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II 人口推計


1 基本的な考え方

(1) 人口推計の目的と留意点
 行動計画は、平成17〜21年度を計画期間とし、児童数に基づいて推計ニーズ量を算出する事業があることから、この期間における将来人口の推計を必要とする。今回の人口推計においては、以下の点に留意するものとする。
   人口推計の期間および時点
 将来人口は、計画期間である平成17〜21年度の各年度の値を推計する。
 就学児を対象とした事業があることに鑑み、学齢基準日である4月1日時点での将来人口を推計することが望ましい。
   推計する人口の年齢区分
 行動計画では児童を年齢別に対象とする事業が多く扱われることに鑑み、少なくとも0〜11歳(小学生以下)、できれば0〜17歳(児童福祉法が定義する「児童」)については、各年齢別かつ男女別に将来人口を推計する。
 18歳以上の将来人口についても、出生数を推計する際に15〜49歳の女性人口及び「婦人子ども比」(詳細は後述)を利用するため、少なくとも5歳階級別かつ男女別に推計する。
 50歳以上の将来人口の推計は必須ではないが、総人口に占める児童人口の比率などを計算する場合に備え、全年齢層について男女別の将来人口を推計することが望ましい。

(2) 推計に使用する実績人口データ
 行動計画のための人口推計は、住民基本台帳もしくは国勢調査の何れかに拠る実績人口データに基づいて行う。これら2種類のデータソースには、それぞれ以下のような特徴があり、これらを比較検討して使用するデータを決める。
   住民基本台帳
 住民基本台帳は、毎月ないし年数回の時点(通常は月初又は月末)における人口データを採ることができる。そのため、直近のデータが使用可能で、かつ推計時点として望ましい4月1日時点の実績(月末が時点の場合は3月31日時点の実績で代用)を使用して推計を行うことができる。
 なお、市町村によっては必ずしもデータが各年齢別に整理されていないため、準備作業として各年齢別のデータ整理が必要となる場合がある。
 また、外国人人口が含まれていないため、外国人登録のデータを併せて利用することが望ましい。住民基本台帳のデータと外国人登録のデータを合算する場合、原則として時点や年齢区分を同じくしなければならない。
   国勢調査
 国勢調査の人口データは、全市町村で各年齢別に整理されており、また外国人人口も含んでいる。
 ただし、調査頻度が5年に1回のため、5年おきの10月1日時点のデータしか存在しない。近年の調査は平成7年と12年であり、今回の人口推計で国勢調査のデータを用いる場合は、主にこの2ヶ年のデータを使用することになる。
 以上の各データソースの特徴を整理すると、下表のとおりである。
  住民基本台帳 国勢調査
データの頻度 毎月ないし年数回 5年毎(近年は平成7年、12年)
データの時点 各月初あるいは各月末 10月1日時点のみ
データの整理状況 各年齢別のデータ整理状況は市町村によって異なる 全市町村で各年齢別データが存在
外国人人口の扱い 含まない 含む

(3) 人口推計の方法
 今回の推計で推奨される方法としては、「コーホート変化率法」と「コーホート要因法」の2種類がある。
 ここでいう「コーホート」とは、同じ年(又は同じ期間)に生まれた人々の集団のことを指す。例えば、平成14年4月2日〜15年4月1日生まれのコーホートは、平成17年4月1日時点で満2歳、平成21年4月1日時点で満6歳となり、平成21年度の小学1年生となる人々の集団である。
   コーホート変化率法
 「コーホート変化率法」とは、各コーホートについて、過去における実績人口の動勢から「変化率」を求め、それに基づき将来人口を推計する方法である。
 今回のように推計するものが比較的近い将来の人口であり、変化率の算出基礎となる近い過去に特殊な人口変動がなく、また推計対象となる近い将来にも特殊な人口変動が予想されない場合は、比較的簡便なこの方法を用いることができる。
   コーホート要因法
 「コーホート要因法」とは、各コーホートについて、「自然増減」(出生と死亡)及び「純移動」(転出入)という二つの「人口変動要因」それぞれについて将来値を仮定し、それに基づいて将来人口を推計する方法である。
 推計の基礎となる過去の実績人口に特殊な変動があったか、推計対象期間内の将来人口に特殊な変動が予想されるため、過去の実績に基づく変化率が将来人口の推計に適さないと思われる場合、この方法を用いることが推奨される。
 今回のように比較的近い将来の人口を推計する場合、特殊な人口変動は、例えばニュータウン開発や鉄道新設による大規模な人口流入のように、転出入を要因とするものにほぼ限られる(死亡率や出生率は短期間に大きくは変動しない。)。従って、将来値を任意に仮定するのは純移動要因だけとなる。


