戻る  前ページ  次ページ

IV 訪問介護員(ホームヘルパー)の養成等について

(1)訪問介護員養成研修事業者への適切な指導等について

 訪問介護員養成研修事業者の指定については、「介護保険法施行令」(平成10年12月24日政令第412号)及び関係省令等に基づき行われているところであるが、最近、訪問介護員養成研修事業者の指定取り消し事例が見られる状況にある。
 指定取り消しの主な内容として、

が上げられる。
 このような事例の発生は、養成研修の受講者が不利益を被るとともに介護サービス利用者に不信感を与えることとなる。各都道府県において、事業者の指定を行うにあたっては、指定申請時等の審査を適切に行うとともに事業者に対する指導を一層厳正に行われ、不適正事例の発生防止に努められたい。
 具体的には、

(1) 指定申請で報告されている内容の研修が実際に事業所で行われているか否かについて、事業者の了解の下に実地調査を行う。

(2) 事業者の指定及び研修講座の指定について、それぞれ個別に十分な審査を行う。

(3) 指定に際しては、申請事業者に対して、講師の変更、日程の変更、実習先の変更等の重要な事項の変更がある場合、その都度、都道府県に対して変更の報告を行うことへの理解と徹底を行う。

(4) 事業者から研修の実績報告を受ける際に、併せて講師の出講状況の確認も行う。

(5) 研修修了後事業者から実績報告が提出され、内容を確認し適切なものと認められる場合に、受講者に対して修了証明書を発行する。

(6) 都道府県が事業者から研修講座の開講の申請を受け、それに対する指定を行ってから受講者の募集を行わせる。

等の措置が考えられる。都道府県においては、上記の方法を参考にしつつ、訪問介護員養成研修事業者の適切な指導をお願いする。
 また、研修科目の免除について、適切に判断されているか等についても養成研修事業者に対して適切な指導を行うようにされたい。各都道府県においても、研修受講希望者が、研修開講場所や研修開始時期等の指定研修事業者の情報を正確に把握できるように適切な情報公開を行う等のご配意をお願いする。
 各都道府県において事業者を指定する際には、地域の実情に応じ、上記の項目を参考としつつ、事業者の指定要領を見直すなど、不適正な養成研修が実施されないよう十分留意されたい。
 なお、兵庫県において指定の手続き等を作成されているので、参考までに添付する。


(参考)

訪問介護員養成研修事業の指定について


平成14年7月1日

兵庫県県民生活部


訪問介護員養成研修事業指定についての要件等


1 事業者

 訪問介護員養成研修事業を行うことができる事業者は、最低限度次の要件を満たしている必要があります。

(1) 訪問介護員養成研修事業について、「介護保険法施行令」及び「兵庫県訪問介護員養成研修事業者指定要綱」に定められる義務を適正に履行できると認められること。

(2) 研修事業を適正かつ円滑に実施するために必要な事務処理能力及び研修事業が安定的に運営できる必要な財政基盤を有していること。

(3) 事業者の不慮の事態に対応するため、研修が継続できるよう他の適切な事業者等による協力保証が得られること。

(4) 研修事業の経理が他の事業の経理と明確に区分され、会計帳簿、決算書等事業の収支を明らかにする書類が整備されていること。

(5) 原則法人であること。ただし、(1)代表者が定められている、(2)会の組織運営について、責任関係が明確に定められており、保健・福祉事業について相当の実績を有している、(3)会計が適切に処理されている場合には、法人に準じて取り扱う。


2 指定申請書等の提出先

 指定申請書等の書類は、事業所(人的物的施設があって継続して事業が行われる場所)の所在地を管轄する県民局に申請を行ってください。事業所は登記簿謄本でその存在が確認できることが必要です。
 なお、講義を通信の方法により行う場合には、主たる事業所の所在地を管轄する県民局に申請を行ってください。主たる事務所が県外の場合には、主たる事業所の所在地である都道府県に申請してください。


3 指定申請単位

 兵庫県における訪問介護員養成研修事業は、研修事業(講座)ごとに指定しますので、ご注意ください。例えば、同一事業者が年間数回研修事業を実施する場合、その講座ごとに申請してください。


4 指定申請期限

 指定申請書の提出は、受講者の募集を開始する2ヶ月前までに行ってください。
 受講者の募集は、「訪問介護員養成研修事業指定通知書」を受け取ってから行ってください。
 指定前に受講者を募集した場合、今後研修事業の指定を行わないことがありますので、ご注意ください。


