目次
| 第1 | 予防接種の意義 |
| 第2 | 法律による予防接種 |
| 1 | 定期接種(一類) |
| 2 | 定期接種(二類) |
| 3 | 臨時接種 |
| 4 | 結核予防法 |
| 第3 | 任意の予防接種 |
| 第4 | 予防接種の実施 |
| 1 | 総論 |
| 2 | 予診について |
| 3 | 予診票の各項目の目的 |
| 4 | 一般的注意 |
| 5 | 予診票の紙色について |
| 第5 | ワクチンの特徴及び接種上の注意点 |
| 1 | ジフテリア・百日せき・破傷風混合(DPT)ワクチン |
| 2 | ジフテリア・破傷風混合(DT)トキソイド |
| 3 | ジフテリアトキソイド |
| 4 | 破傷風トキソイド |
| 5 | ポリオワクチン |
| 6 | 麻しんワクチン |
| 7 | 風しんワクチン |
| 8 | 日本脳炎ワクチン |
| 9 | BCG |
| 10 | インフルエンザワクチン |
| 11 | おたふくかぜワクチン |
| 12 | HBワクチン |
| 13 | 水痘ワクチン |
| 14 | 肺炎球菌ワクチン |
| 15 | A型肝炎ワクチン |
| 16 | 狂犬病ワクチン |
| 第6 | 予防接種の接種間隔 |
| 1 | 違う種類のワクチンを接種する場合の間隔 |
| 2 | 疾病罹患後の間隔 |
| 第7 | 予防接種不適当者及び予防接種要注意者 |
| 1 | 接種を受けることが適当でない者(接種不適当者) |
| 2 | 接種の判断を行うに際し,注意を要する者(接種要注意者) |
| 第8 | 副反応(健康被害)と対策 |
| 1 | 予防接種後の反応 |
| 2 | 副反応対策 |
| 参考1 | 疾病の概要と予防接種の効果 |
| 1 | ジフテリア |
| 2 | 百日せき |
| 3 | 破傷風 |
| 4 | ポリオ |
| 5 | 麻しん |
| 6 | 風しん |
| 7 | 日本脳炎 |
| 8 | 結核 |
| 参考2 | 予防接種後副反応報告書・報告基準 |
1 定期の予防接種(一類疾病)
| 対象疾病 (ワクチン) |
接種 | |||||||||||||
| 対象者 | 標準的な接種期間1) | 回数 | 間隔 | 接種 | 方法 | 備考 | ||||||||
| ジフテリア 百日せき 破傷風 |
沈降精製DPTチン2) |
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生後3月に達した時から生後12月に達するまでの期間 | 3回 | 3週間から8週間まで | 各0.5ml | 皮下3) |
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||||||
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I期初回接種(3回)終了後12月に達した時から生後18月に達するまでの期間 | 1回 | 0.5ml | |||||||||||
| DTトキソイド |
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11歳に達した時から12歳に達するまでの期間 | 1回 | 0.1ml | ||||||||||
| ポリオ | 生後3月から生後90月に至るまでの間にある者 | 生後3月に達した時から生後18月に達するまでの期間 | 2回 | 6週間 以上 |
各0.05ml | 経口 |
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|||||||
| 麻しん | 生後12月から生後90月に至るまでの間にある者 | 生後12月に達した時から生後15月に達するまでの期間 | 1回 | 0.5ml | 皮下 |
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||||||||
| 風しん | 生後12月から生後90月に至るまでの間にある者 | 生後12月に達した時から生後36月に達するまでの期間 | 1回 | 0.5ml | 皮下 |
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| 日本脳炎 |
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3歳に達した時から4歳に達するまでの期間 | 2回 | 1〜4週 | 0.5ml (3歳以 上) 0.25ml (3歳未 満) |
皮下 |
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|
4歳に達した時から5歳に達するまでの期間 | 1回 | ||||||||||||
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9歳に達した時から10歳に達するまでの期間 | 1回 | ||||||||||||
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14歳に達した時から15歳に達するまでの期間 | 1回 | ||||||||||||
| 1) | 標準的な接種期間とは,定期の予防接種実施要領(厚生労働省健康局長通知)の規定により,市町村に対する技術的助言として定められている。 |
| 2) | ジフテリア,百日せき,破傷風の予防接種の第1期は,原則として,沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンを使用する。 |
| 3) | DPT混合ワクチンの接種部位は上腕伸側で,かつ同一接種部位に反復して接種することはできるだけ避け,左右の腕を交代で接種する(ワクチンはアルミニウム塩に吸着されているので注射局所のアルミニウム塩の吸収が遅く,硬結が1〜2月も残存することがある。)。 |
| 4) | 生後12カ月未満の者が任意接種を受けた場合,母親からの移行免疫の影響で予防接種による免疫が付与されない可能性を考えて定期接種を行う。 |
| 5) | 接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は,本罪の効果が得られないおそれがあるので,3カ月以上過ぎるまで接種を延期すること。また,ガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は,本剤の効果等の治療において200mg/kg以上投与を受けた者は,6カ月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11カ月以上)過ぎるまで接種を延期すること。 |
| 対象疾病(ワクチン) | 接種 | ||||||
インフルエンザ |
対象者 | 回数 | 接種量 | 方法 | |||
|
毎年度1回 | 0.5ml | 皮下 | ||||
都道府県知事は,一類疾病及び二類疾病のうち痘そうのまん延予防上緊急の必要があると認めるときは,その対象者及びその期日又は期間を指定して,臨時に予防接種を行い,又は市町村に行うよう指示することができる。
4 結核予防法
| 種類 | 接種 | |||
| BCG | 定期 | 回数 | 接種量 | 方法 |
| 生後6月未満(地理的条件、交通事情、災害の発生その他特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、1歳未満)1) | 1回 | 規定のスポイトで滴下 | 経皮 | |
| 1) | 接種部位は,上腕外側のほぼ中央部とし、肩峰に近い部位はケロイド発生率が高いので避けなければならない。 |
| 種類 | 接種 | |||||||||
| 対象年齢 | 回数 | 間隔 | 接種量 | 方法 | 備考 | |||||
| インフルエンザ | 2類の対象者を除く全年齢 | 1回又は2回 | 1〜4週 (3〜4週が望ましい) |
1歳未満0.1ml 1〜5歳 0.2ml 6〜12歳0.3ml 13歳以上0.5ml |
皮下 | |||||
| おたふくかぜ | 1歳以上の未罹患者 | 1回 | 0.5ml | 皮下 |
|
|||||
| 水痘1) | 1歳以上の未罹患者 | 1回 | 0.5ml | 皮下 |
|
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| B型肝炎 | (1)HBe抗原陽性の母親から生まれたHBe抗原陰性の乳児 2) (2)ハイリスク者 医療従事者,腎透析を受けている者,海外長期滞在者など |
3回 3回 |
通常生後 2,3,5カ月 1カ月間隔2回,その後5〜6カ月後に1回 |
各0.25ml 各0.5ml (10歳未満の小児は0.25ml) |
皮下 皮下 |
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| 肺炎球菌 | (1)免疫正常者,高齢者,2歳以上の慢性心・肺・肝・腎疾患患者,糖尿病者 (2)2歳以上の免疫不全者 |
