06/06/09 平成18年6月9日(広島県広島市)食品に関するリスクコミュニケ−ション (米国産牛肉輸入問題に関する意見交換会) 食品に関するリスクコミュニケーション (米国産牛肉輸入問題に関する意見交換会) 平成18年6月9日(金)                             14:00〜16:30 於:広島YMCAホール 国際文化ホール 1.開 会 2.議 事 (1)米国産牛肉輸入問題について (2)意見交換 3.閉 会 ○司会(吉田厚生労働省食品安全部企画情報課長補佐)  本日は大変お忙しいところ御出席いただきましてありがとうございます。  ただいまから食品に関するリスクコミュニケーション、米国産牛肉輸入問題に関する 意見交換会を開催いたします。  私は本日の司会を務めさせていただきます厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報 課の吉田佳督と申します。よろしくお願いいたします。  なお、地球温暖化防止等省エネルギーのために、本年度も6月1日から9月30日ま での期間、政府全体としていわゆるクールビズに取り組むこととしております。本日の 意見交換会もクールビズといたしますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。  さて、農林水産省と厚生労働省では、1月20日からすべての輸入手続を停止してい るところですが、先般、3月28日から29日に、原因や対策に関する米国側の報告書 について、日米専門家会合を開催し、これを受けて、日本側では4月11日の那覇会場 を皮切りに、24日まで全国10カ所で意見交換会を開催いたしました。  また、米国側におきましては、対日輸出認定施設のレビューを行い、今般、5月17 日から19日にかけて日米専門家会合が開催され、そのレビューの結果について米国側 から聴取したところであります。  本日の意見交換会は、米国政府の説明の内容及び米国産牛肉の輸入手続再開の考え方 について御説明し、参加者の皆様方々の疑問点やお考えなどについて意見交換を行うこ ととしております。  初めに、お配りしている資料の確認をさせていただきます。まず、議事次第でござい ます。それから、資料といたしまして米国産牛肉輸入問題についてでございます。続き まして参考資料、日本向けEVプログラムに関するFMS監査結果報告書(概要)20 06年5月でございます。それから、米国・カナダ産牛肉・内臓に係る食品健康影響評 価の資料でございます。それから、食品安全エクスプレスのチラシでございます。そし て、6月は食育月間のチラシでございます。また、アンケートも同封させていただいて おります。  なお、アンケートにつきましては、今後の参考にさせていただくためでございますの で、御記入の上、お帰りの際に御提出いただきますよう御協力のほどよろしくお願いい たします。なお、資料に不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。  それでは、続きまして本日の進行について説明いたします。まず、米国産牛肉輸入問 題について、1時間程度説明をいたします。その後、10分間程度の休憩時間を挟み意 見交換に入りたいと思います。なお、会場の都合上、終了は4時30分を予定しており ます。  それでは、米国産牛肉輸入問題について、厚生労働省食品安全部監視安全課の蟹江B SE対策専門官から説明いたします。 ○蟹江厚生労働省食品安全部監視安全課BSE対策専門官  ただいま御紹介いただきました厚生労働省の蟹江でございます。本日、米国産牛肉の 輸入問題につきまして、スライドに従いまして御説明をさせていただきます。また、ス ライドの方、字が小さい部分もございますので、見にくい場合にはお手元の資料をごら んいただければと思います。 (スライド)  まず、本日の説明の流れでございますが、前回御出席の方は同じ内容となるかもしれ ませんが、まず、米国産牛肉問題のこれまでの経緯でございます。今回の事案の概要、 それから3月に行われました日米の専門家会合の概要をまず御説明させていただきます。 それから、前回の意見交換会でいただきました意見をまとめて御説明をいたします。3 番目でございますが、米国側が施設の調査を行っております。その結果について御説明 をいたします。その現状を御説明をした後、4番目でございますが、今後の対応、特に 輸入手続再開の考え方、これは私どもの考え方を御説明をして、いろんな御意見をいた だきたいと思っております。まず、その1つ目として基本的な考え方でございます。そ れから米国側が行った強化対策、私ども日本側が米国側に要請した追加措置の内容です ね。それから、日本国内において今後、講じようとしている措置の考え方。それから5 番目でございますが、これは現在、輸入手続を停止をして、日本に到着してる貨物が一 部ございますので、その対応についての考え方を御説明させていただきます。それから、 香港あるいは台湾等で米国産牛肉から骨片が見つかっておると。その事例について概要 を御説明をさせていただきたいと思います。  (スライド) まず、米国産牛肉の輸入問題のこれまでの経緯でございます。  (スライド) 今回の事案の概要でございます。  (スライド) まず、これも御承知のことかと思いますが、平成15年の12月24日 に米国でBSE感染牛が1頭確認をされました。それを受けまして直ちに米国産牛肉の 輸入を停止し、それ以降、継続的に日米の協議が行われてまいりました。その協議の結 果を踏まえて、平成17年の5月24日に食品安全委員会に諮問と。この諮問の内容と いいますのは、国産の牛肉と米国産の牛肉のリスクの同等性について諮問を行い、食品 安全委員会のプリオン専門調査会で10回にわたって審議がなされました。その結果が 平成17年12月8日に食品安全委員会から厚生労働省、農林水産省の方に答申があり、 簡単に申し上げますとリスクの差は非常に小さいという結論の答申をいただいておりま す。それを受けまして平成17年12月12日に輸入再開を決定し、その際に再開に当 たっての対応を整理したもの、あるいはQ&A、こういったものを公表し、両省のホー ムページ等にも掲載をしております。その再開した直後でございますが、12月13日 から24日に日本側がアメリカの方に出向いて対日輸出認定施設の査察を行っておりま す。これは11カ所行っております。  (スライド) 今回の問題が発生をいたしましたのは、平成18年の1月20日でござ います。成田空港に到着をいたしました子牛の肉で脊柱を含むものがございました。そ れを受けまして直ちに輸入手続を停止をしております。その段階で既に一部、国内に流 通してるものがございましたので、その貨物について調査を行い、公表をいたしており ます。これは前回詳しく説明させていただいてると思います。  それから、米国の方では今回の事例について原因究明を行い、その調査の報告書を日 本側に提出。これが2月の17日でございます。この報告書につきましては、和訳をい たしまして公表をしております。現在もホームページ等に掲載されておりますので、必 要があればごらんいただければと思います。この調査報告書の内容等について、3月2 8日、29日、日米専門家会合が行われまして、その中でいろんな議論がなされており ます。そういった結果をもとに、4月の11日から24日まで今回と同じように全国1 0カ所で意見交換会を実施をしています。この結果につきましては後ほど御紹介をした いと思います。  ここの3月28日から29日、日米専門家会合が行われまして、その中で日本側は意 見交換会を実施すると、米国側はその対日輸出施設を再度調査をするという、そういっ た内容で最終的に取りまとめられまして、それを受けて、日本側ではこの4月11日か ら24日まで意見交換会を実施し、米国側は4月の24日から5月の4日までにかけま して対日施設の再調査を行っております。この日本側、米国側、両方の作業が終了をし た段階で再度、5月の17日から19日になりますけれども、この日米専門家会合でそ れぞれの結果について説明をし、議論をしたということで、またその結果につきまして は後ほど説明させていただきますけれども、その結果についても公表し、この再調査の レポートについてもこの専門家会合の結果を公表すると同時に、結果の報告書について も仮訳を作成し、公表をしたというところでございます。  (スライド) 今回の問題の概要でございます。これも前回御説明をさせていただいて ると思いますが、簡単に再度御説明したいと思いますが、米国の施設ゴールデンヴィー ル社、これは子牛のと畜場ですね、生体から枝肉になるまでの処理を行う施設。それか らアトランティックヴィールアンド・ラム社、これは枝肉をカットをする施設、食肉加 工施設でございます。脊柱の混入、脊柱つきの子牛肉をそのままアトランティック社に 出荷をし、本来であればここで脊柱を除去するはずでございますが、除去をせず、農務 省の検査官についても対日輸出プログラムを十分理解していないという状況で輸出証明 書を発行し、日本に到着したと、脊柱つきの子牛肉が到着したということです。  それともう一つ、内臓について、対日輸出プログラム、この要件を満たしていない内 臓に対して、輸出プログラムに適合しているという申告書をつけてアトランティック社 に出荷をし、そのまま農務省の輸出証明書が発行されて日本に到着したという、2つの 問題がございました。  (スライド) これも前回の意見交換会でも御説明いたしましたが、3月に行われまし た日米専門家会合、これは3月28日と29日に行われておりますが、その概要につい て簡単に御説明をしたいと思います。  (スライド) 米国側は農務省の次官代行、ランバートという次官代行がトップで出席 をし、日本側は外務省、厚生労働省、農林水産省の、担当省が出席をして会合を持って おります。  まず、米国との間で一定の共通認識を得たということでございますが、先ほど御説明 いたしましたゴールデン社とアトランティック社の2施設において今回の事案が起きた 経緯、こういった経緯について共通認識を得、それから農務省の農業販売促進局、AM Sというふうに言っておりますが、AMSにより認定された対日輸出施設のマニュアル に改善すべき点があったということを共通認識として得ております。  その内容をもう少し具体的に御説明しますと、問題の施設が認定されたマニュアルに 従わなかったこと、それと農務省の食品安全検査局でございますが、FSISの検査官 が発見できなかった結果、発生したもの、この2つの原因で発生したものということで す。  それから、問題となった施設の認定につきまして、当時の判断としては手続に従って 認定が行われたということでございますが、今から振り返れば、そのマニュアルがより 具体的、実現的なものであったとすれば今回の事案を防ぐことができた可能性は高まっ ていたと考えられることという、こういった内容について共通認識を持ったということ で、今後の進め方として、日本側は消費者の方々への説明会を実施すると、米国側は日 本側が提示する調査項目も含めた施設の再調査、それから改善策の具体化を行うことと して、こういった結果を踏まえて対応を検討ということに3月の段階ではなりました。  (スライド) 前回の意見交換会の概要でございます。  (スライド) 4月の11日から4月の24日まで、全国10カ所で意見交換会を開催 をしております。広島につきましては4月の19日に、ここ同じ場所で意見交換会を開 催したということでございます。  (スライド) まず、意見交換会での主な意見として、グループ分けをして整理をして おります。まず、米国の調査報告書ですとか米国との協議についての御意見でございま す。米国は今回の事例は特異的な事例と言うが、香港の例を見ても米国の対応はずさん だと。