2 住民基本台帳の実績人口データに基づく推計

(1) 推計の時点
 過去における4月1日時点(若しくは3月31日時点。以下同様。)の実績人口をもとに、平成17〜21年の各年4月1日時点の将来人口を推計する。なお、平成15年度中に推計を行う場合、平成15年4月1日時点の実績人口を直近のデータとして使用することになるが、平成16年度の適切な時期に、平成16年4月1日時点の実績人口に基づき推計を更新することが望ましい。

(2)実績人口データの補正
   年齢不詳人口の按分
 実績人口データには年齢不詳分が含まれる。そのため、年齢判明分の人口に対する総人口(年齢不詳分を含む。)の比を補正係数として各年齢別の人口に乗じ、年齢不詳分を按分する。この補正作業は男女別に行う。算出式は以下のとおり。
図
(例) 男子の総人口(年齢不詳分を含む。)=67,223人
男子の年齢不詳人口=74人
男子の0〜4歳人口=2,854人
補正係数=67,223÷(67,223−74)=1.0011
補正された0〜4歳人口=2,854×1.0011=2,857
年齢不詳人口74人のうち3人(=2,857−2,854)が0〜4歳人口に按分された。
   外国人人口の算入
 住民基本台帳の実績人口データには外国人人口が含まれていないため、外国人登録から、時点(4月1日)と年齢区分(各年齢別)が同じデータを算入する。時点や年齢区分が合わない場合は適宜補正する。

(3)コーホート変化率法による推計
   1歳以上の各年齢別人口の推計
 コーホート変化率法において、1歳以上の年齢における男女別・各年齢別の将来人口は、その前年における1歳下の人口に「コーホート変化率」を乗じることによって、推計することができる。算出式は以下のとおり。
図
(例) (1)推計対象人口=平成17年4月1日時点の女子1歳人口
(2)基準人口=平成16年4月1日時点の女子0歳人口
(3)コーホート変化率=平成16年4月1日時点の女子1歳人口
÷平成15年4月1日時点の女子0歳人口
(1)=(2)×(3)

 上記の算出式及び例では、コーホート変化率を(t−1)年→t年の1区間(例では平成15年→16年)のみの変化から採っているが、この間の変化率が特殊でないかを更に過去に遡って検討し、特殊と思われる場合は、過去の一定期間における一般的な傾向を勘案して適切な変化率を設定する(例えば平成15年→16年、14年→15年、13年→14年の3区間における各変化率の平均を採る。)。
 以上のような推計を男女別・各年齢別に行い、さらに複数年分にわたって繰り返して、平成17〜21年の各年4月1日時点の将来人口(1歳以上)を推計する。
   0歳人口の推計
 0歳の人口は、「1歳下の人口」が存在しないため、「コーホート変化率」で推計することはできない。0歳人口すなわち出生数は、別途、母親となり得る女性の人口と出生率から、以下の手順で推計する。
(ア) 将来出生率の仮定
 直近数ヶ年における出生数を、母親の年齢階級(15〜49歳の5歳階級)別に把握し、それを各年の女性人口(15〜49歳の5歳階級別)で除して、女性年齢5歳階級別の出生率を算出する。年間出生数は4月1日〜翌年3月31日、除数となる女性人口は10月1日時点(ないし9月30日時点)の値を使用する。
 算出式は以下のとおり。直近2ヶ年ないし5ヶ年の実績値を求め、その一般的な傾向を勘案して、推計に用いる将来出生率を仮定する。
図
(イ) 将来出生数の推計
 (ア)で算出した将来出生率を、平成16〜20年の各10月1日時点の将来女性人口(15〜49歳の5歳階級)に乗じ、平成16〜20年度(各年度は4月1日〜翌年3月31日)の将来出生数を推計する。算出式は以下のとおり。
 この人口推計では4月1日時点の将来人口を求めることとしているので、10月1日時点の将来女性人口は、別途10月1日時点の推計を行って算出するか、その前後の4月1日時点の将来人口の平均値(平成17年10月1日時点の将来人口であれば、17年4月1日時点と18年4月1日時点の平均値)をもって代替する。
図
(ウ) 出生数の男女按分
 (イ)で推計した出生数を、直近2ヶ年ないし5ヶ年の出生における男女比の平均値に基づいて、男女に按分する。算出式は以下のとおり。
 ただし、実績出生数が母親の年齢階級別かつ新生児の男女別に把握できる場合、(ア)及び(イ)の将来出生率及び将来出生数を初めから男女別に求めれば、本プロセスは省略できる。
図
(エ) 0歳人口の推計
 (ウ)で推計された男女別の出生数(4月1日〜翌年3月31日)に、男女別の「出生数→0歳変化率」を乗じることで、翌年4月1日時点の0歳人口が推計される。算出式は以下のとおり。厳密には、4月1日生まれの人は翌年4月1日には満1歳であり0歳ではないが、推計誤差の範囲とする
図
 上記の算出式では、出生→0歳変化率を「(t−1)年4月1日〜t年3月31日」→「t年4月1日時点」の1区間のみの変化から採っているが、この間の変化率が特殊でないかを更に過去に遡って検討し、特殊と思われる場合は、過去の一定期間における一般的な傾向を勘案して適当な変化率を設定する(例えば直近3区間における変化率の平均を採る。)。
*            *            *
 以上の及びの結果を合わせることにより、全ての年齢について男女別・各年齢別の将来人口が推計される。