1回 | 各0.5ml | 皮下 |
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| A型肝炎 | 16歳以上 | 初回 2回 追加 1回 |
2〜4週 初回接種後6カ月〜2年 |
各0.5ml | 皮下 又は 筋肉 |
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| 狂犬病 | 全年齢 | 暴露 3回 暴露 6回 |
4週間間隔で2回 6〜12カ月後1回 1回目を0日として以降3,7,14,30,90日 |
各1.0ml 各1.0ml |
皮下 皮下 |
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| 1) | 接種対象は主として悪性腫瘍やネフローゼなどの免疫不全状態で,水痘が重症化するおそれのあるものが中心である。また,希望により健康児にも接種を行う。 |
| 2) | 母親がHBs抗原陽性の場合は,健康保険適応。 |
| 3) | 新生児に対する筋注の部位は,大腿前外側(上前腸骨棘と膝蓋骨を結ぶ線の中点付近で,これより内側<脛側>には片寄らない)に行う。(日本小児科学会誌 90:415,1986)。 |
| 4) | 接種前3カ月以内に輸血またはガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、本罪の効果が得られないおそれがあるので、3カ月以上過ぎるまで接種を延期すること。また、ガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、本剤の効果等の治療において200mg/kg以上投与を受けた者は、6カ月以上(麻しん感染の危険性が低い場合は11カ月以上)過ぎるまで接種を延期すること。 |
| (1) | 個別接種 予防接種は原則として,個別接種により実施することとする。 ポリオについては,地域内の接種がほぼ1月の期間内で完了すること。 個別接種を実施する医師は,予防接種の対象者が他の患者から感染を受けないように十分配慮しなければならない。 |
| (2) | 集団接種 やむを得ず集団接種で実施する場合には,個別接種の場合と同様に十分な予診を行えるよう,会場,担当医師数及び予診方法を設定する。また,接種を受ける対象者のプライバシーが守られるよう,カーテン,ついたて等で仕切りをするか個室を使用する。接種会場での執務者は医師2名(A,B),看護師、保健師等の補助者2名以上,事務従事者若干名で構成される。 医師Aを中心とするチームは予診票の確認,診察を実施し接種の可否を判定する。医師Bを中心とするチームは保護者の意思を確認の上,接種する。 この際,個々の予防接種が時間的余裕をもって行われるよう計画を作成すること。 |
2 予診について
予防接種を希望する者がその効果及び副反応並びに必要性を理解しているか,予防接種不適当者又は予防接種要注意者に該当しないか,当日の体調がよいか等判断するためには予診票の活用が不可欠である。
予診の際には,保護者又は本人が,あらかじめ配布した「予防接種と子どもの健康」や市町村が配布した予防接種の説明書を読んだか否か確認するとともに,予防接種後の通常起こり得る反応及びまれに生じる重い副反応並びに予防接種健康被害救済制度について十分に説明し,保護者又は本人が予防接種の効果及び副反応並びに必要性を理解し明示の同意があるかどうかを確認する。理解していない場合には,あらかじめ説明書を用意しておき接種施設で読んでもらい、又は医師が再度説明を行うなどし、予防接種について,保護者又は本人が理解したことを必ず確認すること。
問診事項は安全に当該予防接種が接種可能であるかを判定する重要な資料である。保護者の協力を得て十分に把握する。右側の医師記入欄には追加問診によって知り得た必要事項を記載する。
対象者の接種前診察(視診及び聴診)は全員に実施する。健康被害は大部分は不可避的に生ずるものであるため,これによってすべての健康被害の発生を予見できるものではないが,医師としては,予診を尽くし,最大限の努力をして,接種を受ける者の体調を確認することが求められる。
保護者の理解,問診及び診察において,問題点があれば,安全のためその日は接種を中止し,最良と思われるタイミングを発見するよう,保護者と医師で話し合い,接種機会の確保が図られるよう努力することが必要である。保護者又は本人の予防接種実施に関する明示の同意が無ければ,接種を行うことはできないので注意すること。
3 予診票の各項目の目的
予診票の各項目のチェック方法については以下のとおりであるが,詳細については,本ガイドラインの該当箇所を参照にされたい。
| (1) | 体温 体温は医療機関(施設)に設置した体温計で測定し,37.5℃(腋窩温又はこれに相当するもの)以上を指す者は明らかな発熱者として接種を見合わせる。 |
| (2) | 説明書の事前確認 保護者が当日受ける予防接種の効果及び副反応並びに必要性を理解しているかを確認するためのものである。「はい」の場合でも内容の理解ができているかを確認していただきたい。「いいえ」の場合には,接種施設内で読んでいただくこと。 |
| (3) | 発育歴 未熟児としての出生,分娩異常による障害発生の可能性,その後の発育状態について健診での指摘があるかどうかを知るものである。紛れ込み事故を最小限にくいとめるためにも「あった」又は「ある」の場合には,その内容を聞き参考にする。 |
| (4) | 今日の体の具合 どのように具合が悪いかを記入する。病気の種類により,医師の判断で接種を見合わせるか否かを判断する。 |
| (5) | 最近1カ月以内の病気 小児期は麻しん,風しん,水痘,おたふくかぜ等の急性疾患にかかりやすく免疫学的に回復不十分であることも考えられる。罹患した疾病の種類によって,免疫能の低下や続発疾患の可能性が考えられる場合には治癒後2〜4週間を一応の目安として間隔をあける(第6 予防接種の接種間隔,2 疾病罹患後の間隔 を参照)。 |
| (6) | 家族や遊び仲間の病気 身近な人から感染し潜伏期間にあるかどうかを調査し,ワクチンの副反応と誤らないようにするためのもので,疾病の種類によって接種時期を設定する。 |
| (7) | 1カ月以内の予防接種 予防接種の種類を確認し,以前に受けた予防接種が生ワクチンであった場合には27日以上,不活化ワクチン又はトキソイドの場合には6日以上の間隔をあける。 |
| (8) | 生まれてから今までにかかった病気 病気の種類を知り,接種についての対応を決めるものである。継続して治療を受けている場合には,原則としてその疾患の主治医から当該予防接種の実施に対する意見書又は診断書をもらってくるように指導する必要がある。病状が安定しており,主治医が接種可能と判断していれば,接種医の判断で接種を行う。病気の内容によっては予防接種に関する専門医又は予防接種センターを紹介する。 BCGについては、今までに結核にかかったことがあるか確認する。結核既感染者は予防接種不適当者であるため、BCG接種を行わない。 |
| (9) | 結核患者との接触歴(BCG接種の場合) 生後、家族や親族等に結核患者が発生し、その患者には本人が接触した場合には、結核既感染の可能性があるので慎重に対応する。まず、患者発生に際して健診を受けたか否かを尋ねる。それに対して「受診し、異常がなかった」と申告した者には接種が可能である。「受診していない」と申告した者については、市町村は適切な医療機関で精密検査を受けるよう指導する、精密検査を受け、かつその結果異常がない場合に限って、次の機会にBCG接種を受けることができる。 |
| (10) | ひきつけ(けいれん) けいれんの原因診断がついている場合には,上記(8)と同様にその疾患の主治医と相談のうえ,予防接種の実施について検討する。 |
| (11) | 薬や食品による蕁麻疹や体調の変化 ワクチンに含まれる成分と関係ないものは心配ない。「はい」の場合には医師記入欄に具体的内容を記載する。 |
| (12) | 子どもの先天性免疫不全 免疫不全は生ワクチンによる副反応発症のおそれがあり,また遺伝性の場合も少なくないので,本人及び近親者につき,過去の指摘の有無を記載させる。 |
| (13) | 予防接種による副反応 以前に予防接種による副反応の既往があれば,ワクチン名を知ることにより添加物を含め実施しようとするワクチンとの共通性のチェックも必要である。 |
| (14) | 家族に予防接種を受けて具合の悪くなった者がいるか 体質が似ていることが多いので,その状況を知り注意する。 |
| (15) | 過去の輸血,ガンマグロブリンの投与(第2 法律による予防接種,1 定期接種(1)の表の脚注5)を参照) 過去の輸血又はガンマグロブリンの投与等は,ポリオとBCGを除く生ワクチンの効果を減衰させる可能性があるため,注意を要する。 |