それから、日本側が提示したルールがなぜ守られなかったかということをしっか り原因究明すべきと。それから、国民の生命を守るという真摯な対応で米国側と協議を 行ってほしいと。6月に開催予定の日米首脳会談に向けて再開を考えているんではない かという御指摘ですね。それから、米国からの圧力によって政治的に輸入再々開をすべ きではないという御意見がございました。  (スライド) 今後の対応についての御意見が非常に多うございました。その中で、米 国側の改善措置の精査が第一であって、現時点では輸入再開には反対という御意見。そ れから、すべての対日輸出業者の現地調査を早急に実施すること、それから輸出プログ ラム遵守の確認方法の徹底的な検証をしてほしいと。米国に輸入牛肉のBSE検査を求 めるべきと。米国側に年齢がわかるシステムの構築を要求すべきではないかという、こ ういった御意見がございました。  (スライド) それから、日本での輸入時の検疫体制を強化をすべきと。それから、輸 入再開にはしっかりした事前の査察が必要で、また抜き打ち査察を日本側でできないか というような御意見がございました。米国におけます飼料規制の実態等をしっかり把握 すべきという御意見ですね。それから、輸入停止後に通関できずに日本の倉庫に、保税 倉庫に保管されている貨物への対応にも留意をしてほしいということ。米国産牛肉を食 べる食べないは個々の消費者の選択にゆだねればよいというような御意見がございまし た。  (スライド) それから、今回の停止措置は残念であったが、これにより米国の対策が 強化されることはよいことであると、早期の再開を期待するという、再開を期待する御 意見ですね。一刻も早く輸入を再開してもらいたいと、国内産牛肉は非常に値段が高く、 経営が大変だという御意見。それから、意見交換会や意見募集での意見について、どの ように反映されているか説明してほしいと、消費者の声が反映されているのか疑問とい うことで、これも後ほど御説明をさせていただきたいと思います。消費者等からの意見 についてはきちんと反映してほしいという御意見がございました。  (スライド) それから、情報提供ですとか表示などについての御意見ですね。リスク コミュニケーションの開催場所をふやして多くの国民との意見交換が必要、また参加し てない国民への情報提供にも力を入れるべきという御意見がございました。それから表 示の関係でございますが、消費者が米国産牛肉かどうかを選択できるよう、加工食品や 外食の原産地表示は法律的な表示義務ということにすべきではないかという御意見がご ざいました。  (スライド) その他いろいろ御意見がございました。食品安全委員会のプリオン専門 調査会の委員の関係で、慎重派の委員6人がやめて、今後、公平中立な議論ができるの かという御指摘がございました。それから、評価の前提である輸出プログラムの遵守が 破られたのだから、食品安全委員会は再評価を行うべき。今度同じことが起きたら政府 の関係者は辞任すべきと、非常に厳しい御意見をいただきました。米国産牛肉を輸入す るより国産牛肉の生産振興を考えるべきではないかという御意見もいただいております。  (スライド) 3番目の米国側におけます施設の再調査の結果につきまして御説明をさ せていただきたいと思います。  次、お願いします。実施期間ですとか実施方法でございますが、4月の24日から5 月の4日まで、35施設を対象にAMSの監査官が実施をしております。輸出プログラ ム要件への適合性、プログラムに適合してるかどうか。認定された輸出プログラムに定 められた手順の遵守状況や、あるいは記録の保管状況などについて確認をしたというこ とでございます。  (スライド) 今回の調査、2つに分かれております。1つが追加措置を含めた対日輸 出プログラムの調査の関係、これは35施設でございますが、本年の1月20日以降に 追加された要件を含めた対日輸出プログラムについての対応状況の調査で、例えば追加 された要件といいますのは、輸出認定製品リストのAMSによる承認の義務化、リスト をプログラムの中に盛り込むというようなことを追加措置として加えてます。そういっ た追加措置が盛り込まれた形のプログラムについて対応状況の調査ということです。そ れから、過去の対日輸出牛肉、過去にもう出荷した牛肉に関する調査もあわせて行われ ております。昨年の12月12日から今年の1月20日までに日本向けに出荷されたす べての製品についての追跡調査を同時に行っております。こちらは35施設が対象でご ざいました。35施設の中で実際に出荷実績、日本側から見ますと輸入実績ですけども、 あった施設、25施設ございます。これを対象に追跡調査を行っております。  (スライド)その再調査の結果でございますが、35施設について調査をしたわけでご ざいますが、一部非適合の施設もございました。それを3つに分類されておりますけど も、全く非適合が確認されなかった施設が10カ所、重要度の低い非適合のみが確認さ れた施設が19カ所、それから重要度の高い非適合が確認された施設が6施設ございま した。確認された非適合につきましては、手続ですとかあるいは書類上の問題であり、 製品の対日輸出条件への適合性に影響を及ぼすといったものではなかったという結果で ございます。それから、発見されましたこういった非適合の問題につきましては、早急 に改善をするということで、5月の末までに改善をしなければならないということでご ざいます。  (スライド) 非適合の事例の御説明をいたしますと、重要度の高い事例6つ、報告書 に記載されております。1つ目が、と畜用に受け入れられた牛のうち、1ロットについ て施設の記録中に牛の月齢の証明が残されていなかったということです。しかしながら、 これらの牛は認定施設から受け入れられており、記録から20カ月齢以下ということが 確認をされておるということです。2つ目が、4月から輸出プログラム要件として追加 されたAMSによる製品確認書について、手順書の修正が完全ではなかったという事例 が2つ目でございます。  (スライド) 3つ目でございますが、施設が行う内部監査が実施されていなかったと いう施設がございました。しかしながら、農務省の監査によってシステムが十分機能し てることが確認をされております。それから、不適格品について、分別管理を明記した 手順書が保持されていなかった。しかしながら、監査実施当時、この施設は日本向けの 製品を生産をしていなかったということが報告書に記載されてます。  (スライド) 5つ目の重要度の高い事例でございますが、4月から輸出プログラム要 件とされた輸出国別の製品コードを使用するかわりに、北米食肉加工協会の識別番号、 これは相手国別になっていない番号を使用していたということでございますが、しかし ながら、他の管理手法により相手国への適切な出荷が確保されていたと。いろいろ生産 記録等も残っておりますので、そういったもので確認をしたということでございます。 それから、20カ月齢以下の枝肉由来の製品の製品番号が30カ月齢未満の枝肉由来製 品にも使用されていたということで、これもこちらと同じように他の管理手法により適 格品の出荷が確保されていたことが確認されております。  (スライド) こちらが重要度の低い事例でございます。品質マニュアルがQSAプロ グラムの要件である記録の適切な保管に関する規定がなかったということで、実際には 保管は適切に行われていたということは確認されておるということです。内部監査は四 半期に1回実施されることが品質マニュアルに規定されておったけれども、1回目の監 査の後、監査を実施していなかったという事例です。でもこの事例についても、農務省 による監査によってシステムが十分機能してることが確認をされておるということです。  次、お願いします。それから、企業の供給先リストでは輸出プログラム用の製品の供 給は外部から受けないこととなっておったけれども、品質マニュアルと手順書にはその 変更が反映されていなかったということです。実際は企業は昨年10月以来、外部から 供給を受けていなかったという事実が確認されておるということです。それから、品質 マニュアルで定められている書類の改正番号や日付の明記が一部の書類についてなされ ていなかったと、それから書類のページ番号が記載されていないページがあったという 事例がございました。  (スライド) これは昨年12月12日から本年1月20日までの間に25施設で処理 されて輸出された牛肉について、各施設で保管されていた記録を検証した結果、問題は 発見されなかったという結果でございます。もう少し具体的な結果について御説明をし たいと思います。  次、お願いします。入手可能なすべての製品、あるいは出荷記録をレビュー、調査を した結果、20カ月齢以下の牛由来またはA40要件を満たしていることを確認ができ たということです。それから、製品名ですとか製品コードを調査した結果、輸出された 製品には特定危険部位として輸出ができない頭部ですとか、あるいは回腸遠位部を含む 腸は含まれていなくて、実際には骨つきの肉、骨なしの肉、ハラミ、横隔膜、タンのみ であることを確認をしたということでございます。それから、出荷記録ですとか製造記 録をレビューした結果、頭部、脊髄、回腸遠位部、脊柱は除去されていたことを確認を したということでございます。  この米国側の調査の結果のレポートにつきましては、本日の参考資料でもございます ので、詳しくはそちらの方をごらんいただければと思います。  (スライド) ここからは今後の対応で、私どもの方の考え方を御説明したいと思いま す。  (スライド) まず、基本的な考え方でございます。  (スライド) 対応の基本的な考え方でございますが、日本側はこれまで米国政府に対 して徹底した原因の究明と十分な再発防止策を検討し、その報告を要求をしてきたとこ ろでございます。これを受けて米国が改善措置と対日輸出認定施設の再調査を実施をし たと、先ほど御説明したのがこの結果でございます。日本側といたしましては、今回の ような事例が起きることがないように、前回あるいは今回の意見交換会の結果を踏まえ て、日本側による対日輸出認定施設の事前調査を実施するなどの追加の改善措置につい て米国側と今後調整をしていくというステップですね。今回の意見交換会を踏まえた調 整が終わり次第、日本側による対日輸出認定施設の調査を行って、対日輸出条件を遵守 する体制が整っているかを日本側が実際に検証をするということを考えております。  (スライド) 今回の事案が発生をした以降、米国側は幾つかの強化策をとっておりま す。その内容について簡単に御説明をしたいと思います。  (スライド) まず、今回の問題点で、施設における問題点がございました。それは何 かといいますと、施設の従業員が対日輸出プログラムを理解をしていなかったという問 題点がございました。それに対する改善措置でございますけれども、監査においてAM Sが施設の役職員の理解度を確認をし、それから施設の手順書で輸出認定製品をリスト 化をすると、それから抜き打ちの監査を実施するという、こういった改善措置となって おります。  (スライド) 検査における問題点ということで、FSISの検査官が対日輸出プログ ラムを理解をしていなかったと、理解をせずに輸出の証明書を発行したという問題点が ございました。これにつきましては、その検査官への輸出プログラムの研修の受講と修 了試験を義務づけております。それから、施設を担当する検査官の研修が修了するまで 施設認定をしないということ。それから、抜き打ちの監査を実施するということでござ います。  (スライド) ちょっと戻りそうにありませんので、資料の方でスライドの33番を見 ていただきたいと思います。AMSとFSISの連携不足という農務省における問題点 がございました。