1. 現行支援費額算定基準等の見直し案

(1) 支援費額算定基準(施設)の見直しについて

<見直しの主なポイント>(18年4月実施)

 利用実績払い(日額払い)の導入に伴う変更点
 入院・外泊に係る支援費額算定基準の変更
 規制の見直し(定員に対する利用者の取扱い)=新体系並び

 各種加算関係の見直し等
 各種加算の利用実績払い(日額払い)
 条件を付していない加算への条件の付与
 栄養管理体制加算の新設
 通所施設及び知的障害者通勤寮の低所得利用者への食事提供加算の新設

 算定時の端数処理の変更
 単位制の導入=新体系並び
 次の内容については、原則として現行どおり。
 施設種別、障害程度区分別(3区分)、施設規模別(4段階)、地域区分(5段階、サービス種別ごと)、公立施設の減算

報酬の利用実績払い(日額払い)の導入に伴う変更点

 入院・外泊に係る支援費額算定基準の変更

現行基準
 入所者が病院若しくは診療所への入院を要した場合又は入所者(入所による指定施設支援を受けているものに限る。)に対して外泊を認めた場合は、当該期間中所定額の100分の80に相当する額を算定する。

変更後
 入所者が病院若しくは診療所への入院を要した場合又は入所者(入所による指定 施設支援を受けているものに限る。)に対して外泊を認めた場合は、1月に○日を 限度として所定単位数に代えて1日につき○○単位を算定する。ただし、入院また は外泊の初日及び最終日は、算定できない。

 規制の見直し

 新事業体系と同様、以下の規制の見直しを行う。

定員と実際の利用者数の取扱いを柔軟化し、施設の利用率向上を図る。
【サービス利用者数の算定方法の見直し(案)】
(1) 定員を超えて利用予定者を受け入れることを可能とする。
(2) 過去3ヶ月間の平均実利用人員が定員を下回っていることを前提に、一日 当たりの実利用人員が定員を超過している場合でも、一時的なものとして認 める。
(3) ただし、サービスの質を確保するため、入所、通所それぞれごとに、 次の事由に該当する場合には、報酬の100分の○○に相当する額を 減算する仕組みを導入。
(1)  一日当たりの利用者数が、定員の○%又は定員に○人を加えた数を超過している場合
(2)  過去3ヶ月間の平均利用人員が、定員の○%又は定員に○人を加えた数を超過している場合
(期待される効果)
各事業所の利用率の向上と併せて、
サービスの潜在的な需要に対応

各種加算の利用実績払い(日額払い)

対象となる現行加算の種類
入所時特別支援加算、重度重複障害者加算、常勤医師加算、遷延性意識障害者加算、 筋萎縮性側索硬化症等障害者加算、神経内科医加算、看護師加算、 強度行動障害者特別支援加算、自活訓練加算
 退所時特別支援加算については現行どおり。

(例)
現行基準
  入所時特別支援加算 21,900円
 新たに入所者を受け入れた場合、入所時特別支援加算として、入所した日の属する月の翌月(その日が月の初日であるときは、その日の属する月)に、所定額を加算する。
変更後
   入所時特別支援加算 ○○単位
 新たに入所者を受け入れた場合、入所時特別支援加算として、入所した日から起算して30日以内の期間について、1日につき所定単位数を加算する。

条件を付していない加算への条件の付与

 現行基準において、加算対象の障害者に対し、入所による指定施設支援を行うことのみによって所定額に支援費加算をしている下記(1)〜(3)について、より加算額に見合った支援内容とするため加算条件を付与する。

(1) 重度重複障害者加算
 区分Aに該当し、重度重複障害者である入所者であって、指定障害福祉サービス基準に定める人員配置に加えて、常勤換算方法で当該入所者の総数を15で除した数以上人員配置している場合に加算。

