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身体障害者補助犬ユーザーの受け入れを円滑にするために〜医療機関に考慮していただきたいこと〜

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身体障害者補助犬ユーザーの受け入れを円滑にするために〜医療機関に考慮していただきたいこと〜

はじめに

 身体障害者補助犬法(以下「補助犬法」という。)は、良質な身体障害者補助犬(以下「補助犬」という。)の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、持って身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的とした法律です。
 この法律では、国や自治体が管理する公共施設、民間公共交通機関、不特定多数の者が利用する施設(商業施設・飲食店・病院など)において、やむを得ない場合を除き、補助犬の同伴を拒んではならないとされています。
 この法律が2002年(平成14年)に施行され、10年が過ぎました。法律の目的である社会参加の促進にはまだまだ不十分であるとの声もあり、補助犬を使用する障害者(以下「補助犬ユーザー」という。)が利用しようとする公共施設や店舗などで補助犬の同伴を断られる事例が多く見受けられるとの声も聞かれるところです。
 特に、障害者にとって生活上切っても切り離せない医療機関において補助犬を円滑に利用することができることは、安定的な生活を営む上で欠かすことのできない課題の一つです。
 三浦等の調査※によれば、医療機関における補助犬ユーザーの受け入れについては、関係者の補助犬に対する知識などにより大きく影響するのではないかと報告されています。このような状況を踏まえ、医療機関における補助犬ユーザーの受け入れが円滑に進むよう、考慮いただきたい点について、補助犬ユーザーの視点に立って記載しました。
 是非、本冊子を参考にして、各医療機関の実情に応じた対応をご検討いただき、身体障害者補助犬法が目指す身体障害者の自立及び社会参加が円滑に進むよう、ご理解・ご協力をお願いいたします。

平成25年6月 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部

※ 三浦靖史他,医療機関における補助犬受け入れの現状と課題;日本補助犬科学研究:4(1);31-37,2010

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I.身体障害者補助犬とは

(1)補助犬の種類

 補助犬とは、目や耳や手足に障害のある方の生活をお手伝いする、「盲導犬」・「介助犬」・「聴導犬」のことです。

・盲導犬 − 目の見えない人、見えにくい人が街なかを安全に歩けるようにサポートします。障害物を避けたり、立ち止まって曲がり角を教えたりします。ハーネス(胴輪)をつけています。

・介助犬 − 手や足に障害のある人の日常の生活動作をサポートします。物を拾って渡したり、指示したものを持ってきたり、着脱衣の介助などを行います。“介助犬”と書かれた表示をつけています。

・聴導犬 − 音が聞こえない、聞こえにくい人に、生活の中の必要な音を知らせます。玄関のチャイム音・FAX着信音・赤ちゃんの泣き声などを聞き分けて教えます。“聴導犬”と書かれた表示をつけています。

 補助犬法に基づき認定された犬で、特別な訓練を受けています。障害のある方のパートナーであり、ペットではありません。
 きちんと訓練され管理も行われているので、社会のマナーも守れますし、清潔です。だからこそ、人が立ち入ることのできるさまざまな場所に同伴できます。
 補助犬は身体に障害のある方の自立と社会参加に欠かせません。補助犬のことをもっと知って、補助犬ユーザーと補助犬を社会の仲間として受け入れてください。

(2)受け入れについて

 補助犬については、補助犬法で、人が立ち入ることのできるさまざまな場所で受け入れるよう義務づけられています。「犬だから」という理由で受け入れを拒否しないでください。

  •  補助犬の同伴を受け入れる義務があるのは以下の場所です。
    •  国や地方公共団体などが管理する公共施設・ 公共交通機関(電車、バス、タクシーなど)
    •  不特定かつ多数の人が利用する民間施設−商業施設、飲食店、病院、ホテルなど
    •  事務所(職場)−国や地方公共団体などの事務所−従業員50人以上の民間企業
  •  補助犬の同伴を受け入れる努力をする必要があるのは以下の場所です。
    •  事務所(職場)−従業員50人未満の民間企業
    •  民間住宅