改善措置といたしまして、AMSが管理する輸出認定製品のリストを FSISの検査官にも提供をするという改善措置、それからAMS自身が輸出適格品で あることを確認する文書を発行するという改善措置でございます。  それから、その下の34番のスライドでございますが、今回、日本側が米国側に要請 した追加措置につきまして御説明したいと思います。  35番目のスライドでございます。4月に行いました意見交換会でいろいろ御意見を いただいております。それを踏まえまして、5月の17日から19日まで日米の専門家 会合が開催されまして、3つの点について米国側に要請をしております。1つ目が輸入 再開前にすべての対日輸出認定施設における日本側の事前調査を実施し、問題のないと 判断された施設のみを輸入手続再開の対象にすると。スライド戻りましたので、スライ ドの方で御説明してます。今のはこちらですね。日本側が実際に施設の調査をして問題 のないと判断された施設のみを輸入手続の再開の対象にすると、これは1つ目でござい ます。それから、施設ごとの製品リストを米国側から日本側への提供。それから、米国 が実施する対日輸出認定施設の抜き打ち監査への日本側への同行でございます。  (スライド) まず、1点目の事前調査の関係でございます。要請内容といいますのは、 米国側が、先ほど御説明しました施設の再調査をしております。それのフォローアップ ですね、それから米国側がいろんな改善措置、強化対策を行っておりまして、それの状 況を確認をするということで、日本側がすべての対日施設について実際の輸入再開前に 調査を実施をするという、こういう内容について要請をしております。これは4月に行 われました意見交換会の中で、輸入再開にはしっかりとした事前の調査が必要と、それ から米国の日本向け輸出認定施設はすべて事前に日本として調査すべきと、こういった 御意見もございまして、米国側に要請をしておるということでございます。  (スライド) 次、日本向けの輸出認定製品リストの提供ということで、4月の意見交 換会でも御指摘がございました。今回の事例が見つかったのは偶然ではないかと、それ で日本での輸入検疫体制を強化すべきという御意見をいただいております。実際には要 請してる内容といたしまして、日本の水際の検査の段階で、施設から日本へ輸出するこ とが可能と認められた製品かどうかをチェックをすると。米国側の証明書だけに頼るわ けではなくて、日本側でも製品リストをもとに確認をすると、そういう確認を行うため にリストの提供を要請をしておるということでございます。  (スライド) それから3つ目でございますが、米国側の実施する抜き打ち監査への同 行ということで、実際に対日輸出プログラムがしっかり遵守されていることを日本とし ても現地で確認するために、米国側による強化策として施設への抜き打ち監査というの がありますので、それに日本側が同行ということで、こういった内容を要請をしておる と。前回の意見交換会でも、米国の施設に対して抜き打ちで検査することを求められな いかとか、抜き打ち査察を日本側でできないかとか、それから米国任せにするのではな くて、日本政府が確認してほしいとか、こういった御意見もございまして、米国側に要 請をしております。  (スライド) 次は日本国内です、日本側において新たに講じようとする措置の内容で ございます。  (スライド) 1点目が、いろいろ御意見もいただいておりますが、日本での水際、輸 入時の検査の強化でございます。それから輸入業者等に対する輸出プログラムの再度の 周知徹底、これまでも行ってきておりますけども、再度の周知徹底を行うと、この2つ を考えております。  (スライド) まず、水際での検査の強化でございます。まず、現状がどうなっている かでございますが、現状といいますのは、昨年の12月12日からことしの1月20日 までの検査の体制でございます。全ロット、全荷口すべてについて検査を行うんですが、 農林水産省の方は動物検疫所というところがございます。動物検疫所では全梱包の0. 5%、または最低3箱を開梱すると。複数の部位がある場合には、すべての部位につい て最低1箱は開いてみると。厚生労働省の方の検疫所でございますが、箱数に応じてあ ける箱の数を統計学的な指標をもとに決めておって、例えば52箱から150箱のロッ トの場合には20梱をあけると、こういうような体制でチェックをしてまいりました。 今後はこういった開こん数をさらに強化をしなければならないんではないかということ を考えておるということです。  それからもう一つ、先ほど来説明をしておりますが、米国側から輸出が可能な製品リ ストを提供をしてもらって、それで輸入時に輸出可能な品目かどうかというのを突合し て確認をするということを考えております。  (スライド) それから、関係業者、輸入業者等に対する輸出プログラムの周知徹底で ございます。12月の再開時には輸入業者を対象とした説明会ですとか、文書の配布等 によって水際での検疫強化措置ですとか、輸出プログラムに基づく輸出認定施設の情報 等を提供してきたということでございます。今後、輸入手続の再開に当たっても、輸入 業者に加えて、さらにもう少し関係する業者の方々を対象に説明会の開催を行うことに よって周知の徹底を図っていくと、こういったことを考えておるということでございま す。  (スライド) こちらは実際に今、日本の例えば港にある倉庫に保管されている貨物の 対応について御説明をしたいと思います。  (スライド) その取り扱いに関する考え方でございますけども、米国の、先ほど御説 明した再調査の結果では、輸出実績のある25施設でございますが、そこで処理された 牛肉等については保管されていた記録を検証した結果、問題点は発見されなかったと。 これはあくまでも米国側の調査の結果でございます。こういった調査の結果を日本側で も検証する必要があるということで、日本側が米国にある施設、対日輸出施設に出向い て事前調査を実施をするということですね。まず、この調査で問題ないことが前提にな ります。その後、今、倉庫に保管されている貨物について、検疫所の方への届け出が必 要になってきます。届け出を開始をし、その実際にある貨物について、全箱、実際に特 定危険部位等が混入をしていないかどうか等、そういったことを輸入者の方々の確認も 含めて確認をして、問題がなければ輸入を認めるというような考え方ですね。こういっ た考え方を持っております。これについても御意見等をいただければと思います。  (スライド) 日本ではなくて香港とか台湾で、これは報道がいろいろございますので、 私どもが入手した情報について御紹介をしたいと思います。  次、お願いします。今年の3月から5月にかけまして、香港ですとか台湾で米国産牛 肉への骨片の混入が確認をされております。発見された段階で、香港と台湾については その当該施設の輸入を一旦停止をしておるという状況でございますけれども、実際、骨 片自体は特定危険部位でないということで、食品の安全性の問題ではないという立場を とっております。  前回の専門家会合で、いろいろ米国側の考え方も聴取をしたところ、米国側の考え方 としては、カナダですとかメキシコにも米国から牛肉を輸出しておりますけれども、そ の中では取り決めにおいて骨片の混入は許容範囲とされておるということになっておる という説明がございました。そういったことから、香港の事例についても、骨片が混入 した製品のみを不良品の扱いにすることについて相手国に要請をしておるということで ございますが、いろいろ問題解決に時間がかかるということですので、米国側としては 調査の報告書の提出ですとか、あるいは業界の自主的な骨片の混入防止策などによって 問題の解決を図っていきたいというふうなことを説明を受けております。ちなみに、日 本への輸出条件では、こういった骨片は当然違反にならないようなものでございます。  (スライド) こちらはもう少し具体的な事例といいますか、香港が3例、台湾が1例、 それぞれの香港、台湾が公表した日をここに記載をしております。それぞれ施設でござ いますけども、スイフト社ですとかカーギル社ですとか、あるいはハリスランチ社、タ イソン社などの施設になってます。  それで、いずれも特定危険部位ではございませんけれども、1例目については、腰椎 の横突起に由来すると思われる骨片が2つあったと、こういった事実の情報を入手しま した。これらの施設については輸入の停止をしておるということです。この腰椎の横突 起というのは、少しちょっとわかりにくいと思いますので次のスライドで御説明をした いと思います。  (スライド) 牛の背骨ですね。これが背骨です。これを、ここの背骨を上から見ると、 この腰のあたりからしっぽの方に向かっての図ですけども、上から見るとこの図になり ます。これが脊柱です。脊柱の腰椎部分、仙骨部分、尾椎部分ということで分かれます けども、腰椎部分はこのあたりですね。横突起というのは、横に飛び出ている、この部 分になります。それを斜めから見ると、これは上からでございますが、斜めから見ると こういう形になろうかと思う。横に出ているこの部分が横突起の部分でございます。さ らに、この脊柱の断面を見るとこういう形になると思います。これが骨の部分で、脊柱 の断面ですから、真ん中に、これが脊髄です。この脊髄は特定危険部位として除去する ことになっております。それで、なぜ脊柱を除去することにしておるかというと、骨そ のものには感染性がなくて問題ないわけですが、ここの骨の中に、背根神経節というふ うに言ってます神経節があって、ここに、これは一応感染性のある部位といいますか、 神経の部分なんですが、この部分に問題があるので、実際はこの部分だけ骨の中から除 去できればいいわけですが、なかなか難しいものですから、この骨全体を日本国内でも 除去をしてますし、輸入できない部位として指定しておるということです。  それで、ここの部分が問題ですが、今回の香港の1例目については、ここの骨単独の 部分ですね、端っこの部分、ここの部分のかけら、骨片が見つかったと、ここの部分じ ゃないかと思われるところが見つかったという事例でございました。 (スライド)  以上、これまでの経緯と実際の輸入再開手続の考え方、あるいは私どもが入手をしま した情報について御説明をさせていただきました。こういった意見交換会の場以外でも いろんな御意見は常日ごろから募集をしておりますので、もし何かありましたら御意見 をいただければと思います。説明は以上でございます。 ○司会 ご清聴ありがとうございました。  それでは、ここで短くて恐縮ですけれども10分間の休憩といたします。15時10 分、3時10分に再開いたします。 〔休  憩〕 ○司会 それでは、お時間が参りましたので、意見交換を始めます。  本日の出席者を紹介いたします。  皆様からごらんになって右から、内閣府食品安全委員会事務局、西郷リスクコミュニ ケーション官です。 ○西郷内閣府食品安全委員会事務局リスクコミュニケーション官   よろしくお願いします。 ○司会 農林水産省大臣官房、伊地知参事官です。 ○伊地知農林水産省大臣官房参事官 よろしくお願いします。 ○司会 先ほど説明申し上げました厚生労働省食品安全部監視安全課、蟹江BSE対策 専門官です。  最後に、厚生労働省大臣官房、藤井参事官です。  意見交換の議事進行及び閉会までの以降の司会につきましては、藤井参事官にお願い いたします。 ○藤井厚生労働省大臣官房参事官   それでは、前半に引き続きまして意見交換を開始させていただきたいと思います。  募集をした案内にもございますように、今回の意見交換会の目的といいますのは、先 ほど前半で説明をいたしました今までの米国側からのいろんな原因究明でありますとか 改善方策に関する説明、それを踏まえました政府としての輸入手続再開のための考え方 についての考え方、それについて重点的に関係者の皆様から意見をいただきたいという ことでございます。  