新旧制度の比較

(制度)
区分 新制度 旧制度
臨床研修
診療に従事しようとする医師は、2年以上、医学を履修する課程を置く大学に附属する病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を受けなければならない。
(医師法第16条の2)
医師は、免許を受けた後も、二年以上大学の医学部若しくは大学附置の研究所の附属施設である病院又は厚生労働大臣の指定する病院において、臨床研修を行うように努めるものとする。
(医師法第16条の2)
専念規定
臨床研修を受けている医師は、臨床研修に専念し、その資質の向上を図るように努めなければならない。
(医師法第16条の3)
 −
修了時の
手続等
厚生労働大臣は、第一六条の二第一項の規定による臨床研修を修了した者について、その申請により臨床研修を修了した旨を医籍に登録する。
厚生労働大臣は前項の登録をしたときは、臨床研修修了登録証を交付する。
(医師法第16条の4)
臨床研修を行う病院の長は、臨床研修を行った者があるときは、当該臨床研修を行った旨を厚生労働大臣に報告する。
(医師法第16条の3)
診療所の
開設
臨床研修修了医師でない者が診療所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事等の許可を受けなければならない。
(医療法第7条)
医師でない者が診療所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事等の許可を受けなければならない。
(医療法第7条)
病院等の
管理
病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修修了医師に、これを管理させなければならない。(医療法第10条)
病院又は診療所の開設者は、その病院又は診療所が医業をなすものである場合は医師に、これを管理させなければならない。
(医療法第10条)


(指定基準)
区分 新制度 旧制度
研修
プログラム
到達目標が達成できる研修プログラム
基本研修科目として内科、外科及び救急部門(麻酔科を含む。)、必修科目として小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療をそれぞれ少なくとも1月以上研修。
当初の12月は、基本研修科目の研修が望ましい。(内科は6月以上が望ましい。)
地域保健・医療については、へき地・離島診療所、中小病院・診療所、保健所、介護老人保健施設、社会福祉施設、日赤血液センター、各種検診・健診の実施施設等(臨床研修協力施設)の中から適宜選択して研修。
総合診療方式
 2年間の研修期間中に、内科系及び外科系の各々1診療科、小児科及び救急診療部門を研修。(1診療科の研修期間は、それぞれ原則2月以上。)
ローテイト方式
 2年間の研修期間中に、内科系及び外科系の各々1診療科、或いは、内科系又は外科系の1診療科かつ救急診療部門を研修。(1診療科の研修期間は、それぞれ原則2月以上。)
ストレート方式
 単一の診療科のみを研修する方式
研修目標、研修計画、指導体制及びその他必要な事項を定めた研修プログラムを有すること。
研修体制
単独型臨床研修病院  ┐
 ├
 ┘
(病院群)
管理型臨床研修病院
協力型臨床研修病院
臨床研修協力施設
臨床研修病院  ┐
 ├
 ┘
(研修施設群)
臨床研修病院(主)
臨床研修病院(従)
   
 ※ 従病院の数は2まで
研修期間
臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合は、臨床研修協力施設における研修期間を合計して3月以内。
臨床研修病院群においては、原則として研修期間全体の8月以上は、管理型臨床研修病院で研修を行う。
継続して2年間行うことを原則とし、各病院において診療科毎に立てられた「臨床研修運営計画」に基づき行われること。
医師数
医師が医療法上の定員を満たしていること。(研修医も参入して可)
当分の間は適用しない。
常勤医師が医療法上の定員を満たしていること。
診療科
原則として、内科、外科、小児科、産婦人科及び精神科の各科が標榜されている病院であって、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得するのに必要な症例や指導体制を有していること。
内科、精神科、小児科、外科、整形外科、皮膚科、ひ尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科及び放射線科の各診療科がそれぞれ独立して設置されていること。
病床数・
患者数
臨床研修を行うために必要な症例があること。ただし、共同して臨床研修を行う場合は当該病院と協力施設の症例を併せて必要な症例があること。
(病床数に関する規定なし)
一般病床300床以上、又は、年間入院患者数が3000人以上であり、かつ、病床数及び患者数が診療各科に適当に配分されていること。
救急医療
救急告示病院、初期・第二次・第三次救急医療機関(第三次でも初期を実施)であって、適切な指導体制の下に救急医療に係る十分な症例が確保できるものであること。
救急医療の研修が実施できること。
(宿日直)
宿日直における指導体制について、指導医又は上級医に相談できる体制が確保され、かつ、直ちに対応できる体制(オンコール体制)が確保されていること。
1年次生が行う場合には、原則として指導医又は上級医とともに、2人以上で行うものであること。
 
