07/01/15 食品に関するリスクコミュニケーション〜輸入食品の安全確保及びBSE対策について〜 議事録 食品に関するリスクコミュニケーション 〜輸入食品の安全確保及びBSE対策について〜 議事録                  日時:平成19年1月15日(月)13:00〜16:10                 場所:東京厚生年金会館 ロイヤルホール 1 開 会 ○司会(森田厚生労働省食品安全部企画情報課情報管理専門官)  本日は、皆様ご多忙の中、ご参加をいただきましてありがとうございます。ただいま から、食品に関するリスクコミュニケーションを開催いたしたいと思います。  私は本日司会を務めさせていただきます厚生労働省食品安全部企画情報課 森田と申 します。よろしくお願いいたします。  本日の食品に関するリスクコミュニケーションは、テーマに関する説明やパネルディ スカッション、意見交換を通じまして、輸入食品の安全確保やBSE対策についての理 解を深め、関係者からの認識を共有することを目的として開催するものでございます。  まず本日の配布資料の確認させていただきます。  お手元の資料、封筒から出していただきますと一番最初に議事次第というものがござ います。こちらに沿って説明いたします。下のところに<配布資料>と<参考資料>と いうものがございます。配布資料につきましては、資料1〜資料4の4種類。それから <参考資料>ですが、ここに書いてあります4種類のほかに、本日「宮崎県における高 病原性鳥インフルエンザの発生について」というものも併せて入れさせていただいてお ります。  また、アンケートの用紙を同封させていただいております。これは今後の意見交換を より良いものにできるように皆様からのご意見を伺うものということでございますので、 ご協力をよろしくお願いいたします。記入いただきましたアンケートにつきましては、 意見交換会終了後に出口付近でお受けいたします。  もし不足の資料ございましたら、お手を挙げていただければ、スタッフの者がお伺い いたします。  それでは、続きまして、本日の議事進行を紹介させていただきます。もう一度、議事 次第の方をご覧いただきたいのですが、まず最初に、2のテーマに関する説明のところ に書いてございますように、(1)〜(3)の3つのご説明をさせていただきます。トータル として75分間ぐらいを使ってご説明をいたします。それから、今回はここには書いてご ざいませんけれども、先ほど申しました「宮崎県における高病原性鳥インフルエンザの 発生について」ということにつきましても、このテーマの説明の後に5分間程度使わせ いただきましてご説明をして、それから休憩を10分間程度。その後にパネルディスカッ ション、意見交換ということになります。したがいまして、休憩とパネルディスカッシ ョン、意見交換の開始時間、終了時間は5分程度ずつ遅れていくことになろうかと思い ますので、ご了承いただきたいと思います。  それでは、早速でございますけれども、「平成19年度輸入食品監視指導計画(案)に ついて」、厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室 鶴身室長補佐からご説 明いたします。 2 テーマについての説明 (1)平成19年度輸入食品監視指導計画(案)について ○鶴身厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室長補佐  ご紹介いただきました厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課で輸入食品安全対 策室ということで、輸入食品の監視の方を担当しております鶴身と申します。どうぞよ ろしくお願いいたします。  きょうは、議事次第の中とか資料とかタイトルがいろいろばらばらになっていて大変 申し訳ないのですが、輸入食品の関係で言いますと、毎年度、監視計画、監視指導計画 をつくって、その策定に当たっては事前に公表して、皆さんの意見を求めると、こうい う意見交換の場もその1つとして意見を求めることとしておりまして、その定期的なも のの1つとご理解をいただければいいかと思います。 (◎パワーポイント) ◎輸入食品の安全確保について  監視指導計画をご説明するに当たって順を追ってご説明をしたいと考えておりまして、 まず輸入食品の状況、現状の監視指導の状況、それから19年度の監視指導計画の案とい うことで、そういう順序でご説明させていただきたいと思います。よろしくお願いいた します。 ◎主要先進国の総合食料自給率(カロリーベース)  ご覧の資料、少し古いものになるかもしれないですが、お手元の資料ですと、資料2 というものになります。それがこのスライドを印刷したものになります。そちらの方で 順を追ってご説明させていただきたいと思います。  農林水産省さんで取りまとめられておりますカロリーベースの自給率です。各国の比 較をしたものが現状のものなので、こちらの方を掲載させていただいておりますが、我 が国は、現在ご承知のとおり、カロリーベースで自給率が約40%ということで、これは 現在も変わっておりません。ご覧になっていただければわかるように、昭和45年ですか ら1970年、約30年ぐらい前と比較をすると、各国と比べると自給率が下がっているの は日本ぐらいであるというような状況になっております。ご承知のとおり輸入食品はま すます増加していっている次第でございまして、我々の方の輸入食品の監視は特に強化 していかなければならないというような状況にあるものでございます。 ◎食品等の輸入届出件数・重量推移  これが実際の輸入の件数と重量になります。輸入の件数というとあまりなじみがない かもしれないですが、一度に輸入をしてくる量、例えば100カートンを一度に持ってく ると、それが約1件になります。1,000カートンを一度に持ってきてもそれは1件にな りますから、それぞれ輸入される量に応じて件数はどんどん変わってくるものです。  重量の方は、日本人の胃袋がそんなに増えているわけではないので、若干右肩上がり というようなペースになっていますが、件数の方が非常に伸びている。これは以前から よく言われておりますが、1個1個の荷物が非常に小口化して、1個1個の量が少なく なっている。いろいろ輸入者の方々も在庫を持たないとかいろいろと経営上の問題など もあるのかもしれないです。現状ではこのような輸入の推移になっています。  ところが我々輸入食品を監視する方からすれば、それぞれの個々の荷物の特性に応じ て監視をしなければならないので、件数がどんどん増えるに従って輸入食品の監視とい うのはどんどん業務量的には多くなっていっているというような状況になっています。 ◎食品等の輸入の状況(平成17年)  これが平成17年度の輸入量です。ぱっと見てわかると思うのですが、農産食品である とか、農産加工食品が一番多くなっています。穀類をバラ積みで船に丸ごと持ってきた り、そういうものがありますから、どうしても重量ベースで見ますと、例年こういう形 になります。具体的に見てみますと、例えば畜産食品であるとか畜産加工食品で主要な 国を見てみますと、例えばオーストラリア、アメリカ、ブラジルというところが主要な 国になってきます。  水産食品で見ますと、中国、アメリカ、タイ。農産食品で言いますと、先ほど言いま したように、アメリカ、カナダ、中国、そういった国がそれぞれの上位を占めてきます。 ◎食品等輸入届出窓口配置状況  実際に輸入食品の監視というのは、どこでどんなふうにして行われているのかという ことですが、輸入食品の監視自体は、全国にある検疫所の中で、輸入食品の監視をする 窓口というものをそれぞれ設置しています。それが全体で31カ所、輸入食品の監視をす るところがあります。検疫所そのものは全国で100カ所を超えてあるのですが、その中 で輸入食品の監視をやっているところは31カ所になります。  この中で、ちょっと見にくいかもしれないですが、「◎」のところ、輸入食品検査課を 有する検疫所というところで、この31カ所の中で、検査課、検査をする部門を持ってい る箇所は6カ所あります。さらにその次のところで、輸入食品検疫検査センターといっ て、残留農薬や残留動物用医薬品であるとか、どちらかといえば高度な分析をするとこ ろを横浜と神戸の2カ所に置いています。これらで主に輸入食品の検査の方を担当して います。  それから、事前の輸入の相談であるとか、いろいろ新しいものを輸入したいときに、 相談をできるように現在輸入相談の窓口というものを12カ所に設置しています。これら 輸入食品の監視をしている者、総勢合わせて現在のところ314名というふうになってい ます。 ◎検疫所の食品衛生監視員年度推移  これは検疫所の食品衛生監視員の人数の推移です。18年度(今年度)現在、先ほども 申し上げましたように314名で行っています。来年度の要求として334名を要求してお ります。非常に全体として公務員が削減されている中で、徐々にでも増えていっている というような状況であります。 ◎決められた採取方法で採取開始  検疫所の業務というのは、簡単にご紹介いたしますと、もちろん検査をするのもそう ですが、その前に、営業上、使用する場合には検疫所に届出をしないといけない。それ は食品ももちろんそうですが、食品添加物もそうですし、飲食に用いる器具とか容器、 そういったものも届出をしないといけない。また、乳幼児が口に接触することを目的と しているようなおもちゃなども準用規定としてこの食品衛生法に盛り込まれています。 それらについて、まず検疫所では書類の審査をします。後ほどご説明をしますが、そう いったまず書類の審査をして、検査が必要か否かというのを判断する。  実際にこちらのスライドはサンプリングをしている様子です。実際に検査が必要とな った場合には検疫所の職員が現場に赴いて貨物の表示を見たり、実際にサンプリングを して検査に供するというようなことを行っています。こういったサンプリングにしても、 非常に現場の人間の苦労というものがありまして、全体を代表するようなサンプリング をしなければいけないですし、サンプリングが誤ったサンプリングをしてしまうと結果 にも影響しますので、決められたルールの上でサンプリングをするというようなことに なります。 ◎検体の受付  これは実際に、先ほど申しました検査の部門において、検体が到着をして受付をする ような場面です。こちらの方には温度計がついています。実際に窓口、サンプリングを してから検査部門に送付をするわけですが、どうしてもひと晩かかります。その間に、 例えば温度が上昇してないか、温度が上昇しているということは菌も増えているかもし れないですから、そういったことがないかどうかというような精度管理、検査のための 精度管理と言っていますが、きちんと検体が送付されているかどうか、そういったこと も十分に確認をしているというものです。 ◎理化学検査の流れ  これは簡単に理化学検査の流れをご紹介したものです。実際に送られてきた検体を粉 砕して抽出・精製し機器分析にかけるというようなものです。これは残留農薬の例です が、単に食品をぽっと機械にかければ農薬がいくついくつ出るといったものではなくて、 その食品毎の特性もありますし、分析をする農薬の特性もありますし、いろいろ状況に 応じて非常に手間のかかった検査を行っているというようなものです。 ◎輸入食品の監視指導の基本的な考え方  全体的な輸入食品の監視の基本的な考え方というものです。これは食品安全基本法に 明記がされています。これは平成15年のときに公布された法律ですが、食品安全基本法 というのは、食品安全確保のための基本的な事項が盛り込まれている。後半の方は、食 品安全委員会の設置の関係なども盛り込まれていますが、この中に食品の安全確保とい うのは、国の内外における食品供給行程の各段階において適切な措置を講じることによ り行われなければならないというふうに明記がされています。これは何も行政(役所) が全部こうやってやるのだということではなくて、それは事業者の方、輸入者の方もも ちろんそうですし、それぞれ関係する方々がそれぞれ関係する段階において必要な措置 を講じないといけないというようなものです。これらに基づいて、我々の方では、輸入 食品ですから、ざっと見て、ここにあるような3段階でのそれぞれステップに応じた対 策を講じていこうというふうに考えています。  1つは輸出国、輸出をする前の段階でまず対策が必要であろう。  もう一つは、輸入(水際)、従来からここに重点を置いてやっているわけですが、水際 での監視というのが一番大事でしょうと。  国内流通時、もちろん国内に入ってから何もしないというわけではなくて、その食品 のチェックももちろん必要ですし、輸入者さんというのはむしろ日本にいらっしゃいま すから、輸入者さんに対する指導などもこの国内の対策に含んでいこうというような考 え方になっております。 ◎輸入食品監視指導計画  輸入食品の監視指導計画というものについてご説明しますと、食品衛生法も平成15 年のときに大きな改正がありまして、目的の規定に「国民の健康保護」ということを明 記したとか、大きな改正がされています。後ほど出てきます残留農薬のポジティブリス トというのもこの平成15年の際に改正されたものです。このときに輸入食品の監視指導 計画というものも盛り込まれています。先ほど冒頭に申し上げましたけれども、計画を つくって、事前に皆さんから意見を聞いて、体系を立ててやりましょうと。それまで何 もしていなかったわけではなくて、こういうふうに体系を立ててやりましょうというよ うなものでございます。  具体的な内容としましては、そこにありますように、重点的に監視指導を実施すべき 項目。  輸入食品はいろんな食品が入ってきますから、重点的、効率的、効果的にやっていか なければならないというふうに考えております。特に重点的に監視指導するべき項目と いうものを盛り込んでいます。  それから、輸入を行う営業者(輸入者)の方々の自主的な衛生管理の実施、これらの 推進に係る事項ということを盛り込んでいます。  先ほど言いました食品安全基本法にも食品衛生法にもそうなんですが、一義的に輸入 食品の安全確保というのは、輸入をされる輸入者が確保する責務である、というふうに 明記がされています。なので、輸入者をきちんと指導することも1つ重要なポイントで あろうと考えております。  それから、先ほどから申し上げているとおり、毎年度、当該計画、監視指導計画をつ くって公表する。  公表に当たっては、広く国民の意見を求めるというようなことを行っています。  お手元の資料1になりますが、それが19年度の監視指導計画の案です。本日付でパブ リックコメントといいまして、意見募集の手続に入っております。きょうの時点では、 恐らく総務省のパブリックコメントの方を見ていただければ掲載されています。各省庁 のものは、今、総務省の方で全部取りまとめて、そこで一括して掲載していますので、 そちらの方をご覧になっていただければ、インターネットでも取れるようになっていま すし、厚生労働省の方からでも近々取れるようになるようにしております。  スライドの方に戻っていただいて、監視指導計画の結果、計画を立てて実行して、そ の結果はどうだったのかというものを公表しましょうと。結果の公表に当たっては、も ちろん年度単位なので、1年間終わればまた結果を公表するのですが、その途中の段階、 上半期の段階についても公表していきましょうということで、18年度のものは9月末ま での状況を取りまとめて、11月の頭ぐらいに公表をしています。 ◎輸入食品の監視体制等の概要  これが全体的な監視の体制の概要です。役所が行うこと、事業者が行うこと、いろい ろ混ざっておりますのでわかりにくいかもしれないですが、全体的に見ればこのような 形になっています。  まず輸出国での対策として、例えば農薬であれば、使用の段階の管理というのが重要 ですから、農薬等の使用の管理の徹底をしていただくとか、輸出国で衛生証明書、必要 な衛生証明書については発給をしていただくとか、例えば食肉であれば疾病にかかって いないとか、フグであれば、我が国で決められている魚種であるというような証明書、 それから、必要に応じて輸出前の検査などもしていただいたりもしています。  