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支えて 支えられて 介護保険は1周年
介護保険物語岩手県
金婚式パーティーも良い思い出に。
ふだんの外出も楽しみです。
利府四郎さんと奥様の絹さん(盛岡市在住)   
  昨年4月に介護保険がスタートして間もなく1年になります。現在、岩手県内で約2万8千人がこの制度を利用していますが、盛岡市の利府四郎さん(74)と奥様の絹さん(75)に、率直な意見を伺いました。
  利府さんは昨年4月に要介護五に認定されました。1992年に脳コウソクで倒れ、それから何度か再発で入退院を繰り返し、半身が不自由です。99年2月から、在宅介護を続けていますが、日曜日を除く毎日の訪問介護(モーニングケアと入浴介助)、訪問看護週二回、訪問リハビリ隔週1回、通所介護週1回、福祉用具の貸与と住宅改修を利用しています。

在宅介護で気持ちも楽に       
 在宅で介護を受けられる当事者としてどのようなメリットがありますか。
  四郎さん「妻のほかに息子夫婦と孫3人で計7人の2世帯同居ですが、家族といつでもふれあいを持てることが生きがいですし、看護士やヘルパーさんとの会話も楽みです。病院ではいろいろと気を使うことも多いですが、自宅に帰ってからは気楽で、精神的にも元気になりました。最近では、臨時に介護を頼み老人ホームの講演会に参加できました。また、昨年には妻と二人で盛岡市主催の金婚式記念パーティーにも参加でき良い思い出になりました。デイサービスでは、リハビリや入浴以外にもお花見や市内の散策など外出する行事もあり、行くことが楽しみです」


利府四郎さんと奥様の絹さん


ヘルパーの心遣いに感謝       
 介護する立場から、サービスを利用するようになり、どう変わりましたか。
 絹さん「入浴時に私と主人が二人一緒に転びそうになったこともあり大変不安でしたが、今は若いヘルパーが介助してくれるので安心して任せることができます。また、今年から朝の訪問介護をお願いし、ようやく気持ちの余裕がでてきました。昨年の暮れには介護する私自身が倒れそうになり、いつ入院するか分からない状態でした。朝の支度の疲れから1日中体が大変で、気持ちも暗くなっていました。同居する家族も手伝ってくれますが、介護には限界があります。ヘルパーが着替えから歯磨き、爪切りまで気が付かないところまで良くしてくれるようになり本当に助かりました」

安心して介護を受ける立場に     
 これから、どのようにサービスを利用しますか。
  絹さん「私もいずれ介護保険を利用する身になります。介護はするほうもされるほうも大変ですが、介護保険を上手に利用すれば肉体的にも精神的にも負担が少なくて済むと思うと安心できます。ショートステイの短期入所サービスもあるようなので利用してみたいと思います」
  四郎さんは、身の回りのことがほとんどできませんが、奥様と家族の協力、そして介護保険の効率的な利用で在宅介護を続けています。
  介護サービスというと、受けること自体が恥ずかしいという印象がありましたが、1割の負担で積極的にサービスを受ける姿勢が在宅介護には大切です。サービスの種類もいろいろ用意されているので、これからもケアマネジャーと相談しながら現状にあったサービスを利用したいものです。

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