(3)補助犬の訓練・管理について

 補助犬ユーザーは、責任をもって補助犬の行動を管理し、補助犬の体を清潔に保ち、健康に気を配っています。

  •  補助犬は、ユーザーが指示した時に、指示した場所でしか排泄しないように、訓練されています。
  •  補助犬は、ユーザーの管理のもとで待機するよう訓練されています。
    •  レストランなど、飲食店では……食事が終わるまで、テーブルの下などで待機します。
    •  ホテルや旅館など、宿泊施設では……上がり口や部屋の隅で待機します。
    •  電車・バス・タクシーなど、公共交通機関では……シートなどを汚さないように、足もとで待機します。
  •  ユーザーは、ブラッシングやシャンプーなどで補助犬の体を清潔に保ち、予防接種や検診を受けさせるよう努めています。
  •  補助犬は、犬種、認定番号、認定年月日等を記載した表示をつけています。また、補助犬ユーザーが施設等を利用する際には、補助犬の健康管理に関する記録、補助犬認定証などの補助犬であることを証明する書類を携帯し、関係者の請求があればこれを提示しなければならないこととされています。
     これらの表示をつけていない、書類の提示がされていない場合など、補助犬であることの確認ができない場合には、補助犬として受け入れる義務は発生しません。
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II.補助犬を受け入れるための体制づくり

  •  各医療機関(以下「病院」とし、診療所も含む。以下同じ。)では、補助犬ユーザーと補助犬の受け入れを円滑にするために、各医療機関の実情に応じ、その体制づくりに取り組んでいただければと思います。
  •  ただし、体制づくりが出来ていないからといって、補助犬の受け入れを拒否できるわけではありません。
  •  体制づくりの第一歩として、病院内に受け入れ委員会などの設置や担当者の明確化を図ることが考えられます。
  •  また、体制づくりを進めるに当たって検討していただきたい事項として、[1]受け入れ方針に係る従事者間の意思統一、[2]受け入れの範囲や方法、[3]その他必要な留意事項、などが考えられます。

(1)受け入れ方針の明確化

 個々の病院で受け入れ方針を決定する際には、下記の点について明確にしていただきたいと思います。例えば、

  •  補助犬ユーザーである患者も、その他の患者と同様に診察・検査を受けることができること。
  •  補助犬ユーザーにも、安心して診察・検査を受けていただけるよう、病院の方針を説明すること。
  •  突然補助犬が院内にいることで補助犬ユーザー以外の患者に不安等を与えないため、予め補助犬ユーザーの受け入れに関する方針を院内に明示し、安心して診察・検査を受けられるようにすること。
  •  院内で統一した対応を図るため、受け入れ方針を職員に周知すること。

など、補助犬の受け入れに関する病院の姿勢を明確にしていただければと思います。

(2)受け入れの範囲や方法(IVの項を参照)

 病院内での受け入れ範囲については、原則その他の患者と同様に対応していただきたいと思います。そのために、次のような点について病院内で検討し、理解を共有していただきたいと思います。

  •  補助犬は待合室でどのように待っていたらよいのか。
  •  補助犬は診察室や検査室でどのように待機していたらよいのか。
  •  病院内でどの職員に聞いても補助犬ユーザーと補助犬に適切な対応ができるようにしているか、また各セクションの担当者は、補助犬の受け入れについて他の患者にも説明できるようきちんと理解しているか。
  •  補助犬が部屋に入ることができない場合、どこで待機したらよいのか。
  •  補助犬の排泄場所はどこか。

など、多岐に渡る内容が考えられます。是非、都道府県等の補助犬担当窓口や補助犬の訓練事業者などにご相談いただきたいと思います。

(3)その他留意して欲しい事項

  •  患者に対し、どのように方針を説明するか(ポスターやチラシ等の掲示・配布など)。
  •  円滑な受け入れのために事前にできることはないか(ホームページや掲示板での周知など)。
  •  障害のある患者に対する接し方はどうしたらよいのか。

などです。

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III.受け入れ体制の徹底

(1)全職員への受け入れ体制の徹底

  •  以下のような内容について、研修などを実施し周知していただきたいと思います。研修を行う際には、補助犬ユーザーや補助犬訓練事業者などと協力し、「実際の補助犬関係者からの話を聞いたり、様子を見せてもらったりする機会を設けると、より理解が進むと思われます。