それから、輸入時、ここが水際の段階になりますが、先ほどから申し上げている検疫 所において、まず届出の書類の審査を行います。それから必要に応じて検査を行うと。 検査を大ざっぱに分けると命令検査、モニタリング検査、自主的な検査というふうに分 かれます。それぞれについてはまた後ほどご説明をさせていただきますが、これらの審 査または検査を経て国内に輸入がされると。また、国内の段階では、国内のそれぞれの 自治体において監視指導計画をつくってそれぞれを監視しています。これらが消費者に 渡るというような仕組みになっています。  また、国内において、ここにありますように、海外の情報の収集、こういったものも 積極的に推進をしています。それから、その下にありますように、輸入の事前相談、輸 入する前に違反食品の輸入を未然に防止するというような観点で事前相談を行っており ます。それぞれ輸入時の検査であるとか、国内での検査であるとか、もしくは事前相談 の段階で、それぞれいろんな情報が得られてきますので、こういったものはもちろん輸 入時の審査の段階にフィードバックをしますし、もしくは相手国にも要請をして二国間 の協議であるとか、必要に応じて現地調査に赴いて対策をとっていただくというような ことを行っています。 ◎食品等の輸入の届出  これは具体的にどんなことを検疫所で書類の審査をしているか、どのような届出の義 務があるかというものですが、こういったものがここに書かれているような届出の義務 があります。これらを検疫所の方で審査をしているというような状況です。もちろん輸 入者の氏名、住所、食品等の名称、数・重量、そういったものはもちろん必要ですし、 使用されている添加物の品名、指定外の添加物、日本で許可されていない添加物が入っ ていないかどうか、加工食品の場合、使われている原材料、製造・加工の方法。食品に よっては製造基準、例えば何度で何分加熱をしないといけないとか、そういった基準も ありますので、そういった基準などの確認を行っているところです。  もちろんこれらについては、輸入者からの届出のみではなくて、必要に応じて製造業 者からの証明書を入手をしたり、確認する事項として、先ほど申し上げたように、これ ら以外に輸出国政府からの証明書というようなものも当然確認をするということを行っ ています。 ◎輸入時における検査制度  これは検査の制度です。大まかに分けてこのような形に分かれますが、検査命令とい うものがまずあります。これは違反の蓋然性が高いと、違反の可能性が高いというよう なものについて、港で貨物をとめ置いて、厚生労働大臣が輸入者に対して検査を命ずる というものです。当然検査結果が判明するまで港にとめ置くということになりますし、 その検査にかかる費用は輸入者が負担をするというものになります。  それから、もう一つ、モニタリング検査、これは年間の計画に基づいて、違反の可能 性が高いというものではなくて、幅広いいろんな食品について違反の食品がないか、各 国の衛生管理の状況はどうかということで検疫所で行う検査です。こちらの方は違反の 可能性が高くないというものですから、荷物自体は流通をとめるものではなくて、もち ろん検査にかかる費用は検疫所の方で検査をするものですから費用はかからない。  それから、その他の検査として自主的な検査。やはり一義的に輸入者さんに食品の安 全確保の責務があるということもありますし、初めて日本に輸入されてくるような食品 とか、継続的に輸入されている食品でも、何か海外で新たな食品衛生に関する情報があ った場合には、こういった検査をしなさいよ、しておいた方がいいですよというような 行政指導的な検査ももちろんありますし、そういったもろもろの検査をさせています。 ◎輸入時の検査体制の概要  全体的に検査の体制でいきますと、概念を示したものですが、違反の蓋然性、違反の 可能性に応じて検査の強弱をつけていくと。右側に大まかな数字が出てきますが、17年 度の届出件数に対する検査件数の割合ですが、概ね約10%ですね。先ほど言いましたい ろんな検査、もろもろ全部込めて約10%ちょっと。よくご質問の中でもいただきますが、 約1割ぐらいしか検査をしていないではないかというようなご質問もいただきますが、 違反の可能性に応じた検査の強弱をつけて行っていると。  まず一番厳しいところからいきますと、これは包括輸入禁止です。初めて出てきた言 葉ですが、包括輸入禁止というのは、平成14年に食品衛生法の改正で盛り込まれた規定 ですが、ご存じのとおり、冷凍ホウレンソウの残留農薬の問題があって、輸入時検査を して合格であっても、また国内で検査をすると違反が見つかってしまうとか、検査をた くさんやっても、また、国内で違反が見つかるとか、恐らくそれぞれの貨物の中でばら つきとか偏在性が非常に高いようなケースだと思われますが、そういったケースが起こ ってなかなか検査のみをもって安全性を確保することは非常に難しいという状況のとき に、検査を行わないで、その国の食品は輸入禁止にしますよというような制度です。現 在のところ、これらを発動した例はありませんが、発動のためのガイドラインというも のをつくっており、違反の割合が5%以上繰り返すとか、もちろんチェルノブイリのよ うな事故が起こった場合とかに発動を検討する、そういったガイドラインをつくってい ますが、違反を繰り返して発見されるような場合には、当然輸出国に対して警告といい ますか、きちんとした衛生管理をとるように我々も要請をしています。非常にこの規定 があるおかげでといいますか、事前に輸出国での対策が図られているという現状になっ ています。  その次に違反の蓋然性が高いというものについては、港でとめ置いて、輸入の都度 100%検査をすると。輸入のロット毎に全部を検査するというような検査命令という制度 をしています。  あとはモニタリング検査です。もちろんモニタリング検査の中でもいろいろパーセン テージを変えて、違反の可能性が高そうだというふうになると、モニタリングの割合を 高くして、本当の違反の蓋然性について見きわめるというようなことを行っています。 ◎平成18年度輸入食品監視指導計画 監視結果(中間報告)  こちらが18年度の中間報告です。11月に公表したものです。届出件数にしますと、 こちらに記載されているように92万件。検査総数にすると9万4,000件、全体にします と約10%の検査率。違反件数で629件。主な違反事例であるとか、モニタリング検査の 状況、モニタリング検査を強化した品目、検査命令に移行した品目というふうなもろも ろ公表させていただいております。 ◎主な食品衛生法違反内容(平成18年度中間報告)  これらがその中間報告の中で、主な違反事例として掲載をしているものです。すいま せん、あまり時間もないので要点だけを申し上げますと、特に何が変わったかというと ころを申し上げると、18年度の中間報告で言いますと、特に6条:有毒・有害物質、こ れらの違反が約100件ほど増えております。それから11条の違反:規格基準に違反する 食品の販売の禁止。成分規格が決まっていて、その規格基準に違反したもの、これらも 約100件ほど増えています。1つは、6条違反、有毒・有害物質の方についていえば、 昨年度はトウモロコシのアフラトキシンの違反、そういうものが非常に多かった。アフ ラトキシンの違反というのはどうしても気候に左右をされたりするようなところがあり ますから、昨年度アメリカで干ばつがあったということもありましてトウモロコシの違 反が多かった。輸出国での改善対策なども図られて、また、新しいクロップ、作物・収 穫物なども輸入されてくるようになって、今現在かなり違反は減っています。  それから、11条違反、特に目立って違反が多かったのは、皆さんよくご存じのとおり、 農薬等のポジティブリストという制度がございますが、昨年の5月29日に施行がされた ものです。平成15年に法改正、18年5月に施行されたものです。この農薬等のポジテ ィブリスト制度というのは、基準が決められたもの以外は、一定の量を超えて農薬が残 存する食品の流通を禁止するという制度ですが、新しい、そういった農薬等の規制の強 化を受けて、約100件ほど違反が増加しているというようなものでございます。 ◎輸出国に対する衛生対策強化要請例  これらの違反の状況を受けて、もちろん輸出国に対して改善をするようにいろいろ要 請をしています。特に違反が多かったものについて、このようなものが挙げられますが、 輸出国に対しても要請をしているというような状況です。 ◎ポジティブリスト制度を踏まえた検査体制の整備  少しポジティブリストについて皆さんご関心の高いところではないかと思いますので、 簡単にご説明をしておきますと、事前のご質問をいただいておりますので、いくつかご 紹介をします。18年度のポジティブリストの施行を受けてどんなことをしているかとい うことです。  1つは、我々の方も検査体制の充実ということで、検査員の増員ということを図って います。平成17年には約300名だったものを14名増員して、18年度には314名という ところで臨んでおります。  もちろん検査機器、先ほど少しスライドの写真の中にありましたけれども、いろいろ 微量な分析をしますので、検査の機器が必要ですので、検査機器を増設しております。  モニタリングにおける検査項目の拡充・拡大ということで、残留農薬でいえば、従来 約200項目の検査をしていたところを約450項目というふうに項目の数を増やして検査 を実施しています。  その下は残留農薬であるとか、もしくは畜水産物での残留農薬というものについても 検査項目を増やして検査をしていっております。 ◎モニタリング検査項目選定の基本的考え方  このリスクコミュニケーションは、東京以外にもまた神戸でも行う予定ですが、神戸 の方のご質問でもあったかもしれないのですが、どういうものを具体的に検査項目とし て選んでいるのかということですが、ただ、単純に検査ができるからということではな くて、諸外国において汎用性が高いと思われるような農薬。なかなか海外における使用 の実態、本当のところは十分にわからないところは多々ありますが、例えば残留基準が 決まっている、残留基準が決まっているということは、つまり使用が認められていると いうことも言えると思うので、そういった海外における基準値の数とか、そういったも のを参考にどれぐらい汎用されているか。  一方では、毒性が高い物質、1日許容摂取量といって一生涯食べ続けてどうかという ような値をもとにしていますから、そういった値が高い物質、高いといいますのは、毒 性が高いという意味ですが、それを優先的に行いましょうと。  もちろん輸入時検査、諸外国における過去の検出事例が多いというのは使われている 可能性も高いでしょう。こういったものを優先順位をつけてモニタリングの検査項目の 対象にしているというような状況です。 ◎ポジティブリスト制度施行後における輸入食品の違反実績  こちらはポジティブリストの施行後にどれぐらい違反が増えているか、違反になって いるのかというようなものです。ここにあります新基準というものがポジティブリスト 制度施行時に新しいつくられた基準。この一律基準というものは特に個別の基準がなく て、一律の基準に違反になったと。従来基準というのはもともとあった基準です。  少し時間もないので簡単にいきますが、この下の方に小さく書いていますが、簡単に 申し上げると、もちろん検査項目を増やしたこともあって、例えば残留農薬でいえば、 昨年から比べると9倍ぐらいの違反が増えていると。動物用医薬品でいえば4.4倍ぐら いの違反が増えている。両方合わせて平均して約7倍ぐらいの違反の増加になっている というような状況です。 ◎ポジティブリスト制度施行後における輸入食品の国別違反実績  これは、先ほどのものを国別に見た表です。新基準でいえば、ガーナ、中国、台湾。 一律基準でいえば、エクアドルとか、こういった国々が違反の件数が多いというような 状況になっています。どうしても検査をする母数が多い国もありますので、ただ、単純 に違反の数を見ただけで、この国が危ないとか、危なくないとか、そういったものでは ないのですが、こちらの表には違反の数だけを掲載しています。 ◎ポジティブリスト制度施行後における輸入食品の品目別違反実績  こちらは食品別に見た表です。このカカオ豆というのは、先ほどと同じようにガーナ のカカオ豆であるとか、マンゴーの違反であるとか、そういったものが非常に多くなっ ているというような状況になっています。 ◎ポジティブリスト制度施行後における輸入食品の検査項目別違反実績  これは農薬別に見た表です。具体的にはまた見ていただければいいと思うんですが、 クロルピリホス、シペルメトリンのような、世界中でたくさん使われているような農薬 は違反の数が非常に多くなってきているというような状況です。  部分的にはありますが、殺虫剤だけではなくて、例えば除草剤というような、除草の 目的で使われる農薬なども違反として見つけられるようなケースもいくつか出てきてい ます。例えば、ここにありますピリメタニルとかアセトクロールといったような、除草 の目的で使われていて、違反でいくつか見つかっているケースもあります。 ◎平成19年度 輸入食品監視指導計画(案)  このような状況を受けて、19年度の計画を策定をしております。 ◎輸入時に重点的に監視指導を実施すべき項目  基本的には、この監視計画は、これまでのものを継続していきましょうと。昨年、ポ ジティブリストの施行もありまして、非常に検査項目を増やしているところもあります ので、19年度においては、それを確実に実行していきましょうということを目的として います。ここに掲載しているようなこれらは、昨年度のものから記載されていたもので すが、輸入届出時に届出書のチェックをきちんとやっていきましょうと。  輸入時におけるモニタリング検査を確実に実行していきましょう。19年度については、 約7万9,000件を目標として行っていきましょうと。  モニタリングの違反の確認がされた場合には、輸入時の検査を速やかに強化をしてま いりましょうといったようなものです。 ◎輸入食品のモニタリング検査の考え方  少しモニタリング検査の考え方というものをご紹介をしておきますが、基本的に統計 学的に一定の信頼度で違反を見つけることができるというような考えをもとにしていま す。例えば95%の信頼度でいけば、違反率1%のものを見つけようと思えば、299件の 検査をしないといけない。逆に299件検査をして、違反が見つからなければ違反率は1% 以下であるというような、そういった統計学的な考え方をもとにしています。これは何 も1%の違反を許容しているというものではなくて、一定のこういった統計学的な考え 方に基づいた理論でモニタリング計画をつくっていきましょうというものです。多くの 企業の方々の品質管理においてもこのような考え方がとられているのではないかと思い ます。  そして、諸外国においてもこのような考え方をもとにしている。  それから、299件というものを基本にして、違反の多い、少ない、輸入が多い、少な い、違反の内容とかいろんな要素がありますので、そういったものを加味して食品群毎 に検査件数を設定して積み上げていった結果が7万9,000件になると、そういったもの になります。 ◎厚生労働大臣による検査命令  幅広くモニタリング検査を行って、いかに違反の可能性が高いものを見つけて100% の検査とか、検査の強化の体制に移るかというところが非常に重要なことになってくる のではないかと考えていますが、例えばO−157とか、アフラトキシンのような健康被害 が発生するおそれが高いものについては、1つ違反が見つかると、それは直ちに検査命 令に移行しましょうと。例えば残留農薬とか動物用医薬品の場合においては、偶発的な 違反ということも考えられますから、1つ違反が見つかるとモニタリングを強化して、 さらに違反が見つかると検査命令に移行しましょうというような考え方で行っています。 