(2) 遷延性意識障害者加算
 算定基準の条件については現行どおり。
 ただし、別途「指定居宅支援等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う留意事項について(部長通知)」において、当該加算の趣旨を踏まえ、その使途について適切に対応することを追加。
(3) 筋萎縮性側索硬化症等障害者加算
 算定基準の条件については現行どおり。
 ただし、別途「指定居宅支援等に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う留意事項について(部長通知)」において、当該加算の趣旨を踏まえ、その使途について適切に対応することを追加。

栄養管理体制加算の新設

 入所施設における栄養管理関係については、食事の応諾義務が課せられること等を踏まえ、現行支援費制度における本体報酬の中での評価から、施設規模別に別途加算で評価する。
 ただし、加算の具体的内容等については、障害関係について、介護保険制度の栄養マネジメント等のような評価等が現時点は確立されていないことから、当面、包括的に評価する。
 なお、従来、栄養士の配置の費用が算定されている知的障害者の通所施設については、配置の実態等踏まえ、経過措置を検討する。

<入所施設の場合>

   利用者の栄養状態を把握し、栄養計画を作成するなど、適切な栄養管理を行うとともに、進捗状況を定期的に評価、見直しをしていることを条件として以下の加算を設ける。
 ○ 栄養管理体制加算(規模別)
管理栄養士又は栄養士の配置を行った場合に加算
 (ア) 管理栄養士の配置(常勤) ・・・・○○単位
 (イ) 栄養士の配置(常勤) ・・・・・・・・・○○単位
 (ウ) その他の栄養士の配置 ・・・・・・・○○単位

<通所施設の場合>(3年間の経過措置)

   利用者の栄養状態を把握し、栄養計画を作成するなど、適切な栄養管理を行うとともに、進捗状況を定期的に評価、見直しをしていることを条件として、知的障害者の通所施設を既に運営している社会福祉法人に限り、以下の加算を設ける。

 ○ 栄養管理体制加算(規模別)
41人以上の通所施設において栄養士の配置を行った場合に加算
 (ア) 栄養士の配置(常勤) ・・・・・・・・○○単位
 (イ) その他の栄養士の配置 ・・・・・・・○○単位

通所施設及び知的障害者通勤寮の低所得利用者への食事提供加算

 施行後の3年間、通所施設及び知的障害者通勤寮を利用する低所得者(生活保護、低所得1、低所得2)について、食費のうち人件費相当分を支給し、食材料費のみの負担とする減額措置を講ずることとしたことから、当該低所得者に対する食事提供の加算を新たに設ける。
(デイサービス、ショートステイも同様)

 施設に従事する調理員による食事の提供がある場合又は、調理業務を第三者に委託している場合など、施設の責任において食事提供のための体制を整えている場合に限り加算の対象とする。

算定時の端数処理の変更

現行基準
(施設支援費の例)
 指定施設支援に要する費用の額を算定した場合において、その額に100円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てて計算するものとする。
変更後
 指定施設支援に要する費用の額を算定した場合において、その額に1円未満の端数があるときは、その端数金額は切り捨てて計算するものとする。
【参考】
 現行の端数金額の切り捨て基準は以下のとおり

 ・ 居宅支援  10円未満切り捨て
 ・ 施設支援  100円未満切り捨て
 ・ 介護報酬  1円未満切り捨て

単位制の導入

 報酬単価については、
(1)  利用者負担額の算定が容易になること
(2)  地域差の反映が容易になること
から、従来の円単位の報酬単価から、相対係数化(点数(単位))を導入する。
 平成18年4月から9月までの間は、従来からの円で算定しても差し支えないこととする。
【報酬単価の相対係数化のイメージ】
支援費
○○円
○○円
ホームヘルプ デイサービス
└───┬───┘
費用
医療費、介護費
○○点・△△単位
○○点・△△単位
ホームヘルプ デイサービス
  1点(単位)=◇◇円
└────┬────┘   └──┬──┘
相対係数
×
基準単価