| (16) | 医師記入欄 医師は予診票をチェックし,必要に応じて追加質問し,さらに診療した上で,接種の可否に関する診断をし,保護者に説明する。サインは医師の直筆で行う。ゴム印等で記名した場合は医師の押印を行う。 |
| (17) | 使用ワクチン名、接種量、実施場所等の欄 万一副反応が出た場合等に備え,ワクチン名とロットNo.(これでワクチンメーカー名は確認できる。)を明らかにする。接種量は年齢や問診の結果で変更されることがあるので記入する。実施場所,医師名等の欄はゴム印でよい。 |
4 一般的注意
| (1) | 不活化ワクチン接種後1週間,生ワクチン接種後4週間は副反応の出現に注意し,観察しておく必要がある |
| (2) | 予防接種当日の入浴は差し支えない。 生活環境の整備によって,入浴時に接種部位又は全身性の感染を受ける可能性は極めて低くなっており,即時型アレルギーが予想される注射後1時間を経過すれば,入浴は差し支えないと考えられる。また,BCGについても接種後は十分乾燥させ,1時間以上経過すれば,菌の生着に問題はない。 むしろ,生ワクチンの場合は接種後8〜12日前後に生ずる発熱等の副反応が発生した時に避けるべきである。 |
| (3) | 過激な運動,深酒は,それ自体で体調の変化をきたす恐れがあるので,ワクチン接種後24時間及び生ワクチンによる副反応が出現した時は治癒するまで避けるべきである。 |
| (4) | 予防接種の接種季節に関する規定については,廃止されているがこれは,病気の流行の地域差と各地域の感染症サーベイランスのデータを活用して適切な時期に予防接種を行える配慮がなされたものである。 各地域の気温,病気の流行状況をみて,副反応と区別をすることが紛らわしい疾患(例えば無菌性髄膜炎)の流行がある時には,季節に関係なく見合わせたり,必要に応じて注意を喚起し,主治医(接種医)の裁量により接種を検討すべきである。 |
| (5) | 抜歯,扁摘手術,ヘルニア手術等,緊急性のない場合には,予防接種後1カ月間は,紛れ込み事故を考慮に入れ,原則として避けることが望ましい。しかし,緊急性の高い手術,周囲に流行する病気の状況によっては必ずしもこの限りではない。 |
5 予診票の紙色について
WHOが推奨するワクチンのラベル色と統一し,予診票の紙色については,以下のようにする。(なお,ポリオ,風しん及び日本脳炎についてWHOは特に規定していない)
| (1) | BCG 青色 | (5) | ポリオ 白色 | (9) | インフルエンザ 水色 |
| (2) | DPT 黄色 | (6) | 麻しん オレンジ色 | ||
| (3) | DT 若草色 | (7) | 風しん 桃色 | ||
| (4) | 破傷風 緑色 | (8) | 日本脳炎 藤色 |
| (1) | 特徴 ジフテリア菌及び破傷風菌の産生する毒素を精製無毒化したジフテリアトキソイド及び破傷風トキソイドを含む液と,百日せき菌から分離・精製した感染防御抗原を含む液にアルミニウム塩を加え,不溶化した不活化ワクチンである。 |
| (2) | 接種上の注意点 第1期初回接種を確実に行い,基礎免疫を作っておくことが大切である。スケジュールどおり受けていない場合でも,はじめからやり直すことはせず,規定の回数を超えないように接種する。例えば,第1期初回接種の1回目と2回目の間隔が8週間を超えた場合でも,2回目と3回目を3〜8週間隔で接種すれば,第1期初回接種を終了したものと考えてよい。第1期追加接種は,第1期初回接種後12〜18月の間に行うことが望ましいが,18月以上経過した場合には,速やかに追加接種を行うことが望ましい。 なお,感染症サーベイランスのデータでは,2歳未満の百日せき患者が約半数を占めているので,DPTワクチンの接種はなるべく早期に実施することが望ましい。DPTワクチンの第1期初回接種を行う時は,接種部位を左右交互に行い,また,なるべく皮下深く接種することが局所の硬結を予防する上でも大切である。 |
| (1) | 特徴 ジフテリアトキソイド及び破傷風トキソイドを混合した不活化ワクチンである。百日せき既罹患者及び第2期の定期接種に使用する。沈降DTトキソイドと液状DTトキソイドの2種があるが,現在市販されているものは沈降DTのみである。どちらの場合にも0.1mlを皮下注射する。 例外的に第1期接種にDTトキソイドを使用する場合は,沈降DTを4〜6週間隔で各々0.5mlずつ2回皮下注射するのが一般的である。 |
| (2) | 接種上の注意点 第1期の基礎免疫が不十分な場合は,専門医又は予防接種センターに相談する。 |
| (1) | 特徴 ジフテリアトキソイドを含むワクチンである。成人用には,高度に精製したトキソイドにアルミニウム塩を加えた成人型沈降ジフテリアトキソイドがある。 |
| (1) | 特徴 破傷風トキソイドを含むワクチンである。沈降破傷風トキソイドの基礎免疫(3〜8週間隔で各々0.5mlずつ2回皮下接種する。6〜18カ月後にさらに1回0.5ml接種)が行われていれば,その後の外傷時に追加接種(0.5ml)を行うと十分な免疫効果が得られる。 |
| (1) | 特徴 ポリオウイルスには,I型,II型,III型の3種類があり,この3種類の弱毒ウイルスを,適切な比率で混合した生ワクチンである。経口服用する。1回の服用では3種のウイルスが必ずしも同じように増殖するとは限らないので,2回の服用が行われることになっており,2回目の服用では1回目の服用で増殖せず免疫の成立しなかった型のウイルスのみが増殖し免疫を獲得する。なお,ポリオは腸管内増殖をするので,他の目的でガンマグロブリンの注射を受けた直後でも,免疫の成立に支障はない。 |
| (2) | 接種上の注意点 6週間以上の間隔をあけ2回投与するが,2回の間隔が長期間離れていても2回服用していれば,免疫の獲得には特に差異はない。ポリオワクチンは免疫獲得を十分に行うため,2回の服用を厳守する。 投与されたウイルスは腸管の中で増殖し,数週間にわたって大便中に排泄され,まわりの人に感染する可能性がある。このため,原則として個別接種により行うこととし,この場合においては,地域内の接種を1月の期間内で完了すること。 下痢症患者に対しては投与をせず,下痢が治癒してからのち投与する。投与直後(30分以内)に嘔吐等によりワクチンを吐き出したと思われる場合には,再投与する。 生ポリオワクチンは室温で融解後よく振って混和させ,融解後速やかに使用する。なお,ポリオワクチンの接種者からポリオワクチンの接種を受けていない等のポリオの抗体を保有してない者に2次感染を起こすことがあるので,保護者に注意を呼びかけるとともに,被害救済事業について情報提供すること。 |
| (1) | 特徴 弱毒化した麻しんウイルスを凍結乾燥した生ワクチンであり,添付の溶解液(局方蒸留水)で溶解し使用する。高温や紫外線に弱い生ワクチン株を使用しているので保管に注意する(5℃以下の冷蔵庫又は冷凍庫に保管)。 |
| (2) | 接種上の注意点 潜伏期に接種してしまった場合には,野生株による発症がみられる場合があるが,ワクチンのために重症化することはない。 ガンマグロブリンの注射を受けた者は 第2 法律による予防接種,1 定期接種(1)の表の脚注5)を参照する。自然麻しん患者と接触した者はその後72時間以内に麻しんワクチン接種を行えば,発症を阻止できる可能性がある。 |
| (1) | 特徴 弱毒化した風しんウイルスを凍結乾燥した生ワクチンであり,添付の溶解液(局方蒸留水)で溶解し使用する。高温や紫外線に弱い生ワクチン株を使用しているので,保管に注意する(5℃以下の冷蔵庫又は冷凍庫に保管)。 |
| (2) | 接種上の注意点 風しんの既往の記憶はあてにならないことが多く,流行時に罹患した人以外はワクチン接種をすることが望ましい。抗体陽性の人にワクチン接種をしたとしても特別な副反応は起こらず,抗体価の低い人においては追加免疫効果がある。 妊娠の可能性のある年代の女性に接種する場合は,胎児への感染を防止するため妊娠していないことを確かめ,ワクチン接種後最低2カ月間の避妊が必要である。ガンマグロブリン投与後のワクチン接種に関しては 第2 法律による予防接種,1 定期接種(1)の表の脚注5)を参照する。 |
| (1) | 特徴 日本脳炎ウイルス(北京株)をマウス脳内に接種し,増殖したウイルスを精製し,ホルマリンで不活化した後,更に精製したワクチンである。 | ||||||
| (2) | 接種上の注意点 初めて受けるときは,基礎免疫(初回接種は1〜4週間隔で2回,概ね1年後に1回)をつけることが重要である。追加免疫を4〜5年間隔で行う。 日本脳炎の第1期(基礎免疫)が規定どおり接種できなかった場合は以下の要領により接種を行う。
|
| (1) | 特徴 牛型結核菌を継代培養して弱毒化した菌で,開発者の名をとり,カルメット・ゲラン菌(BCG)と呼んでいる。これを凍結乾燥させた生ワクチンで,添付の溶解液(局方生理食塩液)を用いて溶解し,管針法にて接種する。菌の不活性化を防ぐため光の直射を避け早く使用する。 |
