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結核感染症課

 感染症対策
(1)  感染症対策について
検査体制の充実について
 感染症対策は、迅速な情報の提供と正確な検査・診断が基本となっている。そのため、地方衛生研究所を中心とした都道府県の検査体制を整備し、少なくとも二〜五類感染症の検体検査がすべて実施できるよう、P3施設の整備などに努められたい。
実地疫学専門家養成コースについて
 厚生労働省では、国立感染症研究所に国際的な実地疫学専門家(Field Epidemiologist)の養成コースに準拠した実地疫学専門家養成コース(Field Epidemiology training Program Japan(FETP-J))を設置し、実地疫学専門家の養成に取り組んでいるところである。
 既に、国立感染症研究所から第7期研修員募集要項(研修期間:平成17年4月〜19年3月)を送付しているので、健康危機管理に対応できる人材養成の手段として活用されたい。(資料1参照)

(2)  動物由来感染症対策について
 動物の輸入届出制度については、現在、各国政府、国民への制度の周知、受付窓口の設置等、本年9月1日の施行に向けた準備を進めているところであり、各都道府県におかれても関係部局と十分に連携の上、管内の動物等取扱業者への周知に協力頂きたい。(資料2参照)

(3)  肝炎対策について
 我が国においては、肝炎ウイルスに感染しながら明らかな症状がない潜在的な持続感染者は340万人以上といわれており、これらの者に対する対応が重要な課題となっている。また、ウイルス肝炎に対する誤った知識が広まったり、肝炎感染者に対する無理解や差別が生じることがないよう配慮することが重要であり、肝炎の正しい知識の普及啓発を徹底するようお願いする。
 なお、保健所等において性感染症又はHIV抗体の検査を受ける40歳以上の希望者に対し、HBs抗原検査、更にはHCV抗体検査等までの事業を行う場合、その費用に対して国庫補助をしているので、活用されたい。

(4)  性感染症対策について
 性感染症に関する特定感染症予防指針において、性器クラミジア感染症、性器ヘルペスウイルス感染症、尖(せん)圭コンジローマ、梅毒及び淋(りん)菌感染症(以下「性感染症」という。)は、性的接触を介して感染するとの特質を共通に有し性的接触により誰もが感染する可能性がある感染症である。特に、性感染症を取り巻く近年の状況としては、十代の半ばごろから二十代前半にかけての年齢層における発生の増加が報告されていること等が挙げられており、これらを踏まえた上で、性感染症対策を進めていくことが重要である。
 なお、当該指針については、見直しの目安である5年を経過しつつあるため、厚生科学審議会感染症分科会感染症部会エイズ・性感染症ワーキンググループにおける検討を踏まえ、改正を行うこととしている。
 また、特定感染症検査等事業において、保健所等が実施した性感染症検査については、国庫補助の対象としているので活用されたい。

(5)  インフルエンザ対策について
 インフルエンザは、毎年冬季に流行を繰り返し、国民の健康に対して大きな影響を与えている。特に、高齢者施設での集団感染、高齢者の死亡等の問題が指摘されているので、感染予防とまん延防止が課題となっている。このため、平成16年10月22日付け健感発第1022001号結核感染症課長通知「今冬のインフルエンザ総合対策の推進について」に基づき、関係機関に対する普及啓発、施設内感染防止対策の周知徹底等、積極的な取組をお願いする。

(6)  予防接種対策について
 予防接種実施要領、『予防接種ガイドライン』、『予防接種と子どもの健康』及び『予防接種間違い防止の手引き』を見直したので、市町村への周知を願うとともに、これらを活用することにより、予防接種の適切な実施及び事故の防止に一層努められたい。
 また、予防接種制度を取り巻く環境は変化しつつあり、各対象疾患についても、流行状況やワクチン開発状況など最近の動向を踏まえた対応が求められている。このため、予防接種を取り巻く重要な課題について検討を行うことを目的として「予防接種に関する検討会」を設置し、最新の知見に基づき、麻しんや風しんの2回接種導入等の各疾患への対応について、また、今後の予防接種の在り方について必要な検討を行っており、本検討会における提言を踏まえ、必要な見直しを行っていくので、ご協力方お願いする。

(7)  結核対策について
 昨年の通常国会においては、結核予防法を改正し、重点的な健康診断、BCGの早期接種及び服薬指導の推進等を盛り込んだところである。
 現在、厚生労働省においては、(1)定期外健診に関する処理基準(2)BCG予防接種の実施に関する技術的助言(3)化学予防に関する結核医療の基準の見直し(4)関係通知の改廃等の作業を進めており、本年4月からの改正法の施行についてよろしくお願いしたい。
 また、現在、結核医療に関する検討小委員会において、結核患者に対する適切な医療提供のあり方、入院制度の見直し等の課題について検討中である。


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