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2 母性並びに乳児及び幼児等の健康の確保及び増進

事例タイトル 育児不安解消・親同士の交流支援を目的とした母子保健事業
実施主体 愛知県西尾市 主体属性等 自治体(人口約10万人)
事例内容  保健センターの役割を妊娠期から乳児期の子育て支援に重点化し、母子保健事業として「マタニティ講座」「おめでとう相談」、「赤ちゃんひろば」を実施している。これは平成12年度に設置された子育て支援センターとの役割分担を明確にするため。
 「マタニティ講座」の妊婦体操コースは6回で1コース、年5コース実施し、妊婦体操を通じて仲間づくりを目的としている。妊娠期は親しくなりやすく出産前後またその後も交流が続くことが多い。
 「おめでとう相談」は、産後早期の育児不安の解消と仲間づくりを目的とした、産後の育児相談と母親同士の交流の場を設ける事業。対象は0〜4か月児とその親。スタッフは助産師、保健師で、身体計測や哺乳相談・育児相談を主体とし、母親同士の交流が図られるような運営を行っている。気楽に来てもらうことを第一に考え、予約不要、時間内であれば出入りは自由というスタイルをとっている。保健センターへ来所できない人には希望があれば助産師が訪問している。
 「赤ちゃんひろば」は5〜11か月児とその親。事業内容は、母親同士の交流を主体に赤ちゃんとの遊び、育児相談、身体計測、育児の話などを行っている。おめでとう相談と同じく、予約不要、時間内であれば出入り自由。
特徴(選考ポイント)
 妊娠期及び産後早期の支援の主たる担い手として保健センターを捉え、育児不安の解消、仲間づくりに向けた支援を実施している。
 利用者が気軽に利用できる仕組みを工夫している。

事例タイトル 新生児訪問指導事業
実施主体 神奈川県相模原市 主体属性等 自治体(人口約62万人)
事例内容  相模原市では、出産後おおむね6週間以内の母子を対象に、助産師または保健師が家庭訪問により、適切な保健指導を行い、育児技術の習得及び出産直後の育児不安の軽減を図る「新生児訪問指導事業」を行っている。
 対象者の把握方法は、主に出生連絡票(ハガキ)である。返送された出生連絡票をもとに第1子については、全員かかわりを持つことにしている。連絡が取れない家庭には相談窓口を案内した文書を送付するなど、スピーディーなアプローチのための工夫を行っている。
 出産後6週間以内は、母親にとって育児不安が一番大きくなる時期であると言われ、この時期に支援を開始することの重要性が従来から把握されていたが、実際に、早期の適切な介入により、産後うつ病や虐待の予防、早期発見・早期ケアに結びついた事例や早期から継続した支援を行ったことで、産後うつ病の発祥を予防できた事例、送付した文書を見ての相談で、適切な支援が行えた事例などがあった。
 今後、産後うつ病や虐待の予防と早期発見・早期ケアを充実させるためにも、対象者を拡大させていく予定である。
特徴(選考ポイント)  出生連絡票をもとに、第1子については、助産師または保健師による全数フォローを実施、児童虐待の予防、早期発見に努めている。

事例タイトル 育児相談専用の直通電話事業
実施主体 長野県上田市 主体属性等 自治体(人口約12万人)
事例内容  平成9年より育児相談専用の直通電話を開設。市広報、ポスター及び新生児訪問時などにPRした。
 相談者実人数534人(平成14年度実績)中、乳児期337人の相談内容は発熱、発疹、下痢、便秘などの病気に関するものが最も多く、次に授乳方法、予防接種についてとなっている。幼児期181人では、かんしゃくへの対応等子育ての具体的な方法に関すること、また母親の育児疲れを訴える相談が最も多く、次いで病気に関すること、予防接種のこと、偏食等食事についてである。
 相談への対応は主に保健師が行うが、内容によっては助産師、管理栄養士、歯科衛生士に引き継ぐ。
特徴(選考ポイント)
 育児相談専用の電話回線とすることで、ケースに対して十分に時間を割くことができている。

