結果の概要

 労働移動の状況
(1) 労働移動の状況
 平成17年の1年間における労働移動者は、入職者が748万人(前年673万人)、離職者が756万人(同685万人)で、延べ労働移動者は1,504万人(同1,359万人)となり、入職者のうち転職入職者は472万人(同434万人)となった。これを率でみると、入職率は17.4%(同15.7%)、離職率は17.5%(同16.0%)、延べ労働移動率は34.9%(同31.7%)、転職入職率は11.0%(同10.1%)となった。前年と比べると、入職率が1.7ポイント、離職率が1.5ポイントと大幅に上昇し、入職率と離職率との差はほぼ無くなった。(図1、表1−1、表1−2)

図1  労働移動率の推移

図1 労働移動率の推移


(2) 性別労働移動の状況
 性別に労働移動をみると、男は入職者が356万人(前年341万人)、離職者が367万人(同336万人)で、女は入職者が392万人(同332万人)、離職者が388万人(同349万人)であった。これを率でみると、男は入職率が14.2%(同13.6%)、離職率が14.6%(同13.4%)、女は入職率が21.8%(同18.6%)、離職率が21.7%(同19.6%)となった。
 前年と比べると、男は入職率、離職率がそれぞれ0.6ポイント、1.2ポイント上昇し、離職超過となった。一方、女は入職率、離職率がそれぞれ3.2ポイント、2.1ポイントと大幅に上昇し、入職超過に転じた。(図2,表1−1、表1−2)

図2  性別入・離職率の推移

図2 性別入・離職率の推移


(3) 就業形態別労働移動の状況
 就業形態別に労働移動をみると、入職者は一般労働者が447万人(前年425万人)、パートタイム労働者が301万人(同248万人)、離職者は一般労働者が461万人(同441万人)、パートタイム労働者が294万人(同245万人)となった。これを率でみると、入職率は一般労働者が13.4%(同12.6%)、パートタイム労働者が31.0%(同27.1%)、離職率は一般労働者が13.8%(同13.1%)、パートタイム労働者が30.3%(同26.7%)となった。
 前年と比べると、一般労働者は入職率、離職率がそれぞれ0.8ポイント、0.7ポイント上昇した。一方、パートタイム労働者は入職率、離職率がそれぞれ3.9ポイント、3.6ポイントと大幅に上昇した。(図3、表1−1、表1−2)

図3  就業形態別入・離職率の推移

図3 就業形態別入・離職率の推移


表1−1  常用労働者の移動状況

表1−1 常用労働者の移動状況


表1−2  常用労働者の移動状況(率)

表1−2 常用労働者の移動状況(率)


(4) 産業別労働移動の状況
 産業別に労働移動をみると、入職者は卸売・小売業が178万人、サービス業(他に分類されないもの)が127万人、製造業が101万人となった。離職者は卸売・小売業が182万人、サービス業(他に分類されないもの)が127万人、製造業が100万人となった。
 率でみると、入職率は飲食店,宿泊業が31.8%で最も高く、次いでサービス業(他に分類されないもの)が22.2%、離職率は飲食店,宿泊業が32.3%で最も高く、次いでサービス業(他に分類されないもの)が22.3%となった。
 前年と比べると、入職率では不動産業が6.0ポイント、複合サービス事業が5.9ポイントの大幅な上昇となった。離職率では不動産業が5.6ポイント、卸売・小売業が4.6ポイントの大幅な上昇となった。(図4、表2)

図4  産業別入職率、離職率

図4 産業別入職率、離職率


表2  産業別入職・離職状況

表2 産業別入職・離職状況


(5) 企業規模別労働移動の状況
 企業規模別に労働移動をみると、入職者は5〜29人規模が179万人、30〜99人規模が154万人、1,000人以上規模が143万人で、離職者は5〜29人規模が187万人、30〜99人規模が166万人、1,000人以上規模が142万人となった。
 率でみると、入職率は100〜299人規模が19.0%で最も高く、離職率は5〜29人規模が18.8%で最も高くなった。また、100人以上の各規模ではすべて入職超過となった。
 前年と比べると、入職率は30〜99人規模を除く各規模で上昇し、離職率はすべての規模で上昇した。(図5、表3)

図5  企業規模別入職率、離職率

図5 企業規模別入職率、離職率


表3  企業規模別入職・離職状況

表3 企業規模別入職・離職状況


(6) 入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合
 入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合をみると、入職者は40.3%、離職者は39.0%となった。性別にみると、入職者に占めるパートタイム労働者の割合は、男が27.1%、女が52.2%、離職者に占めるパートタイム労働者の割合は男が27.2%、女が50.1%となった。
 前年と比べ入職者に占めるパートタイム労働者の割合は3.4ポイント上昇し、離職者に占めるパートタイム労働者の割合は3.3ポイント上昇した。(図6、表4)

図6  入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合の推移

図6 入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合の推移


表4  入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合

表4 入職者、離職者に占めるパートタイム労働者の割合


 入職者の状況
(1) 職歴別入職状況
 入職者を職歴別にみると、転職入職者は472万人(前年434万人)、未就業入職者は276万人(同239万人)で、転職入職率が11.0%(同10.1%)、未就業入職率が6.4%(同5.6%)となった。前年と比べると、転職入職率は0.9ポイント上昇、未就業入職率は0.8ポイント上昇した。
 性別にみると、男は転職入職者が242万人、未就業入職者が115万人、女は転職入職者が231万人、未就業入職者が161万人で、男の転職入職率は9.6%(同9.3%)、未就業入職率は4.6%(同4.3%)、女の転職入職率は12.9%(同11.3%)、未就業入職率は9.0%(同7.4%)となった。前年と比べると、男女ともに転職入職率、未就業入職率いずれも上昇した。
 就業形態別にみると、一般労働者の転職入職者は309万人、未就業入職者は138万人で、転職入職率は9.2%(同8.6%)、未就業入職率は4.1%(同4.0%)、パートタイム労働者の転職入職者は164万人、未就業入職者は137万人で、転職入職率は16.9%(同15.7%)、未就業入職率は14.2%(同11.4%)となった。前年と比べると、特にパートタイム労働者の未就業入職率は2.8ポイントの大幅な上昇となった。(図7,表1−1、表1−2)

