労働経済動向調査   労働統計一覧

厚生労働省発表
平成14年3月

担当 厚生労働省統計情報部
 雇用統計課長 水谷 豊
 同課長補佐  櫻井 忠房
電話 03(5253)1111 内線 7613、7614
ダイヤルイン 03(3595)3145

  • 雇用調整実施事業所割合は上昇

  • 平成14年新規学卒者の「採用予定あり」事業所割合は前年を下回る


労働経済動向調査(平成14年2月)結果速報


I 調査の概要

 この調査は、生産、販売活動及びそれに伴う雇用、労働時間などの現状と今後の短期的見通しなどを把握するため、全国の建設業、製造業、運輸・通信業、卸売・小売業, 飲食店、金融・保険業、不動産業及びサービス業に属する常用労働者30人以上を雇用する民営事業所5,358事業所を対象として、年4回実施(通信調査方式)しているもので、平成14年2月1日現在の調査結果である。
 (回答事業所数3,297、回答率62%)

(注)  平成11年2月の調査から、調査対象産業を従来の5産業に金融・保険業、不動産業を追加し7産業とした。
 「生産・売上判断D.I.」、「所定外労働時間判断D.I.」、「雇用判断D.I.」とは、前期と比べて増加と回答した事業所の割合から減少と回答した事業所の割合を差し引いた値(センサス局法X-12-ARIMAのなかのX-11デフォルトによる季節調整値)である。また、季節調整値は、毎年5月結果発表時に、過去に遡って改訂する。
 「労働者過不足判断D.I.」とは、不足と回答した事業所の割合から過剰と回答した事業所の割合を差し引いた値である。
 統計表に用いている数値は、「0」は単位未満の比率を示し、「−」は調査客体がないものを示す。
 調査の結果は、厚生労働省のwebページ(http://www.mhlw.go.jp/)に掲載されている。


II 調査結果

【骨子】

1 生産・売上

 生産・売上判断D.I.(平成13年10〜12月期実績)は、製造業でマイナス30ポイント、卸売・小売業,飲食店でマイナス22ポイント、サービス業でマイナス16ポイントとなり、卸売・小売業,飲食店、サービス業でマイナス幅が拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込、14年4〜6月期見込で製造業、卸売・小売業,飲食店及びサービス業の3産業でマイナスとなっている(表1、第1図)。

表1 生産・売上の判断D.I.の図

2 所定外労働時間

 所定外労働時間判断D.I.(13年10〜12月期実績)は、製造業でマイナス23ポイント、卸売・小売業,飲食店でマイナス14ポイント、サービス業でマイナス8ポイントとなり、卸売・小売業,飲食店、サービス業でマイナス幅が拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込、14年4〜6月期見込で3産業ともマイナスとなっている(表2、第2図)。

表2 所定外労働時間判断D.I.の図

3 雇用

 常用雇用判断D.I.(13年10〜12月期実績)は、製造業、卸売・小売業,飲食店及びサービス業の3産業とも前期に引き続きマイナスとなったが、製造業、サービス業でマイナス幅は拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込で製造業、卸売・小売業,飲食店でマイナスとなり、14年4〜6月期見込で3産業ともマイナスとなっている(表3、第3図)。

表3 常用雇用判断D.I.の図

4 労働者の過不足状況

 2月現在の常用労働者過不足判断D.I.により、企業の雇用過剰感の動向をみると、調査産業計ではマイナス15ポイントと前期(マイナス13ポイント)に引き続き過剰感が強まっている。産業別には、建設業及び不動産業で過剰感が強まり、運輸・通信業、金融・保険業では不足感が弱まっている。(表4、第5図)。

表4 労働者の過不足状況判断(常用)の図

5 雇用調整

(1)雇用調整を実施した事業所の割合(13年10〜12月期実績)は29%と前期と比べると、4ポイント上昇した。産業別にみると、金融・保険業、卸売・小売業,飲食店を除き、上昇した。
 今後の雇用調整実施予定事業所割合は、14年1〜3月期は30%、14年4〜6月期28%となっている(表5、第8図)。

