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2 社会福祉法人制度の見直し等について(総務課、指導監査室)

(1) 社会福祉法人制度の見直しについて
 社会福祉法人制度の見直しについては、社会保障審議会福祉部会において、昨年2月以来6回にわたり議論が行われ、当面行うべき措置として、昨年12月8日に意見書が取りまとめられたところである。これを踏まえ、年度内を目処に所要の通知を発出する予定である。
 具体的措置としては、
 ア  公益的取組を推進することが社会福祉法人の経営理念の一つであることを明確にすること、
 イ  理事会が法人の重要事項について決定する際には評議員会の同意が必要とされているが、これを見直し、意見を聴くことで足りることとすること、
 ウ  理事のうち施設の職員である者が理事総数の3分の1を超えてはならないという規制を廃止すること
 などであり、これらは、法人の自主的・自律的・機動的な活動に資するものであると考えている。
 なお、理事会及び評議員会の在り方等については、公益法人改革の動向等を見ながら引き続き検討することとしている。

(2) 社会福祉法人の指導監督について
 近年、規制改革の流れの中で、社会福祉法人の設立要件や運営費の使途制限等の規制緩和が進められているところであるが、一方で、社会福祉法人の不適切な施設運営や不祥事が依然として散見されている。これらを未然に防止し、適正な法人運営を確保するため、より厳正な指導監査の実施をお願いしたい。
 なお、社会福祉法人制度の見直しによる具体的な措置を踏まえ、社会福祉法人指導監査要綱についても改正することとなるので、留意願いたい。



社会福祉法人制度の見直しについて(案)

 社会福祉法人制度の見直しのうち、下記の規制緩和事項等については、年度内を目処に所要の通知を発出。
 理事会及び評議員会の在り方、公益性の確保等については、公益法人改革の動向等を見ながら引き続き検討。


1.公益的取組の推進

 低所得者等サービスの利用が困難な者への配慮などの公益的取組を推進することを社会福祉法人の経営理念の一つとして明確化する。

 公益的取組の推進のため、本来事業の地域への開放など定款に別途の記載を必要としない範囲を明確化するなど定款審査の在り方を見直す。


2.評議員会の同意要件の見直し

(現行)
   理事会が予算、決算、事業計画、定款の変更など法人の業務に関する重要事項について決定しようとする場合には、原則として、評議員会の同意を得ることとされている。
 また、評議員会を設ける法人にあっては、理事や監事の選任を評議員会で行うこととしている。

(見直しの方向)
   「原則として評議員会の同意を得る」ことを改め、「評議員会の意見を聴く」ことで足りることとする


3.理事構成の緩和

(現行)
   施設長等施設の職員である理事が理事総数の3分の1を超えることは適当ではないとされている。

(見直しの方向)
   評議員会を設置する法人にあっては地域の意見を反映できることなどから理事総数の3分の1を超えてはならないという規制を廃止する。


4.理事長の専決権の明確化

(現行)
   法人の業務の決定は理事会によって行う。ただし、日常の軽易な業務は理事長が専決し、これを理事会に報告する。

(見直しの方向)
   日常の業務としてあらかじめ理事会が定める業務は理事長が専決できることとする。


5.運営費収入の使途の弾力化

(見直しの方向)
   使途の弾力化は経営の自律性の強化、公益的取組の推進にも資することから、第三者評価の受審などチェック機能の整備された法人については、公益事業への資金移動の範囲拡大など更に弾力化を進める。


6.資産要件の緩和

(見直しの方向)
   サテライト型特別養護老人ホームなどについて、一定の要件の下に土地建物について民間からの賃貸を認めるなど、安定性を大きく損なわない範囲で緩和措置を講じる。


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