何度も広島でも意見交換会をしておりますので、意見交換会の約束事については御存 じの方も多いかとは思いますが、一応念のために説明をさせていただきたいと思います。  この進め方としましては、まず御意見等がある方、挙手をお願いをしまして、そして 指名をさせていただいた方から御発言をいただくという形にしたいと思います。  指名をいたしますと係の者が席の方までマイクをお持ちをしますので、大変恐縮です が、御発言に先立ちましてお名前と、できれば御所属をお願いをしたいと思います。  多くの方に御発言をしていただきたいと思いますので、お一人1回の御発言は2分以 内にお願いをしたいと思います。1分半、1分30秒が経過をしましたら事務局の方で 1回ベルを鳴らします。そうしましたら取りまとめに入っていただきたいと思います。 2分がたちましたら2回ベルを鳴らします。そうしましたら他の方にお譲りをいただき たいと思います。  フロアからの発言に対しまして、この壇上の行政の方から発言をする場合には、誤解 があってはいけませんので、2分という時間は区切りませんが、できるだけ簡潔に行っ ていただきたいと思います。  最初に、休憩前に説明をいたしました説明内容そのものについて御質問をお受けをし たいと思います。そしてその後、輸入手続再開についての考え方について御意見をいた だくということで進めたいと思います。  最初にございましたように、会場の都合で4時半には終了したいと思いますので、皆 様方の御理解と御協力をお願いをしたいと思います。  それでは、早速開始をしたいと思いますが、まず最初に、先ほどの前半部分の説明内 容そのものについて御質問がある方、挙手をいただきたいと思います。  今お二人の方の手が挙がりましたが、それではまず前半の説明の内容について御質問 ということで、まず最初に、そして続けて御発言をいただきたいと思います。  どうぞ。 ○参加者1 菅野吾郎、無職。抜き打ち検査をされると言われますが、アメリカの方で 日本人が行って抜き打ち検査ができるんでしょうか。それを私は聞きたかったです。 ○藤井参事官 それでは、引き続いて御発言をいただけますか。 ○参加者2 前梶と申す消費者です。水際での検査の強化ということがございますが、 従来農水省と厚生労働省ではサンプリングの仕方が異なってるわけでございますね。こ れは何かはっきりした区別しなきゃならない根拠があるのかどうなのか。さらに今度は、 こん包数のさらなる強化ということ、抽象的に書いてあるだけで具体的にこれをどうし ようとされているのでしょうか。 ○藤井参事官 それでは、今、抜き打ち検査の関係と水際での検査の関係について御質 問がございましたけれども、まず抜き打ち検査については、では農林水産省の伊地知参 事官の方からお願いします。 ○伊地知参事官 抜き打ち検査につきましては、これまでの意見交換会の中でも日本が やるべきじゃないかという御意見がございました。私どももできるものであればという ことで、前回のアメリカとの専門家会合の中でいろいろ意見交換をしたわけです。  ただ、日本が日本だけで行って抜き打ち検査というのは、これは難しいと思います。 あちらもどういう人が来てどういう検査をするかもわからないのに受け入れるというの はなかなか難しいことで、アメリカ側が定期的な監査以外に抜き打ち検査をやりますと、 その際に日本は同行しますということで今話合いをしておるところでございます。  ただ、具体的にどうやっていくかというのは、これからアメリカ側と調整をするとい うことになると思います。  今お示ししてるのは、今回全国での皆さん方との意見交換会が終わった後にアメリカ 側と調整をするということで、そういう方向でやっていきたいと考えています。  それと水際検疫の関係で農水省と厚生労働省で違う根拠ということですが、農林水産 省の方は家畜伝染病予防法という法律に基づいて家畜への伝染病の侵入を防止するとい う観点からやっておりまして、それまでの経過、これまでの検疫の結果等を踏まえたサ ンプリングの仕方をやっております。厚生労働省の場合には、食品衛生法ということで 食品の検査という形でやっておりまして、そこがこれまで全く同じということにはなら なかったという理由でございます。  ただ、今回のこの米国産牛肉の問題、輸入に関しましては、我々連携をしていこうと いうことで、農林省も厚労省も検疫体制を再開に当たって強化したわけです。農林水産 省の場合は、それまで全体の6割のロットを調べていた。6割のロット、これが通常の、 畜産物の検疫の関係の基準と申しますか、という形でやってきたわけですが、これを強 化して全ロット見ると。ただ、全ロットの中のどういう見方をするかというのは、先ほ ど言いましたように基本的には0.5%ですけども、実際には部位がいろいろ違う場合 には全部の部位を見ましょうとか、最低3箱あけましょうとかいうようなことをやって きたわけです。その結果、今回輸入再開のときアメリカから入ったもので航空便につき ましては約4割のものを見ております。それと船便は少し量が多いので箱数は減りまし たけども、それでも航空便と船便全体で平均したら18%ぐらいのものは検査をして、 という結果になっております。  今後につきましては、どういうやり方をするかというのは、これから詰めるというこ とにしておりますが、今以上に強化できるような方向でやっていきたいというふうに思 っております。 ○藤井参事官 もう説明内容に関する質問ということには限りませんので、今後の輸入 再開手続の考え方等を含めまして幅広く御意見等がありましたら御発言をいただきたい と思います。挙手をしてお示しをいただけたらと思います。  それでは、真ん中の列の一番後ろのフロアの方の女性の方、そして階段の一番左の列 の一番前の方と、続けてお二人発言をいただきたいと思います。 ○参加者3 食品安全モニターをしております大田と申します。先ほどの説明で、意見 交換会での主な意見の概要5というところで消費者が米国産牛肉かどうかを選択できる よう加工食品や外食の原産地表示は法律的な表示義務とすべきという意見が出ておりま して、私もこれはすごく思ってたことなので、この意見に対してどのような対応がとら れているのか、差し支えなければ教えていただければと思います。 ○藤井参事官 ありがとうございます。  それでは、続けて次の方、お願いします。 ○参加者4 「ミートジャーナル」等々に執筆しておりまして、食品関係のジャーナリ スト兼コンサルタントをやっておりますブリッジインターナショナル、高橋と申します。 まず第1に、御説明いただいた点については非常によくわかりやすかったなと私、個人 的には思っておりまして、また、皆さん御存じかどうかわからないんですが、国際基準 であるOIEの基準が30カ月齢というところからすれば、日本の基準はちょっと厳し 過ぎる程度、非常に厳しい20カ月というところかなということで、私、個人的には安 心できる水準かということで、今回のことについては評価できるんではなかろうかとい うふうに考えております。  ただ、私自体、2点ほどありまして、一つは、日本で20カ月齢と決めた21カ月と 23カ月のBSEが出たということがございまして、これに対してマウスでの接種をし て確認検査をされてるかと思うんですが、それに対する結果が、2年半ほど前だったか と思うんですけれども、どうも確認して公開されたということを聞いておりません。そ の辺はいかがなのかなと。なぜかといいますと、先般、5月にありましたOIEの総会 でも日本の本当に21カ月出てんのという疑問が他の国からなされたという話聞いてお ります。  あともう一つ、20カ月齢以下については検知不能といいますか、検知できないとい うことで今、検査しなくてもいいということで答申があるんですけれども、この間のあ れでも各都道府県では検査するということになっておりまして、要するに税金のむだ遣 いじゃないのかなということです。税金ということは牛肉を食べない人も払ってるとい うことになりますし、それについては受益者負担という形でやられた方が私としてはい いんじゃないかと、この3年間でももったいないというふうに思っておりますので、そ の辺よろしくお願いします。失礼します。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  ただいまのは牛肉の原産地表示の問題、そして現在まで日本ではBSEとして27例 発見をされておりますが、8例目と9例目だったと思いますが、21カ月齢と23カ月 齢というかなり若齢でのBSEが発見をされて、その例でのマウスに接種した実験の結 果、そして20カ月齢以下の検査についての税金を投入するというのはむだではないか という御発言だったと思いますが、まずそれでは原産地表示の方から伊地知参事官、お 願いします。 ○伊地知参事官 原産地表示につきましては、生鮮食料品につきましては既に平成12 年7月から国内・外国産を問わず表示の義務づけがなされております。  加工品につきましては、これまでなされておりません。理由といたしましては、生鮮 食品については品質の差について差があるものを消費者に情報提供をしていこうという のが基本的な考え方でございます。したがいまして、加工品についてはいろんなものと 加工してやっていくということで、品質の差ということが余りなくなってくるというよ うな観点からこれまでやられておりませんでした。  ただ、消費者の方々の関心も高いということもありまして、できる限り生鮮に近いも のにつきましては消費者等の御意見も伺った上で、さらに厚生労働省と共同で開催して おります、表示に関する共同会議というところで関係の委員の先生方にお集まりをいた だきまして議論をしていただいてきたところであります。  そうした中で、加工品につきましても、今回先ほど申しました品質に着目して、生鮮 に近いようなもの20食品群につきまして今年の10月から表示の義務づけをすること になっております。その中に食肉関係も6品群入っております。たれつきの肉とか加工 してないひき肉とか、そういうものについては表示の義務化がなされることになってお ります。  今後もそういう消費者の関心の高いものについて要望を聞きながらその共同会議の中 で議論をしていただくということを考えているところであります。  なお、外食につきましては、いつも同じところから同じような形での原料を調達でき るかとか、また種類もいろいろありますし、なかなか原料の原産国を完全に把握すると いうことが難しい状況にありますので、これを義務づけ、加工品も場合によってはそう いう意味でも共通の面がありますけども、原料調達の段階で完全にそういうものがわか らないものについてそういうことを義務づけするということはなかなか難しい。これを 義務づけすると、違反があった場合には罰則がかかるわけです。これはかなり重い罰則 になってまして、法人の場合1億円以下というようなことにもなっておりますので、そ こまで課すのはなかなか難しいので、ガイドラインをつくって、できるところは積極的 にやっていただこうということで国としてガイドラインをつくって、その推進を進めて いるところであります。  それとあと21カ月齢と23カ月齢の結果がどうなってるのかということでございま す。言われましたように、21カ月齢、23カ月齢、8、9例目のものにつきまして、 それぞれ平成15年の11月と16年の3月に牛の遺伝子を導入したマウスに接種試験 をしております。先ほど言いましたように2年余り経過しておりますけども、現時点で はその症状、プリオンの伝達は認められておりません。引き続き観察中という状況でご ざいます。  21と23の関係でいろいろ議論はありますけども、これはOIEでも日本からの報 告をBSEという形で受けて、それを日本での発生頭数という形でOIEの方でも公表 しているところであります。 ○藤井参事官 そして次に、BSE検査の御質問がありましたが、昨年の8月から法律 的には21カ月齢以上の牛に対してBSE検査をするいうことになっております。