戻る

II 調査結果の概要

1 労働者構成

(1) 職種別労働者構成
 調査職種における推計労働者数は約10,500人となっており、職種別の労働者構成をみると、チェンソー伐木作業者(自己所有)が36.8%と最も高く、次いでチェンソー伐木作業者(会社所有)及び機械集運材作業者が19.1%と、これら3職種で全体の7割を超えている(第1図)。

第1図 職種別労働者構成

第1図 職種別労働者構成

(2) 年齢階級別労働者構成
 年齢階級別に労働者構成をみると、調査職種計では60歳以上が41.5%と最も高く、次いで50〜59歳層が25.7%となっており、50歳以上で約7割を占めている。
 職種別に年齢階級別労働者構成をみると、機械伐木造材作業者を除く職種で60歳以上の占める割合が最も高くなっており、伐木造材作業者及びチェンソー伐木作業者(自己所有)では、約5割となっている。
 平均年齢は、調査職種計で53.8歳(前年54.1歳)となっており、職種別には機械伐木造材作業者が46.6歳と40歳代となっているほかは、各職種とも50歳代となっている。(第2図

第2図 職種、年齢階級別労働者構成及び平均年齢

第2図 職種、年齢階級別労働者構成及び平均年齢


2 賃金

(1) 職種別賃金
 賃金(1人1日平均きまって支給する現金給与額をいう。以下同じ。)は、調査職種計で12,350円(前年12,590円)、対前年比では1.9%減となっている。チェンソー伐木作業者(自己所有)を除く5職種計では、11,980円(前年12,260円)となり、対前年比では2.3%減となっている。
 職種別に賃金をみると、チェンソー伐木作業者(自己所有)が13,000円と最も高く、機械集運材作業者が12,470円、チェンソー伐木作業者(会社所有)が12,450円、伐木造材作業者及び機械伐木造材作業者が12,160円と1万2千円台となっており、伐出雑役が9,700円と1万円未満となっている。
 労働者の最も多いチェンソー伐木作業者(自己所有)を100とした職種間賃金格差についてみると、伐出雑役が75と他の職種に比べて格差が大きい。(第3図第1表

第3図 賃金及び対前年増減率の推移(調査職種計)

第3図 賃金及び対前年増減率の推移(調査職種計)

注:1)  平成9年から畜力集運材作業者を対象外とし、平成12年から人力集運材作業者を対象外とするとともに機械伐木造材作業者を新たに調査対象に加えたため、単純には時系列比較を行うことはできない。
2)  平成11年より、賃金額の最小表章単位を1円から10円に改めた。

第1表 職種別賃金、対前年増減率及び賃金格差

職種 賃金(円) 対前年増減率(%) 賃金格差
(チェンソー伐木作業者(自己所有)=100)
平成14年 平成13年 平成14年 平成13年 平成14年 平成13年
調査職種計 12,350 12,590 -1.9 -0.9
5職種計(自己所有職種を除く) 11,980 12,260 -2.3 0.8
  伐木造材作業者 12,160 12,590 -3.4 7.6 94 95
チェンソー伐木作業者(会社所有) 12,450 12,340 0.9 3.0 96 93
機械伐木造材作業者 12,160 12,950 -6.1 -7.0 94 97
機械集運材作業者 12,470 12,750 -2.2 -6.0 96 96
伐出雑役 9,700 10,390 -6.6 14.3 75 78
チェンソー伐木作業者(自己所有) 13,000 13,290 -2.2 -3.6 100 100
注:  「…」は統計数がない場合である。

(2) 賃金形態別賃金
 賃金を支払形態別にみると、調査職種計で定額制が11,890円、出来高制が13,010円と、出来高制が定額制に比べ約1割上回っている。
 職種別に賃金格差をみると、チェンソー伐木作業者(会社所有)及び伐出雑役を除く職種で、出来高制が定額制を1割程度上回っている。
 労働者構成についてみると、調査職種計では定額制が約6割、出来高制が約4割となっている。(第2表

第2表 職種、賃金支払形態別賃金、格差及び労働者構成

職種 賃金(円) 賃金格差 労働者構成(%)
定額制 出来高制 出来高制/定額制×100 定額制 出来高制
調査職種計 11,890 13,010 109 58.5 41.5
  伐木造材作業者 11,700 12,650 108 51.3 48.7
チェンソー伐木作業者(会社所有) 12,450 12,450 100 67.2 32.8
機械伐木造材作業者 12,030 12,760 106 82.4 17.6
機械集運材作業者 12,030 13,360 111 67.1 32.9
伐出雑役 9,710 9,700 100 71.6 28.4
チェンソー伐木作業者(自己所有) 12,260 13,600 111 44.5 55.5
注:  「出来高制」とは、「出来高のみ」のほか「主として出来高」、「主として定額」を含めたものである。

