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1月月例労働経済報告

〈概観〉
一般経済の概況
 景気は、家計部門の改善が遅れるなど、厳しい状況をなお脱していないが、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが継続し、全体としては、緩やかな改善が続いている。
 需要面をみると、個人消費は、収入がやや回復してきたものの、おおむね横ばいの状態が続いている。住宅建設は、持家及び貸家の着工が増加したため、直近ではやや水準を戻している。設備投資は、製造業を中心に増加している。公共投資は、総じて低調に推移しているが、工事の受注にはこのところ前年を上回る動きがみられる。輸出は、おおむね横ばいとなっている。
 生産は、増加のテンポが緩やかになっている。
 雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きが続いている。
 企業収益は、大幅な改善が続いている。また、企業の業況判断は、全体としては改善のテンポが緩やかになってきており、先行きに慎重な見方もみられる。一方、倒産件数は、やや高い水準となっており、負債金額の増加がみられる。

労働経済の概況
 労働経済面をみると、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きが続いている。
(1) 鉱工業生産・出荷・在庫の動きをみると、生産は、増加のテンポが緩やかになっている。生産は、季調済前月比で10月1.5%増の後、11月(速報)は同0.8%減(前年同月比3.2%増)となった。業種別にみると、一般機械、輸送機械、鉄鋼等が上昇したが、電気機械、その他、金属製品等が低下した。出荷は、季調済前月比0.3%減(前年同月比2.6%増)となった。在庫は、季調済前月比0.7%減(前年同月比1.2%増)となった。在庫率は、季調済前月比1.8%減(前年同月比1.1%増)となった。製造工業の生産予測指数は、12月季調済前月比2.0%増の後、1月は同1.5%増を予測している。

 生産・出荷・在庫の推移のグラフ

 企業収益は、大幅な改善が続いている。また、企業の業況判断は、全体としては改善のテンポが緩やかになってきており、先行きに慎重な見方もみられる。
(2) 設備投資は、製造業を中心に増加している。先行指標である機械受注(船舶・電力を除く民需)の動きをみると、季調済前月比で10月8.3%増の後、11月は同2.9%減(前年同月比22.0%増)となっている。建設工事受注額(主要建設会社50社(民間発注分、非住宅)は、11月は前年同月比で5.9%減となった。
 住宅建設は、持家及び貸家の着工が増加したため、直近ではやや水準を戻している。新設住宅着工戸数は、季調済前月比で、10月4.6%減(前年同月比1.5%増)の後、11月は同5.4%増(同2.2%増)の10万2千戸(年率123万戸)となった。

 新設住宅着工戸数の推移のグラフ

 公共投資は、総じて低調に推移しているが、工事の受注にはこのところ前年を上回る動きがみられる。公共機関からの建設工事受注額は、前年同月比で10月は2.3%減の後、11月は同18.1%増となった。また、大手50社の受注額は、前年同月比で10月27.5%増の後、11月は同1.0%増となった。

 公共工事の推移のグラフ

(3) 個人消費は、収入がやや回復してきたものの、おおむね横ばいの状態が続いている。11月の全世帯の消費支出(速報)は前年同月比で名目で2.0%減、実質で1.3%減となり、平均消費性向(勤労者世帯、季調値)は、69.3%となった。11月の小売業販売額(速報)は前年同月比0.7%減、大型小売店販売額(速報、既存店)は同4.1%減となった。12月の乗用車(軽を含む)の新車登録台数(速報)は、前年同月比3.2%増となった。

 個人消費の推移のグラフ

(4) 輸出は、おおむね横ばいとなっている。通関輸出(数量ベース、季調値)は、前月比で10月4.3%減の後、11月は同4.0%増となった。
 輸入は、緩やかに増加している。通関輸入(数量ベース、季調値)は、前月比で10月3.8%増の後、11月は同1.4%増となった。
(5) 雇用情勢は、完全失業率が高水準で推移するなど、依然として厳しいものの、残業時間や求人が増加傾向にあるなど改善の動きが続いている。11月の有効求人倍率(季調値)は、有効求人が季調済前月比0.8%増(前月同3.2%増)と18か月連続して増加し、有効求職者が同1.0%減(前月同0.5%増)となり、0.65倍と前月より0.01ポイント上昇した。11月の雇用者数は前年同月比1.3%増(前年同月差72万人増)となった。11月の完全失業率(季調値)は、4.8%と前月より0.1%ポイント上昇した。完全失業者数(原数値)は309万人で前年同月差14万人増となった。

