2. 伊勢崎市の現状と課題
(1) 市町村合併

<概要>
 現在の伊勢崎市は、平成17年1月1日に伊勢崎市・赤堀町・東村・境町の4市町村が合併し、新しい伊勢崎市が誕生する。これにより、前橋市に次いで県内で2番目に広い面積と前橋市・高崎市に次いで県内で3番目に多い人口の都市となる。
 市民の基本健診の受診率は、高い状況にあるが、旧市町村間に受診率の格差がある。

図


■1  動向
 市町村合併に際して策定された新市建設計画(伊勢崎市・赤堀町・東村・境町合併協議会)において、福祉・健康分野の目標を次のとおり定めている。
「みんながなごやかに、いきいき暮らすまち」−福祉・健康分野の目標
高齢化の進展を踏まえ、保健、医療、福祉をさらに充実させて、すべての住民がなごやかに暮らせるまちを目指していく。
スポーツ施設のさらなる充実と医療機関との連携した予防医学の普及による生涯スポーツの発展、生活習慣病などを防いだ、健康長寿のまちを実現する。
子育て環境の支援策の充実により若い世代の定住と流入を促し、少子化防止の先進都市を実現していく。
住民と行政の協力により、住民の優しさが行き届いた福祉サービスにつなげる仕組みを整え、高齢者も障害者もいきいきと暮らせるまちを実現していく。
《主要施策》
(1) 児童福祉の充実
子育てしやすい環境づくり
育児や保育に関する環境を充実させることによって、安心して子供を生み育てる社会を実現していく。
(2) 障害者(児)福祉の充実
ノーマライゼーション社会の実現
障害を持つ者の生活支援拡充、福祉教育やボランティア活動の充実等により、地域で普通に生活ができる社会を実現していく。
(3) 地域福祉の充実
地域福祉を支える活動の強化
各地域で活動してきた福祉団体、ボランティア団体等の連携を図るとともに、福祉系大学の協力を求め、地域福祉を支える活動を強化する。
(4) 高齢者福祉の充実
高齢者福祉環境の充実
特別養護老人ホームの整備支援や老人福祉センターの整備、また高齢者福祉施設福祉団体によるデイサービス促進等を通じて、高齢者福祉環境を充実させる。
介護保険事業の推進
健全な介護保険事業を運営する。
(5) 医療環境の充実
地域中核病院の充実
伊勢崎市民病院の高度医療設備を充実する。
小児救急医療体制の充実
小児救急医療体制や休日・夜間救急医療体制・救急歯科医療体制を充実させる。
(6) 健康づくりの充実
健康づくりの推進
疾病予防対策として基本健診や保健事業の充実を図る。
予防意識の普及
住民が年齢や生活様式に応じて健康増進に取り組めるよう、保健・医療の予防啓発を行い、住民一人ひとりの実践行動を促進させる。

 ○ 基本健診の受診率は約72%でほぼ一定に推移しているが、受診者数は微増している。
 ○ 平成15年における旧市町村別の受診率をみると旧伊勢崎市が最も高く、約8割に達している。東村、境町でも7割を超えているが、赤堀町では6割弱となっている。
 図  基本健診受診者数と受診率の推移

 (出典: 厚生労働省統計情報データ)
図 基本健診受診者数と受診率の推移
 旧市町村別基本健診受診率(平成15年)
表 旧市町村別基本健診受診率(平成15年)

 ○ 全国でも基本健診の受診率が高い群馬県の中で、伊勢崎市の受診率は県平均を上回り、約10ポイント高い比率となっている。また周辺の主要都市と比較しても高い状況にあり、健診に対して意識が高く、積極的に取り組んでいる状況が伺える。

  図表  県・伊勢崎市及び主要都市の基本健診受診者と受診率(平成13年)
図表 県・伊勢崎市及び主要都市の基本健診受診者と受診率(平成13年)
図表 県・伊勢崎市及び主要都市の基本健診受診者と受診率(平成13年)


■2  課題のまとめ

これまで、各々の市町村において、独自にまちづくりを展開している。
合併により行政区域が広がり、行政のサービス圏域も拡大する。
【課題(1)】 これまで各市町村で行われていた医療・福祉をはじめとするサービス水準の統一化を図る必要がある。
 また、行政区域の拡大により、地域におけるサービス水準の格差が生じないようにする必要がある。
新市建設計画において、合併後の統一のまちづくりの目標が掲げられている。
【課題(2)】 新市の新しい組織において、統一のまちづくりの目標実現を目指す体制を早期に確立する必要がある。

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