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地域福祉計画パイオニア・カレッジ(第2回)議事録概要


テーマ(2)地域づくりの段階〜座談会等の開催手法や生活課題の集積方法等

(高畠町)
地域福祉計画とは福祉の視点を持った地域づくりであり、創る過程、創ったあとも続く地域づくりである。
町内6ヶ所、旧村単位に地区公民館があり、地域福祉計画策定にあたっても地区の公民館を母体にすることで地区づくり計画がそのまま地域づくりの活動につながると考えた。
住民参加の手法として、当事者からの意見や課題を聞く分野別懇談会、あるいは地域住民から直接福祉課題を聞く地区の懇談会あるいは集落座談会の開催、それにアンケート調査を実施した。
122の集落があるが、122全ての集落で座談会を実施するのではなく、モデル集落を1地区2集落選定し、モデルの集落が1集落で3回会議を開催し、その中で課題を集約することと、解決の方策を自ら考えあうということをした。
モデル集落の選定にあたっては、地区の中で標準的な集落と、過疎化など、特に特徴的な集落を各地区から選んだ。
開催時間についても、集まるメンバーによって出される課題も偏ってくるのではないかということで、細かく時間帯等を分けて開催したところ、幅広い年代の方に集まってもらうことができ、年代によって違った課題が集まった。
今までの集落座談会は具体的な課題に対する説明会形式が多かったので、原案も何もないなか自分たちの課題を出し合うことに住民からとまどいの声が出されたり、事務局職員からもどちらの方向に話が行くか分からないことに不安がみられたりした。
座談会で得られた成果としては、自分たちの集落の課題について具体的な数字を上げたり、行政の制度を説明したりしながら話し合う中で、住民の間から、自分たちで出来ることは自分たちでやっていきたい、やっていくことが必要だというような積極的な意見も多く出され、新しい活動も生まれた。
現在、座談会等で出された具体的な課題を整理し、策定委員会の中で検討資料というかたちで個票を作って整理し、とりまとめている段階。

(我孫子市)
従来持っていた保健福祉総合計画を第3次の策定にあわせて地域福祉計画として位置づけて策定することとした。計画策定にあたっては市民組織の研究会が既にあったのでこれを活用し、さらにタウンミーティングを開催して地域の意見を聞いていくこととした。
タウンミーティングは中学校区6つのエリアで、昨年度に引き続き開催した。今年度は地区社協中心に開催することとし、地区社協の方たちを主に声をかけて開催した。
重点施策として、6つのエリアによる地域福祉コミュニティの構築、地域密着型小規模多機能サービス拠点による地域ケア、生涯を通しての健康増進の取組、療育保育システムの確立、子育て支援の社会化の推進を掲げた。
特色として施策をライフステージに沿って体系化(資料)している。
計画推進体制図(資料)
苦労した点は、地域福祉計画と言うことについての職員間の共通認識を持つことが非常に時間がかかったことであり、何度か部課長会議を開催しながら策定作業委員会でも何度も説明しながら少しずつ進んできた。
タウンミーティングで出た意見についてどうするかということについては、各関係部署に報告し、この意見が計画として反映されるのかどうか、緊急性があるのかどうか、そう言うところを振り分けて各担当課で話をしてもらった。
現在骨子案から計画案までこぎ着けた段階で、今後計画案の「案」を取る作業を進めて3月頃に計画書が出来上がるようにしたい。

(大町市)
住民参加の方法として、座談会方式も考えられるが、100ほどの自治会を抱えており、合併を控え16年度中に計画策定するという方針で望んでいたことから、座談会については合併後見直しの時期に合併自治体も含めて開催することとした。
結果として住民参加の方法として、100人委員会の設置、住民啓発・講演会、住民アンケートの実施によって進めていくこととした。
計画策定の機構(資料)。委員の募集にあたっては、社会福祉協議会とか民生児童委員、それから地域福祉ネットワーク等の福祉関係団体だけでなく、商工労働団体などいろいろな分野に呼びかけをしたところ、180名を越える委員が集まった。
100人委員会の開催手法については課題になったが、委員の方々にアンケートを取った結果、5つの部会を設け、その中をさらに2つのグループを設けてグループごとにワークショップを開催することとなった。
100人委員会をサポートする組織として市の職員や社会福祉協議会の職員によってプロジェクトチームを組織した。
平成15年度は準備期間と言うことで組織の立ち上げや組織の構成員の方に意識啓発とか学習、研修を積んでいただいた。平成16年に入って100人委員会でワークショップを中心に進めてきた。
ワークショップの概要(資料)。1回目はテーマに沿った生活課題の洗い出しを行い、2回目、3回目と生活課題に対応した取組の方策の検討、最終的に目玉的なプランをアクションプランとしてまとめ、市民集会で各グループから発表してもらった。
ワークショップの具体的な手順としては、生活課題を挙げてもらい(資料)、□現在評価できるような内容、■課題として解決していかなければならない内容と整理し、生活課題を解決するのに必要な方策をまとめた(資料)。最終的に10グループ分整理したものを元に、アクションプランとしてまとめた。
反省点は、100人委員会の進行に比べて庁内体制が追いつかなかった点、評価できる点は、住民の中に確実に自治に加わろうという意識が芽生えてきたことで、次世代行動計画や障害者プランなど他の計画でも住民参加という部分で期待が持てる。

(姫島村)
生活課題の集約は、地区座談会の開催、各団体等の会議参加による集約、アンケート調査によって行った。
座談会の開催は、全地区で全世帯を対象に実施することとし、開催の周知にあたっては村で出来る周知方法を全て活用した。
もっとも有効だった周知は各団体等の会議参加による趣旨説明及び座談会参加への依頼。また、各駐在区の駐在員に座談会の前日に各戸訪問による周知を頂いた。次に屋外拡声放送(地区放送)による周知が有効だった。
座談会は各行政区ごとに2回行い、第1回目は生活課題の集約について、第2回は生活課題の解決方法等を検討した。
地区座談会での生活課題の集約では困っていることのカード(資料)良いところのカード(資料)を書いてもらい、困っていることを良いところで補える部分について計画に反映できるようにした。
団体等の会議の参加による生活課題の集約は、件数は少なかったものの、出てくる生活課題の中身が濃かったり、緊急性を要するものがほとんどで重要な部分。
アンケート調査は一般と学生の2種類を作成し、一般は駐在員に各戸配布回収してもらい、小中学生は学校で実施、高校生については件数が多くないことから職員が直接配布回収した。
座談会をやるまではどういう会になるという緊張感もあったが座談会もスムーズに行き住民は思ったほど怖くないものだった。住民の生の意見を聞くことにより、これから先職員のより一層の意識改革をしていきたい。


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