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    平成20年 5月 2日作成
    平成20年 5月 7日訂正(*)
    

    医薬品回収の概要

    (クラスI)

  1. 一般名及び販売名

  2. 一般名: ヘパリンナトリウム
    販売名: (1)ヘパリンナトリウム注「フソー」 (日本薬局方ヘパリンナトリウム注射液)
         (2)ヘパリンNa透析用200単位/mLシリンジ20mL「フソー」
         (3)ヘパリンNa透析用250単位/mLシリンジ20mL「フソー」
    
    
  3. 対象ロット、数量及び出荷時期

  4. (1) ヘパリンナトリウム注「フソー」(日本薬局方ヘパリンナトリウム注射液): 計 150,620本
     (ア)10mLバイアル:08C13C(3,645ケース)2008/4/1〜出荷,08C25C(3,652ケース)2008/4/16〜出荷
     (イ)50mLバイアル:08C21N(1,676ケース)2008/4/10〜出荷,08C25N(1,689ケース)2008/4/10〜出荷 
     (ウ)100mLバイアル:08C14N(1,469ケース)2008/4/8〜出荷,08C24N(1,464ケース)2008/4/10〜出荷
                 08C26N(1,467ケース)2008/4/10〜出荷
     注)1ケースは10本含まれる。
    (2) ヘパリンNa透析用200単位/mLシリンジ20mL「フソー」: 計 96,300本
       80307A(398ケース)2008/4/1〜出荷,80308A(306ケース)2008/4/2〜出荷,
       80311A(398ケース)2008/4/8〜出荷,80312A(302ケース)2008/4/8〜出荷,
       80315A(399ケース)2008/4/11〜出荷,(*)80316A(303ケース)2008/4/12〜出荷,
       80403A(398ケース)2008/4/19〜出荷,80404A(304ケース)2008/4/22〜出荷,
       80407A(402ケース)2008/4/25〜出荷
     注)1ケースは30本含まれる。
    (3) ヘパリンNa透析用250単位/mLシリンジ20mL「フソー」: 計 119,610本
       80305A(401ケース)2008/4/1〜出荷,80306A(399ケース)2008/4/1〜出荷,
       80309A(398ケース)2008/4/3〜出荷,80310A(398ケース)2008/4/4〜出荷,
       80313A(399ケース)2008/4/9〜出荷,80314A(398ケース)2008/4/10〜出荷,
       80401A(400ケース)2008/4/16〜出荷,80402A(398ケース)2008/4/17〜出荷,
       80405A(397ケース)2008/4/23〜出荷,80406A(399ケース)2008/4/24〜出荷
     注)1ケースは30本含まれる。
    
    
  5. 製造販売業者等名称

  6. 製造販売業者の名称 : 扶桑薬品工業株式会社
    製造販売業者の所在地: 大阪府大阪市城東区森之宮二丁目3番11号
    許可の種類     : 第一種医薬品製造販売業
    許可番号      : 27A1X00039
    
    
  7. 回収理由

  8.  当該回収対象ロットの出荷にあたっては、製造に使用した原薬のヘパリンナトリウム(精製ヘパリン)につい
    て、米国FDAが公表した試験検査法により、1H-NMR(核磁気共鳴スペクトル測定法)及びCE(キャピラリー電気
    泳動法)を実施し、不純物の存在を示すピークが認められないと判断していました。その後、4月22日の平成2
    0年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の結果及び4月28日付け厚生労働省
    医薬食品局安全対策課監視指導・麻薬対策課事務連絡を踏まえ、改めて1H-NMRの検査結果について詳細に評
    価を行ったところ、原薬に不純物(高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸)が、微量(約0.2%)(注1)混入し
    ていることが確認されたため、回収することに致しました。 (注1:米国で副作用報告の急増が認められた製剤
    の原薬においては、5〜20%の不純物の混入が認められたとされています。)
    