もちろん強化をするばかりでなくて、輸出の前に輸出国において安全対策をきちんとと っていただいて、それが確認できれば、それらについての解除をしていくというような ことも行っております。 ◎海外情報に基づく緊急対応  いかに幅広くモニタリングをするかということですが、検疫所のモニタリングだけで はなくて、いろんな情報に基づいたモニタリングもやっていかないといけなくて、今、 非常にいろいろな情報がインターネットでも入手が可能ですが、例えばここにあります ように、海外における食品安全情報についても積極的に入手をしています。1つは、国 立医薬品食品衛生研究所安全情報部においていろいろな情報を入手していますし、食品 安全委員会の事務局においても、同じように海外での情報を入手しています。どちらか というと、国立医薬品食品衛生研究所の方が学術的な論文的な方の内容を含んでいると いうようなことになっています。  これらから問題がある食品が日本に輸入されているとか、される可能性があるという ような場合にはもちろんモニタリングを行うとか監視の強化をしていくというような措 置をとっていきましょうと。  下に例がありますが、イタリア産のナチュラルチーズ、現地においてリステリア菌が 検出されて、リコールがかかっているというような情報があれば、そういったものが日 本に輸入されていないか。実際に輸入されている場合には、都道府県等と連携を行って 回収等の措置をとるというようなことをしています。  その下に米国産ホウレンソウのO-157というのがありますが、これは実際には輸入は なかったので、なかなか生のホウレンソウというのはなかったです。 ◎輸出国における衛生対策の推進  もちろん輸入時のチェックだけではなくて、輸出する前に輸出国において安全対策を とってもらうということは一番いいことなので、輸出国の安全対策の推進というものを しておりまして、1つは我が国の規制について十分理解をしてもらうとか、いろいろ英 語での情報提供をするとか、在京大使館とか輸入者へ情報提供するとか、そういったこ とに努めています。  それから、もちろん二国間協議、実際に現地に赴いてどういった管理体制になってい るかというものを確認して、必要に応じて輸出国における監視の強化をしていただく。  もう一つは、特に途上国などにおいては、検査をする技術に問題があるかもしれない ので、輸出国への検査の技術とか、そういったものの協力も行っていくというようなこ とを行っています。 ◎輸入者に対する基本的指導事項  こちらが輸入者に対する具体的な指導事項です。実際に検疫所の方で輸入者にこうい うチェックをしてくださいねという指導をしています。 ◎輸入者への自主的な衛生管理の実施に係る指導  輸入者に対する指導の例です。先ほどありましたように、基本的な指導事項に加えて、 ここにあるような過去の違反事例、相談における違反事例などを参考に指導をして、ま た、実際の本貨物の輸入の前に自主的な検査をしてもらう。それから記録の保存、これ も平成15年の食品衛生法改正のときに努力義務として明記がされていますが、いろいろ 食品衛生に関する情報は後からさかのぼりもできるように記録をきちんととっていただ かないといけないというような指導です。  それから、実は輸入食品というものは、関係者としては輸入者だけではなくて、通関 手続に係る専門の業者であるとか、保税地域の倉庫の業者とかいろんな方が関与してい ますので、そういった方々にも食品衛生について理解をしていただくというような努力 をしています。 ◎違反が判明した場合の対応  これは違反が判明した場合の対応です。1つは、国内流通品で違反が見つかるような ケースもありますので、それぞれの都道府県と連携をして回収等の措置をするとか、都 道府県から情報があれば、新たな監視の強化に結びつけるとか、そういった対策をとっ ています。もちろん輸入者に対して原因究明の追及であるとか、次、輸入するものにつ いて同じようなことが起こらないように対策をとっていただくということも行っていま す。  下から2つ目は、輸入者に対する営業の禁・停止。これも平成15年の食品衛生法改正 のときに盛り込まれたものですが、都道府県において食中毒が実際に飲食店で発生する と3日間の営業の停止とかというのがよくありますが、輸入食品に対して、これまでな かったということもあって、平成15年のときに法改正として盛り込まれています。昨年 の1月にこれらの発動するガイドラインをつくって公表していますが、違反を繰り返す 輸入者の方とか、実際に輸入したもので食中毒が起こるとか、そういったケースには、 この営業の禁止や停止を発動していこうと考えています。  それから、いろいろと違反事例の情報であるとか様々な情報がありますので、そうい ったものもできるだけホームページ等を通じて公表していくということに努めることに しています。 ◎平成19年度輸入食品監視指導計画の主な改正(強化)点  19年度の主な改正点です。先ほども言いましたように、着実な実施というものを主と していますが、モニタリングの数としては約7万9,000件。BSEの問題について、も ちろん現地調査を適切に行うこと。あと輸入時における特定危険部位の混入のチェック を重点的に効率的・効果的にやっていきましょう。輸出国がきちんと管理をしているプ ログラム、遵守状況を引き続きチェックをしていきましょうと。  もう一つは、大きなのはポジティブリスト制度ということで、これらを着実に実施し ていくためにモニタリング検査の項目を、我々もキャパシティといいますか、検査の限 界もありますので、項目をローテーションしながら、いろいろと幅広く監視ができるよ うにしていきたいと思っています。 ◎厚生労働省 食品安全情報  これらは、厚生労働省の食品衛生に関する情報のページです。いろんな情報が載って いてわかりにくいという御指摘もありますが、できるだけこういった部分に、今お話し たような内容について掲載をしていますので、ご覧いただけばと思います。 ◎輸入食品監視業務ホームページ  これは輸入食品のページです。 ◎国立医薬品食品衛生研究所の食品に関する情報  これは国立医薬品食品衛生研究所のページです。先ほど言いました海外情報の話であ るとか、もしくは海外での農薬の使用状況であるとか、残留基準の設定の状況も、この 国立医薬品食品衛生研究所で調査していただいて掲載をしていますので、ご覧いただけ ればと思います。  すいません、少し早口になりましたが、以上で輸入食品の計画についてご説明を終わ らせていただきます。 ○司会  続きまして、米国産牛肉への対応状況について、及びBSE国内対策について、厚生 労働省食品安全部監視安全課 蟹江専門官からご説明いたします。 (2)米国産牛肉への対応状況(輸入時検査の結果、対日輸出認定時節の査察結果等) について ○蟹江厚生労働省食品安全部監視安全課BSE対策専門官  ただいまご紹介いただきました監視安全課の蟹江でございます。私の方からは、米国 産牛肉への対応状況について、それから、BSE国内対策に関する最近の状況につきま してご説明させていただきます。スライドの中で字が小さいものもございますが、その 場合には、お手元の資料をご覧いただければと思います。米国産牛肉につきましては資 料3、国内対策につきましては資料4になります。それから、説明の中で、事前に質問 等もいただいておりますので、なるべくそういった質問にもお答えできるような形でご 説明をしたいと思います。 (◎パワーポイント) ◎米国産牛肉への対応状況について  まず、米国産牛肉への対応状況でございます。 ◎目次  1つが、米国産牛肉の輸入時の検査につきましてご説明させていただきます。その中 身としては、輸入時の検査の手続、検査実績、輸入実績等です。それと日本側が米国に 出向いて現地査察を行っております。その中身について、実施の方法ですとか、あるい は結果等について、順次ご説明させていただきます。 ◎1.米国産牛肉の輸入時検査について  まず、輸入時の検査でございます。 ◎(1)米国産牛肉の輸入検査手続き  輸入時の検査をフロー図にしますと、こういった形になります。実際に牛肉の場合で すと、厚生労働省の検疫所、これは食品衛生法に基づく検査でございます。  それから、農林水産省の動物検疫所がございまして、こちらは家畜伝染病予防法に基 づきます検査になります。  まず、貨物が到着いたしますと、輸入者の方がそれぞれの検疫所に手続をするわけで ございます。その場合にそれぞれの検疫所で書類の審査を行います。現在輸入者の方に よる全箱確認を行っております。この場合には動物検疫所から開梱確認の許可・指示が 出ます。また、厚生労働省の検疫所では、全箱確認の指示を輸入者の方にして、その結 果が報告されます。その結果については、動物検疫所にも厚生労働省の検疫所からの情 報が提供されることになっています。こちらの全箱確認といいますのは、あくまでも輸 入者の方に実施していただいて検疫所の報告をすると。そういった結果をもとに動物検 疫所と厚生労働省の検疫所で現場検査をし、問題がないものが通関されるという簡単に ご説明しますと、こういった体制で、現状輸入時の検査を実施しております。 ◎(2)米国産牛肉の検査等  具体的な中身でございますが、まず、輸入者の方によります全箱確認です。それには 実際に製品の箱にいろいろ表示が印刷あるいはステッカー等で貼られております。そう いったものが輸出国政府が発行します証明書と内容が同じであるかどうか。それから、 特定危険部位が含まれていないか、こういったことを確認して、その結果を検疫所に報 告するということでございます。  一方、厚生労働省の検疫所、あるいは農林水産省の動物検疫所においても、現場(保 税倉庫)に出向いて、「輸入全ロット」というふうに書いておりますが、申請あるいは届 出について全部ということです。そこから無作為にいくつかの箱を抽出して開梱して、 同じような内容について検査をすると。例えば、そのロットが151箱〜280箱、この間 にあるものが申請あった場合には32箱について開梱する。281箱〜500箱の場合は50 箱、こういったサンプリング基準を用いて現場検査を行っております。  それから、厚生労働省の検疫所においては、先ほど鶴身補佐からも説明がありました が、モニタリング検査を実施しております。輸出をする施設毎にサンプリングをしまし て、牛肉ですので、動物用医薬品の残留、そういったものの検査。抗生物質ですとか合 成抗菌剤、ホルモン剤、残留農薬、こういった項目について検査しています。  それから、先日、韓国の方で米国産牛肉を検査したらダイオキシン類が検出されたと いう報道もございまして、我々の方もダイオキシン類の項目についても追加をして検査 を実施する、そういう体制にしてございます。 ◎(3)米国産牛肉の輸入実験  現状、輸入実績でございますが、平成18年7月27日以降、とりあえず1日8日まで の実績を調べましたところ、26施設から約7,400トン、これは厚生労働省の検疫所にお いて手続が終了したものでございます。これはここにも「なお」書きで書いてございま すけれども、平成17年12月から翌年の1月までに対日輸出されて、一時輸入手続をス トップしたものについては含まれておりません。こちらについては後ほど別途ご説明を したいと思います。 ◎(4)米国産牛肉の検査等の結果  先ほどの輸入実績でございますが、これまでの検査の結果について簡単にまとめてお ります。1つが、特定危険部位ではございませんけれども、米国農務省発行の衛生証明 書に記載されていない胸腺(1箱)が含まれていた事例がございました。これにつきま しては、昨年の11月8日に公表しております。後ほど経緯についてもご説明いたします。  それから、動物用医薬品の残留物質の検査も行っておりますけれども、これまで食品 衛生法に違反するようなものは今のところございません。 ◎(5)輸入手続停止前の未通関の米国産牛肉について(1)  先ほどの700トンについては別というご説明をいたしました。その中身について少し ご説明したいと思いますが、平成17年12月から翌年1月までの間に対日輸出されてい ますのは、これは実際に輸入再開されて、昨年の1月20日成田空港でせき柱付の子牛の 肉が発見されて輸入手続が停止するまでの間に対日輸出されたもので、輸入手続を停止 しておりましたので、保税倉庫等に保管されていたもの700トンございました。これに つきましては、昨年の10月27日から輸入業者の方々によります全箱確認を実施してい ただいて、その終了の結果を確認をして、問題ないものについては、18年12月18日以 降、順次輸入を認めると、こういった体制で対応してきてございます。 ◎輸入手続停止前の未通関の米国産牛肉について(2)  全体700トンでございますが、その中で月齢要件ですとか、特定危険部位の除去とい った対日輸出条件は満たしておりましたけれども、特定の施設の認定日、これは米国農 務省が対日輸出施設として認定する日でございますが、それの認定日の前日にと畜され た牛由来肉が1箱(13kg)、こういったものが見つかっておりまして、これは輸入を認 めないということにしております。  それから、この1箱を出荷した工場、ほかの貨物もございまして、トータル6トンご ざいますけれども、これにつきましては、念のために米国農務省に照会をして、今、現 状照会をしておりますけれども、問題がないことを確認した後に輸入を認めるという対 応を考えております。 ◎2.米国における対日輸出施設の現地査察について  これまでが、日本側の水際の検査の結果、あるいはその実績、そういったものをご説 明いたしましたけれども、日本サイドから米国側に出向いて、各食肉処理施設の現地査 察を実施しております。 (1)調査期間、実施方法等 輸入手続再開後でございますが、昨年の11月26日から12月13日の間でございますが、 合計で8施設の査察を実施しております。8施設のうち2施設については、米国側が抜 き打ち査察することになっておりまして、その抜き打ちに同行する形で現地査察を実施 しております。  実際に出張いたしましたのは厚生労働省と農林水産省の担当官が行っておりまして、 実際にどういったことを確認してきたかといいますと、まず、対日輸出プログラム、こ れは昨年の夏に35施設すべてについて、このプログラムの確認をしておりますが、前回 の調査以降の変更点を中心に確認をしております。  それから、HACCPプランについても同様の手法で確認をしております。  実際に対日輸出された製品に関する記録、生体受入、月齢確認、特定危険部位除去、 部分肉処理、出荷、こういったものに関連する記録を確認しております。  実際の処理の施設といいますか、処理ラインにも立ち入って、その現場の一連の作業 を確認してきております。 ◎(2)結果概要(1)  現地査察の結果でございます。まず全体的な結果として、一部の施設には指摘する事 項がございましたけれども、いずれの指摘事項も月齢要件ですとか、特定危険部位の除 去、そういった対日輸出条件に影響するものではなかったということを確認しておりま す。  具体的に申し上げますと、全く指摘事項がなかった施設が3施設、指摘事項があった 施設が5施設となっております。 ◎結果概要(2)  指摘事項の内容ですが、日本側の指摘事項と米国側の指摘事項2つに分けて整理をし ております。これは日本側が査察を実施している、同時に米国側も担当官が査察を実施 しておりまして、それぞれ指摘事項がございましたので、それをまとめております。  日本側の指摘事項でございますけれども、前回、昨年夏に行った現地調査で、と畜解 体工程において一部の枝肉の仙骨部分にせき髄が少量残存をしていた施設があったわけ ですが、そこの研修記録が適切に保管されていなかったということがわかっております。 これにつきましては、追加の研修等は実施されておって、現場を確認したところ、せき 髄は適切に除去されていた。実際に日本の担当官が確認をしております。  