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(3) 労働費用

ア 労働費用の総額

 「労働費用総額」は、常用労働者1人1ヵ月平均449,699円(前回平成10年調査502,004円)で、前回に比べ10.4%減となっている。
 「労働費用総額」に占める「現金給与額」の割合は81.7%(同81.6%)、「現金給与以外の労働費用」は18.3%(同18.4%)と構成比は前回とほとんど変化していない(表2−14図2−4)。
 労働費用総額を企業規模別にみると、5,000人以上597,377円(同682,569円)、1,000〜4,999人496,278円(同512,635円)、300〜999人416,998円(同505,569円)、100〜299人393,793円(同439,410円)、30〜99人355,326円(同390,549円)となっており、すべての規模で減少している。「労働費用総額」に占める「現金給与額」の割合は、規模が大きくなるに従い低くなっている(表2−15)。
 産業別にみると、労働費用の総額は電気・ガス・熱供給・水道業830,205円が最も高く、次いで金融・保険業630,982円、鉱業588,297円の順となっている。なお、前回と比べると運輸・通信業、卸売・小売業,飲食店、サービス業で大きく減少している(表2−16)。

表2−14 労働費用(常用労働者1人1カ月平均)

費用額 構成比
労働費用
総額
     労働費用
総額
  
現金給与額 現金給与
以外の
労働費用
現金給与額 現金給与
以外の
労働費用
 
平成14年(13年度)1) 449,699 ( -10.4) 367,453 ( -10.3) 82,245 ( -11.1) 100.0 81.7 18.3
   10年     2) 502,004 ( 3.9) 409,485 ( 2.2) 92,519 ( 12.3) 100.0 81.6 18.4
                   

(注) 1)  表1−1(注)3)参照。
2)  ( )は対前回増減率であり、平成10年の対前回増減率は平成7年に対するものである。

図2−4 労働費用の構成比(常用労働者1人1ヵ月平均)

労働費用の構成比(常用労働者1人1ヵ月平均)


表2−15 企業規模別労働費用(常用労働者1人1カ月平均)

企業規模 労働費用総額  
現金給与額 現金給与以外の労働費用
実額(円)      
449,699 ( 502,004) 367,453 ( 409,485) 82,245 ( 92,519)
5,000人以上 597,377 ( 682,569) 467,837 ( 535,927) 129,541 ( 146,643)
1,000〜4,999人 496,278 ( 512,635) 402,657 ( 414,836) 93,622 ( 97,798)
300〜999人 416,998 ( 505,569) 344,444 ( 412,139) 72,554 ( 93,430)
100〜299人 393,793 ( 439,410) 328,193 ( 369,134) 65,600 ( 70,275)
30〜 99人 355,326 ( 390,549) 301,069 ( 330,405) 54,256 ( 60,144)
構成比(%)      
100.0 (100.0) 81.7 ( 81.6) 18.3 ( 18.4)
5,000人以上 100.0 (100.0) 78.3 ( 78.5) 21.7 ( 21.5)
1,000〜4,999人 100.0 (100.0) 81.1 ( 80.9) 18.9 ( 19.1)
300〜999人 100.0 (100.0) 82.6 ( 81.5) 17.4 ( 18.5)
100〜299人 100.0 (100.0) 83.3 ( 84.0) 16.7 ( 16.0)
30〜 99人 100.0 (100.0) 84.7 ( 84.6) 15.3 ( 15.4)
格差      
5,000人以上 100.0 (100.0) 100.0 (100.0) 100.0 (100.0)
1,000〜4,999人 83.1 ( 75.1) 86.1 ( 77.4) 72.3 ( 66.7)
300〜999人 69.8 ( 74.1) 73.6 ( 76.9) 56.0 ( 63.7)
100〜299人 65.9 ( 64.4) 70.2 ( 68.9) 50.6 ( 47.9)
30〜 99人 59.5 ( 57.2) 64.4 ( 61.7) 41.9 ( 41.0)
       

(注) ( )内は、平成10年の数値である。

表2-16 産業別労働費用(常用労働者1人1カ月平均)

