全国北海道東北関東北陸東海近畿中国四国九州沖縄
支えて 支えられて 介護保険は1周年
介護保険物語滋賀県
歴史遺産を守ってきたお父さん
周りは、明るい笑顔でいっぱいです。
吉田徳治郎さんとその家族(大津市在住)    
 県内でも特に、社寺などの歴史遺産に恵まれたところに、今回訪問させていただいた吉田徳治郎さんのお宅があります。
 徳治郎さんは、長年、宮大工の棟梁として、その優れた技巧によって、お寺などの様々な改築・改修事業に活躍されてきました。 「延暦寺の書院や大講堂などの仕事もしていました」と、娘さんにとっても、ご自慢のお父さんのようです。
 宮大工は、家業を先代より引き継いだ徳治郎さんが取り組んで来られた仕事。今まで教えてこられたお弟子さんも大変多いとお聞きしました。


子宝にめぐまれた、まさに「父親」。
 
 現在、長男さん世帯とご一緒に生活。お嫁さんの育代さんが中心となって、介護なさっているということです。また、徳治郎さんには、女性五人に男性二人という七人の子供がおられ、今回、近くにお住まいの、次女、三女、五女、そして次男さんのお嫁さんからもお話しを伺った。

吉田徳治郎さんとその家族

 「近くに住んでいるので、ほとんど毎日来ていますね。」と、皆さん本当に仲が良さそうな姉妹さんで、育代さんと五人で徳治郎さんを気遣っておられる様子が分かりました。

必要に応じた介護サービスを選ぶ   

 徳治郎さんは、90歳を迎えられても、大工の仕事に励み、「好きなお酒も飲んでいました」というぐらい、ご家族も「介護なんて全く考えたことがなかった」ほど、ご健康だった。ところが、昨夏に「どうも体調が思わしくない」ということで、病院で検診を受けたところ、脳梗塞との診断で入院。その後、回復されて、十一月には退院。住まいに帰って来られるのを前に、退院後の家庭での生活を考え、ケアマネジャーと相談。要介護3の認定を受け、家庭での介護に必要なサービスとして、訪問入浴、訪問介護、福祉機器レンタルの利用となった。

入浴サービスには、ご家族も感心。  
 訪問入浴は、週に一度、利用されていて、「入院している間は、シャワーか体を拭いてあげるぐらいだったので、家ではお風呂に入れてあげたいですね。でも、家族で入浴をさせるのは大変です」。
 また、以前に、ご主人の両親の介護をされたご経験があるというお姉さんは「浴槽を借りて、家族で入浴をさせていました。でも今の入浴サービスは、家族はほとんど見ているぐらいです」。「最初はみんな、本当によくできているなあと感心しました。大変助かっています」。もちろんご本人も喜んでおられます。
 そして、週二度の訪問介護では、健康チェックなどを受けられ、介護福祉機器は、電動式で上体が起きるベッドや車イスなどをレンタル。車イスは外出時にクルマまでの移動などに使われている。
 現在の介護保険によるサービスについての印象をお聞きすると、「入浴は大変助かっていますし、満足もしています。今のところ、金額的な負担感もあまり感じていません」。吉田さんの介護は、先ず、第一に、娘さんたち家族みんなが、お父さんを本当に大切にされて、必要に応じて介護のサービスを、上手に活用されているケースではないでしょうか。

全国北海道東北関東北陸東海近畿中国四国九州沖縄