それから、米国側の指摘事項がいくつかございます。まず1つ目は、月齢確認牛の受 入時のマニュアルに具体的な手順の記述が不十分であったという指摘がありましたけれ ども、これはプログラム上の記載の話でございますが、実際に個体の確認は適切に実施 されておって、適格牛のみが対日輸出プログラムの対象となっていたと、こういった事 実も確認しております。 ◎結果概要(3)  米国側指摘事項の2つ目でございます。「A40枝肉」と書いておりますが、生理学的 成熟度を用いた方法でございまして、枝肉の骨化の状態を見て判別する方法で、これま でも何回もご説明をしておりますので、詳しいご説明は控えさせていただきますが、A 40以下は日本向けに対象になるということで、そういったものに「Jスタンプ」を押 印することになっているのですが、その押印の確認などのモニタリングを部分肉加工前 に実施する手順について、マニュアルに具体的な手順の記述が不十分であったというこ とでございますが、実際の作業自体は、Jスタンプを押印した上で冷蔵庫内の専用ルー ルに保管されていて適切に管理されておったということでございます。  3つ目でございます。従業員の訓練の記録に、受けた訓練の対象国名等が記入されて いなかったという指摘でございますが、米国側の施設では、日本以外の国にも輸出して いる施設もございますので、それぞれ対象国によって多少輸出条件等も違いますので、 そういったことで、どこの国の内容について研修を受けたか、そういったことも記載も すべきだという指摘でございますが、従業員について、対日輸出条件を含む品質システ ム評価プログラム(QSA)、これは各施設が作成するものですが、そのプログラム上の 自己の責任を熟知しておってQSAプログラムを遵守しておったことを確認しておりま す。 ◎結果概要(4)  米国側指摘事項の4つ目ですが、いろいろなモニタリングをする担当従事者の訓練記 録がなかったという指摘でございます。これにつきましても、先ほどと同様にQSAプ ログラム上の自己の責任を熟知しておって、業務は適切に実施されておったことを確認 しております。  5つ目でございますが、日本向けの処理時間中にモニタリングが実施されてない場合 があったという指摘事項でございますが、部分肉加工時にせき柱は適切に除去されてお って、そのモニタリングも定期的に実施されて、さらに出荷時には対日製品のモニタリ ング適格品の確認を行っておったと。日本向けの処理時間中というのはカットする処理 のラインの話ですが、それ以外の工程でもモニタリングは実施しており適格品であるこ とを確認しておった。当然出荷時ですが、出荷時点では確認しておったということを確 認しています。  6点目は、施設が実施した内部監査につきまして、内部監査の実施者が、自分の責任 の範囲も含めて監査を実施しておった。こういった指摘事項がございましたけれども、 製品製造上の指摘事項ではなくて、実際に処理自体が適正に行われているということで ございます。 ◎(3)スイフト社グリーリー工場の調査結果(1)  先ほど、後ほど詳細に説明しますと言いました部分でございます。これは胸腺(1箱) が混載されていた事例の経緯でございます。それを実際に輸出した施設はスイフト社の グリーリー工場というところですが、まず経緯についてご説明いたしますと、昨年の10 月30日に、輸入業者から動物検疫所に対して、特定危険部位ではないけれども、760箱 で約11トン、こういったロットについて、農務省が発行している衛生証明書に記載され ていない胸腺(1箱)が含まれておったという報告がございました。  もう少しご説明いたしますと、実際にこの760箱がコンテナに入って日本に到着した 段階で、保税倉庫に搬入されるわけですが、その搬入するときに倉庫業者というのは、 どういったものが、どれだけ入っているかというのをチェックして搬入するわけです。 その段階でこの衛生証明書に記載されていないものが1個あったということが判明して おりまして、それを動物検疫所に報告したということで、いわゆる今実施しています全 箱確認をする前に見つかっておるという事例でございます。  それから、11月8日でございますが、動物検疫所でこの1箱を除いて759箱について、 実際に動物検疫所の担当官が全箱をあけて中身を確認して、その結果、問題ないという ことを公表した。実際に業者の確認だけではなくて、動物検疫所でもすべてを確認して、 その1箱以外は問題ないことを確認しております。こういった事実関係を確認しました ので、このスイフト社のグリーリー工場のほかの貨物も含めて輸入手続を保留しており ます。  米国側で実際に原因究明等の調査が行われましたので、その報告書の提出が昨年12 月7日にあったということでございます。 ◎スイフト社グリーリー工場の調査結果(2)  米国側の報告書の内容でございますが、まず原因といたしまして、内蔵製品を仕分け をしております内蔵部分において、スキャナーで確認をするわけですが、スキャナーが 正常に作動していなかったということで、間違って胸腺(1箱)が日本向け舌のパレッ トに混載された可能性があるとういことが原因だというふうに記載されています。  改善内容ですが、日本向け製品以外の混入を検知して除外するようスキャニング手順 を修正して、包装ラインには日本向け製品のみを流す。  さらに日本向け製品出荷に先立って、確認のためのスキャンを実施するとともに、手 作業での点検、ラベルの目視をするというような改善内容でございます。  この報告書につきましては、要約及び全文を仮訳をしまして、厚生労働省及び農林水 産省ホームページ上で公表をしております。 ◎スイフト社グリーリー工場の調査結果(3)  その調査結果の提出がございましたので、日本側は当該施設に出向いて調査を実施し ております。施設の中の立ち入り、インタビューによって、先ほどご説明した改善措置 が確実に行われる体制が整備されていることを確認しました。  それから、輸入手続を保留いたしましたので、実際にアメリカサイドから出荷されて いた貨物もございまして、その製品に関します記録を現場で確認しましたところ、特段 の指摘事項はなかったということで、全体の査察結果を公表した段階で、同時に輸入手 続、これに関する内容も公表しまして、輸入手続の保留措置を解除、これは12月26日 に解除しております。 (4)米国農務省販売サービス局(AMS)の査察内容の検証  今回の査察で、米国農務省のAMSも実際に査察をしておりまして、先ほど指摘事項 がいくつかございましたけれども、どういう形でAMSの方が査察をしておったかとい うことも実際に確認をしております。AMSの査察におきましては、対日輸出プログラ ム、関係記録の確認、施設内への立ち入り、施設側へのインタビューは適切に実施され ておるということで、全体として特段の指摘事項は確認されなかったということです。 ◎(5)米国産牛肉の今後の対応について  今後の対応ということでございます。まず現時点で輸入時の検査結果、現地査察の結 果とか得られておりますが、そういったことから、米国側の構造的あるいはシステム上 の問題は発見がされておらない。先ほどの胸腺の部分について、個別施設の事例である というふうに考えています。  今後でございますが、引き続き対日輸出実績のある施設の査察、こういったことも行 っていく。輸入時の検査を通じて対日輸出プログラムの遵守体制の検証を行っていく。 実際の輸入時の体制でございますが、これは事前のご意見にもありましたけれども、全 箱確認をしていただいて、検疫所においても検査を実施しておる。こういった今の体制 については、こういった検証結果を踏まえて今後検討していくことになるということで ございます。  以上が米国牛肉の現状のご説明をさせていただきました。 (3)BSE国内対策(と畜場・食肉処理関係)に関する最近の状況について ◎BSE国内対策(と畜場・食肉処理関係について)  続きまして、BSEの国内の最近の状況をご説明したいと思います。資料4になりま す。今回、BSEの国内対策ということで、厚生労働省の関係のみでございますが、と 畜場、食肉処理の関係の対策の現状といいますか、これまでの経緯も少しご説明しなが ら、現状についても情報提供を兼ねてご説明したいと思います。 ◎国産牛のBSE確認に伴う対策(1)  まず、国内でBSEが確認されてもう5年が過ぎましたけれども、平成13年10月18 日にと畜場でと畜解体される牛の全頭検査をスタートしております。その当時の背景と いいますか、これを導入した理由として、その当時は、まだ牛の月齢を正確に確認する ことができなかったというのが1つございます。今は農林水産省の方でトレーサビリテ ィーに関する法律もあります。当時はございませんでしたので、正確に確認することが できない状況であったというのが1つでございます。  国内初のBSE感染牛が確認された直後で、検査をした肉としていない肉が流通する ことへのそれ自体への強い不安があったという状況でございます。その当時、いろんな 方面の方々の意見を踏まえて全頭検査を導入したという経緯でございます。 ◎国産牛のBSE確認に伴う対策(2)  それから、と畜場での特定危険部位の除去、せき柱の基準の策定。 ◎国産牛のBSE確認に伴う対策(3)  平成17年8月1日からでございますけれども、食品安全委員会でのリスク評価の結果 を踏まえてと畜場でと畜される21ケ月齢以上の牛についての検査。これは牛海綿状脳症 対策特別措置法の施行規則でと畜場でのBSE検査の対象月齢が決まっておるのですが、 それを21以上という形に改正し、施行したのが平成17年8月1日ということでござい ます。そのときにいろんなご意見もあって、制度の変更に生じかねない消費者の方々の 不安な真理を払拭して、生産流通現場における混乱を回避する観点から、21ケ月齢未満 の牛について、自治体が自主検査を行う場合は、経過措置として国庫補助を行う。実際 に都道府県が検査に必要な検査キットの購入経費を厚生労働省の方で補助しているので すが、経過措置として、国庫補助ですので、都道府県から申請があってのお話ですが、 今のところすべての自治体から申請がございます。スタート当時、最長3年ということ で、平成17年8月1日からでございましたので、平成20年7月末まで、こういった経 過措置を設けて対応しているという状況でございます。平成19年度の予算の中でも、こ の経費については計上しているということでございます。 ◎都道府県の食肉衛生検査体制  実際にBSE検査といいますか、と畜検査といいますのは、自治体の事務、都道府県 等の事務になっております。その体制ですが、牛を処理していると畜場、現在159施設。 それから、検査を行う食肉衛生検査所、一部保健所の場合もございますけれども、115 機関(76自治体)です。と畜検査員は2,556名。こういった体制で検査を実施していま す。 ◎と畜場におけるBSE対策フロー  と畜場におけますBSE対策のフローでございますが、これまでも何度かご説明させ ていただいておりますが、21ケ月齢以上の牛についての検査ですが、都道府県の自主検 査を含めますと全頭についてBSEのスクリーニング検査が実施をされておるというこ とです。この検査で陽性となったものは、確認検査、国立感染症研究所等で実施をして おりますけれども、確認検査としてウェスタンブロット法と免疫組織化学検査、この2 つをやって、いずれかが陽性の場合はBSEということで、この確定診断をする場合に は、厚生労働省の方で、BSE検査に係る専門会議というのを立ち上げていますので、 そういった専門の先生方に診断をしていただくという体制をとっております。陽性の場 合はすべて焼却ということでございます。 ◎と畜場におけるBSE検査結果  これまでの検査の結果でございます。平成13年度から年度で整理しておりますけれど も、これは平成13年10月18日からでございますので、少し数が少なくなっております が、通常1年間で125万頭と畜処理をされ、それについて検査が実施されております。 その数字自体はここに書いておりますが、トータルで18年12月末まででございますが、 これまでの検査実績といたしましては647万5,000頭です。そのうち19頭のBSE感染 牛が確認されております。我が国では、農場段階で死亡牛の検査等を農林水産省の方で やられております。この19頭に最初の1頭と死亡牛の検査で確認された11頭を足しま すと、国内では31頭のBSEが確認をされているというのが実態でございます。 ◎BSE感染牛の出生年度分布  これは死亡牛も含めた31頭の出生年度の分布をあらわしたもので、ご参考まででござ いますが、平成3年度生まれ、これは高齢で見つかった牛が1頭、7年度、8年度を足 しますと13頭です。それから、11年度、12年度、13年度で発見されたものが17頭確 認されて、このうち13年度で生まれた2頭については、21ケ月齢、23ケ月齢で確認さ れたものも含まれております。 ◎BSE感染牛の月齢分布  これは別の観点で見てみますと、縦軸が確認された時点での月齢です。横軸が確認さ れた年度になっています。169ケ月齢、これは平成3年生まれで1頭でございますが、 この上の固まり、ここが平成7年度、8年度生まれで、当然確認年度が遅くなれば月齢 も高くなってくるということで、60ケ月齢以上の牛で確認されておる。それから、平成 11年度、12年度、13年度はこの辺のグループになります。その中でもこの2頭に、21 ケ月齢、23ケ月齢の若齢で確認された牛がここに位置しております。  この21ケ月、23ケ月齢の牛につきましては、先ほどご説明しました確認検査の結果、 ウェスタンブロット法と免疫組織化学検査法、その2つの検査を実施して、ウェスタン ブロット法が陽性、免疫組織化学検査の方はマイナス(陰性)という結果です。そのほ かの牛については、そのほかといいますのは、21ケ月、23ケ月以外のものですが、これ らにつきましては、確認検査の結果は両方の検査法でプラスになっておって、21、23と いうのは、異常プリオンたんぱく質の蓄積がごく少量であったということでございます。  これらの得られた材料を用いまして、動物衛生研究所の方で、性状解析などの研究に 用いる材料を得るために実験動物におけるプリオンの増幅が試みられておるということ でございますが、今のところ増幅が認められたという報告は受けておりません。また、 一部厚生労働科学研究の報告書にも途中経過として取りまとめられて公表はされており ます。 ◎SRM除去の現状  検査は以上でございますが、特定危険部位の除去の現状ということで、と畜場におい て管理要領を策定しておりますので、それに基づいて対応しております。簡単に整理す ると、専用容器に保管をして、機械器具の洗浄・消毒、と畜検査員による確認、完全焼 却、大きく整理しますとこういったことになります。  部位は、頭の部分、せき髄、回腸遠位部、と畜場の段階ではございませんけれども、 食肉処理の段階でせき柱という部位になっております。 ◎BSE対策に間すく調査について(1)  国内でのそういったSRMの除去については、食品安全委員会が取りまとめた我が国 のBSE対策に係る食品健康影響評価の結果において、「と畜場における実態調査を定期 的に実施することはリスク回避に有効である」ということで、こういった記載もござい ます。それを受けてといいますか、それ以前から一部調査をしておったのですが、改め てこういった結果の中に盛り込まれたということもございます。 ◎BSE対策に関する調査について(2)  と畜場の中では、と畜検査員が常駐して監督が行われておるということもございます けれども、全国的な実態について定期的に調査してフォローアップをしていくことが必 要というふうに考えておりまして、定期的に調査をし、食品安全委員会にも報告をして いる状況でございます。 ◎牛の背割りによるせき髄片の飛散防止について(平成18年10月末現在)  平成18年10月末の調査結果の主要な部分を整理いたしました。