足判断D.I.(「不足」―「過剰」)をみると、調査産業計でマイナス4ポイント(前期差2ポイント低下で5期ぶりの低下)、5産業計ではマイナス4ポイント(前期差1ポイント低下で7期ぶりの低下)となった。また、産業別に常用労働者過不足判断D.I.をみると、建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、金融・保険業で低下し、不動産業では上昇した。

産業別雇用調整実施事業所割合の推移グラフ


2 賃金・労働時間・労働災害の動向
《1》 1月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、速報、以下同じ)は308,907円で、前年同月比1.2%増となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比保合いとなったほか、所定外給与は同2.4%増、特別給与は同12.9%増となり、実質賃金は同1.2%増となった。

賃金の推移のグラフ

《2》 1月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、速報)は141.7時間で、前年同月比0.3%増となった。内訳をみると、所定内労働時間は132.3時間で前年同月比0.2%増、所定外労働時間は9.4時間で同2.2%増となった。なお、月間出勤日数は18.3日と前年同月差保合いとなった。
 1月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、速報)は12.4時間で、前年同月比4.2%増となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比5.3%増、100〜499人規模で同8.3%増、30〜99人規模で同1.7%増、5〜29人規模で同3.9%増となった。

労働時間の推移のグラフ

《3》 平成12年12月の労働災害による全産業の死亡者数は163人(速報)で、前年同月比9.9%減となっている。

3 勤労者家計・物価の動向
《1》 1月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比1.4%減、実質で同1.4%減となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比2.3%減、臨時収入・賞与が同67.7%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同4.3%減となった。可処分所得は名目で前年同月比1.2%減、実質で同1.2%減となった。
 1月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比保合い、実質で同保合いとなった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比1.7%増、サ−ビスは同1.2%増となった。
 1月の平均消費性向は87.9%と、前年同月差1.1%ポイントの上昇となった。

消費支出等の推移のグラフ

《2》 2月の総合卸売物価は、前月比0.3%下落(前年同月比0.1%上昇)となった。うち国内卸売物価は、食料用農畜水産物、石油・石炭製品等が上昇したが、電気機器、鉄鋼等が下落したため、前月比保合い(前年同月比0.4%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比0.9%下落(前年同月比0.2%上昇)、同1.8%下落(同4.4%上昇)となった。

 1月の全国消費者物価は、前年同月比0.1%上昇(前月比保合い)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.5%下落(前月比0.5%下落)となった。2月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比0.5%下落 (前月比0.4%下落) となった。

物価の推移のグラフ

3月の主要変更点(概観部分)

 トップへ
 トピックス  厚生労働省ホームページ