《職員研修のポイント》

  •  補助犬の受け入れは、補助犬法に則った対応であり、障害者が医療サービスを受けるための対応であることを共通の理解として深める。
  •  補助犬に関する基礎知識(種類や表示、役割、安全性)を習得する。
  •  補助犬との接し方、想定される対応について検討理解する。

    例)排泄場所への誘導
     仕事中の補助犬の邪魔をしないよう、触ったり声をかけたり気を引いたりしないこと。
     職員は衛生面からも、基本的に補助犬には触れないようにし、必要があって触った場合は、来院者などに対応する前に、必ず石鹸で手洗いをし、消毒をすること  など

  •  他の来院者への説明内容を統一する。
  •  病院スタッフすべてが同じ対応をとることができることが望ましいですが、困難な場合には、担当者や担当チームを決めておくことも一つの方法です。
  •  また、病院の医療スタッフに限らず、例えば駐車場や夜間対応の警備員、清掃担当者なども、病院スタッフの一員ですので、同じように研修を受けていただければと思います。

(2)補助犬ユーザーへの情報提供

  •  補助犬ユーザーの円滑な病院施設利用については、予めホームページや病院案内、掲示板などで情報を公開していただけると、受診などに向けて事前に確認して準備することができます。

《公開しておく情報のポイント》

  •  補助犬の受け入れに関する病院の方針
  •  補助犬同伴が可能な区域
  •  補助犬同伴が困難な区域とその理由
  •  補助犬同伴が困難な区域に補助犬ユーザーが行く場合の施設側の対応

    例)補助犬の預かり場所の有無、場所の環境、管理者の有無、ユーザーからどれくらい離れているか、万が一の対応方法など。

  •  他の来院者との接触
     補助犬には仕事の支障にならないよう、接触しないようにお願いします。また、特に下記のような方には直接接触を避けて頂くよう明記します。
     例えば、
    • 犬にアレルギー症状を訴える来院者
    • 免疫不全状態または隔離が必要な感染症に罹患している受診者
    • 犬に対して恐怖心のある受診者
    • 結核等の飛沫感染の可能性のある感染症患者
    • 面会にガウンテクニックが必要な入院患者
    などがいる場合には、そのような来院者がいる病室、診察室または検査室、待合室とは、別の部室で一緒に待機していただくこともあることを明記しておきます。

(3)他の来院者への情報提供

  •  施設内に補助犬のステッカーやポスターを掲示するなど、日頃より患者に対し、病院の方針を表明すると共に、補助犬に対する理解を得られるようにしていただきたいと思います。

《他の来院者への説明ポイント》

  •  補助犬の受け入れは補助犬法に則ったことであり、障害者の方も等しく医療を受け健康な生活を送るための対応です。ご理解とご協力をお願いいたします。
  •  ペット動物の同伴はお断りしておりますが、補助犬はペット動物ではありません。また、補助犬である表示をつけていますので、表示をもってペット動物と区別していただきますようお願いいたします。
  •  補助犬は、適切な健康管理と予防対策を講じられた犬であり、補助犬ユーザーがきちんと行動管理をしていますので、他の患者さん等に迷惑をかけるようなことはありません。
  •  補助犬は、家を出たらいつでも仕事中ですので、触ったり声をかけたりするなどの気を引くことはせずに、そっと見守っていただきますようお願いいたします。
  •  補助犬に関して何らかの問題がありましたら、お近くの職員にお申し出ください。
  •  犬のアレルギーがある方は、その旨を遠慮せず職員にお知らせください。また、何か問題があればお申し出ください。
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IV.受け入れの範囲や方法

(1)受け入れの範囲

 先述していますが、病院内での受け入れ範囲については、病院の構造、他の来院患者の病態や特性などによって画一的に決められるものではないと思いますが、原則としてはその他の患者と同様に対応することを前提として考えていただきたいと思います。

 また、受け入れられない区域を明確にする場合には、その旨補助犬ユーザーが理解できるよう、丁寧に説明してください。

 例えば手術室など、清潔等に十分な配慮が必要とされている区域などにまでは、補助犬ユーザーも無理に補助犬を入れようとは考えていません。衛生面を考える場合には、下表を参考としてください。