牛を処理すると畜場、 当時は159カ所、そのうち6施設では背割りを行ってなくて、これはせき髄片による飛 散防止措置の内容について整理したものでございますが、6施設については背割りを行 っていないということで、残りの153施設において、特定危険部位の管理要領に従って、 ここに記載されている項目について対応されておるということを確認しております。 ◎背割り前のせき髄除去について(平成18年10月末現在)  それから、背割り前にせき髄を除去するということで、平成13年にいろいろ研究班に よって研究していただいて、それを踏まえて我々の方も導入を推進してきたわけですが、 背割りを行っておる153施設の中で、背割りの前に脊髄を除去している施設は132施設 (約86%)、これは施設ベースでございますが、と畜頭数のベースに換算しますと、約 96%の牛が背割り前にせき髄を除去していると、そういう実態になっております。 ◎SRMに係るSSOP(衛生標準作業手順書)について(平成18年10月末現在)  それから、と畜処理をする段階で、SSOP(衛生標準作業手順書)、こういったもの を作成をして、これは作成するのは施設側の方がするのですが、そういった手順に従っ て処理をすることにしておるわけですが、ここでの調査、牛とめん羊・山羊についても トータルで調査をしておりますが、牛とかめん羊・山羊をと畜している施設は当時164 施設で、すべてにおいてこの手順書が作成済でございました。  そのうち、こういった手順書に従って点検、実際に適切に実施されておるかを施設自 らが点検をして記録を残すということになっているのですが、実際に適正になされてお ったところは、164施設中124施設です。  点検は実施しておったけれども、記録がなされていない施設が29施設。  点検・記録が適正になされていない施設が7施設。  その他、その時期、処理をしていなかった施設も含めまして、その他4施設でござい ますが、実際に適正に記録等が行われていなかった施設については、改善済のところも ございますし、現在改善中のところもございます。こういった施設については早急に改 善するように指示しております。 ◎ピッシングに関する実態調査について(1)  それから、と畜の段階でピッシングという行為がございますけれども、これにつきま しては、食品安全委員会の評価結果の中で、食肉のBSEリスクをさらに低減させるた めピッシング実施に向けて具体的な目標を設定して、できる限り速やかに進める必要が あるということです。ピッシングについては、スタンガンで額にあなをあけて失神をさ せて不動化する行為でございますけれども、その段階でスタンガンで額にあなをあけて、 そのあなの中にワイヤー等で脳とかせき髄を刺激をして不動化をする行為でございます が、それによって、せき髄片等で、そういったものが血液循環を介して枝肉を汚染する 可能性が指摘されておると、こういったことを受けて、中止に向けて対応すべきという ことを指摘されております。 ◎ピッシングに関する実態調査について(2)  厚生労働省では、従来から食肉の安全確保と作業員の方々の安全確保の両立を配慮し て、廃止に向けて取り組んでおると。実際に作業現場では、ナイフ等を持ちながら作業 をしておって、牛が暴れないようにピッシングを行っておって、作業員の方の労働安全 の確保も必要だということで両者を両立できるように取り組んでおります。  平成17年11月には、と畜場毎の対応方針、3カ年の対応方針というのを調べまして 公表しております。 ◎ピッシング中止施設数  16年10月末時点から18年10月末時点までの状況を整理しておりますが、直近の昨 年10月末時点で159施設中、中止をした施設が95施設、約6割、まだ実施していると ころが4割残っております。 ◎今後のピッシング中止予定  こちらは各施設毎の中止に向けての計画をもとに整理をしたものでございますが、18 年度末時点では65%の施設が中止できるだろうと。19年度末では97%、20年度末では すべてと、そういう計画で中止に向けて取り組んでおるということでございます。 (パワーポイント映写終了)  以上、詳細な説明はできませんでしたけれども、米国産牛肉の対応状況とBSE国内 対策、最近の実態調査の結果も含めまして説明させていただきました。  以上でございます。 ○司会  それでは、少し時間押しておりますけれども、ちょっとお時間いただきまして、「宮崎 県における高病原性鳥インフルエンザの発生について」ということで、農林水産省消費 安全局動物衛生課の沖田課長補佐の方から5分程度ご説明をいたします。 ○沖田農林水産省消費・安全局動物衛生課課長補佐  すいません、時間が大幅超過しておりますので、簡単にポイントと1点、皆様にお願 いだけ申し上げて、インフルエンザの件に関してご説明させていただきます。私、農林 水産省動物衛生課消費・安全局動物衛生課の沖田と申します。よろしくお願いいたしま す。  資料の方を見ていただけると、まず1ページから、この発生の状況についてご説明し ておりますが、ポイントは13日に、ウイルスを同定いたしまして「H5亜型のインフル エンザ」いわゆる高病原性の鳥インフルエンザであるということが確認されております。 これに基づきまして3点の対応をしています。  1つは、10kmの移動制限をかけていること。これは法律に基づく10kmの移動制限。  2つ目は、当該発生農場の鳥の殺処分、これは日曜日、きのう終えております。  3点目として、速やかに、早ければ、きょうにも感染経路の究明チームを立ち上げて 感染経路の究明に当たるという、この3点の対応を農林水産省として行っております。  2ページ目と3ページ目ですけれども、このインフルエンザに関しまして、食品安全 委員会の委員長から談話が土曜日に出ております。鶏肉・鶏卵については、万が一イン フルエンザに汚染されていたとしても安全である。その根拠も3ページに書いてありま す。ご覧いただきたいと思います。万一、汚染されていても安全と考えられるというこ とです。  それから、世界的に見ても、このインフルエンザの鶏の肉を食べたこと、卵を食べた ことで発生があるという報告はございません。鶏肉・鶏卵については安心して召し上が っていただきたいというふうに思います。  以上、インフルエンザに関しましては、農林水産省としても、各省庁、都道府県と連 携をいたしまして、防疫対策、適切な情報提供、これに努めてまいります。皆様方にも、 特に消費者の皆さん、事業者の皆さん、その他関係者の方々にもぜひ冷静な対応をして いただけるとありがたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○司会  それでは、ここで10分程度、休憩を設けさせていただきます。私の時計は14時46 分になっておりますので、14時56分からパネルディスカッション・意見交換を開始し たいと思いますので、それまでにお席の方にお戻りいただきたいというふうに思います。 それではよろしくお願いいたします。 3 休 憩 4 パネルディスカッション及び意見交換 ○司会  それでは、お時間となりましたので、これからパネルディスカッション及び意見交換 を行います。  まず、パネリストのご紹介をさせていただきます。壇上、皆様から向かって正面のテ ーブル、左側の方から順に右手に向かいましてご紹介いたします。  日本水産株式会社品質保証室室長 井原直人様です。  日本生活協同組合連合会組織推進本部組合員活動部長 山内明子様です。  国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部長 山本茂貴先生です。  厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課 道野輸入食品安全対策室長です。  農林水産省消費・安全局動物衛生課 沖田課長補佐です。  最後に、本日のコーディネーターといたしまして、皆様から向かって一番左側、厚生 労働省大臣官房 中林参事官です。  意見交換の議事進行につきましては、中林参事官にお願いをいたします。 ○中林厚生労働省大臣官房参事官  それでは、これからパネルディスカッションに入っていきたいと思います。  まず最初に、きょうのやり方ですけれども、簡単にご説明申し上げます。きょうはテ ーマが3つございました。輸入食品監視指導計画関係、それからBSE関連が2つとい うことでございます。まず輸入食品監視指導計画、これについてご議論いただきたいと いうふうに考えております。  先ほど前半の部でご説明の機会がなかった方々、山内さん、それから、井原さんにこ の輸入食品監視指導計画につきまして、もしコメントがございましたらご発言いただき たいと思いますが、いかがでございましょうか。 ○山内日本生活協同組合連合会組織推進本部組合員活動部長  日本生協連の山内と申します。私は全国の生協の消費者・組合員の皆さんと一緒に様々 な学習活動ですとか活動を進めている立場からきょうは一消費者といたしまして参加さ せていただいております。その視点から、輸入監視指導計画案につきましてコメントを させていただきたいと思います。  ご説明にもございましたように、私たちの胃袋は6割海外からの食品に頼っている状 況でございますので、この輸入監視指導計画に基づく施策が非常に重要になっているこ とは言うまでもないと思います。  私どもは、生協の組合員とともに、よく意識調査を実施します。その中から、輸入食 品に関する意識をご紹介します。昨年とことしインターネットを通じまして1,000人以 上の方にアンケートを行った結果、輸入食品に関しては非常に関心が高いことがわかり ました。加工食品と生鮮食品におきまして、買い物をするときの関心事は何かと尋ねた ところ、加工食品では「おいしい」、生鮮食品では「鮮度がよい」というのが1番に来ま した。そして、加工食品でも生鮮食品でも、2番目に必ず「安心できる原産国であるこ と」ですとか「安心できる原産地・原産国である」ということが挙がってまいります。 ちなみに加工食品につきましては、2005年に「安心できる原産国であること」とお答え になった方が5割いらっしゃったのですが、2006年は60%に、10ポイントも上がって おります。生鮮食品でも同様に、2005年は55%の方が「安心できる原産地・原産国であ ることが大切」とお答えになっておりましたが、2006年は63%ということで、いずれも 大変上昇しておりまして、消費者の関心も高まっているというふうに思っております。  きょうの報告を見せていただきましたら、検査件数が増えているとか、職員の配置も 増やしていただいているということで、とりわけ昨年はポジティブリスト制度が入りま したので、そんなところの検査が強化されていることについてはうれしく思っておりま す。  消費者の立場から申しますと、プロにお任せして検査していただきたいと思っており ますが、そこからどんなことがわかったか、何がこういうふうに起きてきていて、その ためにどう対策を立てたというようなことを率直に情報提供いただくことが消費者の安 心感を高める非常に大きなポイントだと思います。したがいまして、いくつかことしの 計画につきましてご検討いただきたいというふうに思うことがございますので、簡単に 申し上げたいと思います。  中間取りまとめの検査結果で申しますと、第6条の違反が割合で多くなっていること が見受けられました。指定外の添加物の使用違反なども多いので、こんなところも強化 をしていただきたいと思います。  それから、輸入食品の安全を確保するためには、食品事業に携わっていらっしゃる方 の責任が非常に重要だと思いますが、政府としましても、情報の提供ですとか、とりわ け少量の輸入が増えているというお話ございましたので、多分中小企業の方の輸入など も増えていると思いますから、そういった方々への情報提供ですとか、認識を高めるた めの支援、そして自主的な検査の支援などもぜひお願いしたいと思います。  それと違反をしてしまったときに速やかに報告をするということが、例えば不二家の 問題でも、宮崎のインフルエンザの件でも求められると思います。私自身、不二家は本 当にちょっと信じられないような状況でございまして、ただ、宮崎の方は以前の事件よ りも早くご報告になったというふうにお伺いしておりますので、こんなような違反時の 速やかな報告も支援をしていくというようなことが必要ではないかと思っております。  それから、問題の多い輸入相手国の名前が出ておりました。中国などは産品が多い関 係があると思いますけれども、こういった相手国に対し来年は具体的にどんな支援を考 えているのかということも情報として教えていただけるとよろしいかと思います。また、 相手国での安全確保についての協力もされるということですので、実際、どんな協力を して、どんな成果が出たかというようなところもお伝えいただければよろしいかと思い ます。  状況に応じて検査命令へ移行している件がたくさんあるということでお伺いしており ますが、海外の新しい情報を取り入れての監視強化の事例などは非常に心強いところで、 事件が起きて後追いで検査をするということが多いとは思いますけれども、事前に危害 情報に基づいて機動的にモニタリングをなさることは、食品衛生法の目的にも書いてご ざいます国民の健康危害を未然に防止するという点で非常に大切だと思いますので、ご 検討いただきたいというふうに思っております。  きょうのような情報提供のチャンスというのは、この3年間非常に行われてまいりま したが、ますます力を入れてやっていただきたいと思います。例えば添加物などですと、 アメリカでは認可されているが、EUでは認可されない添加物で日本でも認可しないと いったものがあるとします。消費者は、単純に、なぜアメリカでは良いのに日本では許 されないのかと思います。国によって気候や食生活が異なりますから、このような基準 を作っている理由を、日本でなぜそういうふうになるのかというようなところまで、情 報提供していただけると納得できることもあると思います。ぜひこういった具体的な情 報提供もしてお願いしたいと思います。  最後に一つ質問ですが、国内流通段階での発見例もあるというふうにお伺いしました けれども、具体的にどんな件数であるのか、教えていただければと思います。  私からは以上です。ありがとうございました。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。それでは、引き続きまして、井原さん、もしござい ましたら。 ○井原日本水産株式会社品質保証室長  日本水産の井原と申します。私どもの会社は、海外より魚介類、調理冷凍食品、冷凍 野菜等を輸入しておりますので、きょうは輸入業者という立場で少し輸入者の取組と、 それから問題提起というか、要望事項になるかもしれませんが、少しお話しをさせてい ただきます。  事業者としては、昨年のポジティブリストの施行への対応が今最大の問題になってお りますが、あと未認可添加物の問題など、これまで加工工場の管理というのが中心だっ たわけですけど、そこから生産工場の川上、農場、養殖場、養鶏場、あるいは使用原材 料の中身、また、そのまた先の中身ということで非常に川上の管理が必要になってきて おります。  当社でもそうですが、農場や養殖場での使用の薬剤は何を使っているか。投薬記録は どうなっているのか、そういうことのチェック。それから扱います原料については、現 在の規格保証書をとって、その中身の原料は何を使っているのかというようなことを厳 しくやっております。また、履歴管理、トレースバックということですけれども、その システムの構築、それから製品、原料の分析チェック体制の整備、そういったことに取 り組んでおります。  特に当社の場合は、アジアから今輸入品の違反が多いということで、中国とタイに品 質管理のセンターをつくりまして、生産加工段階の指導、輸出前の農薬だとか動物用医 薬品の分析・チェックということを行っております。  皆さんこうやって努力をしておりますけれども、こういう輸入業者の努力にもかかわ らず、まだ輸入事業者がその輸入品について生産加工段階のすべてをまだ管理できてい るという状況にはないというふうに私は思っております。