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7.老人保健事業等について

(1)老人保健事業の平成17年度計画(案)について
 現行の老人保健事業のうち、65歳以上を対象とするものについては、平成18年度に介護予防・地域支え合い事業等とともに見直しを行い「地域支援事業(仮称)」として再編する予定である。
 また、65歳未満を対象とする事業についても、現在、関係部局とともに制度的な見直しも含め検討しているところである。
 保健事業第4次計画は平成16年度をもって終了することから、平成17年度については、原則として、保健事業第4次計画の考え方に沿って単年度計画に基づき事業を実施していただくこととしており、当該計画策定に係る具体的な考え方については、平成16年12月28日付け事務連絡でお示ししたところである。
 正式な通知は政府予算の成立後、速やかにお示しすることとしているので、各都道府県においては、管内市町村及び関係団体等に対する周知並びに適切な指導を行い、事業の円滑な実施に遺漏のないよう、特段の御配意をお願いしたい。

(2)骨粗鬆症検診の対象年齢の拡大について
 老人保健事業における骨粗鬆症検診については、骨粗鬆症が骨折等の基礎疾患となり、高齢社会の進展によりその増加が予想されることから、早期に骨量減少者を発見し、骨粗鬆症を予防することを目的として、40歳及び50歳の者を対象として、平成12年度から実施している。
 骨粗鬆症は、全身疾患であり、最初は何の症状もないが、長年の生活習慣などにより、骨量の減少と骨構造の劣化により骨強度が低下し、骨折を起こしやすくなっている状態のことである。現在、日本で約1千万人が罹患していると言われており、早期に発見し、適切な医療を受診できるようにすることが重要である。
 このため、平成17年度から、骨粗鬆症検診の対象年齢を40歳及び50歳の者から40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳及び70歳の者に拡大するものであり、70歳までの節目の年齢で骨粗鬆症検診が受診できるよう体制を整備したところである(参考1参照)。
 具体的な方法については、これまで同様、平成12年度に作成された「老人保健法による骨粗鬆症予防マニュアル」を利用し、実施することとしている。
 今後とも、各都道府県においては、管内市町村及び関係団体等に対する周知並びに適切な指導を行い、事業の円滑な実施に遺漏のないよう、特段の御配意をお願いしたい。

(3)女性のがん緊急対策について(マンモグラフィ緊急整備事業等)
 国民一人ひとりが生涯にわたり元気で、活動的に生活できる「明るく活力ある社会」を構築するため、「健康寿命」を伸ばすことを基本目標とする「健康フロンティア戦略」が、昨年5月19日、与党幹事長・政調会長会議で決定され、同日、政府に対し、この戦略を「骨太の方針2004」に盛り込み平成17年度予算の重点政策とするよう要請された。具体的には、「健康寿命の2年延伸」を目指し、生活習慣病予防対策、介護予防対策に取り組むため、『働き盛りの健康安心プラン』『女性のがん緊急対策』『介護予防10ヶ年戦略』『健康寿命を伸ばす科学技術の振興』を4つを柱として、重点的に取り組むよう要請された。
 老人保健事業関係の取組としては、『女性のがん緊急対策』について、特に、女性のがん罹患の第一位である「乳がん」及び若年者の罹患率が増加傾向にある「子宮がん」について重点的に取り組むため、平成17年度予算として、「マンモグラフィ緊急整備事業」として約39億円、「女性のがん検診及び骨粗鬆症検診普及啓発事業」として約2.3億円を計上したところである。
 具体的な交付要綱案、実施要領案については早急にお示ししたいと考えているところであり、各都道府県におかれては、事業が円滑に実施できるよう御配意願いたい。特に、マンモグラフィの整備については、国が2分の1の補助を行い、残りの2分の1を都道府県及び市町村又は厚生労働大臣の認める者(公的検診機関等を想定)で負担割合を調整し導入できる交付要綱案を検討しており、その際、各都道府県において管内の整備計画を立案し、都道府県内分を取りまとめて申請していただくことを考えているところであり、都道府県内の需要について適切に把握されるようお願いしたい(参考2参照)。

(4)がん検診に関する検討会について
 平成15年度に開催した「がん検診に関する検討会」においては、乳がん検診、子宮がん検診について検討し、中間報告をまとめていただいたところであるが、引き続き、乳がん検診、子宮がん検診の検診体制や精度管理について検討していただくため、昨年12月20日に第8回目の検討会を開催したところである。
 また、平成16年度がん研究助成金「がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究」(主任研究者:祖父江友孝国立がんセンターがん予防・検診研究センター情報研究部長)では、大腸がん検診の有効性等について調査・研究を進めているところであり、その状況等を踏まえて、上記検討会において大腸がん検診についても検討していただく予定である。

(5)「結核健診の見直し」に伴う肺がん検診の取扱について
 平成17年度の肺がん検診は、従来どおり40歳以上を対象に実施する予定であるが、これまで、結核健診において胸部X線撮影を行った画像を活用して肺がんの診断を行えていたものが、結核健診の見直しに伴い活用できなくなることから、40歳から65歳未満の肺がん検診に必要なX線撮影等に要する費用については、新たに地方交付税交付金の基準財政需要額に盛り込むべく要求したところである。
  今後とも、各都道府県においては、管内市町村及び関係団体等に対する周知並びに適切な指導を行い、事業の円滑な実施に遺漏のないよう、特段の御配意をお願いしたい。


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