図7  職歴別入職率の推移

図7 職歴別入職率の推移


(2) 転職入職者の状況
 ア  年齢階級別転職入職者の状況
 年齢階級別に転職入職率をみると、20〜24歳が19.0%と最も高く、25〜29歳が16.8%、19歳以下が15.3%となった。性別にみると、男は20〜24歳19.0%、25〜29歳15.7%、19歳以下が14.8%、女は20〜24歳19.0%、25〜29歳18.4%、30〜34歳15.9%、19歳以下15.8%と比較的若い層で男女ともに高くなっている。(図8、表5)

図8  年齢階級別転職入職率

図8 年齢階級別転職入職率


表5  年齢階級別転職入職率

表5 年齢階級別転職入職率


 イ  就業形態間移動の状況
 転職入職者の就業形態間移動状況をみると、「一般労働者から一般労働者へ移動」した割合は56.6%、「パートタイム労働者から一般労働者へ移動」した割合は8.6%、「一般労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合は8.9%、「パートタイム労働者からパートタイム労働者へ移動」した割合は22.5%となった。(表6)

表6  転職入職者の就業形態間移動状況

表6 転職入職者の就業形態間移動状況


 ウ  賃金変動状況
 転職入職者の賃金変動別割合をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は31.5%、「減少」した割合は30.2%、「変わらない」は37.4%で、「増加」のうち、「1割以上の増加」した割合は19.3%、「減少」のうち「1割以上の減少」した割合は21.5%となった。年齢階級別にみると、賃金が「増加」した割合は年齢階級がおおむね低いほど多く、40歳未満では、賃金が「増加」した割合が「減少」した割合を上回った。一方、60〜64歳では他の年齢階級に比べ「減少」した割合が57.9%と特に高い。(図9、表7)

図9  転職入職者の賃金変動状況

図9 転職入職者の賃金変動状況


表7  転職入職者の賃金変動状況

表7 転職入職者の賃金変動状況


 エ  離職期間の状況
 転職入職者の離職期間別割合をみると、「15日未満」が32.9%と最も多く、次いで「1ヵ月〜3ヵ月未満」が23.7%となった。就業形態別にみると、一般労働者は「15日未満」が37.3%と最も多く、パートタイム労働者は「1ヵ月〜3ヵ月未満」が28.0%、「15日未満」が23.7%となった。
 前年と比べると「15日未満」が1.8ポイント上昇、「1ヵ月〜3ヵ月未満」が1.4ポイント上昇し、比較的短い期間で入職する者の割合が高くなっている。(表8)

表8  転職入職者の離職期間別状況

表8 転職入職者の離職期間別状況


 離職者の状況
(1) 離職理由別状況
 離職者の離職理由別割合をみると、「個人的理由」が74.0%と最も多く、次いで「契約期間の満了」が11.4%、「経営上の都合」が6.9%、「定年」が4.5%となった。性別にみると、男は「個人的理由」が69.2%、「契約期間の満了」が11.4%、「経営上の都合」が9.2%、「定年」が6.6%で、女は「個人的理由」が78.6%、「契約期間の満了」が11.4%、「経営上の都合」が4.7%で、「個人的理由」のうち「結婚」が4.2%となった。
 年齢階級別にみると、35歳未満では「個人的理由」が8割を超え、50〜54歳及び55〜59歳では「経営上の都合」がそれぞれ15.9%、14.8%、60〜64歳では「定年」が43.6%、「契約期間の満了」が20.6%、65歳以上では「契約期間の満了」が27.8%と他の年齢階級に比べ離職理由別の割合が高くなっている。
 前年と比べると、「個人的理由」は3.6ポイント上昇、一方、「契約期間の満了」は1.7ポイント低下、「経営上の都合」は1.2ポイント低下した。(図10、表9)

図10  離職理由別離職者の割合

図10 離職理由別離職者の割合


表9  離職理由別離職者の状況

表9 離職理由別離職者の状況


(2) 勤続期間の状況
 離職者の勤続期間別割合をみると、「6ヵ月未満」が22.7%、「2年〜5年未満」が20.1%、「1年〜2年未満」が16.1%、「6ヵ月〜1年未満」が15.6%、「10年以上」が14.4%となった。性別にみると、男は「6ヵ月未満」が22.7%、「10年以上」が19.9%で多く、女は「6ヵ月未満」が22.8%、「2年〜5年未満」が21.5%で多くなっている。
 前年と比べると、特にパートタイム労働者は「6ヵ月未満」が4.3ポイントと大幅な上昇となった。(表10)

表10  勤続期間別離職者の割合

表10 勤続期間別離職者の割合


 上半期・下半期の状況
 上半期・下半期別に労働移動をみると、入職率は上半期が10.3%、下半期が7.0%、転職入職率は上半期が5.9%、下半期が5.1%、離職率は上半期が9.9%、下半期が7.6%と上半期が下半期を上回った。
 前年と比べると、パートタイム労働者の転職入職率が下半期では0.1ポイント低下したほかは入職率、転職入職率、離職率はいずれも前年同期を上回った。(表11)

表11  上半期・下半期別労働移動の状況

表11 上半期・下半期別労働移動の状況

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