BHC、γ-BHC、DDT、アルドリン及びディルドリン、エタルフルラリン、エトリジアゾール、エンドリン、キントゼン、クロルデン、ジコホール、テクナゼン、テトラジホン、テフルトリン、トリフルラリン、ハルフェンプロックス、フェンプロパトリン、ヘキサクロロベンゼン、ヘプタクロル、ベンフルラリン並びにメトキシクロール試験法(農産物)

1.分析対象化合物
農薬等の成分である物質 分析対象化合物
BHC(α-BHC、β-BHC、γ-BHC及びδ-BHCの総和をいう。) α-BHC、β-BHC、γ-BHC、δ-BHC
γ-BHC(リンデン) γ-BHC(リンデン)
DDT(DDD及びDDEを含む。) pp'-DDD、pp'-DDE、pp'-DDT、op'-DDT
アルドリン及びディルドリン(総和をいう。) アルドリン、ディルドリン
エタルフルラリン エタルフルラリン
エトリジアゾール エトリジアゾール
エンドリン エンドリン
キントゼン キントゼン
クロルデン trans-クロルデン、cis-クロルデン
ジコホール ジコホール
テクナゼン テクナゼン
テトラジホン テトラジホン
テフルトリン テフルトリン
トリフルラリン トリフルラリン
ハルフェンプロックス ハルフェンプロックス
フェンプロパトリン フェンプロパトリン
ヘキサクロロベンゼン ヘキサクロロベンゼン
ヘプタクロル ヘプタクロル、ヘプタクロルエポキシド
ベンフルラリン ベンフルラリン
メトキシクロール メトキシクロール

2.装置
 電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ及びガスクロマトグラフ・質量分析計を用いる。

3.試薬、試液
 次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。
 α-BHC標準品 本品はα-BHC99%以上を含む。
  融点 本品の融点は157〜159℃である。
 β-BHC標準品 本品はβ-BHC98%以上を含む。
  融点 本品の融点は308〜310℃である。
 γ-BHC標準品 本品はγ-BHC99%以上を含む。
  融点 本品の融点は112〜114℃である。
 δ-BHC標準品 本品はδ-BHC95%以上を含む。
  融点 本品の融点は137〜140℃である。
 pp′-DDD標準品 本品はpp′-DDD98%以上を含む。
  融点 本品の融点は108〜110℃である。
 pp′-DDE標準品 本品はpp′-DDE99%以上を含む。
  融点 本品の融点は88〜90℃である。
 op′-DDT標準品 本品はop′-DDT98%以上を含む。
  融点 本品の融点は73〜75℃である。
 pp′-DDT標準品 本品はpp′-DDT99%以上を含む。
  融点 本品の融点は108〜110℃である。
 アルドリン標準品 本品はアルドリン97%以上を含む。
  融点 本品の融点は102〜104℃である。
 エタルフルラリン標準品 本品はエタルフルラリン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は55〜56℃である。
 エトリジアゾール標準品 本品はエトリジアゾール98%以上を含む。
  融点 本品の融点は20℃である。
 キントゼン標準品 本品はキントゼン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は143〜144℃である。
 trans-クロルデン標準品 本品はtrans-クロルデン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は104〜105℃である。
 cis-クロルデン標準品 本品はcis-クロルデン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は106〜107℃である。
 ジコホール標準品 本品はジコホール95%以上を含む。
  融点 本品の融点は73〜76℃である。
 ディルドリン標準品 本品はディルドリン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は177〜179℃である。
 テクナゼン標準品 本品はテクナゼン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は98℃である。
 テトラジホン標準品 本品はテトラジホン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は146℃である。
 テフルトリン標準品 本品はテフルトリン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は44〜45℃である。
 トリフルラリン標準品 本品はトリフルラリン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は46〜50℃である。
 ハルフェンプロックス標準品 本品はハルフェンプロックス99%以上を含む。
  沸点 本品の沸点は291℃である。
 フェンプロパトリン標準品 本品はフェンプロパトリン99%以上を含む。
 融点 本品の融点は45〜50℃である。
 ヘキサクロロベンゼン標準品 本品はヘキサクロロベンゼン98%以上を含む。
 融点 本品の融点は226℃である。
 ヘプタクロル標準品 本品はヘプタクロル98%以上を含む。
  融点 本品の融点は95〜96℃である。
 ヘプタクロルエポキシド標準品 本品はヘプタクロルエポキシド98%以上を含む。
 ベンフルラリン標準品 本品はベンフルラリン98%以上を含む。
  融点 本品の融点は65〜67℃である。
 メトキシクロール標準品 本品はメトキシクロール98%以上を含む。
  融点 本品の融点は89℃である。