| (2) | 接種上の注意点 BCG接種は上腕外側のほぼ中央部に接種する。中央部より肩峰に近い部位はケロイド発生率が高いので避けなければならない。接種部位を酒精綿で拭き,アルコールが蒸発乾燥した後にワクチンを滴下する。ワクチンを幅1.5cm,長さ3cm程度に管針のツバ又は円筒外側面で延ばした後,管針を垂直に上腕骨に向かって強く押し,2押し目は1押し目の管針筒の輪状痕に接するように押す。接種後,皮膚面のワクチンを管針の横又はツバで2〜3回なすりつける。数個の針痕からは軽い出血が見られるのが普通である。局所は自然に乾燥するまで待つ。直射日光は避けなければならない。 予診で結核罹患歴・化学予防歴のあることが判明した者には、接種を行わない。患者との接触歴がある者については、感染していないことが確認された場合にのみ接種を行うことができる(12頁(9),(10)参照)。また接種後10日までに接種部位に明らかな発赤・腫脹、針痕部位の化膿など(コッホ現象)が見られた場合には結核に感染している可能性が高いので、すみやかに接種医療機関で精密検査を受けるよう、指導する必要がある。 |
| (1) | 特徴 インフルエンザHAワクチンは,高度に精製されたウイルス粒子にエーテルを加えてウイルス粒子を分解し,HA成分を採取し,ホルマリンで不活化したワクチンである。インフルエンザワクチンに含まれるウイルス株はインフルエンザの流行状況を考え毎年決定される。 |
| (2) | 接種上の注意点 インフルエンザウイルスの増殖にはふ化鶏卵を用いるので,卵アレルギーが明確なもの(食べるとひどい蕁麻疹,発しんが出たり,口腔内がしびれる者)に対しての接種には注意が必要である。鶏卵,鶏肉にアナフィラキシーがあるものは,接種を受けることができない。 なお、予防接種法によるインフルエンザ予防接種を行う場合には、別途「インフルエンザ予防接種ガイドライン」を参照すること。 |
| (1) | 特徴 ムンプスウイルスを弱毒化したあと凍結乾燥した生ワクチンであり,添付の溶解液(局方蒸留水)で溶解後使用する。高温に弱い生ワクチン株を使用しているので保管に注意する(5℃以下の冷蔵庫又は冷凍庫)。 |
| (2) | 接種上の注意点 おたふくかぜ流行中の接種は差し支えない。おたふくかぜワクチンにより時に無菌性髄膜炎を発症することがあるが,自然のおたふくかぜに罹患した場合に比較して頻度は少ない。ガンマグロブリン投与後のワクチン接種に関しては 第2 法律による予防接種,1 定期接種(1)の表の脚注5)を参照する。 |
| (1) | 特徴 組換えDNA技術を応用して産生されたB型肝炎ワクチンである。 |
| (2) | 接種上の注意点 母子感染の防止あるいは医療従事者等のハイリスク者の感染防止を目的に使用する。ワクチン接種後,HBs抗体の測定により免疫を獲得したことを確認しておくことが望ましい。人により免疫反応が低いもの(low responder)や抗体反応をみないもの(non responder)が存在する。必要に応じ追加接種をする。母親がHBs抗原陽性の場合は,健康保険適応となっている。 |
| (1) | 特徴 弱毒化した水痘帯状疱疹ウイルスを凍結乾燥した生ワクチンであり,添付の溶解液(局方蒸留水)で溶解し使用する。高温や紫外線に弱い生ワクチン株を使用しているため,保管に注意する(5℃以下の冷蔵庫または冷凍庫)。自然水痘に罹患すると重篤化しやすい人を主たる対象として開発されてきたワクチンであるが,健康児への接種も差し支えない。 |
| (2) | 接種上の注意点 自然水痘罹患者と接触後3日以内にワクチン接種を行えば予防は可能であり,もし発症したとしても軽症で終わることが多い。接種を受けた者のうち,12〜15%は,後に水痘罹患をみることがあるが症状は軽い。ガンマグロブリン投与後のワクチン接種に関しては,4頁脚注5)を参照する。 |
| (1) | 特徴 80種類以上ある肺炎球菌の中で感染する頻度の高い23種類の肺炎球菌を型別に培養し,殺菌後各々の型から抽出精製された莢(きょう)膜多糖体(ポリサッカライド)を混合したワクチンである。 莢(きょう)膜多糖体とキャリアー蛋白とを結合させた結合型肺炎球菌ワクチンではない。 |
| (2) | 接種上の注意点 23種類の肺炎球菌は高齢者の肺炎球菌感染症の80%を占めており,1回の接種で接種された型による肺炎球菌感染症を5年以上予防する効果が期待できる。ペニシリン耐性肺炎球菌感染に対しても予防効果がある(2歳未満の者に接種しても期待する抗体反応は得られにくい)。 |
| (1) | 特徴 A型肝炎ウイルス(KRM003株)を培養細胞(GL37)で増殖させ,それを精製,不活化,凍結乾燥したワクチンである。アジュバントやチメロサールは含まない。 |
| (2) | 接種上の注意点 急速な免疫獲得を期待する場合は,初回接種として2週間間隔で2回接種する。長期間の免疫維持を期待する場合は,初回接種後6ヵ月以降で追加接種を行う。通常十分な抗体上昇が得られるので,接種後の抗体検査は不要である。 |
| (1) | 特徴 狂犬病ウイルスを凍結乾燥した不活化ワクチンで,添付の溶解液(局方注射用水)で溶解し使用する。チメロサールなどの防腐剤が含まれていないため,溶解後直ちに使用し,残液を保存して再使用してはならない。 |
| (2) | 接種上の注意点 暴露前免疫は,1回量1.0mlを4週間間隔で2回皮下接種し,さらに6〜12カ月後1.0ml追加する。暴露後免疫は,1回量1.0ml,0日を第1回目として,以後3日,7日,14日,30日及び90日の計6回皮下接種する。 子どもの場合にもおとなと同量接種する。 以前に暴露後免疫を受けた者は,6カ月以内の再咬傷の場合はワクチン接種の必要はない。暴露前免疫を受けた後6カ月以上たって咬傷を受けた人は,初めて咬まれた場合と同様に接種を行う。 ブタ皮膚由来のゼラチンを含むため,ゼラチン含有製剤またはゼラチン含有食品に対して,ショック,アナフィラキシー様症状(蕁麻疹,呼吸困難,口唇浮腫,喉頭浮腫など)等の過敏症の既往歴のあるものは,接種要注意者に該当する。 |
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生ワクチン ポリオ,麻しん,風しん,BCG,おたふくかぜ,水痘 |
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不活化ワクチン 生ワクチン |
(生ワクチンを接種した日から、次の接種を行う日までの間隔は27日間以上置く。)
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不活化ワクチン DPT,DT,ジフテリア,破傷風,日本脳炎,インフルエンザ,B型肝炎,肺炎球菌,A型肝炎,狂犬病 |
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不活化ワクチン 生ワクチン |
(不活化ワクチンを接種した日から、次の接種を行う日までの間隔は6日間以上置く。)
2 疾病罹患後の間隔
麻しん,風しん,水痘及びおたふくかぜ等に罹患した場合には,全身状態の改善を待って接種する。標準的には,個体の免疫状態の回復を考え麻しんに関しては治癒後4週間程度,その他(風しん,水痘及びおたふくかぜ等)の疾病については治癒後2〜4週間程度の間隔をあけて接種する。その他のウイルス性疾患(突発性発疹,手足口病,伝染性紅斑など)に関しては,治癒後1〜2週間の間隔をあけて接種する。しかし,いずれの場合も一般状態を主治医が判断し,対象疾病に対する予防接種のその時点での重要性を考慮し決定する。また,これらの疾患の患者と接触し,潜伏期間内にあることが明らかな場合には,患児の状況を考慮して接種を決める。
1 予防接種を受けることが適当でない者(予防接種不適当者)
| (1) | 予防接種実施規則第6条に規定する接種不適当者は以下のとおり。 |
| (1) | 明らかな発熱を呈している者 |
| (2) | 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者 |
| (3) | 当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によって,アナフィラキシーを呈したことが明らかな者 |
| (4) | 急性灰白髄炎(ポリオ),麻しん及び風しんに係る予防接種の対象者にあっては,妊娠していることが明らかな者 |
| (5) | その他,予防接種を行うことが不適当な状態にある者 |
なお、個々のワクチンに関するものは、表2、表3を参照のこと
(2) 各項目の考え方
| (1) | 明らかな発熱を呈している者 明らかな発熱とは,通常37.5℃以上を指す。検温は,接種を行う医療機関(施設)で行い,接種前の対象者の健康状態を把握することが必要である。 |
| (2) | 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者 重篤な急性疾患に罹患している場合には,病気の進行状況が不明であり,このような状態において予防接種を行うことはできない。接種を受けることができない者は,「重篤な」急性疾患にかかっている者であるので,急性疾患であっても,軽症と判断できる場合には接種を行うことができる。 |