表5 雇用調整の時期別実施事業所割合の図

(2)雇用調整の実施方法は調査産業計では、残業規制(15%)の割合が高く、次いで配置転換(9%)、中途採用の削減・停止(7%)となっている(表6、第10図)。

表6 雇用調整の方法別実施事業所割合(13年10〜12月実績)の図

6 中途採用

 「中途採用あり」とした事業所割合(13年10〜12月期実績)は、調査産業計で45%と前年同期(平成12年10〜12月期実績46%)とほぼ同じとなっている(表7)。

表7 中途採用の実績の有無別事業所割合(13年10〜12月実績)の図

7 平成14年新規学卒者の採用予定状況

 平成14年新規学卒者の「採用予定あり」の事業所割合を前年と比べると調査産業計では、すべての学卒区分で前年を下回っている。また、産業別では、運輸・通信業の大学卒(文科系・理科系)及びサービス業の高校卒以外のすべての学卒区分で「採用予定あり」の事業所割合で前年を下回っている。
 平成元年以来の推移を調査産業計でみると「採用予定あり」の事業所割合は過去最低となっている(表8、第11図)。

表8 平成14年新規学卒者の採用閧り事業所割合の図



1 生産・売上、所定外労働時間、雇用

(1) 生産・売上

 製造業の生産判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス30ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス18ポイント、14年4〜6月期見込マイナス10ポイントとなっている(第1図第1表)。
 卸売・小売業,飲食店の売上判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス22ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス14ポイント、14年4〜6月期見込マイナス10ポイントとなっている(第1図第1表)。
 サービス業の売上判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス16ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込、14年4〜6月期見込とも各マイナス16ポイントとなっている(第1図第1表)。
 製造業について業種別にみると、13年10〜12月期実績は消費関連業種でマイナス16ポイント、素材関連業種でマイナス42ポイント、機械関連業種でマイナス34ポイントとなった。先行きは、消費関連業種で14年1〜3月期実績見込マイナス12ポイント、14年4〜6月期見込マイナス7ポイント、素材関連業種で14年1〜3月期実績見込マイナス21ポイント、14年4〜6月期見込マイナス9ポイント、機械関連業種で14年1〜3月期実績見込マイナス17ポイント、14年4〜6月期見込マイナス16ポイントとなっている(第1表)。

(2) 所定外労働時間

 製造業の所定外労働時間判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス23ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、14年1〜3月期実績見込、14年4〜6月期見込とも各マイナス15ポイントとなっている(第2図第1表)。
 卸売・小売業,飲食店の所定外労働時間判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス14ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス8ポイント、14年4〜6月期見込マイナス12ポイントとなっている(第2図第1表)。
 サービス業の所定外労働時間判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス8ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込、14年4〜6月期見込とも各マイナス8ポイントとなっている(第2図第1表)。

(3) 雇用

(1) 常用雇用

 イ  製造業の常用雇用判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス28ポイントとマイナス幅が拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス21ポイント、14年4〜6月期見込マイナス27ポイントとなっている(第3図第1表)。
 ロ  卸売・小売業,飲食店の常用雇用判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス14ポイントと前期に引き続きマイナスとなった。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス10ポイント、14年4〜6月期見込マイナス27ポイントとなっている(第3図第1表)。
 ハ  サービス業の常用雇用判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス8ポイントとマイナス幅は拡大した。先行きは、14年1〜3月期実績見込0ポイント、14年4〜6月期見込マイナス13ポイントとなっている(第3図第1表)。

(2) パートタイム雇用

 イ  製造業のパートタイム雇用判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス12ポイントとなっている。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス9ポイント、14年4〜6月期見込マイナス8ポイントとなっている(第4図第1表)。
 ロ  卸売・小売業,飲食店のパートタイム雇用判断D.I.は、13年10〜12月期実績マイナス8ポイントとなっている。先行きは、14年1〜3月期実績見込マイナス6ポイント、14年4〜6月期見込マイナス8ポイントとなっている(第4図第1表)。
 ハ  サービス業のパートタイム雇用判断D.I.は、13年10〜12月期実績0ポイントとなっている。先行きは、14年1〜3月期実績見込0ポイント、14年4〜6月期見込マイナス4ポイントとなっている(第4図第1表)。