事例タイトル 妊婦禁煙教室
実施主体 大阪府枚方市 主体属性等 自治体(人口約40万人)
事例内容  大阪府枚方市では、平成13年4月、妊娠届出書の様式を変更し、異常(疑いを含む)のスクリーニングに留まらず、妊娠初期から出産・育児を通してのサポートがより効果的に行えるような配慮を行い、「喫煙・飲酒」についても質問項目に追加した。この妊娠届出書を活用し、平成13年11月より「禁煙希望者」を対象に「プレママのための禁煙教室」を保健センターにおいて企画・試行実施した。禁煙支援・禁煙仲間づくりを目標に、第1回目は禁煙についての講義、呼気中の一酸化炭素濃度測定などを実施し、第2回目以降は両親教室に合流参加していく形で実施した。参加者は多問題家庭も少なくなく、教室終了後も保健師が引き続きフォローを行っている。
 教室の周知方法は、妊娠届で禁煙希望のある第1子の妊婦に電話で勧奨。第2子以降の妊婦は電話フォローを行い実態を把握している。
特徴(選考ポイント)
 妊娠届出書を活用して、妊婦の喫煙実態を把握し、禁煙教室を開催。
 妊娠届出書の様式を変更し、異常のスクリーニングや妊娠初期から一貫したサポートを効果的に実施できる仕組みを工夫。

事例タイトル 健診の機会を利用した育児支援・相談事業
実施主体 愛知県高浜市 主体属性等 自治体(人口約4万人)
事例内容  愛知県高浜市では、平成13年度より育児支援及び虐待予防を目的に「プリティーママアドバイザー事業」を実施している。この事業では、育児上の不安や悩みを保育士ボランティア(無償)が遊びを通してアドバイスし、親と子の健康づくりの支援を行う。
 対象者は、1歳6か月児健診・3歳児健診を受診する親子。実施回数は、各健診にあわせて毎月2回実施。活動内容は、体操・手遊び・紙しばい・歌遊び・絵本の読み聞かせなどを行い、その後、母親に声をかける中で、随時育児相談を受けている。また、親子の関係が気になる場合は保健師がその親子のフォローを行う。
 現在保育士ボランティア登録数は6名で、実際の活動は毎回2〜3名で実施している。活動内容や教材も保育士同士で決めている。この事業を実施するようになり、健診の待ち時間を遊びながら待てるようになり、親子にとって楽しい時間となっている。また、健診をしている保健師にとっても、子どもが遊んでいる様子を観ることができ、子どもの本来の姿が分かるよい機会となっている。
特徴(選考ポイント)
 既存の母子保健事業の機会を活用した育児支援・相談で、利用者のアクセシビリティが高まっている。
 育児支援・相談には保育士ボランティアを活用している。

事例タイトル 小学生を対象とした食育・食に関する体験活動
実施主体 愛知県教育委員会 主体属性等 県教育委員会
事例内容  愛知県教育委員会は、偏った食事のとり方による生活習慣病の若年化や、食事を1人でとる「孤食」が子どもの心の育成に関わっていることから、小学生が「食」に対して関心を持ち自らの望ましい食生活について考える子を育成するため、平成13年度から「食育推進事業」を実施している。
 平成13年度は県内28小学校を実践研究校に委嘱する「楽しい子ども食育推進事業」を実施した。子どもたちが農作物の生産現場に出かけ生産者との交流等を行う体験活動や学校に生産者を招く招待給食等を行う。具体的にはそれぞれの市町村教委、校長、農協、PTA、医師会など関係機関で作る運営会議を設け、地域に合った事業の進め方を検討している。(予算額890万円)
 平成14年度は新たな28小学校を実践研究校に委嘱し、「総合的な学習の時間」等に栄養職員を活用した食に関する授業を行う等、学校教育に食の指導を位置づける研究を行った。(予算額927万円)
 実践研究校においては、「食材や献立について関心が深まった」「残量が減った」「給食の時間を楽しく過ごす児童が多くなった」「好き嫌いが少なくなった」等の成果がみられている。
 また、平成13・14年度とも実践研究校の事例集を県内全市町村教育委員会及び全小学校に配布し啓発を図っている。
  平成15年度は「子ども食育実践事業−集まれみんなの食フェスタ−」
 を実施している。県内全市町村(88市町村)の代表児童を集めた「子ども食フェスタ」を開催し2年間の活動の啓発を図ることとなっている。
 (予算額500万円)
特徴(選考ポイント)
 総合的な学習の時間を食育、食に関する体験活動に活用している。
 関係者が運営会議を設け、事業をより効果あるものにしている。
 各学校の事情に配慮して事業を実施している。

