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    平成23年 9月21日作成
    

    医療機器回収の概要

    (クラスII)

  1. 一般名及び販売名

  2. 一般的名称: 成人用人工呼吸器
    販売名  : トリロジー
    
    
  3. 対象ロット、数量及び出荷時期

  4. 修理依頼品 5台
    TV010052124 TV010102735 TV110090329 TV111010440 TV210041621
    
    修理と定期点検依頼品 2台
    TV110021746 TV110022003
    
    定期点検依頼品 29台
    TV009120305 TV109112310 TV109120918 TV109121023 TV109121804 TV110010615
    TV110010717 TV110011413 TV110011414 TV110011429 TV110011804 TV110012107
    TV110012208 TV110021705 TV110021707 TV110021810 TV110021814 TV110021818
    TV110021830 TV110021835 TV110031108 TV110031125 TV110031201 TV210041505
    TV210041610 TV210042003 TV210042101 TV210042112 TV210041705
    
    
    出荷数量:全36台
    出荷時期:平成23年1月13日〜平成23年5月26日
    修理時期:平成23年1月13日〜平成23年5月24日
    
    
  5. 製造販売業者等名称

  6. 製造販売業者の名称 : フィリップス・レスピロニクス合同会社
    製造販売業者の所在地: 埼玉県さいたま市北区宮原町1-825-1
    許可の種類     : 第一種医療機器製造販売業
    許可番号      : 11B1X00022
    輸入先製造業者名  :フィリップス・レスピロニクス(米国)
    修理業者の名称   :フィリップス・レスピロニクス合同会社 さいたま修理センター
    修理業者の所在地  :埼玉県さいたま市北区宮原町 3-77-2
    許可の種類     :医療機器修理業
    許可番号      :11BS200133
    
    
  7. 回収理由

  8. 弊社さいたま修理センターで行った人工呼吸器トリロジーの修理又は定期点検後の最終出荷試験にて、自社で定
    めた試験項目で不適と判定された製品を、当該項目の再試験を行わず、適合品として出荷していたことが内部監
    査で判明しました。過去の記録を遡り調査した結果、修理又は定期点検後の最終試験で、同様に不適合品を適合
    品として出荷した製品に付いて、弊社テクニカル・サービスセンターに戻し、再試験及び再校正を行う自主回収
    を実施します。
    
    なお、不適と判定された項目は下記の通りです。
    (1)圧力・流量測定の精度に関する項目
    (2)バッテリーに関する項目
    (3)SDカードに関する項目
    (4)呼気弁制御に関する項目
    (5)テストに関する項目
    (6)輸送モードに関する項目
    (7)FLOWコネクタに関する項目
    (8)イーサネットに関する項目
    
    
  9. 危惧される具体的な健康被害

  10. (1)圧力・流量測定の精度に関する項目
     この項目は吸気圧力、吸気流量を測定している項目です。この項目が不適の場合、換気不足、または換気過多
    による呼吸苦が生じる可能性があります。しかし、換気量等の状態は常にモニターに表示され、臨床使用に問題
    となるような場合には、アラームの発生により早期に発見し対処することが出来ますので、重篤な健康被害が発
    生する可能性はないと考えます。
    
    (2)バッテリーに関する項目
     この項目は、外部電源が繋がれたことの確認、及び着脱式バッテリー・内蔵バッテリーの充電量を測定する項
    目です。この項目が不適の場合、バッテリーの使用時間が通常より短くなる可能性があります。しかし、バッテ
    リーにはそれぞれ残量表示があるため残量を容易に識別できること、及びバッテリー残量低下時は、アラームの
    発生により早期に発見し対処することが出来ますので、当該機器が使用出来なくなることによる重篤な健康被害
    が発生する可能性はないと考えます。
    
    (3)SDカードに関する項目
     この項目は、SDカードの接続状況を見る項目です。SDカードにより、機器内部に保存されている患者の使
    用履歴、エラーログなどの記録を取り出すことが出来ます。この項目が不適の場合、上記記録を取り出せない可
    能性がありますが、記録は臨床使用に活用されるものではなく、かつ、機器の制御に直接関係ありませんので、
    臨床使用における問題はないと考えます。
    
    (4)呼気弁制御に関する項目
     この項目は、呼気弁の開閉の制御を確認する項目です。呼気弁の閉鎖が不十分な場合や、呼気弁の制御に不具
    合があった場合は、アラームの発生により、早期に発見し対処することが出来ますので、重篤な健康被害が発生
    する可能性はないと考えます。
    
    (5)テストに関する項目
     この項目は、最終出荷試験を大きく5ブロックに分け、それぞれのブロックを順次連続してテストを繰り返す
    ために、直前にテストした設定をリセットする項目です。この項目が不適で、テストの設定がリセットされない
    状態で出荷された場合でも、呼吸器を臨床使用する前には必ず患者の使用目的に合わせた設定が行われますの
    で、臨床使用における問題はないと考えます。
    
    (6)輸送モードに関する項目
     この項目は、長期間の輸送時、内蔵バッテリーの自然放電を保護する機能(スリープモード)の動作を確認す
    る項目です。通常修理・定期点検の場合、返却後すぐ使用されるため、このスリープモードを解除して出荷して
    います。最終試験出荷試験時にスリープモードを解除することを忘れた場合、不適と判定されますが、当該機器
    を使用する際、AC電源を挿しこめば自動的にスリープモードは解除されますので、臨床使用に問題はないと考
    えます。
    
    (7)FLOWコネクタに関する項目
     この項目は、気道内圧チューブに水滴が付着しにくくするために、少量の空気を送り込むパージバルブの動作
    を確認する項目です。この項目が不適の場合、吸気量が多くなることや、吸気量が少なくなることにより気道内
    圧チューブの水滴を除去出来なくなる可能性があります。
    しかしながら、換気量等の製品の仕様に影響を及ぼすほど吸気量が多くなることはなく、また、水滴の影響によ
    り製品の仕様等に影響を及ぼすような場合には、アラームの発生により早期に発見し対処することが出来ますの
    で、重篤な健康被害が発生する可能性はないと考えます。
    
    (8)イーサネットに関する項目
    この項目は、イーサネットコネクタ(外部モニターに出力する端子)の状態を確認する項目です。この項目が不適
    の場合、本体モニタに表示される換気量等の仕様に関する情報を外部モニターで確認することは出来ませんが、
    本体のモニタにより上記仕様に関する情報が確認出来ますので、臨床使用における問題はないと考えます。
    
    なお、これまでに上記(1)〜(8)に係る不具合、及び健康被害発生の報告は受けておりません。
    
    
  11. 回収開始年月日

  12. 平成23年9月5日 (情報提供の開始日)
    
    
    
  13. 効能・効果又は用途等

  14. 本装置は器械的人工呼吸による補助が必要な患者を対象として継続的または間欠的に呼吸サポートを行う陽圧式
    の成人用及び小児用の人工呼吸器であり、呼吸障害や呼吸不全あるいは閉塞型睡眠時無呼吸の患者に医療施設、
    病院又は在宅で、鼻マスクや口鼻マスクなどの非侵襲的換気或いは気管切開などの侵襲的換気を目的として使用
    されます。
    
    
  15. その他

  16. 出荷先はすべて把握しておりますので、文書で連絡の上、回収を実施します。
    
    
  17. 担当者及び連絡先

  18. 担当者 : 草間 薫
    連絡先 : フィリップス・レスピロニクス合同会社
          宮原事業所 薬事・品質保証センター 市販後管理
    電話番号: 0120-633-881
    FAX番号 : 048-662-6592