2 労働者の過不足状況

(1) 過不足

 14年2月現在の労働者の過不足状況は、「常用労働者」を「不足」とする事業所割合は、調査産業計では13%、建設業12%、製造業9%、運輸・通信業23%、卸売・小売業,飲食店11%、金融・保険業22%、不動産業14%、サービス業19%となっている。一方、「過剰」とする事業所割合は調査産業計では28%、建設業36%、製造業38%、運輸・通信業21%、卸売・小売業,飲食店22%、金融・保険業7%、不動産業16%、サービス業16%となっている(第5図第2−1表)。
 この結果、常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではマイナス15ポイント、建設業マイナス24ポイント、製造業マイナス29ポイント、運輸・通信業プラス2ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス11ポイント、金融・保険業プラス15ポイント、不動産業マイナス2ポイント、サービス業プラス3ポイントとなっている。これを前期と比べると調査産業計では2ポイントの低下となっている。産業別には製造業で2ポイント上昇となり、建設業、運輸・通信業及び金融・保険業で各6ポイント、不動産業で5ポイント、サービス業で2ポイントとそれぞれ低下となり建設業、卸売・小売業,飲食店、不動産業で過剰感が強まり、運輸・通信業及び金融・保険業で不足感が弱まっている(第5図第2−1表)。
 パートタイム労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではプラス3ポイント、建設業マイナス4ポイント、製造業マイナス7ポイント、運輸・通信業プラス2ポイント、卸売・小売業,飲食店プラス13ポイント、金融・保険業プラス15ポイント、不動産業プラス1ポイント、サービス業プラス12ポイントとなっている(第2−1表)。
 製造業について企業規模別にみると、規模1、000人以上事業所でマイナス39ポイント、規模300〜999人事業所でマイナス32ポイント、規模100〜299人事業所でマイナス24ポイント、規模30〜99人事業所でマイナス17ポイントとなっている(第6図)。
 職種別の労働者過不足判断D.I.は、調査産業計では、「専門・技術」プラス10ポイント、「販売」プラス8ポイント、「サービス」プラス7ポイントと、これらの職種では不足とする事業所割合が過剰とする事業所割合を上回っているのに対して、「管理」マイナス19ポイント、「事務」マイナス14ポイント、「技能工」マイナス10ポイント、「単純工」マイナス21ポイントと、これらの職種では過剰とする事業所割合が不足とする事業所割合を上回っている(第7図第2−2表)。

(2) 過不足の程度

 14年2月現在において常用労働者が「不足」と回答した事業所の不足の程度は、調査産業計では 、「やや不足」とする事業所の割合が全事業所の12%、「おおいに不足」が1%となっている。一方、常用労働者が「過剰」と回答した事業所の過剰の程度は、調査産業計では、「やや過剰」が24%、「おおいに過剰」が4%となっている。また、適当とする事業所の割合は59%となっている(第3表)。


3 雇用調整

 13年10〜12月期に何らかの雇用調整を実施した事業所の割合は、調査産業計では29%、建設業27%、製造業43%、運輸・通信業25%、卸売・小売業,飲食店20%、金融・保険業9%、不動産業19%、サービス業16%となった。前期と比べると卸売・小売業,飲食店及び金融・保険業を除くすべての産業で上昇した。調査産業計では、4ポイントの上昇となった(第8図第4表)。
 製造業について企業規模別にみると、規模1,000人以上事業所で55%、規模300〜999人事業所で42%、規模100〜299人事業所で40%、規模30〜99人事業所で27%となった(第9図)。
 雇用調整の実施予定事業所割合は、調査産業計では、14年1〜3月期予定は30%と13年10〜12月期実績と比べ1ポイント上昇となり、14年4〜6月期予定は28%となっている。また、産業別には、14年1〜3月期予定は13年10〜12月期実績と比べ金融・保険業で2ポイント、運輸・通信業で1ポイント低下し、建設業、製造業で横ばい、サービス業で4ポイント、卸売・小売業,飲食店で2ポイント、不動産業で1ポイントの上昇となっている(第4表)。
 13年10〜12月期実績における雇用調整の実施方法(複数回答)は、調査産業計では、残業規制(15%)の割合が高く、次いで配置転換(9%)、中途採用の削減・停止(7%)となっている(第10図第4表)。


