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支えて 支えられて 介護保険は1周年
介護保険物語高知県
週二回のデイサービス通いが楽しみ
仲間から元気をもらっています。
山北岩男さん(高知市在住)          
 昨年4月にスタートした介護保険制度。高知市で独り暮らしをしている山北さんも、同制度を利用して在宅でサービスを受けている一人です。施行直後の認定は「要介護度2」でしたが、その後、脊椎小脳変性症が悪化。階段の上り下りに支障をきたすようになり、再申請して昨年7月、「要介護度3」に認定。週に2回のデイサービスと通院時や家事の援助ヘルパーの利用、月〜金曜日毎朝30分の訪問ヘルパーのサービスなどを利用しています。
 施行前は、いくつかのサービスを利用していた山北さん。その後、生活はどう変化したのでしょうか。


家で過ごすことを考えたプランづくり
 
 山北さんのケアマネジャーは、数年前から利用している訪問リハビリ担当者の佐藤さん。週1回、訪問リハビリの時間を兼ねて山北さんの体と生活の状態を確認し、同市内に住む家族からの情報も聞きながらアドバイスしています。症状が悪化して歩行困難になった時も、スタッフ全員の勧めにより即座に介護認定変更申請をしました。

山北岩男さん

 ケアプラン作成では、本人の「思い出の残る家で過ごしたい」という要望を重視。昼と夜の食事を配食サービスにし、トイレの始末や着替えの手伝いにヘルパーを利用するなど、独り暮らしをサポートする内容にしています。「ようやってくれるき、大助かり」と信頼のおけるスタッフに、山北さんは満足顔です。

笑い声の絶えないデイサービス施設  

 山北さんが一番楽しみにしているのは、高知市東部健康福祉センター内にあるデイサービス施設「つどい」に行くこと。そこには、65歳前後から98歳まで、約15人の男女の仲間がおり、健康チェックやリハビリ、入浴、食事などを一緒に行っています。なかでも山北さんのお気に入りは歌や体操、誕生日会などをするレクリエーション。一人が歌い始めると、それに合わせて歌ったり、手拍子をしたり。笑いとおしゃべりの絶えない、一家団らんのような明るい雰囲気が伝わってきます。「僕より高齢の人もみんな元気。顔を見たらファイトがわいてくる」と山北さんは明るい笑顔。佐藤さんも「歩くリハビリなど、一層前向きに取り組むようになりました」とデイサービスの効果に喜んでいます。

サービスの増加で活気ある生活に   
 家で暮らすことを選択したものの、以前は3階に住居があった山北さん。ゴミ捨てをしてくれるなど、近所の方の協力もありましたが、階段の上り下りが一人でできないなど日常生活の基本行動が困難になり、生活に支障をきたしていました。そんな時、ちょうど1階の店舗が空いたので、改築をして居住することに。資金は障害の助成金に加え、介護保険の補助をプラス。開閉しやすい玄関ドアにしたり、入口にスロープをつけるなどリニューアル。「使いやすい」と山北さんは気に入っています。
 介護保険施行後は「前よりサービスが増えたき、ずいぶん楽になった。仲間もできて楽しゅう暮らしています」と山北さん。顔を見に来てくれたり、おかずを分けてくれるご近所の温かさにも助けられていると言います。介護保険とケアマネジャー、近所の住民の協力が、一つの笑顔を実らせているといえるでしょう。

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