事例タイトル 保健所と学校保健の連携による思春期保健対策
実施主体 豊田市保健所 主体属性等 政令市型保健所
事例内容  保健所における検査で、クラミジア抗体の陽性率が低年齢ほど高く、検査前のカウンセリングにおいては、適切なアドバイスができる大人が身近にいない現実が認められ、待っているだけの対策からの脱却が目指された。また、豊田市は特定感染症予防指針における個別施策層を若者とし、地域でのエイズ予防啓発事業と学校における啓発事業が有機的に連携できる事業展開がめざされた。
 そこで、(1)HIVをはじめとするSTDについての正しい知識をもつことにより、感染を予防しようとする意識や行動選択の能力を高める。(2)HIV感染者及び患者との共生について考えを深めることにより、差別や偏見をなくす。(3)性に対して健康的で前向きな考えを持ち、自他の生命を尊重した責任ある意思決定や性行動の選択ができるようになる、を目的とする事業の展開をめざした。
 中学校に対しては豊田市教育委員会を通して「エイズ教育協力校」を募集、高校に対しては直接協力を呼びかけた。校長の理解を得た後、中心となる人物(養護教諭や保健主事など)の強い理解と意識付けを得るよう、「保健所との協働によって得られる効果など」を意識したプレゼンテーションを行った。
 実際の事業として、生徒自身が主体的に参加し、体験できる事業を実施したが、その際、保健所はあくまでパートナーであり、決してリードしないという姿勢で取り組んだ。なお、事業実施前後でアンケートを実施し、事業効果を測定している。
特徴(選考ポイント)
 保健所の問題意識をもとに学校保健にアプローチ、連携して事業を実施した。
 保健所ができることを積極的に学校側に示し、着実に理解を得た。保健所はあくまでパートナーとして行動した。

事例タイトル 県「思春期保健対策専門部会」の設置
実施主体 栃木県 主体属性等 自治体(人口約200万人)
事例内容  思春期保健対策については、思春期教育や健康相談などを効果的に実施できるよう、保健・医療・教育・福祉などの関係機関が相互に学習の場を提供したり、定期的に情報や意見交換を実施する思春期対策のネットワークづくりが必要である。そこで、平成13年6月に「栃木県母子保健運営協議会」の下部組織として、地域保健、学校教育、地域医療などの関係者を構成員とする「思春期保健対策専門部会」(17人)を設置した。
 専門部会では、思春期保健対策や関係機関それぞれの役割分担と連携のあり方について検討し、平成14年3月に「思春期保健対策のあり方」を取りまとめた。
 平成14年度は、「思春期健康支援ネットワークシステム」を構築し、広域健康福祉センターを拠点に、(1)思春期健康支援ネットワーク会議の設置、(2)思春期健康支援プロジェクトチームを設置するとともに、新しい性教育手法としてピアカウンセリングを実施するなどピアカウンセラーを活用した事業に取り組んでいる。
特徴(選考ポイント)
 地域保健、学校保健、地域医療の関係者による思春期保健に対応するネットワークの構築、各種事業を実施。

事例タイトル 思春期電話相談の実施
実施主体 山口県立中央病院産婦人科 主体属性等 県立病院産婦人科
事例内容  平成5年:独自に「女性のなやみ相談室」を開設。スタッフによる電話相談と医師による面接相談を実施。
 平成9年:国の補助事業「生涯における女性の健康支援」の一環として「女性健康支援センター」「不妊専門相談センター」の委託を受け、専任の相談員と専用電話を確保して活動を継続。幅広い年齢層からの相談を受けていたが、思春期に関する相談は少なかった。
 平成11年:夏季休暇期間限定で「思春期ほっとダイヤル」を開設。中高生にパンフレットなどを配布、テレビスポットCMを放映し、PRした。その結果、中高生からの電話相談がそれ以前に比べ飛躍的に増加した。
 開設から平成10年までの思春期に関する相談件数は総数64件であったが、平成13年は192件、平成14年は158件となっており、従前に比べて大幅に増加している。
特徴(選考ポイント)
 思春期保健電話相談を、手段・時期・PR方法の面で効果的に実施した。
 既存の女性向け電話相談事業を思春期保健電話相談に拡大した。

