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IV ニーズ調査


1 ニーズ調査の実施方法

(1) 調査対象と調査種類
 子育て家庭の生活実態やサービスニーズは子どもの年齢により異なることから、ニーズ調査は大きくは就学前児童(4月1日現在、0歳〜5歳)と小学校児童(1年生〜6年生)に区分して行うことが望ましい。
 また、就学前児童のサービスニーズについては、0歳児、1〜2歳児及び3〜5歳児の区分で調査結果が把握できるようにすることが望ましい。
 さらに、小学校児童については、本来的には全学年を対象とすることが望ましいが、放課後児童健全育成事業のニーズを把握するという観点においては最低限として低学年児童は対象とするべきである。
 なお、中学生及び高校生や、特別なニーズを有する層(例えばひとり親家庭など)についても、簡便なアンケート調査やヒアリング等によって、別途サービスニーズを把握することが望ましい。

(2) 調査対象の抽出
 調査対象者の抽出方法としては、当該市町村の人口規模等を勘案して調査対象数を設定して住民基本台帳等を用いて無作為に抽出する抽出調査と、調査対象者全員を対象とする悉皆調査がある。
 抽出調査の際には、年齢別・地域別の分析が可能となる規模の調査対象数の設定と、子どもの年齢及び地区で層化した抽出が必要である。サービス需要は子どもの年齢はもちろんのこと、同一市町村の中でも地域によって偏りがあり得るため、地域ごとの集計及び需要算出が必要となるからである。特に人口規模が大きい政令指定都市及び中核市等については、調査対象の抽出、集計及び推計ニーズ量の算出を行政区ごとに行うなどの工夫を要する。なお、調査回答者(子どもの保護者)の負担を軽減する趣旨から、同一世帯に複数の調査票を配布しないように調査対象者の抽出を行うことが必要である。
 また、人口規模が小さく児童数が少ない市町村(就学前児童数が概ね1,500人未満)においては、各年齢別の有効回答数が100に満たないことが予測される。したがって、結果の妥当性を確保する趣旨から、悉皆調査もしくは近隣の市町村との共同調査を行うことも検討する必要がある。

(3) 調査票の配付・回収方法
 調査票の配付・回収方法としては以下のようなものが考えられる。
  (1) 郵送配付、郵送回収(郵送調査)
  (2) 調査員配付、後日調査員回収(留置調査)
  (3) 調査員面接調査(福祉施設等職員、民生・児童委員等)
 調査の実施に当たっては、回答者に調査趣旨及び調査主体が明確に伝わるように、首長名や担当部課長名などで挨拶文を付することが必要である。
 また、郵送調査の場合は、一定の回収率を確保するために督促状兼礼状等を送付することが望ましい。一方、留置調査、調査員面接調査の場合は、調査項目の設定及び調査員の選定に注意を払う必要がある。
 いずれの方法をとる場合においても、個人情報の保護に十分に配慮することが必要である。

(4) 調査の回答について
 調査票の回答は抽出された児童の保護者に依頼する。調査の回答に当たっては、原則として抽出された児童について回答を求める。
 なお回答に当たっては、個人を特定する必要はないので、原則無記名とする。


2 ニーズ調査項目

(1) 調査項目の設計にあたっての留意点
 定期的な保育等事業等、推計ニーズ量の算出を要するサービスについては、サービスニーズが量的に把握できるよう設計する。その際、モデル調査票の様式に依る必要はないが、目標事業量の数値は国から提供を依頼されることを念頭に置いて調査項目の設計をする必要がある。
 また、地域における子育て支援のあり方を広く検討するための基礎資料とするため、保育サービス利用者のみならず地域の子育て家庭一般の生活実態や意識が把握されるよう留意する。中でも、在宅で子育てを行う家庭への支援のあり方や、地域における子育て支援機能の醸成といった観点について検討する際に参考となる情報については重点的に把握に努めることが望ましい。
 人口規模や産業構造、サービス供給基盤の状況などの地域特性に応じて調査項目及び選択肢を適宜工夫し、当該市町村において適正であり、かつ回答者が回答しやすい調査となるよう設計に留意する。
 以下に目標事業量設定のためのモデル調査票を示すが、これはあくまで調査項目の例であるため、市町村の政策的判断により、調査項目及び選択肢の整理や追加、削除、事業名等の表現の変更、記入様式の変更等は自由に行うことができる。

(2) 目標事業量設定のためのモデル調査票の種類
 調査票及び調査項目については、例として示すモデル調査票を参考とされたい。提示するモデル調査票は以下の2種類である。
  (1) 就学前児童用モデル調査票
  (2) 小学校児童用モデル調査票
 これらのモデル調査票は、推計ニーズ量の把握に必要となる項目を中心として提示しているので、それ以外の項目(子どもや世帯の状況の項目、子育て支援環境一般に関する項目)も併せて検討して調査項目を設定するよう留意する。
 なお、人口規模が小さく児童数が少ない自治体等で悉皆調査を実施すると、同一世帯で複数の調査票が配付され、回答者の負担が大きくなることも考えられることから、参考までに、世帯を単位とし子ども全員について回答する形式の「悉皆調査用」も示す。


3 目標事業量設定のためのモデル調査票

(1) 就学前児童用モデル調査票(ワード形式:294KB)

(2) 小学校児童用モデル調査票(ワード形式:140KB)

(参考) 就学前児童用モデル調査票(悉皆調査用)(ワード形式:291KB)

(参考) 小学校児童用モデル調査票(悉皆調査用)(ワード形式:269KB)