(2) 支援費額算定基準(居宅)の見直しについて

<見直しの主なポイント>(18年4月実施)

 障害者自立支援法施行に伴う所要の改正
精神障害者の居宅サービス(ホームヘルプ、短期入所、グループホーム)を含めた新たな報酬基準を設定。

 デイサービス・短期入所の単価等の見直し
 低所得者への食事提供加算の新設
 利用定員の緩和措置及びこれを超えた場合の減算規定の新設

 グループホームの単価の見直し
 利用実績払い(日額払い)の導入

デイサービス、短期入所の低所得利用者への食事提供加算

(加算単価設定の基本的考え方)
 施行後の3年間、デイサービス、短期入所利用の低所得者(生活保護、低所得1、 低所得2)について、食費のうち人件費相当分を支給し、食材料費のみの負担とする 減額措置を講ずることとしたことから、当該低所得者に対する食事提供の加算を新た に設ける。
 ○ デイサービスについては、通所施設と同様に加算する。
 ○ 短期入所については、1日単位で加算する。

デイサービス、短期入所の定員の遵守規定の緩和

(減算規定の基本的考え方)
 ○ 通所施設及び入所施設と同様に、定員と実際の利用者数の取扱いを柔軟化するとともに、定員緩和に伴う、減算規定を新設する。

グループホームの利用実績払い(日額払い)

(単価設定の基本的考え方)
 ○ 報酬の利用実績払い(日額払い)の導入。


(3) 福祉工場等の見直しについて

<見直しの主なポイント>(18年4月実施)

 福祉工場、小規模通所授産施設、精神障害者社会復帰施設の運営費については、支援費施設における利用者負担及び食費の実費負担の導入等を勘案した縮減(全体で5%)を踏まえ、以下のとおりの見直しを行う。

1   福祉工場の見直しの方向
 食費にかかる経費(調理員人件費)の見直し等を実施


2 精神障害者社会復帰施設、小規模通所授産施設の見直しの方向
 新事業体系への移行促進の観点等を勘案し、補助単価の見直しを実施


3 その他
(1)   食費の実費負担の導入等に伴い、食事を提供している施設の提供方法について規制緩和(外部委託可)を実施(精神障害者社会復帰施設については実施済)
(2) 利用料については、支援費施設との均衡を考慮し、徴収を可とする旨を規定
(3) これらの見直しを実施した上で、補助方式は現行どおりのままとする


(4) 障害児施設の見直しについて

<見直しの主なポイント>(18年10月実施)

障害者施設の見直しに準じた単価及び基準等の改正

   単価の見直し
給付対象範囲の見直し=食費、光熱水費等の給付対象外

   利用実績払い(日額払い)の導入
 入院・外泊に係る算定基準の変更(者施設に準じる)
 利用定員の緩和等(者施設に準じる)
 激変緩和措置の検討

   各種加算関係の見直し等
 教育費等各種加算の見直し
 各種加算の利用実績払い
 栄養士関係加算の検討(重心等医療型を除く)

   地域区分の見直し(者施設に準じる)

   公立施設の減算規定(者施設に準じる)

   単位制の導入


2. 指定基準・最低基準(施設)の見直しについて

1. 虐待を防止する旨の条項の追加

 ・ 虐待を防止するため、職員の人権意識、知識や技術の向上について努めなければならない旨の規定を追加する。
(1) 倫理綱領、行動規範等の作成。
(2) 研修を通じた、職員の人権意識の高揚及び職員の知識や技術の向上。
(3) 個別支援計画の作成等適切な支援の実施。
(4) 職員が支援に当たっての悩みや苦労を相談できる体制を整えるほか、職員が利用者の権利擁護に取り組める環境の整備。
(「障害者(児)施設における虐待の防止について」(部長通知より)

