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2001年11月12日作成

医療用具回収の概要
(クラスII

 

1. 一般名及び販売名


一般名:酸素吸入器
販売名:DMR19.6MPa医療用酸素調整器

2. 対象ロット、数量及び出荷時期


製造番号:No.0107001〜0107500
出荷数量:500台
出荷時期:平成13年7月〜平成13年9月

3. 製造業者等名称


会社の名称  :株式会社田中製作所
会社の所在地 :埼玉県入間郡三芳町竹間沢11
許可の種類  :医療用具製造業許可
製造所の名称 :株式会社田中製作所制御機器事業部長野工場
製造所の所在地:長野県更埴市大字新田823番地
医療用具製造業許可番号:20BZ0149

4. 回収理由


 本品はボンベに詰められた医療用酸素の圧力を減圧し、ダイヤル式のつまみを回すことによって、医療用酸素を処方流量に調整するための流量調整器です。主に慢性呼吸不全で比較的症状の安定した患者が、在宅酸素療法中の外出時に、携帯用酸素ボンベに取り付け使用するものです。
 今回、使用を重ねるうちに、セットした流量より実際の流量が、保証された精度範囲(±10%)を超えて多く流れるものが、これまで1台見つかりました。
 この不具合品を調査した結果、本品に内蔵されている金属加工部に微細なバリが残っており、ダイヤル式つまみの回転を重ねることで、当該金属加工部に挿入されているゴム製O−リングがバリに接触し傷つけられ、その結果、ガスがシールできず、セット流量よりわずかに多く流れていることがわかりました。
 弊社の在庫部品を調査したところ、今回の不具合品と同様にバリが完全に除去されていないものが200ヶ中52ヶ見つかったことから、これまでの出荷品の中にもバリが残っている可能性があり、これまで出荷した全品を回収することにいたしました。

5. 危惧される具体的な健康被害


 セットした流量より実際の流量が多く出ることによって、予想以上にボンベが早く切れてしまうことが予想されますが、通常ボンベ(のバルブ)には圧力計が取り付けられており、これによって酸素の残量(残圧)をチェックすることができます。また、在宅酸素療法のサービス会社に連絡することにより、かわりに必要な酸素ボンベ・調整器等が供給されることになっているため、患者の健康被害が発生する可能性は低いと考えます。
 不具合品と同様のバリが残っている在庫品7台で、ダイヤル式つまみの回転耐久加速試験を実施後、流量試験を行ったところ、3台で流量設定ゼロでも酸素が流れている(平均0.311リットル/分)ことが確認されましたが、最高セット目盛である6リットル/分において実流量が最も大きいものでも6.847リットル/分であり、吸入気酸素濃度(FiO2)の上昇による健康被害が発生する可能性は低いと考えます。
 また、当該製品の外部への漏れはないため、引火等の危険性は低いと考えます。
 なお、現在までに、本不具合による健康被害発生の報告はありません。

6. 回収開始年月日


平成13年11月 5日

7. 効能・効果又は用途等


 主に在宅酸素療法中の外出時に携帯用酸素ボンベに取り付け、供給する酸素の量を調整します。

8. その他


 納入先はすべて特定されています。
 販売店に対し回収する旨の文書を送付し当該品の回収を実施します。
 なお、回収に当たり、良品と交換いたします。

9. 担当者名及び連絡先


連絡先   株式会社田中製作所 制御機器事業部 長野工場
      長野県更埴市新田823番地
担当者名  品質保証部 田野口 昇
電話番号   026−272−2700
FAX番号   026−272−3143