ただ、 現実的には御発言ありましたように20カ月齢以下も地方自治体が自主的に検査を続け ているという状況にあります。それを変えたのは、厚生労働省の方から食品安全委員会 の方に評価をお願いをして、それを踏まえて厚生労働省でそういう措置をとったわけで ありますが、評価につきまして食品安全委員会事務局の西郷さんの方からちょっと触れ ていただきたいと思います。 ○西郷リスクコミュニケーション官 よくお尋ねいただくんですけども、20カ月齢以 下は安全で20カ月齢以上は危ないのかというふうな受け取られ方を検査をするしない でもってされることがあります。実は、そういうことではなくって、20カ月齢以下に ついて検査をしてもリスクが上がらないという言い方を平成16年9月に食品安全委員 会でしたわけでございます。それは現在の検査技術と申しますか、検査の感度技術です ね、それからやり方ですね、死んだ牛の延髄をとるということと、それからBSEが日 本で発生してからとられたBSE対策、飼料規制を厳しくしたわけですけども、それで もって蔓延度がずっと下がってきているといったことを踏まえますと、感染してから延 髄までプリオンが到達して検査にひっかかるようになるまでには、今の日本の蔓延度で すと20カ月ということでは今の検査ではやっても見つかることはないんじゃないか、 そういう御議論に専門家の方でなったということでございます。ですからどこでも20 カ月齢だったら大丈夫ということではないんでございますけども、そういう趣旨の評価 をしたということでございます。 ○藤井参事官 あとの補足部分を蟹江専門官の方からお願いをします。 ○蟹江専門官 まず、21カ月、23カ月のBSEの件でございますが、日本では8例 目、9例目というふうに言っておりますけれども、平成15年の9月にと畜場で処理さ れたものですね、これは23カ月齢です。それから平成15年の10月にと畜処理され て検査で発見された、こちらが21カ月齢になるわけですが、このBSEのと畜場での 検査といいますか、これは各都道府県の方でやっていただいております。御承知のとお り、平成13年の10月18日から行っておりますが、都道府県の段階ではあくまでも スクリーニング検査ということで高感度の検査法を用いて検査をして、そこでプラスに なったからといって最終的にBSEというわけではなくて、さらに確認検査を行って最 終的な診断をしております。この診断につきましては、日本の専門家に御協力をいただ いて厚生労働省の方で専門家会議というのを立ち上げて、その中で確定診断をしていた だいてます。  この21、23カ月につきましても、その専門家会議で診断をしていただいたわけで すが、その確認検査の中で、まず一つがウエスタンブロット法という方法と、それから 免疫組織化学検査という2種類の方法、いずれかが陽性になればBSEという形で診断 をしております。通常の例ですと、この両方ともプラスになってBSEという診断をさ れてるんですが、この2例につきましては片方の、ウエスタンブロット法のみプラスに なった、非常に異常プリオンたんぱく質の量が少なかったということでございますが、 こちらだけが、プラスでBSEという形で診断されております。ほかとちょっと状況が 違いましたので、いろいろ専門家会議でも議論はございましたけれども、その牛の脳か ら異常プリオンたんぱく質が検出された。異常プリオンたんぱく質があるということは、 当然プリオン病ということで、牛の場合ですとBSEというそういった専門家の診断結 果で、この診断結果は変わらないということでございます。  先ほどこういった事例について、その専門会議の中でもさらにマウスを使った実験等 を行うべきということもございまして今行っておるんですが、その状況については先ほ ど伊地知参事官が御説明をさせていただいたとおりでございます。  それから、昨年8月1日から食品安全委員会での評価結果を踏まえてと畜場での検査 は全頭から21カ月齢以上に変更をしております。20カ月齢以下につきましては、各 都道府県の方で自主的に検査をするというところにつきましては、厚生労働省の方に補 助金の申請があれば、検査キット、試薬の購入経費について補助をしておるということ が現状でございます。  この補助につきまして税金のむだ遣いではないかというようなお話もございましたが、 いろいろ当時検査体制を変更するに当たりまして、いろんな各方面の御意見も伺いなが ら対応してきたわけでございますが、やはり制度を変更をするということで、いろんな 混乱を当然防止する必要があろうかということで、その当時最大3年というこういう考 え方で国庫補助をしていこうということで、いろんな御意見はあろうかと思いますけど も、現状対応しておるという状況でございます。 ○藤井参事官 それでは、また別の話題でも結構ですので、フロアの方から御発言があ ればお願いをしたいと思います。  それでは、できるだけ最初の方を優先したいと思いますので、そこは御了解をいただ きたいと思います。  それでは、真ん中の列のフロア側の後ろから2列目の男性の方と、それから3列目の 女性の手を挙げた方と続けて御発言をいただきたいと思います。 ○参加者5 農民連という団体の橋本と申します。一つは、日本のBSEに対する検査 ですけれども、世界のレベルからいったら本当に食の安全という意味ではよう頑張って るというふうに思うんですね。このことが非常に大切で、世界が日本を見習わにゃいけ んのんじゃないじゃろかというのが今の流れなんですね。このことは例えば症例そのも のは日本は何頭いうふうに言われますけど、長野県の獣医さん言われてましたけど、こ の問題が起きたとき私は10頭以上殺しておりますいうて。ですから表面に出た数と、 例えばアメリカでも表面に出てる数と本当、そこのところを今どういうふうにしていく のかいうのは大きな問題でして、そういった意味では国民が日本並みの検査をやっぱし アメリカにしてほしい、これが食の安全といった意味では本当に大切な問題なんだとい うふうに思います。  アメリカの農務省の参事官の方は、鳥肉はもう8年食べてないですよ、それから牛肉 ももうこの3年間食べてない言いよんですから。安全な牛肉を食べようと思ったら、も う自分たちで飼ってるんですっていう話なんですよ。そういうことも含めまして、検査 はやはり日本の国民が安心できるそういった方向で頑張っていただきたいなと、先ほど の意見を聞きましてちょっと思ったんです。済みません。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは、引き続いてお願いをいたします。 ○参加者6 広島消費者協会の消費者団体の中原と申します。きょうのリスコミは、大 変わかりやすくて、だんだんとよくなってきてるなという感じを受けました。  その中で2点ほど。まず第1点目は、今後、日本の水際での検査の強化というふうに うたってありますけど、ということは日本も例えば輸入再開がされると責任を持つとい うふうに理解してよろしいかというのが1点目。今まではアメリカの検査体制が、アメ リカが悪いんだよというような言い方が随分多くあったと思うんです。日本での責任と いうのはとらないのかというのを常に疑問に思っておりました。今回水際での検査を強 化とありますので、もし今後問題があったときは日本としても農水あるいは厚生、その 辺で責任をとられる覚悟があるのかというのを1点。  それから先ほどやはり消費者としては表示は非常に大切な部分であるので、ガイドラ インというのをあくまでも言われておりますが、やはり今までずっと私も言い続けてき ましたけども、同じ回答です。もう少し前進的なガイドラインを進めるべき何かの方法、 方策というものをお聞きしたいと思うんですが、その辺、その2点についてよろしくお 願いいたします。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは。 ○伊地知参事官 最初のBSEの検査の関係ですが、言われましたように日本は全頭検 査をやっておりました。それから今は法律、制度的には21カ月齢以上の検査というこ とで、世界で一番厳しい検査のやり方をやってます。  EUは、基本的には30カ月齢以上の牛の検査をやっております。スイスとか、アメ リカ、カナダとかは、特に健康な牛については余りやっていない。サーベイランスとい うことであります。  サーベイランスだというのが基本的な考えで、浸潤状況を把握をするというのが主な 目的なので、いかに効率的にやろうかということです。余りお金をかけないでいかに効 果的にやっていこうというのがアメリカとかほかの国の考え方のようです。  したがいまして、日本のように21カ月齢以上もしくは全頭検査というのは日本以外 の国ではやっておりません、今のところ。それを全部の国に要求するというのもなかな か厳しいところがありまして、ただ、少なくともOIEという国際機関が定めた基準で やろうということはアメリカもカナダも言ってるわけです。その中で我々は、サーベイ ランスのやり方についていろいろ意見を言って、より改善をしていただいて、国際基準 がよりいいものになるような努力は続けているとこであります。  ただ、ほかの国に21カ月齢以上の検査を全部しろと言っても、なかなかこれは現実 的には受け入れてもらえないというのが実態ではないかというふうに思っております。  それとあと検疫体制を強化するから、強化して何かあったら責任をとるのかというこ とでございますけど、責任は、何かあったら我々がやめろということなんでしょうか。 担当が次々全部やめていったら、専門に一生懸命やってる人はこういう仕事をやれなく なるもんですから、基本的には今回ルールをアメリカ側が守るということを条件に我々 は輸入を認めてきておるわけでございまして、そのルールを守る基本的な責任は一義的 にはアメリカにあると思います。これは検疫体制を強化したとしても、それはアメリカ に第一義的な責任はあるけども、我々としてもアメリカにルールを守ってもらう努力を するということと、それ以外に念のための確認のための努力も最大限やっていこうとい うのが基本的な考え方でございまして、何か不手際があって責任をとれということで、 明らかに私の責任ということであれば、そのことに応じた責任をとれといわれれば個人 的には私はとってもいいと思ってますけども、ただ何かあって見逃したときの責任とい うのは、担当の農林省の人、厚生労働省の人はやめろということなんでしょうか。 ○参加者6 やめるというんではなくって、やはり消費者としてはどこが悪かった、い わゆるやめて済む問題ではないですから、命にかかわる問題だと思うんで、責任のあり 場というのをしっかりと示してほしいというのはあります。 ○伊地知参事官 そういう意味で我々はアメリカ側に、徹底した原因の究明と再発防止 策を求めて、アメリカ側にやってもらうことをしっかりやってもらう上で、さらに我々 がやれることはやっていこうという意味での責任は最大限果たしてるつもりなんですけ どれも。 ○参加者6 ごめんなさい。その辺は理解しているつもりですけど、アメリカの安全性 と日本の安全性というのは、国民性の違いからかわかりませんけども、違うと思うんで すね。その辺のところをしっかりとやっていただきたいというのが要望です。 ○伊地知参事官 アメリカ等の考え方と日本の考え方が違っておりますので、日本の基 準に合わせて持ってきてくださいということで、世界的には先ほど言いました国際基準 は30カ月齢以下の骨なし肉であれば何ら貿易に制限を加える必要はないというところ を、日本としてはアメリカにかなり厳しい条件、20カ月齢以下で特定危険部位を全部 除いたものでなければだめですよということで、日本の基準をアメリカ側に求めており まして、アメリカがそれを守るということで輸入を認めてきているという実態でござい ますので、そういう考えで今後もしっかりやっていきたいというふうに思ってます。  