4 モデル調査票に必要に応じて加えるべき項目

 前述のモデル調査票においては、III「事業目標の設定」の「2 定量的目標の設定方法」の(1)及び(2)の事業の推計ニーズ量の把握に必要となる項目を中心として提示しているが、計画策定においては、次世代育成環境全般に関する項目について、地域住民の意識を把握することも必要となる。
 そこで、以下にそのような項目の設問例を示すが、それぞれの自治体において、地域の特性や課題等を踏まえ、創意工夫して調査票を設計していただきたい。
 また、母子保健、教育、生活環境、子どもの安全の確保等の分野における事業展開のあり方について、住民の意向等を把握する設問についても、併せて検討していただきたい。
 なお、母子保健分野については、「健やか親子21」における取組の目標も踏まえ、設問を検討していただきたい。

就学前児童・小学校児童に共通の項目 サービス等の満足度
子育てに関する悩みや不安感
子育てに関する悩みの相談相手
子育てに関する情報の入手方法
自主的な活動への参加状況
子どもの遊び場
外出の際困ること
行政サービスへの要望
就学前児童用の項目 一時的保育事業等に関する意向
小学校児童用の項目 放課後児童健全育成事業への要望
子どもの居場所
児童館
子どもの地域活動への参加状況

(1)就学前児童・小学校児童に共通の項目

   サービス等の満足度
設問趣旨 サービスの質の確保・向上を図る観点から、保育所の利用者満足度を把握する。保育所以外にも、就学前児童においては幼稚園や認可外保育施設の満足度が、また小学生児童においては、放課後児童クラブの満足度が考えられる。
設問例

   子育てに関する悩みや不安感
設問趣旨 子育てに関する漠然とした不安感や負担感の実態を把握する。
設問例

設問趣旨 子育てに関する悩みを把握する。相談事業や情報提供事業等のあり方を検討する際の材料とする。
設問例

設問趣旨 子育てに関する悩みを把握する。具体的な事業のあり方とは別に、地域における子育て意識全般としての参考資料とする。
設問例

設問趣旨 仕事と子育てを両立させるに当たっての悩みを把握する。具体的な事業のあり方とは別に、地域における子育て意識全般としての参考資料とする。
設問例


   子育てに関する悩みの相談相手
設問趣旨 子育てに関する悩み等の相談相手を把握する。選択肢については、関連分野の各種機関やNPO、ボランティア等の非営利組織を含める等、地域の供給基盤の状況を踏まえたものとなるよう、適宜工夫する必要がある。
設問例

   子育てに関する情報の入手方法
設問趣旨 子育てに関する情報の入手方法を把握する。情報提供サービスのあり方を検討する際の材料とする。
設問例

   自主的な活動への参加状況
設問趣旨 子育てサークル等、地域の自主活動への参加状況と参加意向を把握する。
設問例

   子どもの遊び場
設問趣旨 子どもの遊び場に関する利用者の意識を把握し、遊び場整備に関する課題抽出の材料とする。
設問例

   外出の際困ること
設問趣旨 道路や公共施設などの都市環境に関する利用者の意識を把握し、都市環境整備に関する課題抽出の材料とする。
設問例

   行政サービスへの要望
設問趣旨 行政サービスの満足度を把握し、窓口業務に関する課題抽出の材料とする。
設問例

設問趣旨 子育て支援施策に関する利用者の要望を把握し、重点的に取り組むべき課題の抽出の材料とする。なお、必要に応じて、自由回答もしくはテーマを絞った自由回答とすることにより、幅広く要望を捉える工夫をする。
設問例

(2)就学前児童用項目

   一時的保育事業等に関する意向
設問趣旨 リフレッシュ目的の一時保育のニーズを把握する。現在は全く現実化していないニーズも含めて把握することになるため、厳密に量的な保育需要として算出するには適さず、利用意向として事業検討の際の参考とする。
設問例

設問趣旨 乳幼児健康支援一時預かり事業(病後児保育)の運営形態についての利用者の希望を把握する。選択肢については、当該自治体の供給基盤の状況等を踏まえ、適宜工夫する必要がある。
設問例

設問趣旨 ファミリー・サポート・センター事業の利用意向を把握し(事業を実施している場合)、今後の事業運営のあり方を検討する際の材料とする。なお、事業を実施していない場合には、会員になりたいか否か等、需要を把握する観点からの調査項目を工夫する必要がある。
設問例

(3)小学校児童用項目

   放課後児童健全育成事業への要望
設問趣旨 時間延長希望や学年延長希望をはじめ、放課後児童健全育成事業に関する利用者の要望を把握する。
設問例

   子どもの居場所
設問趣旨 平日の子どもの居場所を把握し、属性ごとの意識の相違を分析する際の材料とする。なお、土曜日における子どもの居場所づくり等の事業を検討するためには、土曜日の子どもの居場所の把握も必要となる。
設問例

設問趣旨 子どもの居場所に求める機能等に対する保護者の要望を把握し、子どもの居場所の整備について検討する際の材料とする。
設問例

   児童館
設問趣旨 子どもの遊び場や居場所となっている公共施設の種類を把握する。なお、児童館については、利用しない理由を把握することにより、児童館の設置や運営上の課題検討の際の材料とする。
設問例

   子どもの地域活動への参加状況
設問趣旨 子どもの地域活動等への参加状況とその種類を把握する。なお選択肢については、関連分野の各種機関やNPO、ボランティア等の非営利組織を含める等、地域の供給基盤の状況を踏まえたものとなるよう、適宜工夫する必要がある。
設問例


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