事例タイトル ストレスを感じている母親に対するグループ療法の実施
 (母と子の関係を考える会)
実施主体 福岡県福岡市 主体属性等 自治体(人口約137万人)
事例内容  福岡市は平成14年9月から、育児不安や強いストレスを感じている母親を対象にグループ療法を実施。精神不安からくる子どもへの虐待を未然に防ぐのが目的。
 グループ療法は、1箇所の保健福祉センターで、6〜10人程度の母親に毎月1、2回集まってもらい実施する。
 担当の保健師(精神保健福祉相談員または精神保健福祉士)や心理士がグループの進行役となり、母親同士で日頃の悩みなどを語り合ってもらう。また、スタッフのスーパーバイザーとして、医師が専門家の立場から助言する。グループ療法の期間は、母親の心の傷の深さや回復の度合いを見ながら決める。
 グループ療法への参加者は、乳幼児健診(生後4ヶ月)や保健師による家庭訪問を通じて、育児不安の強い状態などにある母親に絞って参加を促す。
特徴(選考ポイント)
 虐待を未然に防ぐことを目的とする取り組み。既存の健診等の機会を通じてニーズに接近、保健福祉センター(保健所)を活用している。

事例タイトル 行政専門職が連携して取り組む乳幼児の健全発達支援
実施主体 宮城県岩沼市 主体属性等 自治体(人口約4万人)
事例内容  宮城県岩沼市では障害児や発達の遅れが見られると疑われる乳幼児の発達を促し、母親が元気で生き生きと子育てができることをめざし、平成10年度から毎月1回乳幼児健全発達支援事業「にこにこ教室」を実施している。
 岩沼市の母子保健における保健師の活動において、いわゆる「グレーゾーン」、特に「母子関係に起因していると思われる親子」へのかかわりが急増している。従来、健康診査からの経過を追い発育発達を確認する場としての「ちびっこ相談」、一般の親子を対象に遊びの「ふれあい教室」で対応していたが、「グレーゾーン」の児童と母親への充分できめ細やかなフォローができないことから、小集団による遊びの教室と発達相談が受けられる場として「にこにこ教室」を開催することにした。
 対象者の特性から、スタッフは保健課の保健師だけではなく、福祉事務所に協力をもらい、心身障害児母子通園施設の保育士3名と、保健課の臨時職員として障害児保育の経験のある保育士1名が遊びの教室(感覚遊びや音楽療法を取り入れたふれあい遊びが中心)を担当し、また臨床心理士が保健課の発達相談員として発達相談(発達検査や育児相談)を担当している。
 「にこにこ教室」の14年度の実人員は22名で延人員は119名。発達相談の実人員は10名で延べ人員は19名。今年度からは、主任児童委員の協力を得て、兄弟の託児を行い、母親が対象児としっかりと関われるよう配慮、さらに母親のリラックスタイムを設け、母親のリフレッシュと我が子をゆったりした気持ちで見つめる機会を持てるよう心がけている。
 「にこにこ教室」の次のステップとして、母子通園施設の準備期にあたる「クラブ」があり、「にこにこ教室」が障害児支援のメニューに加わったことで幅が広がり、それに合わせて段階的に無理のない形での療育をめざすことが可能となった。
特徴(選考ポイント)
 関係する行政専門職種が連携して取り組む、障害児や発達の遅れがみられる乳幼児への支援。

事例タイトル 乳幼児健診への外国人通訳の配置事業
実施主体 愛知県小牧市 主体属性等 自治体(人口約15万人)
事例内容  外国人登録者が多く、乳幼児健診の際にも言葉の障壁が問題となっていた。そこで、対象者が安心して健診を受けることができ、保健師も効果的な健診を進めることができるように、乳幼児健診時に外国人通訳を配置した。
特徴(選考ポイント)
 外国人登録者にとっても利用しやすい母子保健サービスの機会の提供。

