「ずっとそばにいて見守りたい」
妻と私の二人三脚が続きます。 |
酒井邦夫さんとその家族(神戸市在住) |
「若くて元気だから、エネルギーがありすぎて大変なんです」と切り出した酒井邦夫さん。妻のきよ美さん(54)は若年性アルツハイマー病となり、要介護認定を受けている。
介護保険といえば、「お年寄りの介護」というイメージが先行してしまうが、若年性アルツハイマー病等の特定疾病にかかった場合も対象となる。 酒井さん夫婦は現在、介護保険を利用し、在宅介護で、ホームヘルプを受けている。3事業所と1有償ボランティアに自宅へ来てもらっており、邦夫さんは、平日安心して仕事に出られる環境になったという。 アルツハイマー病は突然に 平成7年秋、きよ美さん48歳。ある日「最近、自分がおかしい」と言い出した。文章を書くと、知らないうちに縦書きが横書きになったり、日常よく使う漢字が分からなくなったという。 病院に行ったところ若年性アルツハイマー病と診断。治療薬や回復の見込みがないため「本人に刺激を与える」ことが病気の進行を遅らせるのではないかと考えた。 |
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邦夫さんはクルマでの外回りが多い営業マン。きよ美さんを助手席に乗せ、得意先を回った。邦夫さんが商談中には、きよ美さんはクルマの中で好きな音楽を聞いたりして過ごす。一緒にいられる安心さと、きよ美さん自身が外に出て楽しむ環境をつくることが最も良い薬だった…。 |