2 障害者に対する情報支援等について
(1 | )障害者IT総合推進事業 情報通信技術(IT)の進展により、障害者の社会参加を推進する観点からも、デジタルディバイド(ITの利用機会の格差)解消の取組については、政府において「IT新改革戦略(平成18年1月19日 内閣官房IT戦略本部取りまとめ)」を策定し、民と官の協力により様々な分野で進められているところである。 障害者の情報通信技術の利用機会の格差是正を図るため、パソコンボランティア養成・派遣事業等のIT関連施策を「障害者IT総合推進事業」として実施しているところであるが、地域においてIT支援の中心となる障害者ITサポートセンターを拠点とした、より一層の事業の充実をお願いしたい。 |
(2 | )視聴覚障害者への情報提供体制 視聴覚障害者に対する情報支援、コミュニケーション支援については、より一層の充実が求められているところであり、「IT新改革戦略」においても情報アクセス及びコミュニケーションのユニバーサル化が目標とされているところである。 とりわけ、聴覚障害者に対する情報支援等の地域における拠点となる聴覚障害者情報提供施設の設置については、「障害者基本計画(平成14年12月閣議決定)」及びIT新改革戦略に基づく取組をまとめた「重点計画−2006(平成18年7月26日 内閣官房IT戦略本部取りまとめ)」において、全都道府県における整備を促進することとされている。 しかしながら、現状では全国で34施設(政令市等を含む)の設置に留まっている現状であり、ついては、未だ聴覚障害者情報提供施設が設置されていない道府県においては、具体的な整備計画について早急に検討されるようお願いしたい。 |
(3 | )盲ろう者向け福祉施策 視覚及び聴覚に障害を併せもつ盲ろう者に対する施策として、通訳、介助員の派遣を行う「盲ろう者向け通訳・介助員派遣事業」を実施しているところであるが、未だすべての都道府県において実施されるに至っていない現状にある。 未実施の道県におかれては、地域の盲ろう者の実態把握を早急に行い、本事業の積極的な導入について、十分な検討をお願いしたい。 なお、厚生労働省においては、地域における盲ろう者福祉の啓発等の事業を、当事者団体である社会福祉法人全国盲ろう者協会に委託し実施してきたところであるが、平成19年度予算では、新たに、派遣事業の全都道府県での実施を図るための調査研究を実施する予定であるので、ご協力をお願いしたい。 |
(4 | )視聴覚障害者に対する行政情報の提供 障害者への行政情報の提供にあたっては、福祉分野のみならず、様々な分野において、ご配慮いただいているところであるが、とりわけ情報入手が困難な視聴覚障害者への情報提供に際しては、点字、音声、手話等を用いるとともに、情報機器等を活用した円滑な情報提供に努められるようお願いいたしたい。 なお、紙面上の活字文書を音声に換えて情報伝達することを可能にする「SPコード」については、コード化するためのソフト(Microsoft word用)がインターネット上(http://www.sp-code.com/support/support.html)で無償配布されているので、 積極的な活用をお願いするとともに、管内市町村への周知方についてもお願いしたい。 また、聴覚障害者に対する情報提供については、通信技術や機器の向上により、映像を介した情報提供が始まっているため、積極的な活用をお願いしたい。 |
3 | 身体障害者補助犬法について 昨年「身体障害者補助犬法の施行状況に関する検討会」を開催し、議論を重ねた結果、身体障害者補助犬法施行後3年が経過するが、補助犬に関する知識がないことから、受け入れが拒否される事例が多いなど、未だ補助犬に関する社会的認識の定着が不十分な状況であり、まず実効性のある普及啓発活動を行うことが最優先課題であるとの報告を受けたところである。 厚生労働省としては、補助犬に関する国民の理解をより一層促進するため、今般、新しくポスター及びパンフレットを作成し広く配布することを計画しており、配布の際には各都道府県等のご協力をお願いする。 また、各都道府県等におかれては、従来より施設利用の円滑化等に関する広報・啓発等についてのご協力をいただいているところであるが、引き続き補助犬の普及・啓発についてのご協力をお願いしたい。 なお、超党派の国会議員で構成されている「身体障害者補助犬を推進する議員の会」においては、補助犬の使用者団体からの要望を受け、次のような検討が行われているところである。 (1) 受入れ拒否に関する苦情の申出に対する対応について (2) 事業主に身体障害者補助犬の受入れ義務を課すことについて (3) 住宅を管理する者に身体障害者補助犬の受入れ義務を課すことについて |