| (3) | 当該疾病に係る予防接種の接種液の成分によって,アナフィラキシーを呈したことが明らかな者 百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン,ジフテリア破傷風混合ワクチン,ポリオワクチン,日本脳炎ワクチン等,繰り返し接種を予定している予防接種により,アナフィラキシーを呈した場合には,同じワクチンの接種を行わない。また,鶏卵,鶏肉,カナマイシン,エリスロマイシン,ゼラチン等でアナフィラキシーショックを起こした既往歴のある者は,これを含有するワクチンの接種は行わない(ワクチン使用説明書参照)。 この規定は,予防接種の接種液の成分により,アナフィラキシーを呈した場合には,接種を行ってはならないことを規定したものである。一般的なアレルギーについては,予防接種要注意者の項を参考にされたい。 |
| (4) | 急性灰白髄炎(ポリオ),麻しん及び風しんに係る予防接種の対象者にあっては,妊娠していることが明らかな者 一般に生ワクチンは,胎児への影響を考慮して,全妊娠期間を通じて接種は行わない。風しんでは接種後2カ月間は避妊が求められている。麻しん及び風しんでは,接種を受けた者から周囲の感受性者にワクチンウイルスが感染することはないと考えられるので,妊婦のいる家庭の小児に接種しても心配はない。 なお,不活化ワクチン,トキソイドの接種が胎児に影響を与える確証はないため,これらは予防接種を受けることが適当でない者の範囲には含められていない。 |
| (5) | その他,予防接種を行うことが不適当な状態にある者 (1)〜(4)までに掲げる者以外の予防接種を行うことが不適当な状態にある者について,個別ケース毎に接種医により判断されることとなる。 |
| (1) | 予防接種要注意者は以下のとおり(個々のワクチンに関するものは表2、表3を参照のこと) |
| (1) | 心臓血管系疾患,腎臓疾患,肝臓疾患,血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有することが明らかな者 |
| (2) | 前回の予防接種で2日以内に発熱のみられた者,又は全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者 |
| (3) | 過去にけいれんの既往のある者 |
| (4) | 過去に免疫不全の診断がなされている者 |
| (5) | 接種しようとする接種液の成分に対して,アレルギーを呈する恐れのある者 |
| (6) | BCGについては,過去に結核患者との長期の接触がある者その他の結核感染の疑いのある者 |
以下は行政として接種を勧奨しているものではなく、情報提供である。
| (1) | 心臓血管系,腎臓疾患,肝臓疾患,血液疾患及び発育障害等の基礎疾患を有することが明らかな者
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| (2) | 前回の予防接種で2日以内に発熱のみられた者,又は全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者 このような場合には,再接種後に再度症状が現れることがあるため,注意を要する。軽度の発熱の場合には,接種を行うことができるが,高熱や全身性発疹の場合には,対象者の年齢,疾病の流行状況等を勘案して,接種の可否を決める。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| (3) | 過去にけいれんの既往のある者
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| ワクチン | 予防接種不適当者 | 予防接種要注意者 | 接種可能 | ||||||||||
| すべてのワクチン (DPT,DT,ポリオ,麻しん,風しん,日本脳炎,BCG,インフルエンザ,おたふくかぜ,水痘,B型肝炎,肺炎球菌,A型肝炎,狂犬病) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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(1)〜(5)のほか,下痢患者 | (1)〜(5) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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| ・BCG | (1)〜(5)のほか,外傷などによるケロイドの認められる者及び結核の既往のある者 | (1)〜(5) (6) |
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| ワクチン | 予防接種不適当者 | 予防接種要注意者 | 接種可能 | ||||||
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5)のほか,明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制をきたす治療を受けている者 |
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(1)〜(5) | (1)〜(5)のほか,妊娠又は妊娠している可能性のある婦人 |
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(1)〜(5)のほか,既接種者及び2歳未満の者 | (1)〜(5)のほか,妊娠又は妊娠している可能性のある婦人 |
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(1)〜(5) | (1)〜(5) |
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(1)〜(5) | (1)〜(5)のほか,ゼラチン含有製剤又はゼラチン含有食品に対してショック,アナフィラキシー様症状(蕁麻疹,呼吸困難,口唇浮腫など)などの過敏症の既往歴のある者 |
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| (4) | 過去に免疫不全の診断がなされている者 日本小児感染症学会の見解(平成15年5月)による予防接種基準は以下のとおりとされている。
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| (5) | 接種しようとする接種液の成分に対して,アレルギーを呈するおそれのある者 日本小児アレルギー学会の見解(平成15年5月)による予防接種基準は以下のとおりとされている。 気管支喘息,アトピー性皮膚炎,アレルギー性鼻炎,蕁麻疹,アレルギー体質などといわれているだけでは,予防接種不適当者にはならない。 ワクチン成分に対してアレルギーを有すると考えられる者(卵白RAST陽性,又は卵摂取後の蕁麻疹の既往など)が予防接種要注意者に該当する。ワクチン成分でアレルギーと関連した報告があるのは,卵関連成分,ゼラチン,チメロサール及び抗生物質である。同じワクチンでもメーカーにより成分が異なるため,必ずワクチン添付文書でその内容を確認する。 現行の麻しん及びおたふくかぜワクチンは,ニワトリ胎児線維芽細胞を用いた組織培養由来で,卵白と交差反応を示す蛋白は,ほとんど含まれていない。このため,米国では,重度の卵アレルギーを有する小児でも,麻しん及びおたふくかぜワクチン(MMRワクチンを含む。)接種児にアナフィラキシー反応のリスクは低く,事前の皮膚テストなしに接種できるとしている(Report of the Committee on Infectious Disease,American Academy of Pediatrics:Red Book 2000)。 わが国では,1994年以降,生ワクチン接種後のアナフィラキシー反応が急増した。その原因が安定剤として添加されていたゼラチンの増量であることが解明され,ワクチンからゼラチンが除去された。その結果,生ワクチン接種後のアナフィラキシー反応は,ほとんど報告されなくなり,卵アレルギー児でも安全に接種できている。ただ,卵摂取後のアナフィラキシーの既往のある児で接種医が接種後のアナフィラキシー反応を懸念している場合,事前に接種ワクチンによる皮膚テストを行う方法以外に,現状では即時型副反応を予測できる有用な方法は見当たらない。いくつか行われている皮膚テストの一つの方法を以下の図1に示す。 現行のインフルエンザワクチン及び黄熱ワクチンは,微量ではあるが卵蛋白が含まれている。このため,重度の卵白アレルギー児(RASTスコア5〜6,卵摂取後のアナフィラキシーなど)では,事前に接種ワクチンによる皮膚テストを行うことが推奨されている。卵に対する軽度または局所的なアレルギー反応のみの場合は,皮膚テストは必ずしも必要ではない。 |