産業 労働費用総額  
現金給与額 現金給与以外の労働費用
実額(円)      
449,699 ( 502,004) 367,453 ( 409,485) 82,245 ( 92,519)
鉱業 588,297 ( 540,746) 459,679 ( 441,033) 128,619 ( 99,713)
建設業 573,993 ( 563,036) 470,823 ( 461,230) 103,171 ( 101,806)
製造業 528,908 ( 515,303) 424,472 ( 418,568) 104,436 ( 96,735)
電気・ガス・熱供給・水道業 830,205 ( 775,995) 593,370 ( 575,055) 236,835 ( 200,940)
運輸・通信業 440,174 ( 518,937) 365,816 ( 420,882) 74,358 ( 98,055)
卸売・小売業,飲食店 337,793 ( 427,616) 280,422 ( 350,130) 57,371 ( 77,486)
金融・保険業 630,982 ( 692,069) 508,456 ( 545,939) 122,526 ( 146,130)
不動産業 487,624 ( 469,030) 391,758 ( 394,290) 95,866 ( 74,740)
サービス業 348,156 ( 471,076) 296,254 ( 396,964) 51,903 ( 74,112)
構成比(%)      
100.0 ( 100.0) 81.7 ( 81.6) 18.3 ( 18.4)
鉱業 100.0 ( 100.0) 78.1 ( 81.6) 21.9 ( 18.4)
建設業 100.0 ( 100.0) 82.0 ( 81.9) 18.0 ( 18.1)
製造業 100.0 ( 100.0) 80.3 ( 81.2) 19.7 ( 18.8)
電気・ガス・熱供給・水道業 100.0 ( 100.0) 71.5 ( 74.1) 28.5 ( 25.9)
運輸・通信業 100.0 ( 100.0) 83.1 ( 81.1) 16.9 ( 18.9)
卸売・小売業,飲食店 100.0 ( 100.0) 83.0 ( 81.9) 17.0 ( 18.1)
金融・保険業 100.0 ( 100.0) 80.6 ( 78.9) 19.4 ( 21.1)
不動産業 100.0 ( 100.0) 80.3 ( 84.1) 19.7 ( 15.9)
サービス業 100.0 ( 100.0) 85.1 ( 84.3) 14.9 ( 15.7)

(注) ( )内は、平成10年の数値である。

イ 現金給与以外の労働費用

 「現金給与以外の労働費用」82,245円の内訳は、「法定福利費」41,937円(「現金給与以外の労働費用」に占める割合51.0%)、「退職金等の費用」25,862円(同31.4%)、「法定外福利費」10,312円(同12.5%)等となっている(図1−2)。
 企業規模別に「現金給与以外の労働費用」をみると5,000人以上129,541円、1,000〜4,999人93,622円、300〜999人72,554円、100〜299人65,600円、30〜99人54,256円となっている。
 5,000人以上規模を100.0とした30〜99人規模の「現金給与以外の労働費用」の水準は41.9となっており、項目ごとにみると「法定福利費」70.2、「現物給与の費用」42.7、「教育訓練費」28.8、「法定外福利費」23.8、「退職金等の費用」20.5、となっており「法定福利費」に比べ、それ以外の労働費用の規模間格差が大きくなっている(表2−17)。

表2−17 企業規模別現金給与以外の労働費用(常用労働者1人1ヵ月平均)

年・企業規模 法定福利費 法定外福利費 現物給与の
費用
退職金等の
費用
教育訓練費 その他の
労働費用1)
実額(円)              
82,245 41,937 10,312 1,266 25,862 1,256 1,613
5,000人以上 129,541 51,565 21,858 1,766 50,896 2,218 1,237
1,000〜4,999人 93,622 44,717 11,918 1,438 32,000 1,580 1,970
300〜999人 72,554 39,436 7,384 1,227 21,824 1,052 1,630
100〜299人 65,600 38,582 6,466 1,196 16,363 857 2,134
30〜 99人 54,256 36,187 5,192 754 10,443 639 1,041
 平成10年 92,519 46,868 13,481 1,683 27,300 1,464 1,724
増減率2)(%) -11.1 -10.5 -23.5 -24.8 -5.3 -14.2 -6.4
構成比(%)              
100.0 51.0 12.5 1.5 31.4 1.5 2.0
5,000人以上 100.0 39.8 16.9 1.4 39.3 1.7 1.0
1,000〜4,999人 100.0 47.8 12.7 1.5 34.2 1.7 2.1
300〜999人 100.0 54.4 10.2 1.7 30.1 1.4 2.2
100〜299人 100.0 58.8 9.9 1.8 24.9 1.3 3.3
30〜 99人 100.0 66.7 9.6 1.4 19.2 1.2 1.9
 平成10年 100.0 50.7 14.6 1.8 29.5 1.6 1.9
格差              
5,000人以上 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0 100.0
1,000〜4,999人 72.3 86.7 54.5 81.4 62.9 71.2 159.3
300〜999人 56.0 76.5 33.8 69.5 42.9 47.4 131.8
100〜299人 50.6 74.8 29.6 67.7 32.1 38.6 172.5
30〜 99人 41.9 70.2 23.8 42.7 20.5 28.8 84.2