(4)コーホート要因法による推計
   1歳以上の各年齢別人口の推計
 コーホート要因法において、1歳以上の年齢における男女別・各年齢別の将来人口は、その前年における1歳下の人口に「生残率」及び「将来純移動率」を乗じることによって、推計することができる。
(ア) 生残率の仮定
 生残率(=1−死亡率)は短期間に大きくは変動しないので、厚生労働省が直近に発表した「生命表」における値を、平成17〜21年の推計対象期間において一定のものとして使用して差し支えない。ここでは、厚生労働省大臣官房統計情報部編『平成12年都道府県別生命表』(財団法人厚生統計協会発行、平成15年5月)における、各自治体が属する都道府県の死亡率を使用することが望ましい。
(イ) 将来純移動率の仮定
 将来純移動率は、過去における実績純移動率を踏まえ、さらに過去や将来における特殊な人口変動(前掲例のとおり、ニュータウン開発や鉄道新設による大規模な人口流入など)を勘案した上で別途見込むものである。仮定する値は、平成17〜21年の推計対象期間において一定としても、また変化させても構わない。
 過去における実績純移動率については、封鎖人口(転出入が一切なく生残率のみで規定されると仮定した理論上の人口)と実際人口との差である純移動数を求め、その実際人口に対する比として算出する。算出式は以下のとおり。封鎖人口の算出に使用する生残率も、直近から5年程度だけ遡って算出するのであれば、上記『平成12年都道府県別生命表』の値を使って差し支えない。
((t−1)年→t年における(n−1)歳→n歳の純移動率を算出する場合)
図
 過去における実績純移動率は、あくまでも将来純移動率を仮定するために参考とするものであり、実績値をそのまま将来値とするのであれば、論理的にコーホート変化率法による場合と同じ将来人口が推計される。コーホート要因法を用いるのは、将来純移動率を、過去ないし将来における特殊な人口変動を勘案した上で別途見込むためであることに留意する。
(ウ) 将来人口の推計
 (ア)及び(イ)で仮定した生残率及び将来純移動率を用いることで、t年4月1日時点の男女別n歳人口から、その翌年4月1日時点の男女別(n+1)歳人口が推計される。算出式は以下のとおり。
図
 以上のような推計を男女別・各年齢別に行い、さらに複数年分にわたって繰り返して、平成17〜21年の各年4月1日時点の将来人口(1歳以上)を推計する。
   0歳人口の推計
 コーホート変化率法の場合と同様に、0歳の人口は「1歳下の人口」が存在しないため、「生残率」と「将来純移動率」で推計することはできない。0歳人口すなわち出生数は、コーホート変化率法と同じ方法で推計する。
*            *            *
 以上のおよびの結果を合わせることにより、全ての年齢について男女別・各年齢別の将来人口が推計される。


3 国勢調査の実績人口データに基づく推計

(1) 推計の時点
 直近2回のデータである平成7年及び12年の実績人口データを用いて、まず平成17年及び22年の10月1日時点の将来人口を推計し、その後、平成17〜21年の各4月1日時点の将来人口を推計する。

(2) データの補正
 実績人口データには年齢不詳分が含まれる。そのため、年齢判明分の人口に対する総人口(年齢不詳分を含む。)の比を補正係数として各歳別の人口に乗し、年齢不詳分を按分する。この補正作業は男女別に行う。算出式は以下のとおり。
図
(例) 男子の総人口(年齢不詳分を含む)=67,223人
男子の年齢不詳人口=74人
男子の0〜4歳人口=2,854人
補正係数=67,223÷(67,223−74)=1.0011
補正された0〜4歳人口=2,854×1.0011=2,857
年齢不詳人口74人のうち3人(=2,857−2,854)が0〜4歳人口に按分された。