清浄度クラス 名称 該当室例
I 高度清潔区域 バイオクリーン手術室、易感染患者用病室
II 清潔区域 一般手術室
III 準清潔区域 ICU、CCU、未熟児室、分娩室、NICU、手術手洗いコーナー、膀胱鏡・血管造影検査室
IV 一般清潔区域 一般病室、診察室、待合室、通常新生児室、製剤室、人工透析室、消化器内視鏡室、材料部、手術回復室
V 汚染管理区域
拡散防止区域
細菌検査室、空気感染隔離病室、解剖室、患者便所、
汚物処理室、霊安室、使用済みリネン室

表 日本医療福祉設備協会規格「病院空調設備の設計・管理指針、HEAS-02-2004」による
「洗浄度クラスによるゾーニング」より

(2)受け入れの方法

 患者である補助犬ユーザーと補助犬が行動を共にする場合には、補助犬を受け入れることが困難である区域を利用しなければならない場合を想定して、次の点などを検討していただきたいと思います。

  •  補助犬を同伴者または家族などに預けて同伴可能区域内で待機させることはできないか。
  •  補助犬を預かる場合の預かり場所について(部屋の前で待機となるのか、別室などで待機することとなるのか)
  •  補助犬を預かる場合の、病院の体制(補助犬を預かる際の担当者など)について
  •  補助犬を預かっている間に起こったトラブル等への対処法について

 なお、補助犬ユーザーの意向や同伴者の有無によっても対応が異なる場合がありますので、それらについても想定しておくことが必要だと考えられます。

《主な場面における受け入れの検討ポイント》

  • 待合室
    •  補助犬ユーザーのための特別な場所を決めておくかどうか。
    •  どのようにすれば犬嫌いの患者やアレルギーをもつ他の来院者と距離をあけることができるか。(できない場合は別の部屋での待機)
    •  別の場所で待機する場合の呼び出しの工夫は必要か(特に聴覚障害者に対してどのように対応するか)。
  • 補助犬の排泄場所
    •  病院の敷地内や近くなどに、補助犬の排泄に適した場所はあるか。
    •  雨が降っているときはどのように対応するか。

      《実際に排泄場所として利用されている環境の例》

       補助犬ユーザーは、日頃から次のような場所を補助犬の排泄場所として使用しているようです。個々のユーザーに日頃の方法等をご確認いただき、個々の病院の構造や環境等に応じて対応してください。

      •  土や植え込み、草のある場所(排泄物処理後、水を流します)
      •  アスファルトやコンクリート(排泄物処理後、水を流します)
      •  障害者用トイレ(下にはペットシーツを敷く)
  •  透析室
    •  補助犬ユーザーが移動するために十分なスペースはあるか。
    •  ベッドサイドに補助犬が待機できるスペースはあるか(無い場合にどこで待機してもらうか)。
    •  アレルギー等のある患者と距離をあける工夫ができるか。

(3)実際の受け入れ事例

 本冊子を作成するに当たり、補助犬を認定する指定法人や補助犬ユーザーの会にご協力いただき、病院での受け入れが円滑に行われている(行われるようになった)事例の提供をお願いいたしました。

 病院利用として想定される3つの場面について、ピックアップして紹介いたします。受け入れに向けて参考にしていただければと思います。

【外来受診の場面で】

 補助犬ユーザーが盲導犬を持つ前より、人工透析を受けるためにガイドヘルパーを利用して通院していた。
 単独での通院をしたいことから、盲導犬の利用について病院に相談したところ、病院が自発的に過去の盲導犬受け入れ実績のある他の病院の状況や人獣共通感染症について調べるなど、受け入れに向けた準備をしてくれた。
 その上で受け入れの方針が決定されるとともに、病院では、盲導犬の受け入れに向けて、病院内に盲導犬受入をする旨のポスターを掲示し、他の透析患者全員に対して盲導犬を受け入れる旨を通知、理解を求めた上で受け入れを開始した。その後、現在までトラブルは起きていない。