5 研修の名称

 研修の名称は、事業者が任意に付けていただいて結構ですが、名称の中に「訪問介護員養成研修」又は「ホームヘルパー養成研修」という文言、「1級」、「2級」、「3級」の課程及び「通学」、「通信」の種別を必ず記載してください。


6 重要事項説明書の交付

 受講申込者に対しては、必ず重要事項説明書を交付して重要な事項について説明してください。


7 1級課程の受講要件

 2級課程修了者であれば、訪問介護員としての実務経験がなくても1級課程を受講させることは可能です。2級、1級課程を連続して実施することも可能ですが、1級課程の研修事業は、2級課程の事業実績報告書受理通知書を受け、2級課程の修了証明書を交付した後に開講することとします。1・2級課程のカリキュラムを混在させて研修を実施しないようにしてください。
 なお、事業者が独自に1級課程の受講要件として、2級課程修了後の実務経験を加えることは差し支えありません。


8 達成度の測定

 講義終了後、受講生に対し、通学の方法で2時間以上の講義科目の達成度測定を行う必要があります。
 なお、達成度の測定について、評価基準を定め、これを達成できない受講生に対しては補講を行った後に再度測定を行ってください。


9 変更届

 変更が認められるのは、傷病等のやむを得ない事情による講師の変更、実習施設の都合による変更に限られます。
 定員の増加、実施期間及び研修実施場所等の重要な要素の変更については、「訪問介護員養成研修事業廃止届」を提出し、新たに指定申請してください。


10 修了証明書の発行

 修了証明書は、「訪問介護員養成研修事業実績報告書」を県民局に提出し、県民局がその内容を確認し、「事業実績報告書受理通知書」により、通知があった後に発行してください。
 また、「事業実績報告書補正指示書」により補正指示があった場合には、補正後に「事業実績報告書受理通知書」による通知があった後に発行してください。


11 修了証明書の番号

 修了証明書の番号は次のとおり符番してください。

 第   02 
2002年度
 ―   ○ 
 ―   ○ 
事務所番号
 ―   ○ 
指定番号
 ―   ○○○ 
1から順に付す

(事務所番号)

県民局名 事務所番号 県民局名 事務所番号
神戸 中播磨
阪神北 西播磨
阪神南 但馬
東播磨 丹波
北播磨 淡路 10

(住所は別紙参照)

(例)2002年度の指定で、2級課程の研修事業、
神戸県民局の指定番号が「神県第10号」、修了者が20名の場合

第02−2−1−10−001号 〜 第02−2−1−10−020号


訪問介護員養成研修事業指定フロー図

訪問介護員養成研修事業指定フロー図


(2)重要事項説明書の作成及び交付の必要性の周知について

 指定居宅サービス事業者等は、運営基準において、サービスの提供の開始に際し、あらかじめ利用申込者又はその家族に対し、重要事項説明書を交付して説明を行い、同意を得なければならないこととされている。
 この点については、これまでにも「介護保険施設等の指導監査について」(平成12年5月12日付け老発第479号厚生省老人保健福祉局長通知)により、介護保険施設等に対する厳正な指導をお願いしているが、総務省「介護保険の運営状況に関する実態調査結果」において、193事業者における重要事項説明書の交付状況等を調査した結果、14事業者は、重要事項説明書を交付しておらず、11事業者は、重要事項説明書は作成しているものの、一部の者に対しこれを交付していないとされている。
 重要事項説明書は利用申込者が自らのニーズに合致した事業者を選択するに当たって、極めて重要な文書であることから、各都道府県においては、

(1) 指定居宅サービス事業者等の指定を行う際には、重要事項説明書を作成し、利用申込者又はその家族に交付する必要があること及び重要事項説明書は、サービスの利用契約とは別の文書であり、重要事項説明書をもって契約書に代えること、契約書中に重要事項が記載されているとして重要事項説明書の交付をしないことは不適当であることについて十分周知すること

(2) 指定居宅サービス事業者等に対する指導監査等あらゆる機会を通じて重要事項説明書の交付状況を確認するとともに、同説明書を交付していない指定居宅サービス事業者等に対しては、厳正な指導を行うこと

をお願いしたい。



トップへ
戻る  前ページ  次ページ