4.試験溶液の調製
1)抽出
(1) 穀類、豆類及び種実類の場合
 検体を420μmの標準網ふるいを通るように粉砕した後、その10.0gを量り採り、水20 mLを加え、2時間放置する。
 これにアセトン100 mLを加え、3分間細砕した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いてすり合わせ減圧濃縮器中に吸引ろ過する。ろ紙上の残留物を採り、アセトン50 mLを加え,3分間細砕した後、上記と同様に操作して、ろ液をその減圧濃縮器中に合わせ、40℃以下で約30 mLに濃縮する。
 これをあらかじめ10%塩化ナトリウム溶液100 mLを入れた300 mLの分液漏斗に移す。-ヘキサン100 mLを用いて上記の減圧濃縮器のナス型フラスコを洗い、洗液を分液漏斗に合わせる。振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、-ヘキサン層を300 mLの三角フラスコに移す。水層に-ヘキサン50 mLを加え、上記と同様に操作して、-ヘキサン層を上記の三角フラスコに合わせる。これに適量の無水硫酸ナトリウムを加え、時々振り混ぜながら15分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器中にろ過する。-ヘキサン20 mLを用いて三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。両洗液をその減圧濃縮器中に合わせ、40℃以下で-ヘキサンを除去する。
 この残留物に-ヘキサン20 mLを加え、100 mLの分液漏斗に移す。これに-ヘキサン飽和アセトニトリル40 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、アセトニトリル層をすり合わせ減圧濃縮器中に移す。-ヘキサン層に-ヘキサン飽和アセトニトリル40 mLを加え、上記と同様の操作を2回繰り返し、アセトニトリル層をその減圧濃縮器中に合わせ、40℃以下でアセトニトリルを除去する。この残留物に-ヘキサンを加えて溶かし、正確に5mLとする。

(2) 果実、野菜、ハーブ、抹茶及びホップの場合
 果実、野菜及びハーブの場合は、検体約1kgを精密に量り、必要に応じ適量の水を量って加え、細切均一化した後、検体20.0gに相当する量を量り採る。
 抹茶の場合は、検体5.00gを量り採り、水20 mLを加えて2時間放置する。
 ホップの場合は、検体を粉砕した後、その5.00gを量り採り、水20 mLを加え、2時間放置する。
 これにアセトン100 mLを加え、3分間細砕した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いてすり合わせ減圧濃縮器中に吸引ろ過する。ろ紙上の残留物を採り、アセトン50 mLを加え、3分間細砕した後、上記と同様に操作して、ろ液をその減圧濃縮器中に合わせ、40℃以下で約30 mLに濃縮する。
 これをあらかじめ10%塩化ナトリウム溶液100 mL入れた300 mLの分液漏斗に移す。-ヘキサン100 mLを用いて上記の減圧濃縮器のナス型フラスコを洗い、洗液を上記の分液漏斗に合わせる。振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、-ヘキサン層を300 mLの三角フラスコに移す。水層に-ヘキサン50 mLを加え、上記と同様に操作して、-ヘキサン層を上記の三角フラスコに合わせる。これに適量の無水硫酸ナトリウムを加え、時々振り混ぜながら15分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器中にろ過する。次いで-ヘキサン20 mLを用いて三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。両洗液をその減圧濃縮器中に合わせ、40℃以下で-ヘキサンを除去する。この残留物に-ヘキサンを加えて溶かし、正確に10 mLとする。

(3) 抹茶以外の茶の場合
a BHC、DDT、アルドリン及びディルドリン、エンドリン、ジコホール、テトラジホン、トリフルラリン、ハルフェンプロックス並びにフェンプロパトリンの試験を行う場合
 検体9.00gを100℃の水540 mLに浸し、室温で5分間放置した後、ろ過し、冷後ろ液360 mLを500 mLの三角フラスコに移す。これにアセトン100 mL及び飽和酢酸鉛溶液2mLを加え、室温で1時間静置した後、ケイソウ土を1cmの厚さに敷いたろ紙を用いて吸引ろ過し、ろ液を1,000 mLの分液漏斗に移す。次いでアセトン50 mLを用いて上記の三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う。洗液を上記の分液漏斗に合わせる。
 これに塩化ナトリウム30g及び-ヘキサン100 mLを加え、振とう機を用いて5分間激しく振り混ぜた後、静置し、-ヘキサン層を300 mLの三角フラスコに移す。水層に-ヘキサン100 mLを加え、上記と同様に操作して、-ヘキサン層を上記の三角フラスコに合わせる。これに適量の無水硫酸ナトリウムを加え、時々振り混ぜながら15分間放置した後、すり合わせ減圧濃縮器中にろ過する。次いで-ヘキサン20 mLを用いて三角フラスコを洗い、その洗液でろ紙上の残留物を洗う操作を2回繰り返す。両洗液をその減圧濃縮器中に合わせ、40℃以下で-ヘキサンを除去する。この残留物に-ヘキサンを加えて溶かし、正確に5mLとする。
b キントゼン、クロルデン、テクナゼン、テフルトリン、ヘキサクロロベンゼン及びヘプタクロルの試験を行う場合
 抹茶以外の茶を粉砕したものについて(2) 果実、野菜、ハーブ、抹茶及びホップの場合の抹茶に従って操作する。