 完全失業率等の推移のグラフ

(6) 賃金、労働時間の動向をみると、11月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、確報、以下同じ)は前年同月比0.7%増となり、実質賃金は同1.5%増となった。また、定期給与は前年同月比0.9%増となった。特別給与は前年同月比1.7%減となった。
 11月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、確報)は、前年同月比0.1%増となり、そのうち所定内労働時間は同0.2%減となった。また、製造業の所定外労働時間(規模5人以上、確報)は、前年同月比10.5%増となった。
(7) 国内卸売物価は、おおむね横ばいで推移している。12月の総合卸売物価は前月比0.6%上昇(前年同月比1.1%上昇)となった。そのうち国内卸売物価は前月比0.1%上昇、輸出物価は同2.1%上昇、輸入物価は同3.0%上昇となった。
 消費者物価は、やや弱含んでいる。11月の消費者物価は、前年同月比0.5%下落(生鮮食品を除く総合同0.5%下落)、12月について東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落(生鮮食品除く総合同1.0%下落)となった。

1 雇用、労働市場の動向
《1》 11月の労働市場をみると、有効求人が季調済前月比で0.8%増、有効求職者が同1.0%減となり、有効求人倍率(季調値)は0.65倍と前月より0.01ポイント上昇した。内訳をみると、パートの有効求人倍率は1.56倍、パートを除く有効求人倍率は0.51倍(うち常用0.49倍)となった。
 11月の新規求人は季調済前月比で1.1%増、前年同月比で25.7%増となり、うち、パートの新規求人は前年同月比29.6%増、パートを除く新規求人は同23.8%増となった。新規求人を産業別にみると、サービス業(前年同月比37.3%増)、運輸・通信業(同27.5%増)、製造業(同26.5%増)、卸売・小売業,飲食店(同20.9%増)、建設業(同8.2%増)となっている。一方、11月の新規求職者は季調済前月比で2.5%減、前年同月比2.5%減となり、うち、パートの新規求職者は前年同月比5.8%減、パートを除く新規求職者は同1.9%減となった。また、常用新規求職者は前年同月比2.5%減となり、うち、離職求職者(雇用保険受給資格決定件数)は同0.7%減、離職者以外の常用新規求職者(雇用保険受給資格決定以外の常用新規求職者)は同3.6%減となった。以上の結果、11月の新規求人倍率(季調値)は1.15倍(前月1.11倍)となった。

 有効求人倍率等の表

《2》 雇用者の動きを「労働力調査」でみると、11月は前年同月比1.3%増(前年同月差72万人増、うち常雇26万人増)と7か月連続で増加した。男女別には、男性は前年同月差21万人増、女性は52万人増となった。産業別にみるとサービス業で前年同月差55万人増、卸売・小売業,飲食店で同35万人増、運輸・通信業で同10万人増、建設業で同2万人減、製造業で同15万人減となった。また、「毎月勤労統計調査」で常用雇用(規模5人以上、確報)の動きをみると、11月は産業計で前年同月比保合い、製造業で同1.1%減となった。就業形態別にみると、一般労働者は前年同月比0.9%減、パートタイム労働者は同3.8%増となった。
11月の完全失業率(季調値)は4.8%となり、前月より0.1%ポイント上昇した。男女別にみると、男性は5.0%(前月差0.1%ポイント上昇)、女性は4.5%(前月差0.2%ポイント上昇)となった。
完全失業者数(原数値)は309万人で、前年同月差14万人増となった。離職理由別には、非自発的理由による離職者は94万人(前年同月差4万人増)、自発的理由による離職者は106万人(同5万人減)となった。また、世帯主の失業者は83万人(同4万人減)となった。
11月の男性の労働力率は76.7%(前年同月差0.1%ポイント低下)、女性の労働力率は49.5%(同0.1%ポイント上昇)となった。

