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3 中途採用者の採用(パートタイム労働者を除く)

(1) 中途採用者の採用状況

 平成12年(1月〜12月)において中途採用者を「採用した」とする企業割合をみると、管理職については10.4%、事務職については28.1%、技術・研究職については16.1%、現業職については52.9%であり、現業職を中途採用したとする企業割合が高くなっている。
 企業規模別にみると、事務職と技術・研究職で規模による差が大きく、かつ、規模が大きくなるほど中途採用したとする企業割合が高くなっている。
 中途採用者を「採用した」とする企業について中途採用者の年齢(複数回答)をみると、管理職では「50〜54歳」を採用した企業割合が最も高く29.7%、次いで「55〜59歳」21.2%となっている。また、事務職、技術・研究職及び現業職では「25〜29歳」を採用した企業割合が最も高くそれぞれ43.1%、41.8%、44.5%となっている。次いで事務職及び現業職では「24歳以下」がそれぞれ39.2%、41.3%となっているが、技術・研究職では「30〜34歳」が33.3%となっている(付属統計表第17表)。

(2) 中途採用の実施理由

 平成12年(1月〜12月)において中途採用者を「採用した」とする企業について中途採用の実施理由(複数回答)をみると、管理職及び技術・研究職では「即戦力として活用するため」とする企業割合が最も高くそれぞれ53.7%、56.3%となっており、次いで管理職では「多様な経験者の活用で組織の活性化を図るため」44.9%、技術・研究職では「退職者の補充のため」39.1%となっている。また、事務職及び現業職では「退職者の補充のため」が最も高くそれぞれ68.6%、69.2%、次いで「即戦力として活用するため」がそれぞれ30.6%、40.5%となっている(付属統計表第18表)。

(3) 中途採用の際の重視項目

 平成12年(1月〜12月)において中途採用者を「採用した」とする企業について中途採用の際の重視項目(複数回答3つまで)をみると、管理職では「職務経験」とする企業割合が最も高く60.3%、次いで「行動力・実行力」45.3%、「専門的知識・技能」43.9%となっている。事務職でも「職務経験」が最も高く50.2%であるが、次いで「熱意・意欲」40.4%、「一般常識・教養」37.1%となっている。また、技術・研究職では「専門的知識・技能」が最も高く69.9%、次いで「職務経験」57.2%、「熱意・意欲」40.3%となっており、現業職では「熱意・意欲」が最も高く59.7%、次いで「健康・体力」58.7%、「職務経験」37.8%となっている。
 これを前回調査(平成10年)と比較してみると、すべての職種で「協調性・バランス感覚」、「理解力・判断力」を重視項目とする企業割合が上昇している。また、管理職では「行動力・実行力」を重視項目とする企業割合が31.8%から45.3%と上昇しているのに対し、事務職及び技術・研究職では「職務経験」を重視項目とする企業割合がそれぞれ43.9%から50.2%、48.0%から57.2%と上昇している(第4図、付属統計表第19表)。


第4図 中途採用の際の重視項目別企業数割合(M.A.3つまで)
(中途採用企業=100)

(管理職)
(事務職)
(技術・研究職)
(現業職)

(注) 1) 「無回答」は省略している。
2) 平成10年調査の重視項目では、平成13年の重視項目の他に「ユニークな個性がある」の項目がある。

(4) 中途採用をする際の募集条件

 平成12年(1月〜12月)において中途採用者を「採用した」とする企業について中途採用の際の募集条件をみると、「条件が明確にある」とする企業割合はいずれの職種においてもおおむね2割程度、「条件はあるが本人次第」とする企業割合はおおむね5割程度となっている。
 募集条件の内容(複数回答)について職種別にみると、いずれの職種でも「年齢制限」とする企業割合が最も高く、管理職、事務職、技術・研究職、現業職でそれぞれ59.1%、73.7%、67.4%、79.7%となっている。
 募集条件を「年齢制限」とする企業についてその年齢制限の上限をみると、管理職では「55〜59歳」とする企業割合が最も高く22.5%、事務職では「25〜29歳」、「30〜34歳」とする企業割合が高くそれぞれ25.0%、23.8%、技術・研究職では「35〜39歳」、「30〜34歳」とする企業割合が高くそれぞれ22.3%、21.5%、現業職では「30〜34歳」、「35〜39歳」とする企業割合が高くそれぞれ15.9%、14.4%となっている(
付属統計表第20表第21表)。

(5) 中途採用者のポスト・賃金等の格付け決定基準

 平成12年(1月〜12月)において中途採用者を「採用した」とする企業について中途採用者のポスト・賃金等の格付け決定基準(複数回答)をみると、管理職、事務職、技術・研究職、現業職のいずれの職種においても「在職者賃金とのバランス」とする企業割合が最も高くそれぞれ62.8%、68.4%、67.1%、67.5%となっている。次いで管理職では「能力」50.1%、「前職の賃金」40.2%、「年齢」40.0%となっているが、事務職、技術・研究職、現業職では「年齢」がそれぞれ55.3%、50.9%、48.1%となっており、「能力」がそれぞれ38.7%、48.4%、38.5%となっている(付属統計表第22表)。


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