あと表示の関係は、前進をしてないというふうにおしかりを受けたわけですけども、 もともとは生鮮食料品だけであったわけです。それについて加工品もできるものについ てやっていこうということで、20食品群、今度の10月からやることにしました。そ の仕組みの中で、今後も消費者の皆さん方の御意見を聞きながら食品の表示に関する共 同会議というところで引き続きいろんなものについて議論をしていくことになっており ますし、外食のガイドラインもそれまではなかったんですけども、ガイドラインという 形で出しまして、不十分だとお思いでしょうけど、前進はしているというふうに御理解 をいただければ大変ありがたく思います。努力してできることをやってきておりますの で。 ○参加者6 済みません。特に外食産業、外食が今非常に国民が多くいろんな、結局忙 しくなったのかと思うんですけど、世の中が目まぐるしく変わってる中で日常生活が忙 しいということで外食に依存する部分が非常に多いので、特に外食のガイドラインの方 を進めてほしい。 ○伊地知参事官 さらに普及に努めてまいりたいと思います。 ○藤井参事官 それでは、またフロアから御発言をいただきたいと思います。  それでは、一番左側のフロアの方と、そして階段席の後ろの方の方と続けて御発言を いただきたいと思います。 ○参加者7 福山から参りました大森と申します。質問が3つ、4つと意見です。  国内の対策で農林水産省さんと厚生労働省さんが輸入されてきた牛肉を検査するとい うことなんですが、両方の省で確認を、同じロットでも両方の農水と厚生労働省でチェ ックするのかということが一つと、今回の検査の強化というのは前回みたいに期間を設 けてやるのか、もうずうっとやっていくのか、それが2つ目。  あと国内で検査する人の教育といいますか、入ってきたお肉を見て骨があるかないか、 脊柱があるかないかぐらいはわかると思うんですけれども、入ってきてはいけない内臓 であるはらみとか、ほお肉が入ってきてるのに普通の肉みたいに見えてしまうとか、そ ういう検査する人の教育というのはどうなってるのかというのを教えてほしいというこ と。  あと輸入再開で対応、基本的な考え方の中で3つほどアメリカの方に要望するという ことなんですが、これは確固たる意思を持ってというか、必ずこの3つを通すというよ うな強硬的な考えでやるのか、リスコミで意見が出たから出そうかとか、その程度なの かというところが質問としてお伺いしたいと点です。  あと意見では、今後また何らかの違反事例等が出ると思うんですが、重要な違反事例 が出た場合に対応するようなこと、どういうふうにしたらどういうふうにとりあえず対 応しますよというような行動指針のようなものがあるのかどうか、この辺があるかない かで消費者の安心感というか、次入れてもこうなるという対応がわかれば少しは安心感 につながるのではないかと思うんで、そういったものはあるのかどうか。  あと、先ほどからある20カ月以下の検査なんですが、いろんな意見の中でもやっぱ り検査するのはしないのと同等ぐらいなんで、検査するんだったら税金のむだ遣いと言 う人もいれば安心につながるからやってほしいという意見もある。両方そうだと思うん ですけれども、こういう一つの混乱みたいになってるんで、これを解消して、検査をし なくても安心して食べられる牛肉なんですよというようなことをもっと出していかなけ ればいけないのがこれからの食品安全委員会さんとか厚生労働省さんとか農水省さんの 果たすべき役割の一つじゃないかと思いますので、その辺の意見もお願いします。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは、階段席の後ろの方、お願いします。 ○参加者8 焼き肉店を営んでおります李と申します。農水省、厚労省、そして食品安 全委員会の方々の本当に熱心な議論の中で一たん輸入が再開されて、また禁輸措置がと られてという中で、私は一刻も早く輸入を再開していただきたいというふうに思ってま す。  理由は何点かあるんですけども、国産牛、そして輸入牛ともに品質が決してよくはな いんだけども、非常に高騰しているという現実。  そしてもう1点、これは例えばアメリカの牛肉が輸入再開されたとしても、それを判 断し、そして買うか買わないかはもう消費者の方々の意思ではないのかなというふうに 私は思います。いろんな面で国に対する責任とかということよりも、やはり先ほどから いろいろなパネルをちょっと見させていただいて一生懸命取り組んでらっしゃる中で、 最終的には私たちの自己責任で選ぶか選ばないかということは幾らでも可能ではないの かな。そういう中で一刻も早く輸入を再開していただければなというふうに思っており ます。以上です。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  今、後から御発言をいただいた方は、そういう御意見で御要望だったということでよ ろしいでしょうか。  それでは、最初の方が水際での検査の関係でありますとか米国側へ今回追加要請をし たような措置へ対する我が国の考え方、仮に輸入が再々開をされて再度違反が起こった の際の対応の考え方等について御意見、御質問がありましたが、水際検査の関係は、ま ず厚労省の方から。 ○蟹江専門官 輸入時の検査で農水省、厚労省で同じものを検査するのかということで ございますが、昨年の12月に輸入再開をして、それぞれ農水省の方は動物検疫所です ね、厚労省の方は検疫所、これは全国にありますので、それぞれが検査をするわけです が、先ほどもスライドでもございましたとおり御説明した基準で検査をしておるんです が、輸入時の手続の流れを御説明しますと、まずアメリカから肉が到着をする。そうし ますとまずは農林水産省の動物検疫所の方の手続がございます。これは家畜伝染病予防 法に基づく手続で、検査を実施をして、その後、厚生労働省の方の検疫所の手続、検査 になります。基本的な流れはこの流れです。  それで農林水産省の動物検疫所の方で一部箱を開いて検査をし、厚生労働省の方でも 同じロットの貨物について開梱基準に基づいて箱をあけるわけですけども、基本的に動 物検疫所で検査終わったものについて厚生労働省の方の検疫所の方で検査するもんです から、ロットの箱数にもよるんですけども、基本的には動物検疫所であけてないものを 厚生労働省の検疫所であけるような体制で検査を実施しておりました。  今後についてどうするかということ、あるいは期間をどうするかということについて は、まだ具体的な対応といいますか、そういったものはまだ決めておりません。今回そ ういった輸入時の検査についてもいろんな御意見がもしあればいただきたいと思ってま す。  それから、輸入時の検査を行う職員の教育のお話でございますけども、厚生労働省の 検疫所で実際に、牛肉に限らず輸入食品についての監視を行ってるわけですが、これは 食品衛生法に基づくものでございまして、その検査を行うのは食品衛生法の中で食品衛 生監視員という規定がありますので、資格を持つ者が検査をする。これは輸入時の場合 ですと検疫所に食品衛生監視員がおりますが、例えば国内で流通品を監視してるのは各 保健所にこういった食品衛生監視員がおりまして、そういった資格を持つ人が検査をし てるわけですが、これは当然資格要件がございまして、例えば獣医師とか、それからあ るいは大学で畜産を学んだ者とか、あるいは水産とかいろいろ理系のある一定の学問を 学んだ者というそういった細かい規定がございます。ある一定レベルの知識のある者が 対応してますが、当然例えば肉の部位の話になると専門でやってた職員もいればそうで ない職員もおりますので、所内でそういった知識を伝達するとか、わかる者と同行しな がら対応する。これは肉に限らずほかの食品もそうなんですが、そういった形で検査の ノウハウや知識の向上を図っているという状況でございます。 ○伊地知参事官 あと、3つの追加措置を要求しているけども、これはリスコミでただ そういうお話をしているだけなのか本気でやるのかということでありますが、これは本 気でアメリカ側に要求をしていきたいというふうに思っております。そしてこの内容に ついて皆さん方の御意見を聞きながら、意見交換会が終わった後にアメリカ側と調整を していきたいというふうに考えております。  あと違反事例があった場合の対応でございますが、どういう違反があるかというのは あらかじめなかなか予測するのが難しいわけでございます。これは安心のためというこ とでございましたが、一方で輸入される側の方もかなり関心がありまして、これがはっ きりしないと安心して輸入できないというようなことも言われております。  ただ、その違反事例が原因とか内容がさまざまなものが想定されますので、基本的に はその状況を踏まえた対応が必要になってくるというふうに思っております。そういう 複雑なものについて機械的にルール化ができるかどうかというのも、それを含めて検討 をしていかなければいけないというふうに思っております。 ○西郷リスクコミュニケーション官 それとあと最後に、検査をしてもしなくても安心 して食べられるようなことを考えていかなくちゃいけないのではないかという御指摘が ございました。おっしゃるとおりです。今BSE対策は、検査とSRMの除去、それか ら飼料規制といったことが主にやられて、ずうっとリスクが大分下がってきているとい うことでございますが、いずれにしろリスクはゼロにはどうしてもならないわけでござ います。大体どのくらいのリスクなのかということはいつでもリスクコミュニケーショ ンの場などを通じましてお知らせしていくというふうなことに努めてまいりたいと思い ます。  それから検査の技術の動向でございますとか、そういったことにつきましても委員会 として情報収集をしております。委員会の情報は大体オープンになってございますので、 委員会の議論などに注目をしていていただければと思っております。以上です。 ○藤井参事官 それでは、また関連のことでも結構ですし、別のことでも結構ですから、 御発言がある方は挙手でお知らせをお願いをしたいと思います。  それでは、今お二人の方、手を挙げておられますので、真ん中の列の後ろから2列目 の一番右端の男性の方と左の列の階段席の前の方の方、続けて御発言をお願いしたいと 思います。 ○参加者9 100年に1人、2人しかいない牛肉に関してばかですけど、質問を行い ます。今回どの機会で、前回も福岡会場でアメリカが悪いとおたくたち発言されたけど、 アメリカの方いつやってきてひざまずいて消費者関係に謝るのか、今回東京の会場で謝 るのか、それどうなっているのか。こういう文書をどんなに見せられても、私は納得い かないです。  また、危険部位は今後あれするけど、この輸入再開して20カ月未満というのは、は っきり言うて今冷蔵庫の中に入っている約半分、20カ月未満というのはプラス1週間 なのか1カ月なのか5カ月なのか7カ月なのか。Aの40、これ本当6月の5日に私ど もの組織の行って調べてきたけど、月齢管理、米国では基本的にはしておらず、牛の仕 上がりぐあいで出荷されているって返事が来ましたよ。私は、20カ月未満とかなんと か、これおいしくないから。ただし、おたくたちが言ってる20カ月未満、私、広島会 場まで出向きましたよ、偽名使って。ただし、私はなぜ手挙げたかというと、テレビ局 が帰ったから私が手挙げたんです。ピンて鳴らかさんでいいよ。  それではっきり言うて大阪の焼き肉屋さん関係、見ればわかるじゃないね。あれ20 カ月未満ですか、焼き肉屋さんが今出しているの。これが明るみになった場合、また輸 入再開して一、二カ月したなら、あなたたちの権限でまた輸入ストップするんですか、 アメリカの方々が約束を破ったからって。