【入院の場面で】

 出産のため、事前に複数の病院に対し、聴導犬を連れた受診や入院を打診し、受け入れが可能と回答された病院に入院したが、聴導犬の行動が制限されることはなかった。
 出産は、病室内で出産する型式であったが、帝王切開となったため、聴導犬は待合室で待機することとなった。入院中から、スタッフから他の患者へ聴導犬に関する説明がなされ、大きなトラブルもなく入院生活を送ることができた。退院に当たっての退院指導の際は、聴導犬も家族とともに病室に宿泊させることができた。
 ただし、大きなトラブルとならないためにも、相互に確認済みであると思い込んでいる場合や勘違いなどの場合があるので、できれば文書で確認をしておくことが必要と考える。

【お見舞いの場面で】

 友人の見舞いのため、入院している病院の受付で用件を伝えたところ、受付の職員がその場で友人が入院する病棟へ連絡してくれ、病棟をはじめとして病院内の移動も含めて、病棟担当職員が病室まで案内してくれるなど、非常に円滑に受け入れていただいた。
 その病院では、補助犬ユーザーが来院した際には、受付担当者が、ユーザーに用件を確認し、「初診、再診、見舞」などに応じて、受付から、関係する部署(診察・検査・病棟など)へ「補助犬を同伴すること」を連絡するなどの対応を取ることで、円滑な受け入れに努めているとのことだった。
 そのため、その病院内では訓練事業者が作成したDVDなどを活用した職員研修を継続的に実施しているとのことだった。

 これらの他、病院での勤務経験がある補助犬ユーザーからは、「ICUと手術室以外はどこでも盲導犬の同伴がOKだった。」と非常に働きやすい職場であった様子などが報告されています。

 なかなか受け入れが上手くいかない病院もあれば、何の問題もなく受け入れができている病院もあります。今回協力いただいた事例と共に、ユーザーから寄せられたコメントの中からは、

  •  補助犬そのものについて理解してもらうことが必要
  •  そのためには、実際に見てもらうことが最も近道だと思う
  •  訓練事業者の協力も非常に重要である
  •  受け入れの検討は、院長を含めた担当者会議などで行われており、受け入れ可との結論が出されている事例が複数ある
  •  受け入れてもらえるようにはなりつつあるが、入室制限をされるなど、なかなかその他の患者と同じようなレベルまでは難しい
  •  待合室より先には受け入れてもらえない病院でも、その病院から「補助犬を受け入れている」といわれることに違和感がある
  •  やむを得ず転院しなければならなくなった際には、また一から説明しなければならないと考えると憂うつである

などといった主旨のコメントが寄せられています。

 また、補助犬ユーザー側から、厚生労働省や訓練事業者などが作成したリーフレット等を活用して理解を求めたり、最初は訓練事業者を同行させたり、様々な工夫がされている様子も報告されています。 ぜひ、院内の研修の一環として、実際の補助犬と触れ合う機会を設けていただければと思います。

 最後に、ある病院の取組を紹介いたします。

『ある病院の取組』

 当該病院では、入り口に「補助犬ステッカー」を貼付するなど、以前から補助犬の同伴を受け入れており、介助犬同伴に関する事前交渉等は必要なかった。
 また、受け入れにあたっては、病院から「診察券に介助犬の同伴が分かるようなシールを貼ってはどうか」と、提案がされるなどの配慮があった。
 「介助犬同伴シール」の導入により、受付対応した人だけでなく、医師、看護師、検査技師、放射線技師などが、診察券によって介助犬の同伴を事前に知ることができるようになった。そのため、診察室、検査室、レントゲン室、待合室など院内のどこの場所においても、介助犬使用者の受け入れがスムーズになっている。
 さらに、診察券の「介助犬同伴シール」だけでは、小さく見落すこともあるため、確実に認識できるように、「診察票」を挟むクリアファイルに「介助犬同伴カード」を添付する対応がされている。

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V.補助犬ユーザーへの対応

 参考までに、補助犬ユーザーである障害者への対応方法について、主な留意点を紹介いたします。障害者への援助方法は様々な方法がありますので、個々の補助犬ユーザーに応じた対応が必要と考えられます。
 まずは「何かお手伝いしましょうか?」「どのようにお手伝いすればよいですか?」など、声かけを通じてユーザーとコミュニケーションをとった上で、対応をお願いいたします。

