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平成26年 8月 4日作成
一般名及び販売名
一般的名称: 線形加速器システム 販売名 : (1)Hi-ARTシステム (2)TomoHDシステム
対象ロット、数量及び出荷時期
(1)販売名:Hi-ARTシステム 対象範囲:ソフトウェアバージョン4.2.2又は5.0.1が搭載された当該医療機器全て 対象シリアル番号 ・ソフトウェアバージョン4.2.2 0110036、0110049、0110063、0110075、0110076、0110085、0110093、0110107、0110113、0110172、 0110183、0110184、0110199、0110229、0110304、0110326、0110337、0110400 ・ソフトウェアバージョン5.0.1 0110164、0110205、0110327、0110377、0110393 数量:23台(4.2.2:18台、5.0.1:5台) 出荷時期:平成17年5月20日〜平成23年12月26日 (2)販売名:TomoHDシステム ソフトウェアバージョン1.2.2又は2.0.1が搭載された当該医療機器全て 対象シリアル番号 ・ソフトウェアバージョン1.2.2 0110412、0110426 ・ソフトウェアバージョン2.0.1 0110392、0110397、0110409、0110425、0110427、0110434、0110437、0110451、0110453、0110454、 0110455、0110466、0110475、0110476、0110479、0110484、0110486、0110487、0110489、0110498 数量:22台(1.2.2:2台、2.0.1:20台) 出荷時期:平成23年10月29日〜平成26年年7月9日
製造販売業者等名称
製造販売業者の名称 : 日本アキュレイ株式会社 製造販売業者の所在地: 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル 許可の種類 : 第一種医療機器製造販売業 許可番号 : 13B1X10042 製造業者名:Accuray Incorporated 輸入先国名:アメリカ合衆国
改修理由
製造元における検証の結果、当該医療機器にインストールされているソフトウェアにバグがあることが確認さ れ、バグにより機器に不具合が発生する可能性があることが判明しました。 当該不具合を対策したソフトウェアへのバージョンアップを改修として実施致します。 (1)Elapsed Time(照射経過時間)表示不良(弊社管理番号:Anomaly 53856): 1.2.2又は4.2.2のみ 治療中に何らかの理由でX線の照射を中断した又は中断された時に、放射線の既照射時間が0秒であるという誤っ たデータをOn Board Computerが返すことにより、機器がX線の照射経過を正しく認識しない不具合が発生する可 能性があります。この状況において完了プロシージャ(completion procedure)を作成すると、未照射分の照射 時間だけでなく、中断前に照射済となっている照射時間も含めた全照射時間のプロシージャが作成されます。本 不具合により作成された誤った完了プロシージャを使用し治療を継続した場合、患者様へX線の過照射が生じる 可能性があります。尚、本不具合に関しましては、昨年2013年10月10日付で実施いたしましたソフトウェアの バージョンアップによる改修後のバージョン4.2.2及び1.2.2においても発生する可能性があります。 (2)完了プロシージャ(照射計画)の誤作成(弊社管理番号:Anomaly 53673/53698) 機器のウォームアップ中もしくはウォームアップ直後に機器が何らかの異常を感知し治療が中断した際、実際は X線が照射されていないにも関わらず、照射されたように誤表示される不具合が稀に生じる可能性があります。 本不具合は、MLCが閉じた状態であるウォームアップ中もしくは直後に発生するため、X線は一切照射されませ ん。この事象が発生した場合、治療を継続するために機器を再起動する必要がありますが、未照射分である照射 計画の一部をリカバリーソフトウェアが照射済みであると誤認識し、未照射分のX線量が誤って計算されたまま残 りの完了プロシージャ(completion procedure)が作成される可能性があります。本不具合により誤って作成さ れた完了プロシージャを使用し治療を継続した場合、患者様へX線の過少照射が生じることが考えられます。 (3)カウチ(治療台)の誤作動(弊社管理番号:Anomaly 53715): 2.0.1又は5.0.1のみ 機器の使用中にカウチの位置不良(a position error)が生じた際、カウチの位置を示す数値が非常に大きなマ イナス値を示す不具合がごく稀に生じます。カウチの位置表示に異常が生じた状態でカウチを下降動作させると カウチ天板がガントリのボアから完全に出ていない状態であっても自動停止機能が作動せず、カウチとガントリ の接触等が生じる可能性があります。 (4)計画済みX線量の不一致(弊社管理番号:Anomaly 53939/53786) 治療計画済みのX線量と治療前に実施するDQA(Delivery Quality Assurance)で確認されるX線量に僅かな誤差 (1-3%程度)を生じる不具合により、実際に照射される線量が意図せず過剰となる可能性があります。本不具 合はModulation Factorが低く、かつガントリ回転速度が速い治療計画で発生する傾向にあります。この誤差を 調整せずに治療を実施した場合、患者様への過照射等が生じる可能性があります。 (5)Planned Adaptive機能の比較線量値の不一致(弊社管理番号:Anomaly 53936/53849) オプションのPlanned Adaptive機能(既に照射した治療分割による線量結果に基づき新しい治療計画を作成する ことができる機能)がインストールされている場合、本機能の「Batch Mode」を選択して実行すると、比較線量 値が実際よりも誤って高く又は低く算出され表示される可能性があります。本不具合はMLCの待機時間の影響が 考慮されないことが原因であり「Batch Mode」を選択した場合のみ発生しますが、比較線量値に限り誤計算及び 誤表示が生じるものであり、実際のX線照射計画に関しては不具合の影響はなく正しいことが分かっています。
危惧される具体的な健康被害
本不具合が発生し、治療を中断せずに継続した場合、上記の不具合(1)、(2)、(4)、(5)に関してはX線 の過照射や過少照射といったX線の誤照射が発生する可能性があります。また、上記の不具合(3)に関してはカ ウチがガントリの内側に接触する可能性がありますが、患者様は治療中、カウチの台上に乗っているため、カウ チがガントリ内で下降してもカウチとガントリの間に挟まれる可能性はありません。 自主改修に先立ち、上記の不具合内容及び対処方法に関して、「製品の安全性情報」の配布及び口頭にてご連絡 させていただきました。 本不具合の発生後ただちに治療を中止し「製品の安全性情報」に記載された不具合の対処を行うことで、X線の 誤照射やカウチとガントリ内側の接触が発生するのを防ぐことができるため、重篤な健康被害が発生する可能性 はないと考えます。 現在までに国内外において、本不具合による重篤な健康被害は発生しておりません。
改修開始年月日
平成26年8月1日
効能・効果又は用途等
本品は、腫瘍等の治療のために、強度変調放射線治療の計画と照射を行う統合システムとして使用されます。
その他
対象機器の納入先は全て当社において把握しています。 納入先に通知の上、改修を行います。
担当者及び連絡先
担当者 : 日本アキュレイ株式会社 薬事&品質保証 細川 憲子 連絡先 : 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル7階 電話番号: 03-6265-1529 FAX番号 : 03-3272-6166