一日でも長く母と一緒にいたいから、
在宅介護でがんばっています。 |
まつ枝さんは今年98歳。まつ枝さんの長女・幸子さん夫妻とともに宇治市にお住まいです。介護保険による、まつ枝さんの要介護度は、老人性痴呆症で4と認定。ケアマネジャーが、介護する家族の希望を聞いて介護プランを作成、まつ枝さんとその家族にとって最適の介護計画を提示。「どうしても在宅でがんばりたい」という幸子さんの強い希望もあり、週2回のデイサービスと歩行器やベッドなどの介護用品の貸与を受けました。サービスを受けて1年。まつ枝さんご家族の暮らしぶりや幸子さん夫婦の感想をうかがいました。 |
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日記を書いて、歌を歌って まつ枝さんは週2日、近くの福祉施設でデイサービスを、そして週4日、老人保健施設でデイケアサービスを受けています。「毎日出かけるのがいいみたい。デイサービスや、デイケアではお習字をしたり、歌を歌ったり楽しそう」と幸子さん。字を書くことが得意なまつ枝さんはほとんど毎日、日記を書くのだそうです。「きょうは、パパさんがさんぱつにいきました」「きょうはデンキヤ(デイケア)にいきました」などなど。日々の出来事を幸子さんに教えられ文字にしていくのです。日記は四冊を数えました。また、歌と踊りが大好きなまつ枝さんはデイケアでもらった歌の本を良くご覧で、今日は十八番のふるさとの唄「福知山音頭」を披露していただきました。「♪福知山出て長田野越えて 駒を早めて亀山へドッコイセドッコイセ〜」 誰かが支えてくれている安心感 「おしめを替える時、時々応援にきてくれる妹がこの歌を歌いながら網笠を被って踊ってくれるんです」と幸子さん。おしめ替えを嫌がるまつ枝さんをおとなしくさせる方法が歌と踊りだとか。家族の温かく明るい支え合いの雰囲気のなかで、まつ枝さんは心豊かな老後を送っています。 「すべて、私一人でしたい気持ちはいっぱいです。1日でも長く母と一緒にいたいのです。でも、誰かが支えてくれるということが大きな心のゆとりとなっています。 デイサービスでは専門家がリハビリや心や体のケアをして下さる。介護器具は具体的な支えとなりますし、そして何より、主人の支え、ケアマネジャーさんの存在が本当に大きい」。介護保険が目指す「支え合い」の精神は、こういうことだったのかとさん家族が教えてくれました。 |