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2003年6月30日作成

医療用具回収の概要
(クラスII

 

1. 一般名及び販売名


一般的名称:医用リニアアクセラレータ
販売名:プリサイス トリートメントシステム

2. 対象ロット、数量及び出荷時期


製造番号:105669,105794,105795,105799,105849,105862
数量:国内 6台
出荷時期:平成13年(2001年)7月〜 平成15年(2003年)3月

3. 製造業者等名称


会社の名称:エレクタ株式会社
輸入営業所所在地:兵庫県神戸市中央区磯上通6−1−9  KOBE MKビル
許可番号:28BY0048
薬事法に基づく業態許可状況:医療用具輸入販売業
輸入元製造業者:Elekta Oncology System Ltd

4. 回収理由


 当該医療用具に組み込まれたソフトウェアのバグによると思われる次のような2つ事例が海外で報告されたため、改修することとした。

a)2門以上の照射野を持つ患者の治療時、ある照射野の照射が終了したにもかかわらず、終了した照射野が終了を示す灰色にならずに、再びその照射野がこの状態で選択で出来てしまう事が稀にある。
 このような状態で既照射野を確認せずに、そのまま照射すれば同じ箇所を照射してしまう。
b)2門以上の照射野を持つ患者の治療時、最初の照射野を照射後、次の照射野を選択した。その際スクリーンがフリーズした。

5. 危惧される具体的な健康被害


a)通常照射ごとに照射角度が変わるが、今回の不具合が発生した時、角度が変わらないため操作者は事前に不具合に気付く可能性は高い。気付いた時は、一旦ログアウトし、再度ログインするとシステムは正常に戻る。
 もし、その照射野の照射が終了したかどうかがわからなくなってしまった場合には、内蔵している各記録装置には正しく記録されておりチェックできる。
 しかし、照射ごとに確認をすれば問題はないが、この確認をおこたると最悪の場合、同じ治療を2回重複して照射してしまう可能性がある。
 通常の治療は1日2Gyで数日にわたり行われ、合計約40〜60Gyの放射線量が治療に使われる。もし重複照射した場合でも重複照射線量は最大でも1Gy以下で総線量の2.5%以下である。
 重複照射した場合は各記録装置に照射記録は残っているため、次回治療時に重複照射分は除き、治療計画を変更し照射することで対応は可能である。 
 この処理を行うことにより、健康上の問題の発生は避けられる。

b)途中でスクリーンがフリーズした時、オンオフボタンで再起動することで、正常な治療が行え、患者に対する健康被害はない。
  
 現在のところ本件に関する健康被害発生の報告はありません。

6. 回収開始年月日


平成15年6月20日 (情報提供の開始)

7. 効能・効果又は用途等


 本装置は、加速された高エネルギーの電子線及び電子線から変換された高エネルギーのX線を悪性腫瘍(癌)に照射して放射線治療を行う装置であり、医師もしくは放射線技師等有資格者が使用する。

8. その他


 納入いたしました医療機関(6施設)はすべて弊社が把握しております。
 当問題の発生の可能性とその回避方法については文書にて関係顧客に連絡済みです。
 ソフトウェアの修正後、改修を実施します。

9. 担当者名及び連絡先


担当者名:薬事品質管理部 藤枝 茂樹
連絡先 :エレクタ株式会社
      兵庫県神戸市中央区磯上通6−1−9  KOBE MKビル
      電話 078-241-7100
      FAX  078-271-7823