(ア | )厚生労働省では、かねてより、政府の対応の一環として、生物化学テロ対策を進めてきた。
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(イ | )米国における同時多発テロ等の発生を踏まえ、平成13年10月8日には事務次官を本部長とする厚生労働省緊急テロ対策本部を設置し、
(1) | 炭疽や天然痘等の診断や治療方法、炭疽菌等に汚染されたおそれがある場合における対処方法など、情報提供及び研修の実施 |
(2) | 炭疽の発生をはじめ異常な感染症の発生等を把握した場合の迅速な連絡の要請 |
(3) | 平成13年度の補正予算に必要な経費を計上し、天然痘ワクチンの生産・備蓄や、救命救急センターへの除染設備及び防護服の配置の推進など、必要な措置を講じてきた。 |
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(ウ | )また、米国等による対イラク武力行使の開始にともない、平成15年3月20日に厚生労働省緊急テロ対策本部を開催し、厚生労働省の当面の対応として、国立感染症研究所等における検査体制の強化の指示等を行うとともに、3月31日には、同本部を大臣を本部長とする厚生労働省イラク関係問題対策本部へと格上げした。
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(エ | )近年の国際的な組織犯罪や国際テロの多発に対して、関係行政機関の緊密な連携を確保するとともに、有効適切な対策を総合的かつ積極的に推進することを目的として内閣に設置された国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部(本部長 内閣官房長官)において、今後の政府のテロ未然防止対策について検討され、平成16年12月10日に「テロの未然防止に関する行動計画」を決定した。
厚生労働省では主に以下の項目について必要な措置を講じている。
(1) | 旅館業者による外国人宿泊客の本人確認の強化等
・ | 宿泊者名簿の記載事項に外国人宿泊客の国籍及び旅券番号を追加することを内容とする旅館業法施行規則の改正 (平成17年1月24日公布、4月1日から施行) |
・ | 都道府県等に対し、旅館等の営業者に外国人宿泊客の旅券の写しの保存を求める旨の通知を発出するとともに、関係業界団体に対して各営業者への周知を依頼。 (平成17年2月9日実施) |
・ | 都道府県等に対し、実態として旅館業を営んでいるウィークリーマンション等の施設が旅館業法上の営業許可を取っていない場合、営業を中止させるか、営業許可を取るべきことを指導するよう求める旨の通知を発出。 (平成17年2月9日実施) |
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(2) | 生物テロに使用されるおそれのある病原性微生物等の管理体制の確立
・ | 医療機関、試験研究機関、公的機関等を対象に、都道府県、政令市、特別区及び省内関係部局を通じて、生物テロに使用されるおそれのある病原性微生物等の保有状況及び管理状況に関する調査を実施。 (平成16年12月調査実施、平成17年3月30日に公表) |
・ | 都道府県、政令市、特別区及び省内関係部局に上記調査結果を情報提供するとともに、管下の機関に対し、本調査結果を踏まえ、既発出の通知の遵守及び病原性微生物等管理マニュアルの整備に努め、病原性微生物等の適切な管理について、一層徹底するよう指導。 (平成17年3月30日実施) |
・ | 今国会に感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正案を提出する予定。 (感染症の病原体を保有している者に対し、国及び都道府県に対する届出を義務付けるとともに、病原体の譲渡の規制、国及び都道府県による報告徴収、調査及び立入検査等に関する規定を設け、違反等に対し行政処分を行い、又は罰則を科すことなどを内容とする法改正) |
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(3) | 爆弾テロに使用されるおそれのある爆発物の原料の管理強化
・ | 爆発物の原料となりうる化学物質として、事件が頻発し問題となっている過酸化水素製剤について、薬局・薬店や毒物劇物の販売者等に対し、適切な管理と販売を行う旨の指導を行うよう、都道府県に通知。 (平成17年3月29日実施) |
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