| (BCGワクチンには適用しない) | |
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判定基準 陰性:膨疹8mm以下 発赤19mm以下又は膨疹,発赤が対照と変わらない 陽性:膨疹9mm〜14mm 発赤20〜39mm 強陽性:膨疹15mm以上 発赤40mm以上 | |
| 厚生労働省予防接種研究班(ハイリスク児) 日本小児アレルギー学会誌17:103-114,2003 |
(1) ワクチンによる副反応
| ア | 不活化ワクチンによる場合 局所反応として注射部位の発赤,硬結,疼痛等がみられる。全身反応としては,アナフィラキシーショック,蕁麻疹等のアレルギー反応,発熱及びそれに伴う熱性けいれん,脳症等があげられる。不活化ワクチンによる全身反応は注射直後から24時間以内,おそくとも48時間以内に発現する。 |
| イ | 生ワクチンによる場合 接種後24時間以内に発熱等が起きることは極めてまれである。副反応としては,弱毒したウイルスによる感染症状を呈する。例えば麻しんワクチンによる発熱又は麻しん様発しんを認めたり,ポリオワクチンによる脊髄前角症状を呈する場合である。 |
| (2) | 他の病気との関係 予防接種後に,ある疾患が偶然発見されたり,発病することがある。このような偶発的な疾患は,予防接種そのものによる副反応との鑑別が困難なことが多いが,鑑別を効果的に行うためには,接種時に接種を受ける者の状態を,予診票を利用し,さらに,問診又は診察によって確認しておくことが大切である。 |
(3) 各ワクチンによる副反応
| ア | 沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン DPTワクチン接種後の副反応は,局所の反応が最も多い。初回接種1回目では接種後7日目までに約14.0%,その後接種回数を増すと局所反応は増加し,追加接種後7日までに約41.5%に発赤・腫脹,硬結の局所反応が見られる。局所反応は数日で自然に治まるが,硬結は縮小しながらも数カ月持続することがある。肘を越えて腕全体が腫脹することは,副反応報告書に基づけば年間約90例見られる。接種後の37.5℃以上38.5℃未満の発熱は,接種後1〜2日目に発現のピークがあり,発現率は接種当日が0.2〜0.3%,1日目0.6〜1.7%,2日目0.4〜0.5%であった。同様に,38.5℃以上の発熱も接種後1〜2日目に発現のピークがあり,発現率は接種当日が0.2〜0.3%,1日目0.5〜0.9%,2日目0.6〜0.7%であった(予防接種後健康状況調査集計報告書平成8〜13年累計。以下「健康状況調査報告」という)。 |
| イ | ポリオワクチン 450万人に接種して1人の頻度で,接種から4〜35日(平均15日)に,弛緩性麻痺(vaccine associated paralytic polio:VAPP)を生じる。また,排泄されたワクチンウイルスの感染によって発症したポリオ(contact case)の存在も知られ,その割合は約550万人に1人である(ワクチン最前線pp.113〜126,1989)。また,原因不明であるが,ポリオワクチン接種後2日以内に4〜5%のものに下痢がみられる(健康状況調査報告)。 |
| ウ | 麻しんワクチン 現行のワクチンの中では発熱率の比較的高いワクチンである。ウイルスが体内で増殖する期間の後(接種後5〜14日後)に5.3%に37.5℃以上38.4℃未満,8.1%に38.5℃以上の発熱,5.9%に麻しん様の発疹が認められる(健康状況調査報告)。 発熱の持続期間は通常1〜2日で,発疹は少数の紅斑や丘疹から自然麻しんに近い場合もある。また,発熱に伴う熱性けいれん(約300人に1人)をきたすことがあり,その他,脳炎・脳症(100〜150万人に1人以下),亜急性硬化性全脳炎(SSPE)の発症(100万人に0.5〜1.0人)が知られている。 ワクチン添加物により接種直後(30分以内)に接種部位の発赤・腫脹,じんましん,クインケ浮腫,アナフィラキシーショック等のアレルギー症状を呈することがあり,また,接種後1日以内に全身,四肢等の一部に発疹(アルザス型アレルギー反応)を生じることがある。 |
| エ | 風しんワクチン 小児の接種では,接種後5〜14日に1.9%に37.5℃以上38.4℃未満,2.6%に38.5℃以上の発熱,発疹が1.3%,リンパ節腫脹が0.6%認められる(健康状況調査報告)。成人女性に接種した場合,1〜2週間後に関節炎が認められることがあるが,数日から1週間で治癒する。重篤な副反応の報告はほとんどないが,約100万人に1人の血小板減少性紫斑病がみられる。ワクチン接種後1〜2週間に接種を受けた者の咽頭よりワクチンウイルスの排泄が認められることがあるが,周囲の風しん感受性者に感染することはない。 |
| オ | 日本脳炎ワクチン 37.5℃以上の発熱は接種後2日以内に約1.6%に見られる。発疹の頻度は約0.3%以下である。接種局所の腫脹・発赤及び疼痛が接種後2日以内に約11%見られる(健康状況調査報告)。マウス脳を原材料として使用するので脱髄性疾患の発生が心配されたが,現在のワクチンは高度に精製されているので,脳成分の混入はほとんど無視しうる。また,日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を起こしたとの報告が極めてまれに報告されているが,ワクチンとの因果関係は明らかではない。 |
| カ | BCGワクチン BCG接種後10日頃から個々の針痕部位に小さな発赤や膨隆が生じる。その後同部位が化膿することもある。このような変化は接種後1カ月頃で最も強い。やがて個々の針痕部位には痂皮が生じ,3カ月頃までには落屑して小さな瘢痕を残すのみとなる。 結核既感染者に接種していた場合には、接種後1〜10日以内に接種局所に発赤・腫脹、さらには針痕部位に化膿が生じること(コッホ現象)がある。 ときに局所の反応が強く複数の針痕が融合したり,湿潤やびらん面を形成するようなこともある(健康状況調査報告によれば1.6%)。このような時にも局所の清潔を保てば早晩治癒する。このような局所の変化が3カ月を過ぎても治癒しない,あるいはいったん瘢痕化したのちに再度炎症反応を示すことがまれにある。このような強い局所の反応のあった例の一部はのちにケロイドとなることがある。 接種後1カ月前後から接種側の腋窩リンパ節が腫大することがある(同0.7%)。多くは1個のみであるが,ときに複数個又は腋窩以外の部位(鎖骨上窩,側頚部など)にでることもある。数カ月の経過で徐々に縮小していく。ごくまれに腫大したリンパ節が化膿性変化を来たし,皮膚に穿孔し,排膿することがある(接種例の0.02%)。 その他の副反応としては皮膚結核様反応(接種局所周辺のループス様変化,全身に散布する多型滲出紅斑など,ヨーロッパ諸国の観察によれば100万対1〜2例),骨炎(骨膜炎,骨髄炎など,同0.4例),さらにまれに全身性BCG炎(全身播種)が報告されている。 |
| キ | インフルエンザワクチン 発赤・腫脹,疼痛などの局所反応,発熱,悪寒,頭痛,全身倦怠感などの全身症状があらわれる場合がある。これらの症状は,通常2〜3日中に消失する。現行ワクチンにおける副反応の発生頻度は,他のワクチンに比しても多くはない。 インフルエンザウイルスの培養には発育鶏卵が使用されているが,鶏卵成分は精製段階で除去されている。しかし,卵アレルギーがある場合,インフルエンザワクチンにより即時型アレルギーが誘発される危険性は否定できない。 まれに急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を引き起こすことがある。接種後数日から2週間以内に,発熱,頭痛,けいれん,運動障害,意識障害などが現れた場合はADEMの可能性がある(インフルエンザワクチンの添付文書による)。現行ワクチンとGuillain-Barre症候群の因果関係は証明されていない。 |
| ク | おたふくかぜワクチン 接種後2〜3週に一過性の耳下腺腫脹や発熱が2〜3%,接種後2〜4週に無菌性髄膜炎が数千人に1人程度認められる。 |
| ケ | HBワクチン これまで局所反応の他には,ほとんど副反応の報告はない。 |
| コ | 水痘ワクチン 健康小児,成人ではほとんど認められない。ハイリスク者では,接種後14〜30日に発熱を伴った丘疹,水疱性発疹が出ることがあり(急性白血病患者では約20%),水疱を生じた者から周囲の感受性者に感染を起こす可能性はあるものの,その率は極めて低い。接種後のハイリスク者に帯状疱疹が生じることがあるが,その発生率は自然水痘に感染した患者よりも低い。 |
| サ | 肺炎球菌ワクチン 注射局所の発赤,腫脹,疼痛が見られる程度であり,全身反応は極めてまれである。 |