2. 食事の提供義務の見直し

現行基準において、食事の提供義務を課している条項を以下のように見直す。
 ・ 入所施設の場合、利用者の希望に応じて食事を提供しなければならない応諾義務とする。

 ・ 通所施設の場合、食事の提供は事業者の任意とする。

食事の提供義務の見直しに伴い、人員・設備基準について所要の改正を行う。

3. 利用者負担の見直し

給付対象範囲の見直し(食費・光熱水費等の給付対象外)に伴い、以下の見直しをする。

 ・ 入所施設の場合、食費の提供に要する費用・光熱水費・日常生活品費等に要する費用を利用者の負担とする。
 ・ 通所施設の場合、食事の提供に要する費用・日常生活品費等を利用者の負担とする。

4. 利用者負担の上限額管理について

新たに利用者負担の上限額管理を行うこととする。

 ・ 入所施設
 入所施設が、利用者負担の上限額管理を行うこととする。
 ・ 通所施設
 利用者から上限額管理を行う事業者として選定された通所施設は、利用者負担の上限額管理を求めに応じて行わなければならない。

5. 定員の遵守規定の緩和

現行基準

 入所定員及び居室の定員を超えて入所させてはならない。
変更後

 定員を超える利用予定者の受け入れを可能とする。
 平均実利用人員が定員を下回っているのであれば、一日単位での実利用人員が定員を一定の範囲内で超過している場合でも、一時的なものとして認める。

6. 施設従事者数の算定方法の見直し

 一定期間の平均実利用人数に基づき、職員数を算定することとし、日によって人員配置が変動することのないよう配慮。


 前年度の平均実利用人数に基づき、職員数を算定する方法に変更。
 新規に事業を開始した場合においては、次に基づき、職員数を算定。
(1)  前年度の実績が6ヶ月以上1年未満ある場合は、直近の6ヶ月の平均実利用人員
(2)  前年度の実績が6ヶ月未満の場合は、定員の90%
(期待される効果)
職員の安定的な確保

7. その他

 その他、社会福祉施設全般について、構造改革特区制度の全国展開等を勘案した最低基準の見直し等所要の改正。


3. 指定基準・最低基準(居宅)の見直しについて

1. 虐待を防止する旨の条項の追加

 現行基準に虐待を防止する旨の条項を新しく追加する。(施設並び)

2. 食事の提供義務について

 短期入所及び障害者デイサービスの食事の提供に関する条項について、以下のように見直す。

 ・ 短期入所の場合、利用者の希望に応じて食事を提供しなければならない応諾義務とする。

 ・ 障害者デイサービスの場合、食事の提供は事業者の任意とする。

3. 利用者負担の見直し

 給付対象範囲の見直し(食費・光熱水費等の給付対象外)に伴い、利用者負担について、以下の見直しをする。

 ・ 短期入所の場合、食事の提供に要する費用、光熱水費・日用品費等の費用を利用者の負担とする。

 ・ 障害者デイサービスの場合、食事の提供に要する費用・入浴に係る光熱水費・創作的活動に係る材料費・日用品費等を利用者の負担とする。

4. 利用者負担の上限額管理について

 新たに利用者負担の上限額管理を行うこととする。

 1. グループホーム
 グループホームにおいて、利用者負担の上限額管理を行うこととする。

 2. 他の居宅サービス事業者(グループホーム及び短期入所を除く)
 利用者から上限額管理を行う事業者として選定された場合、当該事業者は、利用者負担の上限額管理を求めに応じて行わなければならない。

5. 定員の遵守規定の緩和

現行基準

 ・ 短期入所については、定員を超えて入所を行ってはならない。
 ・ 障害者・児童デイサービスについては、定員を超えてサービス提供を行ってはならない。
変更後

 定員を超える利用予定者へのサービス提供、受け入れを可能とする。
 平均実利用人員が定員を下回っているのであれば、一日単位での実利用人員が定員を一定の範囲内で超過している場合でも、一時的なものとして認める。

6. その他

 障害福祉サービスとなることによる所要の改正

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