臨床病理
検討会
当該病院の受け持ち患者について剖検を行い得る体制にあること。
十分な経験を有する病理医の指導の下に剖検症例についての臨床病理検討会(CPC)が定期的に行われていること。
年間の剖検例が20体以上であり、剖検率が30%以上であること。又は、その他剖検に関する数値が相当数以上あること。
施設・設備
当該病院で行う臨床研修に必要な施設、図書及び雑誌が整備されていること。
必要な施設、図書、雑誌の整備が十分に行われていること。
病歴管理
病歴管理者が選任されており、診療に関する諸記録の管理が適正に行われていること。
病歴管理が十分に行われていること。
安全管理
体制
医療に関する安全管理のための体制を確保していること。
安全管理者を配置し、安全管理部門を設置すること。
患者からの相談に適切に応じる体制を確保すること。
 −
管理体制
研修プログラム及び研修医の管理、評価等を行う研修管理委員会を設置してること。
研修管理委員会の構成員には、当該臨床研修病院及び臨床研修協力施設以外に所属する医師、有識者等を含むこと。
研修プログラムの管理及び評価を行うため、臨床研修全体についての教育責任者及び委員会を置いていること。
指導体制 プログラム
責任者
プログラム毎に配置されていること。
受け持つ研修医の数は、20人を超えないこと。
原則として、概ね7年の臨床経験を有し、プライマリ・ケアを中心とした指導を行い得る十分な能力を有し、勤務体制上指導時間を十分に取れる者とすること。
プライマリ・ケアの指導方法に関する講習会を受講していることが望ましい。
 −
指導医
原則として、内科、外科、小児科、産婦人科及び精神科の各診療科に十分な指導力を有する常勤の指導医が配置されていること。
受け持つ研修医の数が原則5人までとなることが望ましいこと。
原則として、概ね7年の臨床経験を有し、プライマリ・ケアを中心とした指導を行い得る十分な能力を有し、勤務体制上指導時間を十分に取れる者とすること。
当分の間、指導医の経験年数については、5年以上とする。
プライマリ・ケアの指導方法に関する講習会を受講していることが望ましい。
各診療科毎に適当数の常勤医師及び十分な指導力を有する指導医が配置されていること。
10年以上の臨床経験を有し、十分な指導力と最近の2年間においても相応の業績発表を有するものであること。
特定科(精神科、皮膚科、ひ尿器科、眼科、耳鼻いんこう科、放射線科)については、5年以上の経験を有し、その他の経験・業績等から十分な指導力があると認められる者であること。
各専門学会が認定している認定医等の資格を有するものであること。
精神科の
診療要員
精神科の研修を行う施設においては、精神保健福祉士、作業療法士その他の診療要員を適当数配置していることが望ましい。
(臨床研修病院(精神病院)として別途指定)
受け入れ
研修医数
原則として、病床数を10で除した数又は年間入院患者を100で除した数を超えないこと。
当分の間、受け入れる研修医の数については、概ね、病床数を8で除した数を超えない範囲とする。
原則として、研修プログラム毎に複数の研修医を受け入れられる体制であること。
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募集採用
方法
原則として、公募による採用が行われていること。
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研修医の
処遇
研修医に対する適切な処遇を確保していること。
臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合には、当該病院及び臨床研修協力施設のそれぞれにおいて、適切な処遇が確保されていること。
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