(3) 年齢階級別賃金
 賃金を年齢階級別にみると、調査職種計では50〜59歳層の賃金が12,840円で最も高くなっている。
 職種別には、伐出雑役を除き、29歳以下では、機械集運材作業者及びチェンソー伐木作業者(自己所有)が1万1千円台のほかは1万円台となっており、30歳以上では、チェンソー伐木作業者(自己所有)の50〜59歳層及びチェンソー伐木作業者(会社所有)の30〜39歳層のほかは、各職種とも1万2千円台となっている。
 30〜39歳層の賃金を100とした年齢間格差についてみると、29歳以下では機械集運材作業者及びチェンソー伐木作業者(自己所有)を除く職種で比較的格差は大きいものの、30歳以上ではいずれの職種も格差は小さい。(第3表

第3表 職種、年齢階級別賃金及び年齢間格差

年齢階級 調査
職種計
伐木造材
作業者
チェンソー
伐木作業者
(会社所有)
機械伐木
造材作業者
機械集運材
作業者
伐出雑役 チェンソー
伐木作業者
(自己所有)
賃金(円) 年齢計 12,350 12,160 12,450 12,160 12,470 9,700 13,000
〜29歳 10,570 10,440 10,060 10,130 11,150 8,300 11,760
30〜39歳 12,190 12,730 11,880 12,600 12,330 10,380 12,710
40〜49歳 12,500 12,390 12,530 12,060 12,950 10,200 12,880
50〜59歳 12,840 12,380 12,870 12,980 12,580 9,900 13,750
60歳〜 12,390 12,110 12,950 12,100 12,480 9,610 12,840
年齢間格差
(30〜39歳=100)
〜29歳 87 82 85 80 90 80 93
30〜39歳 100 100 100 100 100 100 100
40〜49歳 103 97 105 96 105 98 101
50〜59歳 105 97 108 103 102 95 108
60歳〜 102 95 109 96 101 93 101

(4) 地域別賃金
 地域別に賃金をみると、調査職種計では近畿が14,950円で最も高く、次いで北海道が14,150円と1万4千円台、関東・信越13,520円、東海13,240円が1万3千円台、四国11,640円、中国11,600円が1万1千円台、東北10,740円、九州10,510円が1万円台となっている。
 賃金の最も高い近畿を100とした地域間格差をみると、九州が70、東北が72と比較的格差が大きい。(第4表

第4表 職種、地域別賃金及び地域間格差

地域 調査
職種計
伐木造材
作業者
チェンソー
伐木作業者
(会社所有)
機械伐木
造材作業者
機械集運材
作業者
伐出雑役 チェンソー
伐木作業者
(自己所有)
賃金(円) 地域計 12,350 12,160 12,450 12,160 12,470 9,700 13,000
北海道 14,150 12,970 14,770 13,710 13,020 12,320 15,950
東北 10,740 9,960 10,660 11,410 11,580 8,820 10,990
関東・信越 13,520 13,140 12,100 13,370 14,570 10,310 14,270
東海 13,240 12,400 12,990 12,520 12,950 11,100 14,240
近畿 14,950 15,590 16,060 12,860 14,110 12,870 14,320
中国 11,600 12,710 11,230 11,530 12,230 8,730 12,050
四国 11,640 10,870 11,420 11,930 11,280 9,510 12,300
九州 10,510 10,670 9,850 11,260 10,920 7,970 11,130
地域間格差
(近畿=100)
北海道 95 83 92 107 92 96 111
東北 72 64 66 89 82 69 77
関東・信越 90 84 75 104 103 80 100
東海 89 80 81 97 92 86 99
近畿 100 100 100 100 100 100 100
中国 78 82 70 90 87 68 84
四国 78 70 71 93 80 74 86
九州 70 68 61 88 77 62 78

 地域別内訳(8ブロック)
  北海道 ・・・ 北海道   近畿 ・・・ 兵庫、奈良、和歌山
  東北 ・・・ 青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島   中国 ・・・ 島根、岡山、広島、山口
  関東・信越 ・・・ 茨城、栃木、群馬、新潟、長野   四国 ・・・ 徳島、愛媛、高知
  東海 ・・・ 岐阜、静岡、愛知、三重   九州 ・・・ 熊本、大分、宮崎、鹿児島


3 平均稼働率

   平均稼働率(注)をみると、調査職種計で57%(前年59%)となった。
 職種別にみると、機械伐木造材作業者が64%、機械集運材作業者が61%と6割を超えており、他の職種では5割台となっている。(第5表
 注: 稼働率とは、雇用期間日数に対する実労働日数の割合を表す。

第5表 職種別平均稼働率
(%)
職種 平成14年 平成13年
調査職種計 57 59
  伐木造材作業者 54 57
チェンソー伐木作業者(会社所有) 58 59
機械伐木造材作業者 64 63
機械集運材作業者 61 62
伐出雑役 54 53
チェンソー伐木作業者(自己所有) 53 59


トップへ
戻る