事例タイトル 医療と都道府県型保健所が連携したハイリスク妊産婦・未熟児への支援
実施主体 石川県 主体属性等 自治体(人口約117万人)
事例内容
 目的
 ハイリスク妊娠や未熟児等を出産した親に対し、医療機関と保健所が、連携しながら支援することにより、親と子が健やかに成長することを目的とする。
 事業内容
(1)ハイリスク妊婦保健・医療連携
 産科医が多胎妊婦や若年妊婦等ハイリスク妊婦で本人の同意の得られた者を県保健福祉センターに紹介。紹介を受けた保健所は訪問相談指導を実施。
(2)未熟児等保健・医療連携
 未熟児等NICUに入院中で保護者の同意の得られた者に対し、児がNICU入院中から保健師が病院訪問を行い、主治医連携のもと訪問指導を実施。
(3)未熟児等母乳哺育支援事業
 未熟児等を出産した母親及び若年や未婚の母等に対し、助産師が家庭訪問し、乳房マッサージや栄養指導等を行う。
(4)育児支援教室の開催
 多胎児、未熟児等に対し、保健所はフォローアップ教室、育児支援教室、親の会の育成・支援を実施。
(5)保健・医療連携会議及び研修会 
 本事業に関わる、産科医、小児科医、助産師、保健師等が参加し、連絡会、合同研修会を開催。
 事業の成果
 未熟児等保健・医療連携は事業開始から7年が経過し、連携の実績は上がってきている(H13年度未熟児養育医療受給者の61%に対し連携を実施。1000g以下の重症児は実施率100%)。医療機関、保健所の連携により、家族への支援もスムーズで効果的に実施できる。
特徴(選考ポイント)
 ハイリスク妊婦・未熟児等に対し、都道府県型保健所と医療機関、助産師会等が連携して支援に取り組んでいる。

事例タイトル 療育を含めた地域子育て支援拠点施設の整備
実施主体 長崎県佐世保市 主体属性等 自治体(人口約24万人)
事例内容  佐世保市では、子どもの心身の健やかな発達を支援し、適切な療育を提供するため、佐世保市子ども発達センターを設置している。
 子ども発達センターは「親子交流部門」と「療育部門」から構成されている。
 「親子交流部門」では地域子育て支援センター事業として、以下の事業が行なわれている。
 わいわい広場:相談員が常駐。土・日曜日を含めセンター内の広場を無料開放し、親子同士の情報交換、交流等を支援。
 巡回子育て支援(シーユー):未就学児の母親を対象に、保育士が遊びを通して子育ての楽しさを体験する場を提供。市内の公民館などで実施。
 小グループ(のびのび):子育てに悩む1〜2歳の在宅親子を対象に、保育士と保育カウンセラーによる育児相談をセンター内で実施。毎回10組程度。
 「療育部門」では以下の事業が行なわれている。
 予約制診療:小児科(総合相談;健康面と発達面の評価と療育の方向付け)、耳鼻咽喉科、整形外科。
 保健師活動:早期の療育開始を目指し、乳幼児健診とセンターの診療結果を相互に連携。
 療育:理学療法、作業療法、言語聴覚療法、心理療法、小集団保育、歯科相談・歯科健診、医療外相談。
 障害児(者)地域療育等支援事業:知的障害児通園施設と共同で実施。外来療育支援(家族、学校教員、保育関係者を対象にセンター内で療育相談に対応)、訪問療育支援(家庭を訪問し、健康診査や介護に関する支援を実施)、施設支援(保育園、幼稚園、学校、福祉施設の職員を対象に、療育に関する技術を提供)、地域生活支援(希望者に対する福祉サービスの調整、親の会の活動支援その他)
特徴(選考ポイント)
 地域療育活動の拠点を整備。
 療育だけでなく、幅広い子育て需要に対応。

事例タイトル 極低出生体重児とその保護者に対する支援
実施主体 神戸市 主体属性等 自治体(人口約151万人)
事例内容  神戸市総合児童センター(地域の児童館を統括するセンター)と神戸大学が協力し、平成6年度に神戸大学母子センターを退院した極低出生体重児を対象に親子教室を始めた。その後、周辺にあるほかのNICU基幹病院を退院した児にも対象を広げた。平成11年度からは神戸市の母子保健事業として予算化し、その運営を神戸市社会福祉協議会に委託している。
 会場は総合児童センターで、教室の運営には、大学や病院、こども家庭センター(児童相談所)等の小児科医、助産師、ケースワーカー、保育士などの専門職員とボランティアの学生など約20名が参加している。家族の参加費用は無料。
 月齢別の4グループの教室があり、それぞれ概ね月1回実施されており、「親子での遊びのプログラム」、「(専門家を交えた)親同士の交流のプログラム」が行われている。
 このプログラムは、特定の機能を改善したり障害を治療することを目的とするのではなく、両親の養育態度への効果を主眼に企画されている。すなわち、専門家と話すことによって育児への不安を少なくし、また、よく似た境遇にある親同士が共感しながら子育ての楽しみを見出していくことを目標としている。
 市内1箇所実施の事業であることから、なかなか参加できない家族も存在し、参加できない家族がより支援を必要としている場合が多い。平成14年度から極低出生体重児に関して出産医療機関から早期に保健センターに情報提供され、保健師による家庭訪問などに繋げるシステムができた。これを含め、今後も医療機関、教室、行政の円滑な連携が課題の一つである。
特徴(選考ポイント)
 地域において行政と大学、医療機関が協力してハイリスク児を支援する体制を構築している。