4 | 補装具評価検討会について 補装具評価検討会については、補装具の種目、名称、型式、額等の検討を行い、種目等の採り入れの円滑化や価格の適正化に資すること等を目的として、昨年11月に障害保健福祉部長の下に設置したところである。 本年1月より関連事業者等から新規種目の採り入れや廃止等の要望受付を行い、本検討会にて検討を行う予定である。 なお、検討の結果を受け、厚生労働省告示等に反映できるものは採り入れていくこととしている。 |
5 障害者スポーツ・文化芸術活動の推進について
(1 | )障害者スポーツの推進 障害者スポーツに対する国民各層の理解と関心は年々高まりをみせており、現在では、全国各地で数多くのスポーツ大会やスポーツ教室が開催され、また、昨年3月に開催されたトリノパラリンピックでは、金メダル2個、銀メダル5個、銅メダル2個を獲得する等、国民に深い感動と勇気を与え、障害のある方々の能力と可能性が広く社会に示されたところである。 各都道府県等におかれては、財団法人日本障害者スポーツ協会が中心となって進めている競技選手の育成強化、指導員の養成等の事業や各障害者スポーツ関係団体等との十分な連携を図り、障害者スポーツの一層の推進をお願いする。 併せて、スポーツが障害者の生活をより豊かにするという視点に立って、障害者がスポーツに取り組む環境の一層の向上についてもご配慮をお願いする。 なお、第8回全国障害者スポーツ大会(平成20年度、大分県)から、精神障害者のバレーボールを正式競技に加える予定である。 |
(2 | )アンチ・ドーピング活動の推進 平成17年10月19日、第33回ユネスコ総会で「スポーツにおけるドーピングの防止に関する国際規約」が採択されたことを受け、先般、同規約の受諾に関する閣議決定(平成18年12月26日)が行われたところ。障害者スポーツにおいても競技者の健康、フェアプレーの原則、不正行為の撲滅等を目指し、平成19年度より財団法人日本障害者スポーツ協会を通じて、ドーピングの防止に係る普及・啓発、教育・研修及びドーピング検査の実施等の活動を支援することとしたので、各都道府県等におかれては、普及・啓発等について、ご配慮をお願いする。 |
(3 | )障害者スポーツ大会の開催 平成19年度においては、障害者のスポーツ大会が次のとおり開催される予定であるので、各都道府県・指定都市におかれては、選手団の派遣等についてご配慮をお願いする。
イ 国際大会
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(4 | )文化芸術活動の推進 障害者の文化芸術活動への参加を通じ、自立と社会参加の促進に寄与することを目的として、従来から「障害者芸術・文化祭」を実施しているところである。 平成19年度は長崎県で開催することとしているが、開催日等詳細については、決定次第連絡する予定であり、その際には、各種作品、演目の募集等についてご協力をお願いすることとなるのでご了知願いたい。 また、平成20年度以降の開催についても、積極的な検討をお願いしたい。 |
(5 | )国際障害者交流センターの利用 「国際障害者交流センター(愛称:ビッグ・アイ)」は、「国連・障害者の十年」を記念する施設であり、(1)障害者の国際交流、(2)重度・重複障害者を含む全ての障害者の交流活動、(3)障害者自らが行う文化・芸術の発信など、障害者の様々な活動や支援の拠点となるよう施設全体をバリアフリー化し、障害者だけでなくあらゆる人々にとって利用しやすい施設として大阪府堺市に建設されたものである。 多目的ホール(最大1,500席)、宿泊室(35室)、大・中・小会議室等を備え、障害者の芸術・文化及び国際交流活動の充実・振興を図る各種イベントを実施する他、障害者関係団体等が行う行事や研修、修学旅行等の宿泊先としてもご利用いただけるので、積極的に活用いただけるよう、関係者への周知方ご配慮願いたい。
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