 雇用者数等の表

《3》 日本銀行「企業短期経済観測調査」(12月調査)によれば、全国企業(全産業)の雇用人員判断D.I.(「過剰」―「不足」)はプラス9%ポイント(9月調査プラス11%ポイント)と前回と比べ2%ポイント低下した。内訳をみると、大企業はプラス20%ポイント(同プラス21%ポイント)、中堅企業はプラス6%ポイント(同プラス8%ポイント)、中小企業はプラス9%ポイント(同プラス11%ポイント)となり、大企業、中堅企業、中小企業ともに低下した。産業別にみると、製造業はプラス15%ポイント(9月調査プラス16%ポイント)と前回と比べ1%ポイント低下し、非製造業はプラス5%ポイント(同プラス9%ポイント)と前回に比べ4%ポイント低下した。

 雇用人員判断D.I.の推移のグラフ


2 賃金・労働時間・労働災害の動向
《1》 11月の現金給与総額(産業計、規模5人以上、確報、以下同じ)は299,197円で、前年同月比0.7%増となった。内訳をみると、所定内給与が前年同月比0.6%増となったほか、所定外給与は同4.4%増、特別給与は同1.7%減となり、実質賃金は同1.5%増となった。

 賃金の推移のグラフ

《2》 11月の総実労働時間(産業計、規模5人以上、確報)は157.5時間で、前年同月比0.1%増となった。内訳をみると、所定内労働時間は147.2時間で前年同月比0.2%減、所定外労働時間は10.3時間で同3.0%増となった。なお、月間出勤日数は20.4日と前年同月差保合いとなった。
 11月の製造業の所定外労働時間(規模5人以上、確報)は14.8時間で、前年同月比10.5%増となった。規模別にみると、500人以上規模で前年同月比11.8%増、100〜499人規模で同13.7%増、30〜99人規模で同12.8%増、5〜29人規模で同保合いとなった。

 労働時間の推移のグラフ

《3》 平成12年11月の労働災害による全産業の死亡者数は117人(速報)で、前年同月比17.0%減となっている。

3 勤労者家計・物価の動向
《1》 11月の勤労者世帯の実収入(速報)は、名目で前年同月比0.1%減、実質で同0.6%増となった。内訳をみると世帯主の定期収入が名目で前年同月比0.2%減、臨時収入・賞与が同7.6%増、世帯主の配偶者の収入(うち女)が同6.2%減となった。可処分所得は名目で前年同月比0.6%増、実質で同1.3%増となった。
 11月の勤労者世帯の消費支出(速報)は、名目で前年同月比3.0%減、実質で同2.3%減となった。消費支出を財(商品)・サ−ビス別にみると、財(商品)は実質で前年同月比0.3%減、サ−ビスは同2.5%減となった。
 11月の平均消費性向は82.2%と、前年同月差3.0%ポイントの低下となった。

 消費支出等の推移のグラフ

《2》 12月の総合卸売物価は、前月比0.6%上昇(前年同月比1.1%上昇)となった。うち国内卸売物価は、電気機器等が下落したが、食料用農畜水産物、石油・石炭製品、非鉄金属等が上昇したことから、前月比0.1%上昇(前年同月比0.1%下落)となった。
 一方、輸出物価、輸入物価は、それぞれ前月比2.1%上昇(前年同月比1.7%上昇)、同3.0%上昇(同11.9%上昇)となった。
 11月の全国消費者物価は、前年同月比0.5%下落(前月比0.2%下落)となった。生鮮食品を除く総合は前年同月比0.5%下落(前月比保合い)となった。12月の消費者物価を東京都区部速報値でみると、前年同月比0.6%下落 (前月比保合い) となった。

 物価の推移のグラフ

1月の主要変更点(概観部分)

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