2)精製
 内径15 mm、長さ300 mmのクロマトグラフ管に、カラムクロマトグラフィー用合成ケイ酸マグネシウム10gを-ヘキサンに懸濁させたもの、次いでその上に無水硫酸ナトリウム約5gを入れ、カラムの上端に少量の-ヘキサンが残る程度まで-ヘキサンを流出させる。このカラムに1)抽出で得られた溶液2mLを注入した後、エーテル及び-ヘキサン(3:17)混液200 mLを注入し、溶出液をすり合わせ減圧濃縮器中に採り、40℃以下でエーテル及び-ヘキサンを除去する。この残留物に-ヘキサンを加えて溶かし、正確に2mLとして、これを試験溶液とする。

5.操作法
1)定性試験
 次の操作条件で試験を行う。試験結果がいずれの操作条件においても標準品と一致しなければならない。ただし、ジコホールの試験を行う場合においては、次の操作条件1で試験を行う。
 操作条件1
 カラム:内径0.25 mm、長さ10〜30 mのケイ酸ガラス製の細管に、ガスクロマトグラフィー用メチルシリコンを0.25μmの厚さでコーティングしたもの。
 カラム温度:50℃で1分間保持し、その後毎分25℃で昇温する。175℃に到達後、毎分10℃で昇温し、300℃に到達後5分間保持する。
 試験溶液注入口温度:230℃
 検出器:300℃で操作する。
 ガス流量:キャリヤーガスとしてヘリウムを用いる。アルドリンが約10分で流出する流速に調整する。

 操作条件2
 カラム:内径0.25 mm、長さ10〜30 mのケイ酸ガラス製の細管に、ガスクロマトグラフィー用14%シアノプロピルフェニル−メチルシリコンを0.25μmの厚さでコーティングしたもの。
 カラム温度:80℃で2分間保持し、その後毎分30℃で昇温する。190℃に到達後、毎分3.6℃で昇温し、250℃に到達後8分間保持する。
 試験溶液注入口温度:230℃
 検出器:300℃で操作する。
 ガス流量:キャリヤーガスとしてヘリウムを用いる。アルドリンが約10分で流出する流速に調整する。

2)定量試験
 1)定性試験と同様の操作条件で得られた試験結果に基づき、ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。

3)確認試験
 1)定性試験と同様の操作条件でガスクロマトグラフィー・質量分析を行う。試験結果は標準品と一致しなければならない。また、必要に応じ、ピーク高法又はピーク面積法により定量を行う。

6.定量限界
 γ-BHC(リンデン) 0.01 mg/kg
 アルドリン 0.005 mg/kg
 エタルフルラリン 0.01 mg/kg
 エトリジアゾール 0.01 mg/kg
 エンドリン 0.005 mg/kg
 キントゼン 0.01 mg/kg
 クロルデン 0.01 mg/kg
 ディルドリン 0.005 mg/kg
 テクナゼン 0.01 mg/kg
 テトラジホン 0.01 mg/kg
 テフルトリン 0.01 mg/kg
 ヘキサクロロベンゼン 0.01 mg/kg
 ヘプタクロル 0.01 mg/kg
 ベンフルラリン 0.01 mg/kg
 メトキシクロール 0.01 mg/kg
 トリフルラリン 0.005 mg/kg
 ハルフェンプロックス 0.02 mg/kg
 フェンプロパトリン 0.01 mg/kg

7.留意事項
)BHCは、α-BHC、β-BHC、γ-BHC及びδ-BHCのそれぞれについて定量を行い、これらの和を分析値とすること。
)DDTは、pp'-DDD、pp'-DDE、pp'-DDT、op'-DDTのそれぞれについて定量を行い、これらの和を分析値とすること。
)アルドリン及びディルドリンは、アルドリン及びディルドリンのそれぞれについて定量を行い、これらの和を分析値とすること。
)クロルデンはtrans-クロルデン及びcis-クロルデンのそれぞれについて定量を行い、これらの和を分析値とすること。
)ヘプタクロルはヘプタクロル及びヘプタクロルエポキシドのそれぞれについて定量を行い、これらの和を分析値とすること。
)定量限界は、穀類、豆類、種実類、果実、野菜及びハーブを試料とした場合の値を示したものであり、抹茶以外の茶の場合は概ね2倍、抹茶及びホップの場合は概ね4倍の値となる。基準値が定量限界より低い試料の場合は、試験溶液を濃縮する、ガスクロマトグラフへの注入量を増やすなどによって対応する。

8.参考文献
 なし

9.類型
 A

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