厚生労働省大臣官房統計情報部 担当係:雇用統計課労働経済第一係
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厚生労働省発表
平成19年9月

労働経済動向調査(平成19年8月)結果の概況

I 調査の概要

この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、年4回実施(通信調査方式)しているもので、本概況は平成19年8月に実施した調査の結果である。調査対象は、日本標準産業分類の建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、飲食店,宿泊業及びサービス業(他に分類されないもの)に属する事業所規模30人以上の全国の民営事業所5,669事業所である。(回答事業所数3,237、回答率57.1%)

II 結果の要旨

1 生産・売上額等、所定外労働時間、雇用
(1) 生産・売上額等《サービス業の実績でプラスに転じた》

生産・売上判断D.I.(平成19年4〜6月期実績)は、製造業で7ポイント、卸売・小売業で5ポイントとなり、サービス業では7ポイントとプラスに転じた。先行きは、19年7〜9月期実績見込は製造業は4ポイント、卸売・小売業、サービス業とも0ポイントとなった。 19年10〜12月期見込では、三産業ともプラスとなっている。(表1、第1図

(2) 所定外労働時間《卸売・小売業の実績でプラス幅拡大》

所定外労働時間判断D.I.(19年4〜6月期実績)は、製造業は2ポイントで前期と同水準、卸売・小売業では9ポイントとプラス幅が拡大し、サービス業では1ポイントとプラスに転じた。先行きは、19年7〜9月期実績見込は、製造業でマイナス2ポイント、卸売・小売業、サービス業でともに0ポイント、19年10〜12月期見込は製造業で7ポイント、卸売・小売業、サービス業でともにマイナスとなっている。(表2、第2図

(3) 常用雇用《製造業の実績でプラス幅拡大》

常用雇用判断D.I.(19年4〜6月期実績)は、製造業は9ポイントとプラス幅が拡大し、卸売・小売業では1ポイントとプラスに転じ、サービス業では4ポイントで前期と同水準となった。先行きは、19年7〜9月期実績見込で製造業、サービス業でプラスが続き、卸売・小売業で3ポイントとマイナスからプラスに転じた。19年10〜12月期見込は三産業ともプラスとなっている。(表3、第3図

(4) パートタイム雇用《サービス業の実績でプラスに転じた》

パートタイム雇用判断D.I.(19年4〜6月期実績)は、製造業で0ポイント、卸売・小売業でマイナス2ポイントとマイナスが続き、サービス業で4ポイントとなった。先行きは、19年7〜9月期実績見込で、製造業、サービス業でプラス、卸売・小売業ではマイナスからプラスに転じ、3ポイントとなった。19年10〜12月期見込は三産業ともプラスとなっている。(表4、第4図

付属統計表 第1表

2 労働者の過不足状況
(1) 常用労働者《不足感続く》

8月1日現在の常用労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で27ポイントとなっており、依然として不足超過幅が大きい。

産業別にみると、サービス業で不足超過幅が前期より拡大しているが、運輸業、飲食店,宿泊業では不足超過幅が前期より縮小している。(表5、第5図

(2) パートタイム労働者《不足感続く》

8月1日現在のパートタイム労働者過不足判断D.I.により、雇用過不足感の動向をみると、調査産業計で24ポイントとなり、超過幅は前期(26ポイント)よりもやや縮小したものの、依然として不足超過幅が大きい。

産業別にみると、不動産業で不足超過幅が前期より拡大しているが、卸売・小売業、飲食店,宿泊業では不足超過幅が前期より縮小している。(表6、第5図

付属統計表 第2-1表第2-2表第3表第6図

3 雇用調整
(1) 実施割合

雇用調整を実施した事業所の割合(19年4〜6月期実績)は、調査産業計で13%と前期(12%)と比べるとやや増加している。(表7、第7図

(2) 実施方法

雇用調整の実施方法は、調査産業計では残業規制(6%)の割合が高く、次いで配置転換(5%)、休日の振替、夏季休暇等の休日・休暇の増加(3%)の順となっている。(表8)

付属統計表 第4表

4 中途採用《増加している》

「中途採用あり」とした事業所割合(19年4〜6月期実績)は、調査産業計で63%と前年同期(18年4〜6月期実績)と比べると増加している。

産業別にみると、運輸業、金融・保険業での増加幅が大きい。(表9、第8図

付属統計表 第5表

5 派遣労働者・業務請負の労働者の増減状況

1年前の7月と比べた現在(19年7月)の派遣労働者及び業務請負の労働者が増加したとする事業所の割合は、調査産業計で17%、ほぼ同じ29%、減少した11%、1年前も今年もいない29%となっている。

これを労働者の種類別にみると、派遣労働者が増加した事業所の割合が調査産業計で18%、ほぼ同じ 27%、減少した11%、1年前も今年もいない31%となっている。

業務請負の労働者が増加した事業所の割合は調査産業計で6%、ほぼ同じ19%、減少した7%、1年前も今年もいない43%となっている。(表10)

付属統計表 第6表第7表

主な用語の説明

〔労働者〕
常     用 ……… …雇用期間を定めないで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。なお、派遣労働者は含まない。
臨時・季節  ……… …1ヵ月以上の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いている者をいい、パートタイムは除く。
パートタイム……… …1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の一般労働者のそれより短い者をいう。
派遣労働者……… …労働者派遣法に基づいて他社(派遣元事業所)から当該事業所に派遣されている者をいう。
業務請負の労働者 …当該事業所とは別経営の事業主に雇用されている労働者で、当該事業所内で就業している者をいい、派遣労働者は除く。なお、出向者は含まない。
〔職 種〕
管     理 …… …課以上の組織の管理に従事する者をいう。
事     務 …… …課長等管理職の指導、監督を受けて事務に従事する者をいう。
専門・技術 …… …高度の専門的知識を応用し、技術的な業務、研究等に従事する者をいう。
販     売 …… …商品、証券などの売買・営業、保険外交などに従事する者をいう。
サー ビ ス …… …調理・接客・給仕など個人に対するサービスの仕事に従事する者をいう。
運輸・通信 …… …鉄道、自動車、通信電話交換などで運転、操作に従事する者及び車掌、電話交換手などをいう。
技 能 工 …… …原材料の加工、各種機械器具の組み立て、修理、印刷、製本、建設作業などに従事する者のうち高度の熟練、判断力、責任を要する作業を行う者をいう。
単 純 工 …… …上記「技能工」と同じ作業に従事しているが、技能などの修得を要しない簡単な作業、単純な筋肉労働に従事する者をいう。

利用上の注意

1  この調査で「サービス業」とは、「サービス業(他に分類されないもの)」を指している。

2  統計表の数値は、表10、付属統計表の第6表、第7表以外は集計事業所数(不明を除く)を100とした割合である。

3  「生産・売上額等判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」及び「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

4  上記判断D.I.の季節調整は、センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる。  

5  「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。

6  統計表に用いている数値は、「0」は単位未満の割合を示し、「−」は調査客体がないものを示す。


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