特に最近の事例で言いますと、 ベトナムの水産物でクロラムフェニコールという動物用医薬品の違反がエビとかイカで 多発しておりまして、まだ、それがなかなかおさまりませんけれども、ベトナムの水産 物の場合は、特に輸送段階で鮮度保持のためにこういうような薬が使われているという 報告がございまして、一輸入業者が数多くの漁船、集荷業者、養殖業者、また、非常に 零細な粗放養殖の養殖池が多いわけですけれども、こういった養殖池毎にすべて検査す るというのは非常に難しい状態になっております。  そういうことで、今でもやっていただいておりますけれども、日本政府から、そうい う輸出国に強く働きかけをして二国間の協議とか技術協力あるいは現地調査を積極的に 今以上に行っていただいて、相手の政府にもそういう管理状態の改善を求めるというこ とをお願いしたいと思います。特に厚生労働省さんもいろいろ予算の制約とかあるよう でございますが、ぜひ日本に入ってくる食べ物がどんなふうにつくられているか、ある いは管理されているかというところを現地に行って見ていただければなというふうに思 っております。  それから、先ほど山内さんの方から添加物の問題が出ましたけれども、我々も輸入業 者として非常に現地輸出国側に指導が難しいのは、国の基準が異なる場合が非常に難し い状態があります。例えば、今の添加物の場合は、日本では認可されてないけれども、 例えば中国や台湾、アジアでは広く使用が認められている添加物、そういうようなもの は、もちろんそれ自体は我々は使用しないわけですけれども、使用している原材料の、 また、そのまた原材料の、そのまた先から入ってくるというようなことがございまして、 我々輸入業者としては非常に管理が難しいということになっております。  何も全部ほかの国に合わせてくださいということは申しませんけれども、科学的な知 見だとかデータに基づいてグローバルなスタンダードとできるだけ日本の基準の整合性 をとっていただきたいということをお願いしております。  それから、検査の件ですけれども、特にポジティブリスト施行後、食品業者の検査に かかる費用が非常に増大しております。当社の場合でも農薬は今410項目やっておりま すけれども、これを輸出前に現地で検査しておりますから膨大な項目になっております。 今後、検査項目や検体数がさらに増え続けると、さらにコストが増えるということにな りますので、厚生労働省さんの方は多くのデータだとか、あるいは違反にならなくても、 こういうものが検出されていると。あるいは現地の国からこういう情報が来ているとい うことがあると思いますので、我々業者に、こういうリスクがこのエリアにある。だか ら自主検査のときにはこういうことを検査しなさいというような、何かそういう指導が いただければなというふうに思っております。  それから、最後に、最初にポジティブリスト対応が、今、一番の業者としては問題で すという話がありましたけれども、一律基準に設定されているいろいろ農薬等について も、実際にADIとか、健康にどういう危害があるのかということをもとに基準を設置 していく、あるいは見直しをしていくことをできるだけ早く進めていただきたいという ふうに思っております。  以上、問題提起というか、要望事項ばかりで申し訳ないんですけれども、私の方から お願いいたします。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。  それでは、まず山内さんの方から、いくつか輸入食品監視の関係で、最近輸入食品の ウエイトが高まっていて、非常に消費者の関心も高いという中で様々なご意見等をいた だいているわけでございますけれども、これらにつきまして、恐らくほとんどが道野さ んのところになると思うんですけれども、コメントをいただければと思います。 ○道野厚生労働省食品安全部監視安全課輸入食品安全対策室長  それでは、簡単に私の方から、この場でできる範囲でのコメントをさせていただきた いと思います。  ご指摘のとおり、輸入食品の安全性の問題は非常に関心が高いということでありまし て、私どもでも、輸入時の検査結果であるとか、輸入の品目毎の状況であるとか、いろ いろな国内で起きた輸入食品の安全問題とか、そういったことも含めて、先ほど多分説 明のときあったと思いますけれども、資料でいうと、資料2の18ページ、厚生労働省の ホームページ、大分よくなったのですけれども、やっぱり少し見にくいところがあるん ですが、食品安全情報の中の輸入食品のページというのがありまして、どういうものが 検査されているか、どういうものが違反になっているか、どういうものが輸入されてい るのかというような現状について情報の開示、開示というよりは公開していますので、 端的に言うとマニアックな部分もあると思いますけれども、ぜひご覧いただければと思 います。  井原さんから少しご指摘のあった、各国での使用状況などについても、ここからも飛 べますし、直接、国立医薬品食品衛生研究所のホームページを見ていただいてもいいの ですけれども、主要国の農薬の残留基準値の設定状況、残留基準値があるということは 基本的に使われていて残留がある程度想定されているというものですけれども、そうい ったものをかなり詳細にわかるようにしていますので、これも細かくて専門的な部分あ りますが、ぜひご覧いただければと思います。  それから、あと少量輸入が多いというようなこともありましたけれども、加工食品が 増加しているほか、付加価値の高いものとか生鮮食品の価格の結構高いようなものがか なり増えてきているということも事実としてあると思います。  違反情報については、これは行政も多分事業者の方も双方同じことが言えるのだと思 いますけれども、安全に関連する情報、健康危険情報については速やかに情報を開示す る。それから、行政の場合も事業者の方の場合もそうですけれども、対応をとっていく というのは非常に重要だと考えています。要は時間がたてばたつほど大抵状況は悪くな るということになりますので早期に対処していくことは非常に重要であると考えていま す。  それから、あと輸入相手国との関係でありますけれども、説明にもありましたとおり、 輸出国の段階、輸出国の段階での安全対策というのは、後で出てきましたけれども、米 国のBSEの問題もそうですけれども、輸入時の検査で全部安全確認するのは現実問題 としては難しいです。食品安全問題といっても多面的なものがありますから、輸出国政 府にまず安全対策をとってもらう、これは1段階目として非常に重要ですし、これから もますますこれを重要視していかないと、多様な問題に対応していくということでは、 相手国政府にしっかりと対応してもらうということは重要だというふうに考えています。  去年の暮れにはベトナム、先ほどクロラムフェニコールの残留問題ありましたけれど も、ベトナム政府とも協議をしたりとか、ご承知のとおり、アメリカ、カナダと牛肉問 題含めて、ほかの食品の安全問題でもたびたび協議をしています。それから、直接政府 の方が来られるケースもあれば、在京公館の方々と情報交換したりして問題解決に向け て進めていくようなこともあります。  また、技術協力に関しても、なかなか検疫所の輸入食品検査センターは、ポジティブ リスト化もあって、検査業務が非常に多くなっているということで、なかなか相手国の 技術者に研修をするということは、現実的に対応するのが非常に難しくはなってきてい ます。けれども、神戸、横浜併せて月1回とか2ケ月に1回というペースで受け入れを しています。ポジティブリスト化の関係で申しますと、国立医薬品食品衛生研究所の専 門家を中国に派遣して技術協力をしたりというようなこともやっております。  それから、添加物の問題は生協の方と日水の方と両方からありましたけれども、基本 的にその国で必要な添加物、必要性と安全性と両方見て指定をしていくと、そういうよ うな仕組みになっています。ただ、ヨーロッパ、アメリカ両方で認められているような もので、日本で認めていないもの、そういうもの46品目について、これは3〜4年前、 プライオリティーのリストをつくりまして、安全性に関する評価を進めていくというこ とで作業を進めているところです。  それから、あと、井原さんから検出状況について、違反でなくても内容について開示 ができないかと。特に農薬とか動物用医薬品の関係だと思いますけれども、その辺につ いては、なかなか違反の情報については、法律上も責務規定ですけれども、情報を公表 するということになっているわけですけれども、食品衛生法上問題ないものについての 情報は、風評被害も含めて考慮しなければならない部分もありますので、これは継続的 な問題として検討させていただきたいと思います。  それから、ポジティブリスト化に伴って非常に違反が増えているというのは、先ほど の説明で出てきていると思います。もちろん輸出国において改善をしていただき、生産 加工段階、輸出時の対策ということで、輸出国政府・輸出国側の事業者の方、それから 日本の輸入者も含めて今対応が進んでいるというふうに考えておりますし、基準につい ては、特に去年の5月の施行に伴って設定された暫定基準については順次ADIに基づ く基準の見直しということで、これも作業は進められているところです。  以上です。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。山内さん、井原さん、お二方の分、まとめて答えて いただいわけでございますけれども、要するに何が求められていくかということをよく 考えてみますと、情報提供、説明責任、そうしたことが中心であって、さらに言えば、 輸入食品が増えている中で、国による基準の違いと、そうした差異が生じてきているわ けですけれども、それらについての相手国への説明であるとか、あるいは技術協力、そ うしたことが、この輸入食品監視指導計画についてのパネラーからのご意見の中心であ ったというふうに思います。  一部、情報については、まだ具体的な情報とか、ちょっと手持ちでないところという のがあるのかもしれませんけれども、また、そうしたことにつきましては、こういう情 報がほしいというようなご意見をいただければ、情報として提供できる部分については 精いっぱい努力していただきたいと思うわけであります。  それでは、この輸入食品監視指導計画についてでございますけれども、あまり時間ご ざいませんけれども、フローからも1つ、2つご意見をちょうだいできればと思います。 コメントいただく際のやり方ですけれども、発言をご希望される方は挙手をぜひお願い したいということ。私どもの方からご発言いただきたい方について、この場でご指名、 あるいはお指しするというようなことをしたいと思います。係の者がマイクを持ってま いります。もし差し支えなければお名前、所属を述べてからご発言いただければと思う わけでございます。1回の発言時間ですけれども、大変申し訳ございませんけど、あま り時間がございませんので、2分、1分半のところで一度ベルな鳴らします。2分の時 点で2回ベルを鳴らすというふうに考えてございますので、できるだけこの範囲以内で ご発言いただければと思います。  それでは、まず、この輸入食品監視指導計画につきまして、ご意見ある方、どうぞ挙 手をお願いいたしたいと思います。いかがでございましょうか。どうぞ。 ○参加者1  主婦連合会の和田と申します。輸入の違反が判明した場合の対応と、これは17ページ にありますが、そこで関係の都道府県と連携して回収等の措置と、この文章を読むとな るほどと思うんですけれど、私ども随分検査をしているところを見学なんか参りまして、 輸入して物が入ってきたときに、検査結果が出るまで全部の商品、これは物によると思 いますけれど、生鮮商品なんかをとめ置くことはできないんだと。だから、ある程度流 通させてしまってという説明を聞いて、そのたんびに納得できなかった覚えがあるんで すけれども、具体的に回収というのがどの程度できるのか、どの程度やれるということ を考えていらっしゃるのか、その辺、具体的に伺いたいと思います。  以上です。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。道野さん、いかがでしょうか。 ○道野室長  確かに最初にドンとこういうふうに出ているので、違反食品がみんな国内に流通して いるような印象を受けられるとちょっと本意ではないんですけれども、要はこのベース として、過去10年程度にわたってモニタリング検査というのをやってきているわけです。 その中で違反の蓋然性の高い食品を峻別している。もちろん輸出国での事故だとか、食 品安全問題が発生して検査命令を強化した場合もありますけれども、そうやって違反の 蓋然性の高い食品については、いわゆる留め置いて検査するということをやっています。 これまでもそういう問題がなかったものについては、もちろん流通を認めた上で検査も やっていくと。  これは、例えばWTO協定の中でも、内外不差別といいますか、国内でも同じように ストップして検査をしているというのは非常にレアケースでありまして、流通を認めな がら検査しているというのが実態です。したがって、それまでに、例えば検査結果で問 題のあるものや、輸出国で問題が発生しているものについてまでそんなことをやろうと 言っているわけではなくて、あくまでもこれまでの検査結果であるとか、海外の情報等 から、問題がなかったものについては、検査のためのサンプリングをやって流通を認め るということを、これはモニタリング検査と申しているわけですけれども、要するに安 全上の実情を把握していくためにやっているものです。  次に実際にどのぐらいのものが違反が判明したとき、流通せずに残っているか、回収 が可能かということですけれども、事業者の方がここにかなりいらっしゃると思います けれども、検査が当たると、回収リスクというのは当然出てきますので、保存が効くよ うな食品については基本的にほとんど回収が可能という実情だと思います。もちろんご 指摘のあったとおり、生鮮食品についてはなかなかそういうわけにはいかなくて一部だ け残っているというケースもあります。  ただ、もちろん検査体制等のバランスもあるわけですけれども、例えば、農薬なり動 物用医薬品なりの検査にしても、検体採取から検査結果の判明までというのは概ね1週 間で対応できるようにということで、私どもも体制の強化といいますか、もちろんシス テムづくりをしておりまして、ほとんどの試験項目がそういった期間に対応できるよう になっております。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。それでは、もう一方、もしございましたら。特にな いようでしたら、次のBSE関係に移りたいと思います。  それでは、2番目、3番目のBSE対策の関係ですけれども、これにつきましても、 まずパネラーの方から、少しこの関係でご意見等あればお聞かせいただきたいと思いま すけれども、どなたからでも結構でございます。いかがでございましょうか。 ○山本国立医薬品食品衛生研究所食品衛生管理部長  それでは、国内、国外といいますか、国外というのは、アメリカからの輸入というこ とになっていますけれども、まず、私の立場といいますか、それを少しお話しすること になるかと思うんですが、私としては、厚生労働省の試験研究機関に所属しております ので、いわばリスクを管理するための基礎的なそういうデータ、それから、それをどう 管理していったらいいかということに関する、そういうリスクアセスメントに基づく方 法論の提供といったものを一面で行っているということが1つあります。ですからリス ク管理型の研究を1つやると。  もう一つの顔としまして、私ども国立の研究機関の職員は、食品安全委員会から、直 接そういう委嘱を受けて専門調査会というところで評価をする委員として働くと。これ はですからリスク管理と評価という2つを分けるという意味では、考え方としてはリス ク評価側の考え方として我々は仕事を続けているという形になります。