(3)コーホート変化率法による推計
   5歳以上の各年齢別人口の推計
 5歳以上の年齢における男女別・各年齢別の将来人口は、基準年次t年の男女別・5歳階級別人口に、(t−5)年からt年にかけての「コーホート変化率」及び「特定年齢人口割合」を乗じることによって、推計することができる。「コーホート変化率」及び「特定年齢人口割合」の算出方法は以下の手順で行う。
(ア) コーホート変化率
 コーホート変化率とは、過去2時点の年齢別人口を用い、その期間における各年齢(階級)毎の変動を示すものである。算出式は以下のとおり。
図
(例) 平成7年〜平成12年男子(0〜4歳→5〜9歳)変化率
=平成12年男子5〜9歳人口÷平成7年男子0〜4歳人口
平成7年〜平成12年男子(80歳以上→85歳以上)変化率
=平成12年男子85歳以上人口÷平成7年男子80歳以上人口
原則として過去2ポイント(平成7年、平成12年)の変化率を採るが、値が不自然な場合は過去の傾向を勘案して仮定することが望ましい。
(イ) 特定年齢人口割合
 特定年齢人口割合とは、5歳階級別に推計されたコーホート(集団)から特定の年齢の人口を推計する場合に必要となり、次の算出式で求められる。
図
(例) 平成12年男子5歳人口割合
=平成12年男子5歳人口÷平成12年5〜9歳男子人口
特定年齢人口割合は、原則として過去2ポイント(平成7年、12年)の平均を取るが、値が不自然な場合は過去の傾向を勘案して仮定することが望ましい。
(ウ) 年齢5歳以上の人口推計
 基準年次t年の男女別・年齢別人口に(ア)で求めた「コーホート変化率」、(イ)で求めた「特定年齢人口割合」を乗じることによって(t+5)年の5歳以上の人口を推計する。
 次に示すのは(t+5)年の5歳人口の推計例である。
図
(例) (1) 推計対象人口=平成17年時点の男子5歳人口
(2) 基準人口=平成12年時点の男子0〜4歳人口
(3) コーホート変化率=平成12年時点の男子5〜9歳人口
÷平成7年時点の男子0〜4歳人口
(4) 特定年齢人口割合=平成12年時点の男子0歳人口
÷平成12年の男子0〜4歳人口
(1)=(2)×(3)×(4)
 上記の算出式及び例では、コーホート変化率を(t−5)年→t年の1区間(例では平成7年→12年)のみの変化から採っているが、この間の変化率が特殊でないかを更に過去に遡って検討し、特殊と思われる場合は、過去の一定期間における一般的な傾向を勘案して適切な変化率を設定する(例えば平成7年→12年、平成2年→7年、昭和60年→平成2年の3区間における各変化率の平均を採る)。
 以上のような推計を男女別・各年齢別に平成17年及び平成22年について行う。
   年齢0〜4歳人口の推計
 年齢0〜4歳人口は、「1階級下の人口」が存在しないため「コーホート変化率」を用いて推計することはできない。年齢0〜4歳人口は、母親となり得る女性の人口と「婦人子ども比」から、以下の手順で推計する。
(ア) 婦人子ども(男・女児)比の算出
 婦人子ども比とは、母親となる年齢層(25〜34歳)に対する0〜4歳の子ども(男児・女児)の割合であり、この比率を用いることによって将来(t+5)年時点の男女別・0〜4歳人口を近似値的に求めることができる。算出式は次のとおり。
図
 ※ 婦人子ども比は,原則として過去の2ポイント(平成7年、平成12年)の平均を採るが、値が不自然な場合は過去の傾向を勘案して仮定すること。
 ※ 人口規模が小さい市町村においては、婦人子ども比の誤差が大きくなる可能性があるので、都道府県データを用いた婦人子ども比を使用することが望ましい。
(イ) 特定年齢人口割合
 特定年齢人口割合とは、5歳階級別に推計されたコーホート(集団)から特定の年齢の人口を推計する場合に必要となり、次の算出式で求められる。
図
(例) 平成12年男子5歳人口割合
=平成12年男子5歳人口÷平成12年5〜9歳男子人口
特定年齢人口割合は、原則として過去2ポイント(平成7年、12年)の平均を採るが、値が不自然な場合は過去の傾向を勘案して仮定することが望ましい。
(ウ) 0〜4歳人口の推計
 で求められた(t+5)年時点の女子25歳〜34歳人口に(ア)で求めた「婦人子ども比」と(イ)で求めた「特定年齢人口割合」を乗じることにより、(t+5)年の0〜4歳人口を算出する。
図
(例) 平成17年男子0歳人口
 = 平成17年25〜34歳女子人口×婦人子ども(男児)比×特定年齢人口(男子0歳)割合
同様にして、1〜4歳までの推計を行う。
*            *            *
 以上の及びの結果を合わせることにより、全ての年齢について男女別・各年齢別の将来人口が推計される。