| シ | A型肝炎ワクチン 成人における副反応は接種者の6%に認められる。主なものは,全身倦怠感(2.8%),局所の疼痛(1.6%),局所の発赤(1%),発熱(0.6%),頭痛(0.5%)である。小児における副反応出現率は1.8%で,その内訳は発熱(0.6%),局所の発赤(0.6%),全身倦怠感(0.4%),頭痛(0.4%)である。いずれも軽微で,重篤なものはない(新医薬品承認審査概要(SBA)No.4)。 |
| ス | 狂犬病ワクチン 約10%に一過性に接種局所の発赤,腫脹,疼痛などが認められるが,全身反応は極めてまれである。 |
(1) 通常見られる反応に対する対策
| ア | 局所発赤・腫脹,硬結 一般に発赤・腫脹は3〜4日で消失するが,熱感,発赤のひどいときには局所の冷湿布を行う。硬結は次第に小さくなるが1カ月後でもなお残る場合もある。これについては放置してよい。前回の接種で局所反応が出現した場合,次回からの接種はなるべく皮下深く接種する。 |
| イ | 発熱 発熱の対策は一般的処置として冷却,アセトアミノフェン等の解熱剤を投与する。他の原因による発熱も考えられるので観察が重要である。 |
| ウ | 発疹 麻しんワクチンでは,ワクチン接種後5〜14日後に5.9%に麻しん様の発疹がみられ,時には発熱も伴うが通常放置にて改善する。 |
(2) 通常見られない副反応に対する対策
| ア | DPTワクチン接種後の上腕全体に及ぶ腫脹 接種部位を中心に上腕全体,ときには前腕にまで及ぶ高度の発赤・腫脹が2〜3日後をピークとしてみられることがあるが,局所の保存的な加療(冷湿布,ステロイドホルモン剤や抗ヒスタミン剤の塗布等)で消退する。これまでの例では後遺症はない。接種液に対するアレルギー,過敏症が考えられるため,以後の接種については保留し専門医又は予防接種センターに相談する。 | ||||||
| イ | ポリオワクチン投与後の麻痺 ワクチン接種後4〜35日間に発症する麻痺性ポリオで,発熱,かぜ症状の後に上下肢等の弛緩性麻痺が見られることがあるが,この場合には専門の医療機関で検査及び治療を受ける。 | ||||||
| ウ | BCGワクチン
| ||||||
| エ | おたふくかぜワクチン接種後の耳下腺腫脹,無菌性髄膜炎 接種後2〜3週に耳下腺腫脹がみられることがあるが,一側性の場合が多く両側性でも程度は軽く一過性で消退する。無菌性髄膜炎の場合は入院加療を行う。 |
| (3) | 予防接種後に起こりうる重篤な副反応
嘔吐,蕁麻疹,自律神経性ショック,アナフィラキシーショック,けいれん等がある。その処置は,一般の救急治療に準じて行うので救急医療品セット,気道確保に必要な器具一式,酸素吸入用具等の準備が必要であり,最低限の物は接種施設に備えて置くことが必要である(表4)。 |
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| ア | アナフィラキシーショック 抗原抗体反応,補体系の活性化,ケミカルメディエーターの放出等により表5に示す症状が短時間内に現れる急性の全身アレルギー反応である。気道閉塞と循環虚脱を主徴とする。 気道の確保,酸素投与,補助呼吸,できれば静脈路確保
応急処置を施した後,救急車で搬送 |
| 皮膚 | かゆみ,むくみ,蕁麻疹,冷汗,蒼白,潮紅 |
| 呼吸器系 | 胸内苦悶,胸痛,喘鳴,痙咳,呼吸困難,肺水腫,血痰 |
| 心臓血管系 | 脈拍微弱,頻脈,低血圧,不整脈,心停止 |
| 神経系 | 不安,意識障害(混迷,傾眠,昏睡) |
| その他 | 結膜充血,流涙,嘔気,嘔吐,腹痛,失禁等 |
| (注) | アナフィラキシーショックは通常30分以内に起こることが多いので,この間接種施設で接種を受けた者の状況を観察するか,又は被接種者が直ちに医師と連絡をとれるようにしておくことが望ましい。 |
| イ | けいれん 数分以内であれば,襟元を楽にして静かに寝かせ,けいれんの型,持続時間等を観察する。短時間でけいれんが止まらない場合は,以下の処置を行い,直ちに専門病院へ搬送する。 ジアゼパム坐薬 0.4〜0.5mg/kg 人工呼吸と静脈路確保が可能な場所であれば ジアゼパム静注 0.3mg/kg(呼吸停止に注意) |
| ウ | 心停止 気道確保,頭部後屈,人工呼吸,心臓マッサージ,エピネフリン皮下注,救急車による搬送 |
| エ | 自律神経性ショック 頭部を低く,仰臥位で安静,長引けば酸素吸入 |
| オ | 蕁麻疹 抗ヒスタミン剤投与。重症例ではハイドロコーチゾンの静注又は皮下注 |
| カ | 嘔吐 体位をかえ誤嚥を防ぐ |
| (5) | 健康被害発生時の対応
予防接種による健康被害又はその疑いのある患者を診察した場合,医師は次の事項に注意する。
| ||||||
| (6) | 予防接種健康被害調査委員会 予防接種法及び結核予防法に基づく予防接種による健康被害発生に際し,市町村には予防接種健康被害調査委員会が設置され,同委員会において,当該事例の疾病の状況及び診療内容に関する資料収集,必要と考えられる場合の特殊な検査又は剖検の実施についての助言が行われる。 | ||||||
| (7) | 救済措置の内容 予防接種法及び結核予防法に基づく予防接種による健康被害救済に関する請求について、当該予防接種と因果関係がある旨,厚生労働大臣が認定した場合,市町村長は健康被害に対する給付を行う。給付内容の種類は以下のとおり。 |
| (1) | 一類疾病
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| (2) | 二類疾病
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| (8) | 予防接種法及び結核予防法以外の予防接種健康被害救済制度 任意接種により健康被害が生じた場合には,医薬品医療機器総合機構法に基づき手続を行う。手続は,健康被害を受けた者又は家族が必要な書類を揃え,独立行政法人 医薬品医療機器総合機構救済制度相談窓口(〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-2 新霞ケ関ビル 電話03-3506-9411)に請求する。 |
1 ジフテリア
| (1) | 疾病の概要
ジフテリアはジフテリア菌の感染によって起こる急性感染症で,菌が侵入した局所の偽膜病変とジフテリア毒素によって生ずる病変に大別される。咽頭ジフテリアは,発熱,嘔吐,頭痛及び咳嗽等を主症状とし扁桃に偽膜をみる。重症例では偽膜部の壊死を起こし悪臭を放つ。咽頭ジフテリアの特徴は嗄声,犬吠様咳嗽である。鼻ジフテリアは鼻炎とともに鼻汁に血液が混じ鼻孔周囲にびらん,血痂をみる。毒素による症状には心筋炎,神経麻痺がある。心筋炎は心筋,伝導系及び血管運動神経がジフテリア毒素により侵され,多くは発病2〜3週後に発症し突然心筋障害で死亡することがある。神経麻痺にはジフテリア毒素が末梢神経に作用するために起こる。軟口蓋,眼筋,呼吸筋及び四肢筋等の麻痺が起こる。 |
| (2) | 予防接種の効果
従来までの予防接種によりジフテリア患者が著明に減少していることから,その効果は明らかである。また,厚生労働省感染症流行予測調査報告によると,1981年に導入された現行のDPTワクチン接種後のジフテリア免疫は1983年以前の調査成績と比較して同等又はそれ以上である。この調査の長年にわたる報告の結果は,わが国におけるジフテリア免疫が全面的に予防接種に依存しており,予防接種スケジュール及びワクチンの変更がそのまま免疫状態に反映されてきたことを示している。日本ではジフテリア菌の分離は近年まれであるが,ジフテリアの保菌者が存在する可能性があること,ロシア等の流行を考えると,海外からジフテリア菌が持ち込まれる危険性もあることなどから,今後もなお一定レベルの免疫の維持が必要である。前述した接種方法で行うと,血清中の抗毒素は0.03u・ml以上に保たれ,約10年間は持続する。 |
2 百日せき
| (1) | 疾病の概要
百日せきの病態には3つの段階がある。カタル期には感冒様症状が約1〜2週ほど続き,次に痙咳期という典型的な症状が認められる。連続性の激しい咳嗽が発作性に起こり,息を吸う間がないため,静脈圧の亢進によって顔面の紅潮,眼瞼浮腫,顔面の点状出血及び眼球結膜の出血等が現れる。咳発作の後に急に息を吸うので吸気性の笛音が聞かれる。咳嗽発作の無いときは全く正常の状態であることが他の気道疾患と異なる。乳児期には無呼吸発作のためチアノーゼ,けいれんを起こすことがある。また,脳症を起こし,重い後遺症を起こすことがある。この激しい咳発作の回数は次第に減少してくるが,多くは2カ月程残る。回復期に入ると発作回数は減少するが,この間感冒などに罹患すると典型的発作が時としてみられる。2〜3週間で治癒する。 |
| (2) | 予防接種の効果