4 中途採用

 中途採用「あり」とする事業所の割合は、13年10〜12月期実績では、調査産業計45%と前年同期(平成12年10〜12月期実績)と比べると1ポイントの低下となっている。産業別には、建設業32%、製造業37%、運輸・通信業51%、卸売・小売業,飲食店52%、金融・保険業48%、不動産業50%、サービス業63%となった。
 産業別に前年同期で比べると、製造業5ポイント、不動産業2ポイント低下、建設業2ポイント、運輸・通信業、金融・保険業各3ポイント、サービス業7ポイントの上昇となっている。
 今後中途採用を予定する事業所割合は、14年1〜3月期予定では、調査産業計37%、建設業27%、製造業28%、運輸・通信業40%、卸売・小売業,飲食店43%、金融・保険業48%、不動産業44%、サービス業52%となっている。14年4〜6月期予定では、調査産業計26%、建設業16%、製造業17%、運輸・通信業33%、卸売・小売業,飲食店34%、金融・保険業36%、不動産業30%、サービス業40%となっている(第5表)。


5 平成14年新規学卒者の採用予定状況

 平成14年新規学卒者の「採用予定あり」の事業所割合を調査産業計で学卒区分別にみると、「高校卒」29%、「高専・短大卒」20%、「大学卒(文科系)」29%、「大学卒(理科系)」31%、「専修学校卒」13%となった。前年同期と比べると、調査産業計ではすべての学卒区分で前年を下回っている。産業別では運輸・通信業の「大学卒(文科系)」及びサービス業の「高校卒」以外の産業ですべての学卒区分で「採用予定あり」の事業所割合が前年を下回っている。
 また、平成元年以来の推移を調査産業計でみると「採用予定あり」の事業所割合は過去最低となっている。特に、高校卒の採用予定事業所は平成3年をピークとして83%から29%に、高専・短大卒で72%が20%に、大学卒(文科系)で平成4年をピークとして63%から29%に低下し、大学卒(理科系)で3年をピークとして62%から31%に、専修学校卒で4年をピークとして54%が13%に低下している(第11図第6表)。
 「採用予定あり」の事業所について14年新規学卒採用内定者数と13年採用者数を比べると、調査産業計においては、高校卒、大学卒(文科系)で「110%以上(増加)」の事業所割合が「90%未満(減少)」事業所割合を上回り、高専・短大卒、大学卒(理科系)及び専修学校卒では下回っている。
 採用予定者に対する採用内定者の割合は、調査産業計でみると、「100%以上」とする事業所割合が学卒区分も6割台から4割台となっている(第6表)。


主な用語の説明

〔労働者〕
 常用 …… 雇用期間を定めないで雇用されている者をいい、パートタイムは除く。
 臨時・季節 …… 1ヶ月以上の期間を定めて雇用されている者及び期間を限って季節的に働いているものをいい、パートタイムは除く。
 パートタイム …… 1日の所定労働時間又は1週間の所定労働日数が当該事業所の一般労働者のそれより短い者をいう。

〔職種〕
 管理 …… 課以上の組織の管理に従事する者をいう。
 事務 …… 課長等管理職の指導、監督をうけて事務に従事する者をいう。
 専門・技術 …… 高度の専門知識を応用し、技術的な業務、研究等に従事する者をいう。
 販売 …… 商品、証券などの売買、保険外交などに従事する者をいう。
 サービス …… 主に個人に対するサービスの仕事をいう。
 運輸・通信 …… 鉄道、自動車、通信電話交換などで運転、操作に従事する者及び車掌、電話交換手などをいう。
 技能工 …… 原材料の加工、各種機械器具の組み立て、修理、印刷、製本、建設作業などに従事する者のうち高度の熟練、判断力、責任を要する作業を行う者をいう。
 単純工 …… 上記「技能工」と同じ作業に従事しているが、技能などの修得を要しない簡単な作業、単純な筋肉労働に従事する者をいう。


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