またしたなら、本当消費者、販売店、焼き肉 屋さん関係を行政の方々がもてあそんでもらうことははっきり言うてやめていただきた い。もうばればれよ。  それと輸入再開すぐする必要はないよ。行政の方々が各所10年、20年勉強するの が当たり前じゃないの。今まで再々言っていた。今までBSEも……。 ○藤井参事官 そろそろまとめていただけますか。 ○参加者9 はい。BSEも三、四十年前からいたんじゃないんですか。今まで腹いっ ぱい食べさせていたんじゃないんですか。それでこれは20カ月未満の肉に関して、は っきり言うてこれ27、30カ月が入っている。これに関しておたくたちがまた輸入を ストップするのか、しないのか。もうアメリカの言いなり、アメリカが20カ月と言え ば20カ月なのか。専門家が見ればわかるよ、はっきり言うて。  そしてまた査察だ。あの方々、専門委員会……。 ○藤井参事官 そろそろまとめていただけますか。 ○参加者9 この方々は税金使うばっかりじゃないのよ、はっきり言うて。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは、続いてお願いをいたします。 ○参加者10 食肉の卸をやっております青山と申します。昨日新聞報道で間もなくア メリカ産牛肉の輸入再開をと言ってた韓国が、施設に不備がある、衛生管理に不備があ るということで輸入再開を延期するということを決めたということが新聞報道にありま して、その状況についてどのように把握なさってらっしゃるのかなという質問と、それ と今後諸手続が進んで輸入再開になったと。その中で前回禁輸の措置、再禁輸という形 になったように1社、アトランティック何とか社というところが1社骨を混入したもの を輸出してしまった。それによってアメリカ産牛肉、数多くの工場から、生産者から輸 出なっておったわけですけれども、そのすべてが禁輸となってしまった。次回輸入再開 となった場合には、それについてはどのように処理をされるのか、個別で対応されるの か、それとも再度また全面禁輸という形のお考えでいらっしゃるのか、その辺の基本的 な方針というものについてお伺いしたいと思います。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは。 ○伊地知参事官 月齢の確認がなされていないのではないか、アメリカは牛の仕上がり を見て出荷をしているというお話でございますが、あくまでも私どもは20カ月齢以下 というルールを決めましたので、そのものだけは輸入を認めますけども、それに合致し ないものは認めない。  ちょっとまた説明が長くなるかもわかりませんが、20カ月齢をどうやって確認する かということです。言われましたように、日本の場合は和牛は30カ月齢近くのもので すし、乳用種は大体乳雄は21カ月齢とかそれぐらい、それと交雑種はその中間ぐらい で大体出荷されておりまして、日本の場合は肉質をかなり重視をしていて、かなり月齢 が進んでいる。ただ、アメリカの場合は、日本ほど肉質を高めるという努力はされてお りませんで、むしろ肥育効率を中心にやっておられる。したがって、日本の乳雄よりも さらに若い月齢で出荷されてるものの方が多いというふうにアメリカ側から聞いており ますし、私どももそういうふうに見ております。  アメリカは、アメリカの肥育牛の約9割は20カ月齢以下であると言っております。 だからもう少し、Aの40でなくてAの60とかそれぐらいで認めてほしいというのが アメリカ側の希望だったわけですが、誤差もあるから、そういう誤差も考慮してかなり 低い水準のA40という成熟度のものについては20カ月齢以下ということで、そこに ついては専門家に検討をしていただいた上でその方式を採用しているところです。  あとそれ以外にちゃんと日本と同じように生年月日が確認できたもので、20カ月齢 以下というのを認めるということになっております。生年月日の確認は2通りあって、 よく日本のように生まれるところなんて確認できないだろうというお話がありますが、 そこについては規模が小さいところは日本と同じように生まれたところを確認できるわ けです。ただ、規模が大きいところは、規模が大きいといってもアメリカも繁殖経営と いうのは、日本も同じなんですけども、手間暇かかりますので、規模はそんなに大きく ないのです。だからアメリカも平均すれば1農家当たり50頭ぐらいが平均的な繁殖農 家の規模なんです。  ただ、大きいところもあります。大きいところはどうやって確認するかというと、そ れは群単位の生年月日で確認をするということです。放牧を大体季節繁殖をやっている わけです。また繰り返しになりますけども、草がたくさん生えるころに、子供を産ませ たいというのが経営上の技術でございまして、夏場に雌の群れの中に雄を入れると、そ こで種がつけられます。そうすると大体春に子供が生まれることががわかってますから、 最初に生まれるものだけを確認して、あと二、三カ月後、ずっとその間に生まれるもの は同じ生年月日をつける。例えば4月1日に生まれたのを確認したら、その後4月の1 0日とか15日とか、いつ生まれるかわかりませんけども、その群れのものは全部4月 1日の生年月日にするというような形での生年月日をつける。そうすれば若いものも年 とったような計算されるわけですから、そこは逆に問題はないわけです。そういう形で の20カ月齢以下という証明ができるもののみを認めるというルールでやっております ので、そのルールに合致しないものについては輸入は認めないということでやります。 ○参加者9 ちょっとごめんばってん、春に生まれるようにしたなら、それから20カ 月足してごらん。そしたら正月になってよ、2回目の正月。そうなった場合、生まれて から後は3カ月ぐらいいいけど、ほんならあとはアメリカ産はないのか、はっきり言っ て。 ○伊地知参事官 北から南にいろんなところにありますから。 ○参加者9 それは言いわけよ。 ○伊地知参事官 それと若いものも輸出されるわけですよ。20カ月齢のものだけが入 ってくるわけじゃないわけですよ。15カ月齢のものも来る、16カ月齢も来る、それ より若いものも来るということです。だから今までよりは輸出の仕方はアメリカは窮屈 になると思います。 ○参加者9 仕上がり次第で成体、枝で重量で判断しているんだからね、今。それで物 がいいのが27カ月とかなんとかが入っている。 ○伊地知参事官 もともとそんなに高齢のものは多く入ってきていなかったというよう に聞いておりますし、今までのように月齢に制限がないときに比べれば輸出はアメリカ は窮屈になると思いますし、輸入する日本側もそこは今までのように物の調達というの は少し工夫が要るようになるかというふうに思います。 ○参加者9 私は、27カ月齢でもいいわけ。あなたたちが今後それに対して輸入をま た停止をしてくれれば困るから言っているわけ。もう輸入停止とかするなよ、はっきり 言うて。食べ物のおいしい肉を食べればいいよ。 ○伊地知参事官 そこはリスク評価の結果、20カ月齢以下で特定危険部位を除いたも のという条件でリスクの差は非常に小さいという評価を踏まえた管理措置をとるという ことでやっているということです。 ○参加者9 もともとリスクというのは、日本とアメリカはリスクの差は小さい。もと もとリスクの差はない。片仮名をあんまり使うなよ。私、頭が悪いんだから。 ○伊地知参事官 あと、ちょっと先に進んでよろしいでしょうか。また後ほど。 ○参加者9 いやいや、アメリカは例えば今後わびを入れるのか、ひざまずいて、その 辺を教えてくださいよ。 ○伊地知参事官 これは輸入禁止した直後にいろんな方が来られて遺憾の意を表明して ですね。 ○参加者9 それはどういう話の場でされたか、遺憾って、どがして頭下げられたか、 私どもはわからない。それとあなたたちに一口言いたいけど、年収何千万ってもらう方、 肉を買うとき、牛肉買うとき100グラムの何千円を買う方が輸入肉に対して口走る必 要はおかし過ぎている。あなたたちを言っているわけではない。あなたよりもうちょっ と上の人、何千万ともらうでしょう。牛肉を買うときはグラムの何千円の肉を買う人っ ているよ。その方々が輸入肉に対していろいろ口走り過ぎて、おかし過ぎる。 ○藤井参事官 また御意見がありましたら。 ○参加者9 いや、もうだって、私が手挙げたって当てんでしょう。わざわざ広島まで 来たんだから。 ○伊地知参事官 会議が終わってから少しまたいろいろ御意見を。 ○参加者9 もう会いたくなかというわ。おたくらと会いたくはなかばってんが、また ストップしてくるんなら、20カ月未満で、約束事が守られんばってん。 ○伊地知参事官 20カ月齢以下というのは、もうこれはリスク評価の結果を踏まえた ものですから、そういう形で。 ○参加者9 それで27カ月が入っとっても何も言わないね、今後。 ○伊地知参事官 いえいえ、それはだめです。 ○参加者9 そこはっきりしなさいよ。 ○伊地知参事官 27カ月齢のものは入れられません。 ○参加者9 アメリカが20カ月と言えば通るんでしょ。 ○伊地知参事官 アメリカ以外の国からでBSEが出てない豪州とか、そういうところ から入れられたらよろしいんじゃないでしょうか。 ○参加者4 次の質問された方のを僕、聞きたいんですが。 ○伊地知参事官 韓国の話ですが、そういう報道があったということは承知しておりま すので、現在照会中で、正確な情報は今持っておりません。  それと違反があった場合どうするのかと。先ほどと同じでございまして、違反の原因、 状況がかなり異なると思いますので、機械的にその施設だけとめるとか、その箱だけだ めにするとか、そういうことを決めているわけではございません。そのときの状況で判 断を現時点ではせざるを得ないと思っております。  先ほど言いましたように、単純なルール化ができるかどうかというのも検討はしてい く必要があると思っておりますけども、現時点ではそういうのを機械的にルール化する という状況にはなっておりません。 ○藤井参事官 それでは、また関連のことでも別の話題でも結構ですから、御発言があ る方は挙手でお示しをいただきたいと思います。一度御発言をいただいた方も再度あり ましたら、挙手でお示しをください。  それでは、今お二人の方、手が上がってますので、左側の階段席の一番前の方と中央 の2列目の男性の方と続けてお願いをします。 ○参加者4 先ほども質問したんですが、ちょっと今回は御意見といいますか、まず一 つは、アメリカの基準についてといいますか、国際基準についてなんですけれども、ア メリカでは30カ月齢というところで線を引いて国際基準ですね。アメリカ人は日本人 の約4倍の肉を食べておりまして、日本人は約10キロ、アメリカ人は40キロ食べて るんです。BSE、BSEって言ってますけれども、一番の問題は変異性ヤコブ病でご ざいまして、つまりVCJDという病気が一番の問題で、その因果関係、何でそうなる のというのの国際的なものというのは、要するに特定危険部位を食べたらVCJDにか かる、ヤコブ病にかかる確率が高いというのが国際的な大勢を占めてるやに私は聞いて おります。ですからその意味では私自身は、まずアメリカでじゃあ何人の変異性ヤコブ 病になったかというと、私の知ってる限りではたった1人、アメリカに住んでおられる イギリス人。それと日本では発生したかというと、ありました。これはイギリスに滞在 したことのある日本人の方が不幸にも変異性ヤコブ病になられてお亡くなりになった。  その辺を考えますと、私は逆に20カ月齢という部分というのはさっきの21カ月、 23カ月も本当にそうなってんだろうかなという疑問を持ってますし、それと消費者の ためなんであれば、もっと手を加えれば加えるほどコストが上がると、コスト上がった ものというのは消費者が負担することになりますから、吉野家に並んだ人たちも消費者 ですし、280円の牛丼食べた人たちも消費者ですし、それから焼き肉店で安い焼き肉 を食べたいというのも消費者です。