(4)コーホート要因法による推計
   5〜9歳以上の5歳階級人口の推計
 コーホート要因法において、5歳以上の年齢における男女別・5歳階級別の将来人口は、その5年前における1階級下(5歳下)の人口に「生残率」及び「将来純移動率」を乗することによって、推計することができる。
 さらに、「特定年齢人口割合」を使って、5歳階級別の人口から各年齢別の人口を推計する。
(ア) 生残率の仮定
 平成12年の実績人口を基準に17年の将来人口を推計する際に使用する生残率は、国立社会保障・人口問題研究所編『都道府県別将来推計人口――平成12(2000)〜42(2030)年――平成14年3月推計』(財団法人厚生統計協会発行、平成14年10月)における表2「都道府県別、男女・年齢(5歳階級)別生残率」の平成12〜17年の値とする。
 また、平成12年の将来人口を基準に22年の将来人口を推計する際は、同統計・同表の平成17〜22年の値とする。
(イ) 将来純移動率の仮定
 平成12〜17年および平成17〜22年の将来純移動率は、平成7〜12年さらには平成2〜7年における実績純移動率を踏まえ、さらに過去や将来における特殊な人口変動(前掲例のとおり、ニュータウン開発や鉄道新設による大規模な人口流入など)を勘案した上で別途見込むものである。仮定する値は、平成12〜17年のものと平成17〜22年のものが同じでも、また違っても構わない。
 過去における実績純移動率は、封鎖人口(転出入が一切なく生残率のみで規定されると仮定した理論上の人口)と実際人口との差として純移動数を求め、その実際人口に対する比として算出する。算出式は以下のとおり。平成12年の封鎖人口の算出に使用する平成7〜12年の生残率は、平成12年生命表と平成7年生命表からそれぞれ求められる生残率の平均値となる。平成2〜7年の生残率についても同様である。
(平成7年→12年における0〜4歳→5〜9歳の男子純移動率を算出する場合)
図
(ウ) 特定年齢人口割合の仮定
 特定年齢人口割合とは、5歳階級別に推計されたコーホート(集団)から特定の年齢の人口を推計する場合に必要となり、次の算出式で求められる。
図
 特定年齢人口割合は、原則として過去2ポイント(平成7年、12年)の平均を採るが、値が不自然な場合は過去の傾向を勘案して仮定することが望ましい。
(エ) 将来人口の推計
 (ア)及び(イ)で仮定した生残率及び将来純移動率を用いることで、t年の男女別・5歳階級別人口から、(t+5)年の男女別の1階層上(5歳上)の将来人口が推計され、さらに、(ウ)で仮定した特定年齢人口割合を用いることで、推計された5歳階級に含まれる各年齢の男女別将来人口が推計される。算出式の例は以下のとおり。
(平成17年の5歳女子人口を推計する場合)
図
   0〜4歳人口の推計
 コーホート変化率法の場合と同様に、0〜4歳人口は「1階級下の人口」が存在しないため、「生残率」と「将来純移動率」で推計することはできない。年齢0〜4歳人口は、母親となり得る女性の人口と「婦人子ども比」から、コーホート変化率法と同じ方法で推計する。
*            *            *
 以上の及びの結果を合わせることにより、全ての年齢について男女別・各年齢別の将来人口が推計される。

(5) 4月1日時点の推計値への調整
 国勢調査の実績人口データによる将来人口推計は、その方法にかかわらず、ここでは平成17年10月1日と22年10月1日という2時点の将来人口を導く。
 今回の推計で求められる平成17年〜21年の各4月1日時点における将来人口のうち、平成17年を除く4時点については、上記2時点を線形で結んで算出する。平成17年4月1日時点の将来人口は、平成12年10月1日の実績人口と17年10月1日の将来人口とを線形で結んで算出する。


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