事例タイトル 関係者が連携して取り組む性の問題、感染症予防
実施主体 長崎県佐世保市 主体属性等 自治体(人口約24万人)
事例内容  長崎県佐世保市子育て家庭課では、平成13年に「佐世保市エンゼルプラン」を見直すにあたり、教育・保健・医療関係者・保護者の16名の委員による「思春期の子ども検討会」を立ち上げアンケート内容を検討し、思春期の子どもと周囲の人の現状とニーズを把握するためにアンケート調査を実施した。
 平成14年度は、そのアンケートの結果に基づく対策を考えるため「思春期の子ども検討会」を開催し、検討を行い、また、ここ数年の間、人工妊娠中絶や、性感染症罹患の急激な増加が佐世保市においても高い割合を示していることから、現在検討会では、「性」に関することを最優先に考え、思春期の子どもの性の問題について取り組んでいる。
 思春期検討委員がそれぞれの立場で働きかけたこともあり、学校や保護者、地域の子供会からの性教育についての要望が以前と比べ多くあがるようになってきた。現在、専門家による小学校、中学校、高等学校の養護教諭や教師への研修や高校生への性教育のモデル授業を行い、併せて関係教諭や保健師が見学することで職員のスキルアップを図ってきている。また、小児科医師と保健師がペアとなり学生に対して性教育を行い、保健師は保護者や地域の子供会、主任児童委員への講話を実施している。
特徴(選考ポイント)
 行政担当部門それぞれが学校保健、地域保健に積極的に関与し、思春期保健対策を実施。
 思春期の「性」の問題に関する関係者の協議の場を設け、また実態把握のためのアンケートを実施。
 教師や保健師、主任児童委員、保護者など関係者のスキルアップにも取り組む。

事例タイトル 「どんぐりプラン」による子ども・家庭の継続的支援
実施主体 長野県茅野市 主体属性等 自治体(人口約5.6万人)
事例内容  茅野市では、新生児一人ひとりに「乳幼児カルテ」を作成している。このカードには4ヶ月、10ヶ月、1歳6ヶ月、2歳、3歳児といった乳幼児の健診記録から健康や相談、支援に関するデーターが記入されている。その中で保健・医療・福祉の各機関と、保育園・幼稚園・学校などと連携を図る必要が生じたときには、「どんぐり会議」を開催し継続的な支援を行っていく。運用については個人情報保護条例を適用し、プライバシーに十分配慮している。
 身近な相談の拠点としては、4つのエリアにある保健福祉サービスセンターが窓口になり、それぞれの地域で基本的な生活支援はもとより、保育園・幼稚園、学校との連携も進めている。乳幼児からの生育歴を踏まえながら、保育園や学校の個別支援だけでなく、卒業後に地域の中で豊かな自立生活を営むことができるよう見通しを持って援助していく。このため、入園、入学、卒業などの節目ごとに「カンファレンス」を実施し、本人や家族のニーズを大切にしながら、必要な専門職(保健師・医療職・福祉職・教員・保育士など)が一緒になって、中長期的なケアプランを検討していく。この定期カンファレンスとは別に必要に応じて随時「どんぐり会議」も行っていく。本人や家族からの相談、学校や医療機関からの連絡、地域の見守りと通報を受け、速やかに関係機関の職員が集まって「どんぐり支援会議」(どんぐり会議メンバーの他に警察・弁護士・保健所など)を開催し検討していく。急を要する児童虐待や、時間をかけた対応が求められる時もある、不登校や引きこもりについても、特定の機関が問題を抱え込まず、関係機関が情報を共有した上で、本人・家族とともに、連携して支援していき、そのためにも、茅野市子ども・家庭応援センターが常に関係機関と円滑な情報交換をし、緊急時にも迅速に対応できるよう「カンファレンス・相談体制ネットワーク」の構築を進めている。
特徴(選考ポイント)
 子ども・家庭に関する情報の共有化、中長期的な支援。
 保健福祉サービスセンターによる身近な相談窓口。
 子ども・家庭応援センターを中心とした相談体制の確立。


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