    
  9. 危惧される具体的な健康被害

  10.  米国では、アレルギー反応等の副作用報告の急増が認められたヘパリンナトリウム製剤においては、原料に用
    いられた精製ヘパリンに不純物(高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸)の混入が認められたことが報告され
    ておりますが、当該回収対象ロットについては、出荷後、これまでのところ、納入先の医療機関において副作用
    報告の増加等は認められておらず、健康被害等の報告も受けておりません。なお、ショック、アナフィラキシー
    様症状等は、ヘパリンナトリウム製剤の副作用として、添付文書の使用上の注意に記載されています。
     米国における副作用は、主としてボーラス投与(注2)を受けた患者において報告されています。また、不純
    物(高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸)と副作用との関係は現在米国において基礎試験等により確認中で
    す。(注2:ボーラス投与:迅速な作用を期待して、静脈内に高用量の薬物を短い時間で投与する方法。5,000〜
    50,000単位のヘパリンを数分で投与する。)
     また、米国で副作用報告の急増が認められた製剤の原薬においては、5〜20%の不純物の混入が認められた
    とされていることと比べ、当該回収対象ロットの原薬(精製ヘパリン)における不純物の混入は微量(約0.2%)
    です。
    
    
  11. 回収開始年月日

  12. 平成20年5月2日
    
    
  13. 効能・効果又は用途等

  14. (1)ヘパリンナトリウム注「フソー」(日本薬局方ヘパリンナトリウム注射液)
          :a. 汎発性血管内血液凝固症候群の治療
    b. 血栓塞栓症(静脈血栓症,心筋硬塞症,肺塞栓症,脳塞栓症,四肢動脈血栓塞栓症,手術中・術後の血栓塞栓
    症等)の治療及び予防
                     c. 血液透析・人工心肺その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止
                     d. 血管カテーテル挿入時の血液凝固の防止
                     e. 輸血及び血液検査の際の血液凝固の防止
     (2)ヘパリンNa透析用200単位/mLシリンジ20mL「フソー」
          :血液透析その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止
     (3)ヘパリンNa透析用250単位/mLシリンジ20mL「フソー」
                   :血液透析その他の体外循環装置使用時の血液凝固の防止
    
    
  15. その他

  16.  すべての納入先は特定できておりますので、納品先施設に文書をもって通知の上、回収を行います。
    
     [3月8日より実施している自主回収対象品について]
     当社では、3月8日より、米国内において重篤なアレルギー反応等の副作用報告の急増が報告された海外他社
    製品と、使用する原薬の製造所が同一のヘパリンナトリウム製剤について、副作用報告の増加等は確認されてい
    ないものの、米国における副作用報告急増の原因等は明らかでない状況を踏まえ、予防的安全確保措置として、
    当社製品の自主回収(クラスII)を行っていたところです。
     しかし、3月8日より実施してきた自主回収対象品(クラスII)については、4月22日の平成20年度第1
    回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の結果及び4月28日付け厚生労働省医薬食品局
    安全対策課監視指導・麻薬対策課事務連絡を踏まえ、
    ・使用する原薬について、再度、詳細に評価した検査結果においても、不純物の混入が確認されなかったこと
    ・現在に至るまで、アレルギー等の副作用報告の増加は認められないこと
    ・原材料の品質管理を含め、適切な品質管理及び製造管理の下で製造業務が行われていること
    について、確認しております。 つきましては、今回の不純物が検出されたロットの自主回収(クラスI)に伴
    い、希望される医療機関等には、3月8日より実施している自主回収対象品(クラスII)を代替品として供給さ
    せていただきます。
     なお、3月8日より実施している自主回収(クラスII)については、別途、自主回収(クラスII)を中止する
    手続きを行い、今後、通常の供給を再開することを予定しております。
    
     また、代替品のヘパリンナトリウム製剤等の使用に当たっては、以下の点にご注意いただけますようお願い申
    し上げます。
    ア.ヘパリンナトリウム製剤等の添付文書の重大な副作用に記載されているショック等の副作用に十分注意の上
    使用することとし、使用中及び使用直後は、血圧低下や意識低下などのアナフィラキシー様症状の徴候が見られ
    ないか患者を慎重に観察すること。
    イ.米国の副作用報告の大部分は、高用量(5,000〜50,000単位)のボーラス投与(迅速な作用を期待して静脈内
    に高用量の薬物を短い時間で投与する方法)によるものとされていることから、ヘパリンナトリウム製剤等を使
    用する際は、投与量、投与速度について留意すること。
    
    
  17. 担当者及び連絡先

  18. 担当者 : 信頼性保証本部 品質保証部   松浦伸雄
          信頼性保証本部 安全管理統括部 原 伸哉
    連絡先 : 大阪府大阪市城東区森之宮二丁目3番11号
    電話番号: 06-6969-1131
    FAX番号 : 06-6969-3139