ですから安心と安全は別物だと私は思っておりまし て、安心というのは各個人が安心だなと思う。先ほども表示の問題が出ておりましたけ れども、皆さんに必ずアメリカ牛肉を食べなさいと言ってるわけでも何でもないと私は 思うんですね。表示さえちゃんとなってればアメリカ牛肉は安心じゃないから食べない、 それでいいんだと思うんですよ。それとそれ以外にも安くておいしい、自分は安心だと 思うからアメリカ牛肉を食べるという方もいていいと思う。私は、行政が安心の部分に 過度に関与するということについて、先ほどの税金の問題も含めて、ある意味では安心 については受益者負担というのが原則じゃなかろうかなと。全頭検査もいいです。全頭 検査した分についてはそれを安心だという人に……。 ○藤井参事官 そろそろまとめていただけますか。 ○参加者4 安心だと思われる方が負担すればいいことじゃないのかなというのが単純 な私の疑問でございます。以上です。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは、続けて御発言をお願いをします。 ○参加者1 無職、菅野です。米国産に告知されるのは米国とは日本人用として日本人 好みの霜降り肉が、霜降りになるような牛の飼育を約束し、またどこどこの肉の部位を 注文すれば注文どおりの肉が輸入できるような協定になっているので、何とか早く牛肉 を輸入したいと。他国では、豪州もあるし、牛肉の輸入の場合は牛1頭を購入するよう になっとる。安全が確認できた、抜き打ち検査だ、大丈夫だと言われても一般の主婦の 方は理解されません。出席される方は意識を持っておられるから理解はしておられると 思いますが、一般の主婦はこういうことを、根本的なことを言わんと理解しとられませ ん。  それからこれは言うてもええかしらんが、アメリカの属国だと、日本が属国だという て言われますよ。  それから日本用の霜降り肉用の牛が十分ごろごろしとるらしい、こういう話も伝わっ ておりますよ。これは主婦の方は、主婦いうのは買うから、物を主婦が買うんですから、 これを理解させれんとどうにもならんと私は思います。以上です。 ○藤井参事官 ありがとうございました。  それでは、ちょっとvCJD、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の関係を、まず食 品安全委員会の西郷さんの方から発言をしてもらいます。 ○西郷リスクコミュニケーション官 先ほどの方からクロイツフェルト・ヤコブ病の発 生件数、アメリカについて1例という話ですけれども、アメリカは本年6月初めまでの データでございますと2例ございまして、いずれもアメリカに住んでいらっしゃるイギ リス人の方ということです。御参考までに申し上げると、今のところ世界で189例の 方が変異型のクロイツフェルト・ヤコブ病にかかったことが確認されておりまして、そ のうちの161人がイギリスでございます。我が国は、おっしゃったように1人、イギ リスに滞在された方が確認されているというところでございます。  要するにじゃあ、SRMを食べたら必ずなるのかという話でございますけども、変異 型のクロイツフェルト・ヤコブ病に感染した瞬間が確認されたことはまだこれまで1例 もなくて、いろんな傍証の結果でございますとか、疫学調査の結果とか、それからその 後、人間から人間への輸血とか、そういったことでも異常プリオンの伝達というのは確 認はされておりますけども、牛から人間にといったことについてはまだ実際に見た人は いないわけですけども、どうもその蓋然性というか、そうらしいということが定説にな っているということがございます。それは異常プリオンが含まれたところをある時期に 食べてしまうとうつるリスクがあるんではないかというふうに言われているというとこ ろでございます。以上です。 ○伊地知参事官 次の方の御質問、御意見の中身を十分に理解してないかもしれません けど、豪州とアメリカの違いについて言われて。 ○参加者1 アメリカは部位のこれだけ下さいと言うたら輸入できるんだと。それをア メリカが約束しとるんだ。日本と約束しよるんでしょう。そして豪州は、カナダも同じ じゃが、牛1頭すれば全部これを買わないけんと。便利が悪いですね、それは。必要な 分だけです。そういった飼育をやっとるんだと。 ○伊地知参事官 国としてアメリカがパーツ輸出をやるとか、豪州はフルセットでの輸 出だというのを決めているわけではございません。これは商売、輸出する側と輸入する 側で、アメリカの場合は部位の輸出が多い。だから端的に言いますと、アメリカから日 本に来ていたのはタンがアメリカの牛の2千数百万頭分ぐらいになるわけですね。牛肉 の量だけ見ると、25万トンですから、これはアメリカの牛に直すと100万頭ぐらい しかないんですよね。ただ、実際は牛丼用のばら肉とか、その部分だけをたくさん、日 本が必要な部位だけをたくさん輸入しているというのが実態だったわけです。  豪州は、それが部位だけで輸出したら国内にいろんな部位が余って困るということで、 日本側と貿易するときにはフルセットでということで商売をやってきたわけです。です から言われたように、アメリカと豪州では日本への輸出の形態が違っていたというのは 事実ですけれども、これは国がそういうふうに決めているわけでなくて、これはあくま でも民間の商売ベースでの話です。  それと霜降り牛肉がたくさんアメリカは出せると言われたんですけど、日本のような 霜降りはありません。  基本的には豪州は、グラスフェッドといって草だけで飼ってたわけですね。ただ、自 由化になった際に日本の加工メーカー等が出て行って日本向けのいい肉をつくろうとい うことで豪州でフィードロットをやって、日本のような長く肥育した牛も豪州でつくっ て日本に輸出しています。これはニュージーランドでも日本のメーカーが行って肥育期 間を長くして、日本人の嗜好に合った牛肉をつくろうということで輸出しています。た だ、基本的には豪州はグラスフェッドといって草だけで飼っていた。  一方、アメリカは、12カ月ぐらいの牛を6カ月間ぐらい穀物を与えて肥育していた わけです。日本に比べれば短いわけです。ですからその日本人好みの肉質からいくと日 本のものが一番いいわけです。それは長い間穀物を給与してやったわけですから、日本 人の好みの肉は日本の肉が一番、次はアメリカ、その次がグラスフェッドの豪州という 順番になっていたわけですね。  ですからアメリカの飼養形態がそういう形になっていて、かつパーツを輸出してると いうのは実態であったということで、これは特に国がそういうふうにやってるわけでな くて、民間の商売ベースでそういうことになっていたということでございます。 ○参加者1 アメリカには日本向けの牛がいっぱいおるらしいが、早くこれをはかさな いかんと。アメリカでこれを消費しよう思うても、こりゃいかんと、いかんことはない、 安うなると。日本でせにゃいかんと。 ○伊地知参事官 アメリカは、それほど輸出は日本にたくさんしてません。アメリカが 日本に輸出してるのは国内生産量の二、三%です。アメリカには牛が1億頭いるわけで す。日本向けに輸出してる量は、先ほど言ったように部位を考えなければ100万頭分 ぐらいしかないんです。アメリカは、1割ぐらい輸入して1割ぐらい輸出してるんです ね、アメリカの国の全体で見れば。ですからアメリカは日本にたくさん輸出するために 牛がいるということでなくて、輸出の量はアメリカの国内の消費量から見れば少ないん ですよね。二、三%です、量からいけばですよ。 ○参加者1 それは量が多い。これが大きいんじゃけ。二、三%、100万トンぐらい あるでしょう、これは。 ○伊地知参事官 後ほど詳しくはご説明します。申しわけございません。 ○参加者1 いいです。それはまあ。 ○藤井参事官 もうそろそろお約束の時間に近づいてきたんですが、最後に一人、二人、 どうしても御発言をされたいという方、お受けをしたいと思います。  では、今お一人の方、手が挙がってますので、その方でフロアからの御発言は最後に させていただきたいと思います。お願いをします。 ○参加者10 きょう取材に来ております中国新聞の藤井と申します。物すごくちょっ と簡単にお伺いをしたいんですけれども、日本が世界で一番厳しい基準でBSE検査を やってるというのはよくわかりました。  一般の消費者という方は、その肉が安全かどうかというのが一番関心があって、それ が加工されてないものか加工されてあろうが関係なく、とにかくどこの肉かというのが 一番知りたいと思っている。要はできることからやるという意味では、とにかくこの商 品は国産の牛肉しか使っていませんとか、そういった表示をする。だから消費者団体の 方が商品表示のことをすごく言われていたのは多分そこではないかなと思うんですけれ ども、やはり日本の基準以外を見ると、どうしてもすごく幅が広くなってしまいますの で、そのあたりについての検討というのはいかがなんでしょう。 ○伊地知参事官 また繰り返しになるんですけども、加工品をつくってる方が必ずしも すべて原産国がわかったものを定時、定量で入れられるということではない状況がかな りありまして、そこを義務化するというのはなかなか難しいであろうということなんで す。  言われたように、一部のメーカーは自分のところの製品の優位性をアピールするため にインターネットなどで見ると私のところの製品は国産しか使ってませんというような 表示はされてます。そういう優位性をアピールするためのものはあるわけですが、そう でなければなかなか積極的に表示はされないし、それを正確にメーカーが把握できると いう状況でもないので、義務化というのは難しいということです。  ただ、できるものについて、先ほど言いましたような生鮮に近いもの、そういうもの についてはできる限りやっていく方向でやってきてるということでございます。  言われたように、前回も私も申し上げてちょっとおしかりを受けたんですけども、消 費者活動として、例えばどういうところのものはどういうものをやっているとかいうの を調べられるとか、メーカーにお聞きになるとか、それを会員に広くお知らせするとか、 そういう活動も大変有益だし、そういうことをやることによってメーカー側もじゃあ表 示をやらなくちゃいけないかなということも出てくるのではないかなというふうに私は 個人的には思って言ったんですけども、それは国がもうちょっとやれと言われたわけな んですけれども。 ○参加者9 私の返事まだ出てないよね。20カ月未満で違反がアメリカの方にあった 場合は、また輸入をストップするんですかっていう。 ○伊地知参事官 ですから違反があった場合には、そのときの……。 ○参加者9 ノーかイエスかどっちか言うてください。ノーかイエスか。 ○伊地知参事官 先ほどから違反の場合には、その原因、状況を踏まえて判断をすると。 ただ、違反のものは絶対輸入は認められませんので、その対応は違反の原因、状況を踏 まえて判断をせざるを得ないということです。 ○参加者9 もうすぐ足元まで来ているよ。おたくたちがしても一緒よ。 ○藤井参事官 いろいろと御発言をいただいて、少しまだ発言をされたい方、またこち らから、行政側から発言をしたことに対して十分に自分の意図とは違う内容であったと 思われる方あるかもわかりません。その辺ありましたら、大変申しわけございませんで した。  今回いただきました御意見、御要望等につきましては、冒頭申し上げましたように今 後、米国産牛肉の輸入再開手続を検討する際に参考にさせていただきたいと思っており ます。  きょうは、本当に長時間どうもありがとうございました。(拍手)  今後のこういう会の進行等の参考にさせていただきたいと思いますので、ぜひアンケ ートについてはお帰りの際に回収箱の方によろしくお願いをしたいと思います。                                (了)