(1)盲導犬ユーザーの場合

 盲導犬は、ユーザーが目的地を指示したらどこにでも連れて行ってくれるわけではありません。常に、ユーザーが環境などを判断した上で出す指示に従って行動しています。
 そのため、初めての環境では、ユーザーは適切な指示が出せませんので、「盲導犬を連れているから手伝いは必要ない」ということではありません。ユーザー本人に、お手伝いが必要かどうか、確認をお願いいたします。

(参考)視覚障害者の誘導のポイント

 視覚障害者を誘導する際に最も気を付けなければならないことは、「安全に安心して歩く」ということです。
 そのため、

  • 視覚障害者の1歩前に立ち、あなたの腕もしくは肩や肘に手を掛けてもらいます。
  • 視覚障害者の歩くスピードにあわせて歩きます。
  • 視覚障害者が不安にならないよう、右に曲がります、階段を上りますなど、次の動きや周囲の様子をわかりやすく知らせることが必要です。

(2)聴導犬ユーザーの場合

 聴覚障害者は、外見では気づきにくいのですが、聴導犬を連れていることにより聴覚障害者であることが認識できますので、診察の呼び出しなどの際には、気づいているかどうかの見守りなど、一定の支援が必要と考えられます。
 聴導犬の中には、呼び出しの際などに、名前を呼ばれたことをユーザーに知らせるなどの訓練を受けている場合もありますが、すべての聴導犬がこのような対応ができるわけではありません。
 聴導犬ユーザーに、確実に呼び出しが伝わるよう配慮と工夫が必要と考えられます。

(参考)聴覚障害者への接し方のポイント

 聴覚障害者との接し方で留意すべきことは、会話が中心になると思われます。
 会話の手段には、手話、筆談、口話などがあります。聴覚障害者だからと言って、必ずしも手話でなければならないということはありません。
 メモ用紙等の準備があれば筆談などが可能ですし、障害の程度によっては大きな声で伝えれば理解していただける場合もあります。口話は、口の動きを読み取って理解する方法ですので、マスクなどを外して対応することが必要です。
 簡単な内容であれば、身振りなどでも伝わる場合もありますが、どのような方法をとるかは、本人に選択していただくことになります。

(3)介助犬ユーザーの場合

 エレベーターのボタンを押す、段差を越えるなど、介助犬が補助できる動作もありますが、介助犬では越えられない高い段差や、届かない場所では、サポートが必要になる場合もあります。

(参考)肢体不自由者の誘導のポイント

 肢体不自由者を誘導する際には、極力段差のない場所を選択する必要があります。多少の段差があった場合などで、介助犬では乗り越えることができない場合には、支援方法を確認の上で、介助をします。
 また、障害者が利用している車椅子は、大きさなどが様々ですが、車椅子で移動する際には、ある程度のスペースが必要となりますので、日頃より院内での移動経路などについてイメージしておくことが必要です。

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おわりに

 一方的に同伴を拒否することなく、補助犬ユーザーが理解できるよう病院の方針を丁寧に説明していただくことが重要です。
 また、疾患によっては定期受診が必要な場合もありますので、補助犬ユーザーが訓練を受けた訓練事業所に間に入っていただき、円滑な利用に向けた協議を行うことも重要なポイントの一つと考えられます。
 下記のような相談窓口がありますので、活用もご検討ください。

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【本冊子作成に協力いただいた関係者】

本冊子作成に協力いただいた関係者

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《参考資料》

  1.  身体障害者補助犬法の概要
  2.  介助犬・聴導犬指定法人一覧
  3.  介助犬・聴導犬訓練事業者(第二種社会福祉事業届出状況)
  4.  盲導犬訓練施設一覧
  5.  都道府県等相談窓口一覧
  6.  主な身体障害者補助犬関係団体一覧
      団体名 所在地 連絡先
    電話 FAX
    1 特定非営利活動法人 日本介助犬アカデミー 222-0033
    横浜市港北区新横浜2-18-19ドメス新横浜603
    045-475-4925 045-475-4926
    2 認定特定非営利活動法人 全国盲導犬施設連合会 162-0065
    東京都新宿区住吉町5-1 吉村ビル2階
    03-5367-9770 03-5367-9771
    3 日本身体障害者補助犬学会 150-0045
    東京都渋谷区神泉町21-3-3F
    (公益財団法人日本盲導犬協会東京本部内)
    03-3468-1733

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