かといって、管 理のことについて全く知らないわけではなくて、それをどうやったらいいかということ についての科学的な根拠を考えていくということになるわけですね。  BSEに関しましては、プリオン専門調査会というところで様々議論されてまいりま した。私もアメリカからのそういう輸入の再開に関してのリスクの違いについて評価す るということを行ってきたわけです。リスクの評価をする前段階としまして、アメリカ と日本で完全に措置が違っておりましたので、そういう規制のレベルというものが違う 段階でそのまま評価するというのはちょっと難しいということがございます。ですから 輸出プログラムというものをアメリカ側が実行していただくということにおいて日本と 米国、カナダ、そういったもののリスク評価を行ったということになります。  そうなりますと、今度は輸出側がそれを実際に行ってくれているのかどうかというの が非常に大前提として問題になるわけなので、今回のような違反事例がないかというよ うな査察といったことに非常に関心があるわけです。我々としてもそういう関心があり ますので、続けていっていただいていろいろな情報提供をしていただくというのは非常 に大事なことだと思っておりますので、これからもこういう機会にいろいろ情報を教え ていただけるということになるかと思います。  アメリカ側としても、全体、システムの問題としてはあまりなく、個別の問題として 時々おかしなことが起こっているようには今のところ見受けております。今、アメリカ 国内を見てみますとそういう規制がないところでやっているわけですので、特段また新 たな日本向けのことをやっているといった感じで見ております。  国内の方を今度比べてみますと、リスクを比較する上においては、国内の対策もいろ いろ見ていかなければいけないわけですね。その中で1つ大きな問題になっていたのは ピッシングの問題でした。ピッシングの方をいかにやめていただくかということで早急 に順次目標を持ってやめていただくということを提言したわけです。きょうのご報告で も、20年にはゼロにしていただけるということですので、できるだけ速やかにそれを廃 止していただたきたいなというのが1つの感想です。  ですから、どちらのリスクが高いとか、そういう評価をあそこで行ったわけではなく て、双方でこぼこ、高いところも低いところもあった上で、それぞれの差が小さいとい うことを同じような管理条件の下での話として比較したということが、あそこでのリス クの比較ということを結果として出したという話になっております。  私の方からは以上です。 ○中林参事官  ありがとうございます。山内さんどうぞ。 ○山内部長  私も山本さんとほとんど同じ意見ですけれども、国内問題はピッシングの問題、お約 束いただいていますので、ぜひ頑張ってやっていただきたいと思いますが、きょうの資 料4の10ページのスライド19番を見ますと、昨年から本年度末まで9カ所実施されて、 来年は50カ所一気におやりになるということで、ちょっと数が多いので、最後の年に近 いわけですから、頑張られるということだと思うんですけれども、実際に現場で様々な 問題がおありでしょうから、作業場の問題ですとか、作業量の問題、もちろんお考えと 思いますけれども、ぜひよろしくお進めいただきたいと思います。  それから、海外から入ってくる牛肉の問題につきましては、アメリカは向こうで日本 向けにはやるとお約束いただいたことをきちんと守っていただけるように、こちらとし ても見ていくということは大事だと思います。  2005年12月に、食品安全委員会が飼料規制の話をお出しになっているのではないか と思うんですが、アメリカにおける肉骨粉の使用を牛は使ってないんですけれども、豚 とか鳥にもまだお使いになっているというふうに私ちょっと記憶がございますが、この あたりの強化のことについてはどのように進めていらっしゃるのか、教えていただけれ ばと思います。  それとアメリカ以外の国からも牛肉たくさん入っておりまして、例えば中国とかタイ などはリスクの評価がどのようにされているかをお尋ねしたいのと、これも相手国と一 緒に向上させていくという問題かもしれませんが、そういったヨーロッパ以外のアジア 中心の国々からの輸入に関しましても、国民の健康を守るという立場からぜひリスク評 価ですとか、管理を強化していただきたいと。具体的にまたお知らせいただきたいとい うふうに思っております。  以上です。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。お二方のご意見ちょうだいしたわけですけれども、 国内対策については、基本的にピッシングをしっかりやめるようにして指導してほしい というような話だったと思います。  輸入の方については、いくつか論点がございましたけれども、まず、飼料規制の話、 もし沖田さんの方でお答えいただけるのであれば、よろしくお願いいたします。 ○沖田課長補佐  それでは、飼料規制の話についてちょっとご質問ありましたのでご説明したいと思い ます。まず飼料規制の話ですが、一昨年になりますが、17年12月の米国産牛肉と国内 の牛肉等のリスク評価という食品健康影響評価を食品安全委員会で結論を出したときの 結論の附帯事項ということで、アメリカにおいては飼料規制がまだ不十分であるので、 それを引き続き強化することというふうに附帯事項でつけられておりました。  これにつきましては、農林水産省と厚生労働省とも連携して、機会のあるごとにアメ リカ側に申し入れているところです。実はアメリカ側も飼料規制については強化を予定 というか、やることを考えておりまして、それについては、一昨年の段階で一応の案が できて、それがパブリックコメントにかけられたという状況であったのですけれども、 その後の状況をずっとフォローアップしておりますが、この飼料規制の強化について始 まったという情報までまだこちらは受け取っておりません。ですから引き続き、飼料規 制の強化については、機会を見て申し入れもする必要があろうかというふうに、この食 品安全委員会の附帯事項に基づいてしていく必要があろうかと思います。 ○中林参事官  どうもありがとうございます。それから、特に米国からの輸入についてはプログラム がきちんと向こうの方で適正に動かされているということが前提だということで、それ についても当然ながら、私どもも関心を持ってながめているというような発言があった と思いますし、それについては、これからもそうした形で米国がきちんとプログラムを 遵守するように働きかけていくことが必要になるだろうというふうに思います。  それから、これはもしこの場で答えることができるのであればということですけれど も、中国とかタイの話は少し出てございましたけれども、道野さん何かコメントござい ますか。 ○道野室長  ここにいらっしゃる方はご存じの方もかなり多いと思いますけれども、輸出国でBS Eが発生した場合というのは、結局国内でも同じだったわけですけれども、SRMが使 用された食品だとか、SRMそのものについて回収措置を講じるということをリスク軽 減措置を従来からやっているわけです。その対応が相当大変でありますし混乱もすると いうこともありまして、BSEの発生が報告されていなくても輸入の際に日本でSRM の定義に該当するようなものについては輸入を自粛していただくようにということで輸 入者の方に要請をしておりまして、これまでも指導を開始して以降、そういったものは 輸入されたという例はございません。  それから、ちょっと簡単につけ加えておきますと、ピッシングに関しては、小規模な と畜場からだんだん大規模なと畜場にと中止の取組は広がってきております。特に機械 の問題とかもありまして、大きいところについては、計画として3カ年目、19年度とい うようなところもかなりあるというのが実情であります。私どもとしても、これに関し ては設備の補助金と一般企業に関しては、税制の優遇措置等々でさらに支援をしていく ということで中止に向けて計画の前倒し等も要請をしているというような状況にありま す。  それから、アメリカの遵守状況の検証ということでありますけれども、輸入時の検査、 今、全箱をあけて確認ということをやっているわけですけれども、先ほど説明あったよ うに7400トン輸入されている。1カートンが大体10kgから12kgぐらいですから、それ で割った数だけ箱あけて中見ているというのが今の現状なわけです。そういった中で、 もちろん輸入されてきた箱をあけて確認できることというのは当然限られていることは 限られているわけですけれども、そういった中では問題は確認されていない。  もう一つは、私どもがアメリカに行って査察をしてくる。これも当然確認できること というのは限界があるというか、ということでありますけれども、そういったことを通 じて、結果としては米国側にしっかりプログラムを運営してもらうということが重要だ と考えております。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。もし、パネラーの方で追加発言がなければ、これで マイクをフロアの方に渡したいと思います。それではフロアの方から、どうぞ、一番前 の方。 ○参加者2  日本消費者連盟山浦と申します。資料3の2ページと、資料3の6ページなんですけ れども、まず、日本の輸入時検査における全箱検査、今も道野さんからお話ございまし たが、その実態について、これで本当に十分かという、そういう疑問を持っておりまし て、まず肉ですけれども、冷凍肉・冷蔵肉両方あるかもしれませんが、全箱検査、これ を業者の方がなさるということで、どのようにされているか。目視をされていると思う んですけれども、SRMが入っているかどうかということをどういうふうに見分けるか ということですね。  それから、月齢の確認、これは証明書があるかどうかということだけで済むのか、あ るいは何らかの方法をここでしっかりとやっているのか。この点について、具体的な作 業を教えていただきたいと思います。韓国においては、ダイオキシンの問題とかいろい ろな肉の発見とか、様々な報道もなされておりまして、なかなか頑張っているなと、そ ういう印象を受けるわけですけれども、日本においては一体どうなのか、そういうこと をお聞きしたいと思います。  それから、査察における抜き打ち検査に日本政府の方も同行されたというわけですけ れども、この抜き打ち検査の実態はどういうものかということですね。いろいろなアメ リカにおけるBSE対策の内部告発の話もよく聞くわけですけれども、こういった実際 の査察において、アメリカでいろいろ問題とされていると言われているBSE対策をし っかりと見きわめることができたのかどうか、この点について、十分に納得のいくお話 が聞けたらと思います。 ○中林参事官  どうもありがとうございます。それでは、パネラーの方で、恐らく道野さんでよろし いでしょうか。 ○道野室長  まず、輸入時検査の実態ということでありますけれども、ご指摘のとおり、冷凍され たもの、チルド(冷蔵)のものと両方あります。もちろん冷蔵と冷凍では条件が違いま すので、冷蔵の場合には、ある程度触った感じで、固いものがあるかないかということ はわかるということで言うと、冷凍と冷蔵を比較すると、冷蔵の方が精度の高い確認が できるということは言えると思います。ただ、実際に確認をされる方に、なるたけ同じ ような見方ができるようにということで、厚生労働省のホームページにも公開していま すけれども、そういう手引きということで、SRMもしくは骨だとか、そういったもの の部分肉に付着していた場合の、そういった写真を相当たくさんのせた分厚いものをつ くって配布をしておりまして、そういったものを参考にして、できるだけ精度の高い確 認をやっていただくようにということで進めています。  それから、月齢については、まさにA40で枝肉でも輸入してこない限りは、着いた 貨物で、着いた牛肉での月齢の確認というのは無理ですので、これは輸入時点での確認 というのは、あくまで米国政府が発行した証明書ということになります。したがって、 20ケ月齢以下のものが確実に輸出されているかどうかということは、現地の査察時に過 去に日本向けに処理をされたものの記録を確認して、適切にプログラムが遵守されてい るのかどうかということを検証していくというような形になります。  それから、米国側の抜き打ちの査察に同行ということで、11月下旬から12月の半ば にかけて実施した日本側の査察では、2施設について、まず抜き打ち査察について同行 するということをやってみました。もちろん当日は日本向けの処理を予定していません ので、そういった意味で言うと、例えば枝肉を分割して部分肉にするような工程につい ては、日本向け処理は見られなかったということです。ただ、と畜解体、要は生きた牛 から枝肉の状態にするまでのプロセスについてはA40の輸出もございますので、そう いう中で確認をしたと。そういった中で、特別に国内規制が守られていないというよう な状況があるということではなかったというふうに報告を受けております。  それから、2施設のうち1施設については、予定を変更して日本向けについて処理を やってくれたようですので、そういった形での確認も併せてできたようです。ただ、こ れは多分レアケースだと思いますので、これから同じことができるのは難しいのではな いかと思います。抜き打ちについては、結局事前に通告しないというのは当たり前のこ とですけど、そういうことですので、要はインタビューしたい人に、役所の人なり立場 の人に会えないというケースもあるでしょうし、必要な書面が時間内になかなか出て来 ないというケースも多分あるのだろうと思います。ただ、今までも、アメリカ側でもや ったことがなかったものですから、今回2施設やってみて、また、今後どういったやり 方が効果があるのかということについて、引き続き整理しながら、また、次の査察を実 施していきたいと考えています。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。そちらの方で、手が挙がっておりますので、よろし くお願いします。 ○参加者3  東京マイコープの原と申します。ご説明ありがとうございました。  2点ばかり意見を申し上げたいと思いますけれども、1つは、そちらのパネラーから もご発言のあった被発生国の評価ですけれども、昨年の6月から山本先生もご参加され てプリオン専門調査会で中国、メキシコ、チリの自らの評価ということで、評価が始ま っているというか、始めるか始めないかわからないような、何か予備的な評価のような 形で、ずっとこの間、私ども傍聴させていただいて、ちょっとじれったい感じで見させ ていただいたのですが、もっと早く本格的な評価を始めていただきたいと思いまして、 ぜひ厚労省さんなり農水省さんからも、この問題について懸念を一定程度当然お持ちだ と思いますので、自らの評価ということで評価していただいても一向に差し支えないの ですけれども、厚労省さん、農水省さんから、きちんと諮問もしていただいたらどうで しょうか。  それから、第2点目に、米国産牛の件、先ほども飼料の規制等の件出ましたけれども、 私思いますに、米国ではSRMを除きさえすればいいと。検査についてはサーベイラン スをすればいいんだと、サーベイランス目的なのだというふうに明確に言い切っている わけですね。片や私ども日本ではSRMの除去と検査と飼料の規制、この3つが合い補 って安全を保証するものだというふうに考えてやっていただいていると思うんですよ。 ここの点について、安全の思想というものが全く異なっているのではないか。こういっ た価値観の違うところから、いくら安全だ、安全だ、と言われても、かえって安全だと いう言葉がきちんとそういう価値観でやられていたのでは不安だという不安要素にしか ならないので、価値観の共有化をぜひ米国と図っていただきたい。日本でやっている規 制の、どういう考え方でやっていて、どういうふうに効果が出ているのかということを きちんとアメリカに理解していただくことが必要なのではないかということで、そうい った努力を要望したいと思います。 ○中林参事官  2点ございました。まず被発生国の話ですけれども、山本先生、何かコメントござい ましたら。 ○山本部長  現在、プリオン専門調査会の方で、自ら評価というものを行うかどうか、できるかど うかということですね。実際に自ら評価やりますといって、データもないのにやります はできませんので、本当に可能かどうかということについて検討を始めたということで、 徐々にデータが集まってきているところです。  また、昨年7月から委員の交代もありまして、委員間でのそういう方法論の共有とい うんですか、そういうものをきちんとしていかないと、お互いばらばらの形で評価して もきちんとした評価ができないだろうということで、その点についても議論をしている 段階であるというところで、なぜ、すぐにということが言われると思うんですけれども、 その辺をきちんと積み上げていかないと、これからの自ら評価がいいかげんなものにな ってしまうようなことでは困りますので、そこを足固めをしていっているという段階だ と思っていただければと思います。 ○中林参事官  道野さん、被発生国の話、それから、米国の検査の話で、そもそも安全に対する思想 が違うのではないかというご指摘があったわけなんですけど、この点について、何かコ メントがありましたら、よろしくお願いします。 ○道野室長  まず、被発生国に関して、先ほど申し上げましたとおり、発生時の混乱ということを 考慮して、輸入自粛要請ということをやっているわけですけれども、諮問ができるかと いうことになると、合理的な危険性というか、そういったことについてどういうふうに 整理するか、非常に難しいところがあって、なかなか諮問をするというのは現時点では 難しいのではないかというふうに考えています。ただ、もちろん安全委員会での評価に ついて、その情報収集だとか、そういったことについては、管理機関としてきちんと協 力をしていきたいというふうに考えておりますし、そのように対応しております。  それから、アメリカとの話だと思うんですけれども、価値観を共有できないかという ことで、もう3年前になってしまいますが、ワーキンググループで、日米間の専門家レ ベルで、検査の意義についていろいろ議論をしました。ただ、価値観、検査が要る、要 らんというよりも、むしろ基本的な認識として、リスクに対する考え方というのは両国 で差があるということが大きいのではないかと思います。それはどうしてかというと、 アメリカ側は、まず米国のリスクというのは非常に低いのだという認識が前提としてあ るのだろうなというふうに感じました。もちろん日本において検査をやっている意義は、 今までもご説明しているとおりで、BSEに罹患している牛、BSE検査でポジティブ の牛について、フードチェーンから排除すると、そういう観点でやっているわけですけ れども、前提となる両国のリスクというものについての評価ということも、併せて議論 しないとなかなか価値観の共有というのは難しいと思いますし、米国側は米国側として の自国の評価というものについて主張しているわけなので、一朝一夕でというか、多分 評価についての前提条件がなかなかそろわないと価値観の共有というのは難しいのでは ないかというふうに思います。 ○中林参事官  引き続きまして、一番後ろの方で手挙げている方、お願いします。 ○参加者4  食肉のコンサルタントをしておりますブリッジインターナショナル 高橋と申します。 2点ございます。  まず1つは、資料2の8ページ目で「輸入時の検査体制の概要」、これと資料3の10 ページ目「米国産牛肉の今後の対応について」というところで、基本的に現在検査命令 のところになっているのかなと。つまり資料2の輸入時の検査体制の概要、今、全箱検 査やっているわけですけれども、これが違反の蓋然性というところが高いと低いとがご ざいまして、今、全箱検査をやっていて、現時点までの輸入時検査及び結果からは、構 造的システム上の問題が発見されてないというのが半年続いているわけでございますけ れども、この辺について、今後の対応はどういうふうにお考えになっているのかという のがまず第1点。  第2点は、国内のBSEについて、8齢目と9齢目、つまり23ケ月齢と21ケ月齢が 出ているのと、あと和牛の雌で出ておりますけれども、基本的に肉骨粉食べさせるとい うのが通常乳牛が多いわけでして、ミルクを出させるために食べさせていたというのが 過去多くて、去勢牛の場合はどちらかというと食肉用というので、それが非常に出てお りますけれども、プリオン病について、今どうも4パターンがあるのではないかと。真 性と非定型と。この21、23ケ月齢はどうも非定型型ではないかという研究が大分進んで いるようですけれども、その辺の新しい情報をお教えいただければなというふうに思っ ておるのですけれども。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。それでは、まず第1点目の検査の今後の対応の話で すけれども、これも道野さんにお願いした方がよろしいでしょうか。 ○道野室長  すいません、会場からのご発言を制限しておいて、私ばかりがしゃべっておるようで 申し訳ないですけれども、まず、全箱確認の今後でありますけれども、米国側の方で設 定した輸出プログラムの検証期間というのが今月の終わりで終了するということで、米 国側での対日輸出プログラムの検証結果というのも1つ重要になりますし、日本側とし ては、もちろん施設によって、まだ日本に輸出できてない施設もあれば、これまでに数 百トンの輸出実績のある施設もあるということで、これまでに我々の方で行ってきたそ ういう水際での検証、もちろん8施設については12月に査察していますけれども、そう いった日本側の査察の結果。そういったものを整理していって、対応というのは決めて いかなければならないというのが考え方です。  もちろん必要なものと必要でないものというのは今後整理する必要もあると思います。 ただ、現時点では、そういったことで、米側の検証結果もまだ整理されていない。それ から、パッカーによってというか、施設によっては輸出実績がないというような状況も ありますので、その辺についてどういうふうに評価をしていくかというのは、今後、私 どもの方でも検討したいというふうに考えています。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。それから、第2点目については、山本先生の方で、 21,23、それから、バビの話ですか、これについて、もし何か知見がございましたら、 ご紹介いただきたいと思いますが。 ○山本部長  実は食品安全委員会の方でも、21ケ月、23ケ月齢につきましては、BSEということ での意見は一致しております。ただ、細かいところで、まだ、23ケ月齢の方が、いわゆ る定型的ではないパターンを示すということで、それがマウスへの接種試験、これを継 続中であるということを伺っているのみで、それ以外のもう少し細かな情報ということ に関してはまだ試験を継続中であるということだけであります。  非定型例というものが世界じゅうで、フランス、イタリア、報告されてきております。 こういったものをどう扱うかということについては、プリオンの専門家の中でもまだま だ意見が分かれているような状況で、昨年の10月初めに、イタリアでプリオンの2006 という国際的な学会があったのですけれども、そこでも様々な仮説といいますか、それ が今出ている段階です。非定型的と言われているものを今後どう考えていくかについて は、まだ専門家の意見はこれから固まってくるまでもう少しかかるのではないかと。本 当のそれがBSEと言われているものなのか、いわゆる個発性といいますか、牛にもと もとあったものをつかまえているのか、その辺が今後の検討課題だというふうに国際学 会の方でも言われていました。  また、肉牛については、疫学的な検証というものができていない段階で、それがどう してそういうところに入っていったのかというのは我々としても非常に興味のあるとこ ろでありますけれども、まだ、そこのところはもう少し慎重に検討しておかなければい けない問題だろうと。日本で本当に個発性というものはないのかどうかとか、そういう ものもプリオンの専門家の間では今後検討していくべきだろうというふうに思っており ます。 ○中林参事官  どうもありがとうございました。  もう4時にりますが、もう一方だけ、最初に手を挙げられた後ろの方の方、お願いい たします。 ○参加者5 吉野屋の多賀谷と申します。日本の検査月齢の線引きについて1つご質問 をさせていただきたいと思います。2005年3月31日、プリオン専門調査会が農水、厚 労の諮問を受けて20ケ月の線引きということを基本的に決められて、そのときに、ここ にいらっしゃる山本先生も、2003年の8月以降生まれた牛だと。よって飼料規制がきっ ちりできているので、20ケ月以下であれば、BSEにかかっている可能性は非常に少な いだろうという意見を出されたと記憶しております。その後、現在まで20ケ月以上過ぎ ております。  もう一つは、国内の法律改正は一昨年の8月からだったと思います。20ケ月齢以下と いうことで、21ケ月齢を線引きとされたのですけれども、それを引いても既に十何ケ月 か過ぎております。国際的には30ケ月齢という検査、月齢の線引きがあり、ヨーロッパ では既に36ケ月へ変更という意見も今出ていると聞いております。  その中で、日本はいつ、変更ということを農水、厚労行政は考えられているのか。当 然食品安全委員会へ諮問されることになると思いますけれども、どういうことがあれば、 その変更を出されるのか。もし出されないのであれば、飼料規制がまだだめだというこ とにもなりかねないと思いますので、そこら辺の考え方をお聞かせいただければと思い ます。  以上です。 ○中林参事官  どうもありがとうございます。それでは、これはいかがいたしましょうか。道野さん、 それとも山本先生、あるいは沖田さんでしょうか。 ○道野室長  不公平になるので、3人ともしゃべることに。 ○中林参事官  簡潔にコメントいただければと思います。皮切りに、道野さんからどうぞ。 ○道野室長  前回の国内規制の見直しに関する諮問に対する評価の内容というのは、もちろん現在 用いているスクリーニング検査の検出感度もありますけれども、それ等を含めて、今、 おっしゃったような、日本における飼料規制の効果ということも勘案して検査月齢につ いて、20ケ月齢以下について陽性出るということはまず考えにくいということが前提に あったわけですね。これが今度、今後30のときどうなのかというようなことになって、 横並びでいけば、そういうことになるのだろうとは思いますけれども、私どもの方とし て、現時点で、それについて諮問をするということは予定を持っておりません。つけ加 えて言わせていただくと、要は今後の皆さんの理解ということを前提にしてということ になりますと、現時点というのは、例の一昨年の8月1日に施行した20ケ月齢以下は検 査対象から除くという食品安全規制の経過措置と申しますか、来年の7月までは、まだ いろんな混乱防止という観点から全頭検査についての補助金を継続するというような方 針で対応している時期ですので、今のところ全くそういった予定というのはございませ ん。 ○中林参事官  沖田さん、もしよろしければ、コメントいただきたいのですが。 ○沖田課長補佐  基本的に、今の道野室長のお考えとそんなに変わらないのですが、この問題に関して は、いずれにしても国民の中にも、消費者の中にも、あるいは関係者の皆さんいろんな 意見がありますから、そういった意見、それを食の安全とか、信頼性の問題、こういっ たものに直結するものだと思います。そういったことを十分考えて、一般的な発言にな ってしまいますけれども、そういうことを十分踏まえて、この問題を考えていく必要が あるという基本的な考えに立って、今、道野室長が言われたような、農水省としても同 じように考えているところです。 ○中林参事官  どうもありがとうございます。山本先生いかがでしょうか。 ○山本部長  あの時点で、20ケ月齢というものに関して、以下では、検査をしてもしなくても、見 つかるかどうかということに関しての議論をしたわけですね。ですから検査をした場合 としない場合のリスクの差というのは非常に小さいのだということで結論が出ていまし た。それ以降、時間がたってきているということですが、その段階、今の段階でどうな のかというのをやるには、まだ本当の飼料規制の問題とかももう一度検証し直さなけれ ばいけない部分もありますので、その辺はしっかりと見ていきたいと思います。  それから、現在続けているいわゆる全頭検査、これは安全の部分だけではなくて、安 心の部分を確保するためというのがかなりあるというふうには理解しております。です から、そういう意味で国民の理解が得られるような形で規制の方は考えていっていただ ければいいと思うんですけれども、諮問が来ればリスク評価するのはやぶさかではない というふうには考えております。 ○中林参事官  どうもありがとうございます。山内さん、もし何かございましたら、コメントをいた だきたいのですが。 ○山内部長  生協の組合員の意識調査のデータがありますのでお伝えします。これは2006年に行い ました先ほどと同じインターネット調査ですが、BSE対策として必要と考える施策に つきまして、次の5つの選択肢を書きまして、どれか1つ選んでくださいという質問で した。1つ目が「危険部位の除去」、2つ目が「危険部位の除去と高年齢牛の検査」、3 番目が「危険部位の除去と全頭検査」、4番目が「全頭検査」、最後が「わからない」で した。「危険部位の除去と高齢牛の検査」を答えられた方が70%ぐらいで、残りのほと んどの方が「危険部位除去と全頭検査」または「全頭検査」と答えていました。つまり、 現在の検査体制が概ね支持されているというふうに見てよろしいかなと思います。  ですから消費者は、こういった検査をすることが必要でまた、これによって安心もし ているということですから、いきなり30ケ月はなかなかまだ現状では難しいのではない かと私自身も思います。 ○中林参事官  ありがとうございます。井原さん、何かございましたら。 ○井原室長  一言だけ、消費者に安心していただけるというのが一番大事だと思うんですけど、メ ーカーとしても、法律でいいと言われても、消費者に支持されるものでないと使えない ということがありますけれども、全頭検査がすべてというのではなくて、科学的にどう いうリスクがあるというのをもっと消費者にわかりやすく話していただいて、科学的に 物事を進めていくというんですか、そういうことをいろいろな手だてで検討いただけれ ばなというふうに思います。 ○中林参事官  ありがとうございました。いずれにいたしましても、このような形で、リスクコミュ ニケーションという形で、お互いに意見を述べ、そして我々といたしましても、あるい は行政、各団体としても、自分たちの持っている情報をいかに相手方にわかりやすく伝 えていき、そうした情報提供した上で議論していくということが今後ますます大切にな ってくるのではないかというふうに思いました。  きょう申し訳ございません。大変時間が押してございまして、実はこの会場、もっと 延長したいのですけれども、この後の予定もあるということでございますので、まだま だご意見等あろうと思いますけど、一応これでこのマイクを司会の方に渡したいと思い ます。  どうもありがとうございました。 5 閉 会 ○司会  以上をもちまして、食品に関するリスクコミュニケーションを終了させていただきた いと思います。  本日は長時間にわたり貴重なご意見をいただきまして誠にありがとうございました。  出入口におきまして、アンケートを回収しております。今後のリスクコミュニケーシ ョンの参考とさせていただきたいと思いますので、ぜひともご協力をお願いいたします。  それでは、皆様、気をつけてお帰りください。どうもありがとうございました。 46