現行の無細胞性百日せきワクチンの効果は,1970年代後半に再流行した百日せきがこのワクチンの導入後漸減し,1990年代に入ってからは,1970年代前半の患者数に近く,流行が阻止されたことから明らかである。また,百日せきワクチン導入後の家族内感染防止効果をみると家族内で百日せきが発生したときに,百日せきワクチンを接種していたものは非接種者に対し,約90%以上の発症防止効果があったことが確認されている。ワクチン接種後にはこれに含有される感染防御抗原(PT:百日せき毒素,FHA:繊維状赤血球凝集素)に対する一定の抗体が産生され,発症予防効果を得る。厚生労働省感染症流行予測調査報告によれば,これら両抗体保有状況とワクチン接種歴がほぼ一致するとされ,血清学的にもワクチン接種の効果が証明されている。しかしながら発症阻止に必要な抗体レベルはいまだ不明で,わが国で製造されている5製品のワクチンの組成も一定していない。 |
3 破傷風
| (1) | 疾病の概要
破傷風菌は嫌気性,芽胞形成グラム陽性桿菌である。これは土壌の中に広く分布しており,外傷,火傷及び挫創部からヒトの体内に侵入する。侵入部で菌は増殖し毒素を産生し中枢神経を侵す。潜伏期は約4〜12日であるが,これが短いほど予後が悪い。咬筋のけいれんによる開口不能,顔面筋のけいれんによる痙笑に始まり数日以内に躯幹筋の強直性けいれんを起こし後弓反張を呈する。日光,騒音のような刺激で全身性強直をきたし,次第に激しさと頻度を増し死に至ることがある。 |
| (2) | 予防接種の効果
トキソイドによる免疫効果は著明で,初回接種,追加接種で0.1u・ml以上の血中抗毒素量が得られる。追加接種後の抗毒素産生能は10年以上続くといわれるが,抗毒素量を防御レベル以上に保つために11〜12歳で追加接種を受ける必要がある。 |
4 ポリオ
| (1) | 疾病の概要
ポリオウイルスの宿主はヒトだけであり,他の動物への感染はない。また媒介生物も存在しない。したがって感染はヒトからヒトへの伝播のみであり,糞便中に排泄されたウイルスが経口又は咽頭から生体に侵入する。このウイルスの感染症のほとんどは症状を呈しない不顕性感染に終わり,終生免疫を獲得する。5〜10%に夏かぜ症候群と呼ばれる軽症の上気道炎又は胃腸炎症状を呈し,夏期に流行する。感染者の1,000〜2,000人に1人に麻痺を生じ,一部のものは永久麻痺を残す。感染から発症までの潜伏期間は4〜35日(平均15日)である。 |
| (2) | 予防接種の効果
ワクチンに含まれる3型のウイルス株がすべて十分増殖すれば,接種後4〜6週間で終生免疫が得られる。1回の接種で3型すべてのウイルスが増殖しないことがあるので,抗体を獲得できなかった型のウイルスに対する免疫を賦与するために複数回接種する。ワクチン接種による予防効果に関しては,わが国をはじめ,多くの地域で野生株によるポリオ根絶に成功したことで確認されている。 |
5 麻しん
| (1) | 疾病の概要
麻しんウイルスによる全身感染症である。ウイルスは空気感染(飛沫核感染)する。上気道の局所リンパ節での増殖後,一次ウイルス血症,二次ウイルス血症を来す。ウイルスはリンパ球で増殖する。血中抗体ができ始めた時,アレルギー反応として,紅斑を生じる。抗体ができると,ウイルスは速やかに血中から排除される。ウイルスは,カタル期のはじめから発疹出現後6日程度まで,咽頭に証明される。 |
| (2) | 予防接種の効果
麻しんワクチンの効果は非常に高く,各社の接種試験成績によれば,麻しんワクチン接種により,被接種者の95%以上が免疫を獲得する。ワクチンによる免疫はこれまでのところ長期にわたり持続すると考えられているが,ワクチン接種を受けたものの中で,その後に麻しんに罹患する者が数%ある。この中には,ワクチンの効果がなかった場合(primary vaccine failure)とワクチンによって獲得された免疫が持続しなかった場合(secondary vaccine failure)とが含まれている。最近のわが国での流行では,そのほとんどはワクチン未接種の発症であるが,ワクチン接種者の中での発症もみられる。 |
6 風しん
| (1) | 疾病の概要
風しんは,急性ウイルス発疹症である。潜伏期は2〜3週間,癒合傾向の少ない紅色斑丘疹,発熱,頚部リンパ節腫脹などを主徴とする。眼球結膜の軽度の充血や口蓋粘膜の出血斑,肝機能障害なども見られる。年長児や成人では関節炎の頻度が高い。予後は一般に良好であるが,血小板減少性紫斑病が3,000人,脳炎が6,000人に1人,まれに溶血性貧血も見られる。妊娠初期の妊婦が風しんウイルスに初感染すると,胎児に感染して先天性風しん症候群児(難聴,先天性心疾患,白内障,網膜症等)が出生する。 |
| (2) | 予防接種の効果
風しんワクチンは,各社とも接種を受けた者の95%以上に風しんHI抗体の陽転が見られる。HI抗体価の上昇は自然罹患より低いが,20年近く抗体が持続し,自然感染による発症を防御しうる。風しん患者と接触した後,ワクチンを接種しても確実に予防できるとは限らないが,接種自体はかまわない。 |
7 日本脳炎
| (1) | 疾病の概要
日本脳炎は潜伏期7〜10日,突然の高熱,頭痛,嘔吐,意識障害及びけいれん等を主徴とするウイルス性の急性脳炎である。かつては死亡率,後遺症を残す率がそれぞれ約30%といわれ,現在では死亡率15%程度と考えられているが,なお神経学的後遺症を残す例が多い。感染者1,000〜5,000人に1人が脳炎を発症すると考えられている。脳炎以外に不全型無菌性髄膜炎,夏かぜ様疾患も見られる。 |
| (2) | 予防接種の効果
初回接種2回と次年度の追加接種1回の計3回の接種をもって基礎免疫の完了と考える。抗体産生は良好である。台湾やタイでの大規模な野外接種試験では日本脳炎ワクチン2回接種群は80%以上の有効率を示し,非接種群に比して自然感染に対する優れた防御能を示した。 |
8 結核
| (1) | 疾病の概要
結核は菌陽性肺結核患者が咳をした時などに飛散する菌で空気感染(飛沫核感染)する。感染すると肺には初感染原発巣が形成され,まもなく肺門リンパ節にも病巣を作る。80%程度はこの段階で病巣に石灰が沈着して治癒するが,結核菌が血行性,リンパ行性,あるいは管内性に全身どの臓器にも拡がることがあり,肺結核,結核性髄膜炎,粟粒結核,胸膜炎,骨・関節結核,腎結核等を起こしうる。肺結核が最も多く,結核患者の約80%を占める。発病は感染後1年以内のことが多いが,病巣内に閉じ込められた結核菌は長く生存できるので10年,20年後に発病することもある。わが国では今でも毎年3万人以上の人が発病している。発病者の約半数は60歳以上の高齢者であるが,小児,若年者の結核もみられ,最近では減り方が鈍っている。結核の化学療法の進歩はめざましく,ほとんどの例を薬で治すことができるが,今でも6カ月以上の治療が必要である。 |
| (2) | 予防接種の効果
BCG接種による結核発病予防効果については,最近活発に検討が行われた。その結果は次のように要約できる。(1)BCG接種は適切に行われれば結核の発病を,接種をしなかった場合の4分の1くらいに抑える。(2)BCG接種は,結核性髄膜炎や粟粒結核など小児の重篤な結核の発病予防には特に効果は確実である。(3)BCGワクチンは一度接種すれば,その効果は10年〜15年程度持続する。 |
この報告書は、予防接種の接種後、別添報告基準に該当する者を診断したときに、必要事項を記載の上、直ちにその者の居住地を管轄する市町村長に提出すること。ただし、※欄については、経過観察後の報告(第2報)でも差し支えないこと
| <記載上の注意> | 1 | 用紙の大きさはA列4番にすること。 |
| 2 | アラビア数字のある場合は、該当する数字を○で囲むこと。 | |
| 3 | 報告内容は、別添の報告基準を参照のこと。 |
| 予防接種 | 臨床症状 | 接種後症状 発生までの時間 |
| ジフテリア 百日せき 破傷風 日本脳炎 |
(1)アナフィラキシー (2)脳炎、脳症 (3)その他の中枢神経症状 (4)上記症状に伴う後遺症 (5)局所の異常腫脹(肘を越える) (6)全身の発疹又は39.0℃以上の発熱 (7)その他、通常の接種ではみられない異常反応 |
24時間 7日 7日 * 7日 2日 * |
| 麻しん 風疹 |
(1)アナフィラキシー (2)脳炎、脳症 (3)その他けいれんを含む中枢神経症状 (4)上記症状に伴う後遺症 (5)その他、通常の接種ではみられない異常反応 |
24時間 21日 21日 * * |
| ポリオ | (1)急性灰白髄炎(麻痺) 免疫不全のない者 免疫不全のある者 ワクチン服用者との接触者 (2)上記症状に伴う後遺症 (3)その他、通常の接種ではみられない異常反応 |
35日 1年 * * * |
| BCG | (1)腋窩リンパ節腫脹(直径1cm以上) (2)接種局所の膿瘍 (3)骨炎、骨膜炎 (4)皮膚結核(狼瘡等) (5)全身播種性BCG感染症 (6)その他、通常の接種ではみられない異常反応 |
2ヵ月 1ヵ月 6ヵ月 6ヵ月 6ヵ月 * |
| 注1 | 表中にないものでも下記の趣旨に合致すると判断したものは報告すること
| ||||||
| 注2 | 接種から症状の発生までの時間を特定しない項目(*)についての考え方
| ||||||
| 注3 | 本基準は予防接種後に一定の症状が現れた者の報告基準であり、予防接種との因果関係や予防接種健康被害救済と直接結びつくものではない。 |