(注) 1)  その他の労働費用には募集費を含む。
2)  増減率は平成14年の平成10年に対するものである。

ウ 法定福利費

 「法定福利費」41,937円の内訳は、「厚生年金保険料」22,814円、「健康保険料・介護保険料」13,303円、「労働保険料」5,365円等となっている。「法定福利費」に占める各費用の割合をみると、「厚生年金保険料」54.4%(前回55.2%)、「健康保険料・介護保険料」31.7%(同30.7%)、「労働保険料」12.8%(同12.9%)等となっている(表2−18)。

表2−18 法定福利費(常用労働者1人1カ月平均)

健康保険料・
介護保険料1)
厚生年金
保険料
労働保険料   児童手当
拠出金
障害者
雇用納付金
法定
補償費2)
その他の
法定福利費3)
雇用保険に
かかる額
労災保険に
かかる額
実額(円)                    
平成14年(13年度)4) 41,937 13,303 22,814 5,365 2,953 2,412 302 88 12 52
   10年 46,868 14,369 25,887 6,036 3,104 2,931 333 58 17 168
増減率5)(%) -10.5 -7.4 -11.9 -11.1 -4.9 -17.7 -9.3 51.7 -29.4 -69.0
構成比 (%)                    
平成14年(13年度) 100.0 31.7 54.4 12.8 7.0 5.8 0.7 0.2 0.0 0.1
   10年 100.0 30.7 55.2 12.9 6.6 6.3 0.7 0.1 0.0 0.4
                     

(注) 1)  「健康保険料・介護保険料」は平成1O年調査は健康保険料のみである。
2)  「法定補償費」とは業務上の被災労働者に対し労働基準法に基づいて支給した額(労災保険からの給付を除く。) である。
3)  「その他の法定福利費」とは石炭年金掛金及び船員保険料等である。
4)  表1−1(注)3)参照。
5)  増減率は平成14年の平成10年に対するものである。

エ 法定外福利費

 「法定外福利費」10,312円の内訳は、「住居に関する費用」5,104円(「法定外福利費」に占める割合49.5%)、「食事に関する費用」1,117円(同10.8%)、「文化・体育・娯楽に関する費用」736円(同7.1%)等となっている(表2−19)。

表2−19 法定外福利費(常用労働者1人1カ月平均)

年・企業規模 住居に
関する
費用
医療保健
に関する
費用
食事に
関する
費用
文化・体育・
娯楽に関する
費用
私的保険
制度への
拠出金
労災付加
給付の費用
慶弔見舞
等の費用
財形貯蓄
奨励金、
給付金及び
基金への
拠出金
その他の
法定外
福利費
実額(円)                    
10,312 5,104 699 1,117 736 716 156 335 356 1,092
5,000人以上 21,858 11,196 2,124 2,297 1,611 589 68 662 922 2,390
1,000〜4,999人 11,918 7,175 624 1,059 662 627 73 327 365 1,006
300〜999人 7,384 3,915 338 922 436 516 131 248 243 636
100〜299人 6,466 2,456 328 900 573 726 221 235 130 898
30〜 99人 5,192 1,181 294 596 542 1,111 291 250 187 741
 平成10年 13,481 6,454 923 1,336 1,161 958 303 445 372 1,528
構成比(%)                    
100.0 49.5 6.8 10.8 7.1 6.9 1.5 3.2 3.5 10.6
5,000人以上 100.0 51.2 9.7 10.5 7.4 2.7 0.3 3.0 4.2 10.9
1,000〜4,999人 100.0 60.2 5.2 8.9 5.6 5.3 0.6 2.7 3.1 8.4
300〜999人 100.0 53.0 4.6 12.5 5.9 7.0 1.8 3.4 3.3 8.6
100〜299人 100.0 38.0 5.1 13.9 8.9 11.2 3.4 3.6 2.0 13.9
30〜 99人 100.0 22.7 5.7 11.5 10.4 21.4 5.6 4.8 3.6 14.3
 平成10年 100.0 47.9 6.8 9.9 8.6 7.1 2.2 3.3 2.8 11.3
                     


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