障害保健福祉関係主管課長会議
H17.12.26 資料6

自立支援給付に係る居住地の扱いについて
(障害福祉サービス・自立支援医療・補装具)

1. 基本的な取り扱い(法第19条第2項(第52条第2項、第76条第4項))
 ○  障害者自立支援法における自立支援給付(障害福祉サービスに係る介護給付費等、自立支援医療費等及び補装具費)の支給決定、支給認定又は認定(以下「支給決定等」という。)は、原則として、申請者である障害者等(障害者又は障害児の場合はその保護者をいう。以下同じ。)の居住地の市町村(居住地を有しない又は不明の場合は、現在地の市町村)が行う。
 なお、居住地不明者の費用負担については、現在、国:都道府県=1:1となっているが、18年10月以降は、障害者自立支援法に基づく給付については、国:都道府県:市町村=2:1:1とする。ただし、身障法及び知障法に基づく措置については、国:都道府県=1:1とする。
 ○  ただし、自立支援医療のうち、現行の精神通院公費及び育成医療については、障害者等の居住地又は現在地の都道府県とする。(精神通院公費の申請先市町村については、現行の扱いを踏襲する)。
 ○  この支給決定等を行う市町村が、自立支援給付の実施主体となり、費用の支弁を行うこととなる。(居住地原則)
 ○  なお、地域生活支援事業については、いわゆる個別給付ではないことから、法令上もこうした規定は設けられておらず、それぞれの事業の趣旨、内容、実施方法等を踏まえて、事業の実施主体である市町村又は都道府県が判断する。

2. 居住地特例(法第19条第3項(第52条第2項、第76条第4項))
 ○  居住地特例とは、施設等所在地の支給決定等事務及び費用負担が過大とならないよう、居住地原則の例外として、一定の施設等の入所・入居者については、入所等する前に居住地を有していた市町村を支給決定等及び給付の実施主体として取り扱うことである。
 ○  対象となる施設等に継続して入所又は入居する間(他の対象施設等に移る場合を含む)は、居住地特例は継続し、最初に施設等に入所等する前の居住地市町村が引き続き実施主体となる。
 ○  なお、居住地特例の対象となると、対象となる施設だけでなく、当該者が利用する通所サービスや補装具費等についても、入所等する前の居住地市町村が実施主体となる。
 ○  今回の障害者自立支援法においては、基本的には現行の取り扱いを踏襲することとし、運用上の取り扱いをできる限り法令上明記することとした。
 ○  また、応能負担による扶養義務者の費用負担を廃止し、施設入所者については出身世帯と別に世帯を営んでいることを前提とした利用者負担の仕組みとすること等も踏まえ、現行の運用のように、入所等の前に属していた世帯が他市町村に転出した場合に、当該世帯の転出に伴い実施市町村を変更するとの取扱いはしないこととする。(18年4月1日より)

3. 居住地特例の対象となる施設等の範囲

(1) 法律上の扱い(法第19条第3項等)
 ○  法律上、以下の施設が居住地特例の対象となる。
(1)  障害者支援施設
(2)  のぞみの園
(3)  法第5条第1項の厚生労働省令で定める施設(施設障害福祉サービスを提供しても障害者支援施設や障害福祉サービス事業者としての規制を受けない施設。児童福祉施設を想定)
(4)  法第5条第5項の厚生労働省令で定める施設(療養介護の対象施設。病院を想定)
(5)  生活保護法第30条第1項ただし書の施設
(6)  旧法施設(身障療護、身障更生、身障授産、知的更生、知的授産。附則第18条第1項)
(7)  共同生活援助又は共同生活介護を行う共同生活住居当分の間の経過措置。附則第4条及び第18条第2項)
 ○  なお、既存の施設が障害者支援施設へ転換した場合は、障害者支援施設へ入所したものと扱う。

(2) 運用上の扱い
 ○  (1)に加え、現行において運用上居住地特例を行っている
・ 福祉ホーム
・ 通勤寮
については、現行と同様に運用上、福祉ホーム等に入居前に居住地を有した市町村を実施主体(介護給付費等、自立支援医療(旧更生)、補装具)とする。
 福祉ホームそのものは地域生活支援事業であり、居住地特例の規定の適用はない。ただし、18年10月以降、福祉ホームを市町村の地域生活支援事業として実施する場合、その費用については、通常、福祉ホームの所在地市町村が負担することになるものと考えるが、介護給付費等について居住地特例を設ける趣旨にかんがみ、入居前の居住地市町村との間で、その費用負担についての調整を図ることが適当と考えられる。
 ○  また、精神病院、精神障害者社会復帰施設からの退院、退所者については、現行の運用も踏まえ、精神病院等の入院・入所前に居住地を有した市町村を実施主体(介護給付費等、自立支援医療(旧更生)、補装具)とする(18年4月1日より)。

4. 施行
 ○  施行日が2段階に分かれており、例えば、身障授産施設が法律上の居住地特例対象施設となるのは18年10月1日であるが、円滑施行の観点から、18年4月1日で取り扱いを統一することとする。
 ○  すなわち、18年4月1日時点で既に3.(1)及び(2)の対象施設に入所又は入居している者については、現に支給決定等(精神障害者地域生活援助事業(グループホーム)にあっては費用支弁)をしている市町村が引き続き支給決定等及び費用支弁を行うこととする。
 ○  ただし、18年4月1日以降は出身世帯の異動に伴う変更は行わないこととする。
 ○  また、4月以降、精神病院及び精神障害者社会復帰施設からの退院、退所者についても、居住地特例の扱いを適用する。

5. 他法における住所地等特例の取扱い
 ○  上記整理にあわせて、国民健康保険法の住所地特例(国民健康保険法第116条の2)及び生活保護法の保護の実施機関の特例(生活保護法第84条の3)についても、3(1)に掲げる施設について住所地特例等の対象として位置付ける
平成18年4月から9月まで:共同生活援助を行う住居を対象として追加
平成18年10月時点:障害者支援施設、旧法施設等を追加(共同生活援助及び共同生活介護は、当分の間の経過措置として附則に規定)



(参考)
現行制度における実施市町村の取り扱い

1. 支援費、更生医療、補装具

(1) 法律上の取り扱い(身体障害者福祉法第9条及び知的障害者福祉法第9条)
 ア) 原則として、「居住地」を有する市町村が援護の実施者となる。
 イ) 身体障害者療護施設及び生活保護法第30条に規定する施設への入所者
 施設入所前(継続入所の場合は最初の入所前)に「居住地」を有していた市町村が援護の実施者となる。(居住地特例)

(2) 運用上の取り扱い
上記イ)に加え、運用上、以下の特例を設けている。
 ア) 身体障害者更生施設、身体障害者授産施設、知的障害者更生施設、知的障害者授産施設、知的障害者通勤療、知的障害者地域生活援助(グループホーム)及びのぞみの園への入所者
 →  これらの施設は訓練終了等当初の目的が達せられた場合には施設を退所することが予定されているため、施設入所前の居住地市町村()に「居住地」を有していると解釈している。
 イ) 福祉ホームへの入居者
 →  ホームに入居する前に居住地を有していた市町村()に「居住地」を有していると解釈している。

2. 精神障害者地域生活支援事業(グループホーム)(運用上の取り扱い)
 ○  原則として、「居住地」を有する市町村が費用負担を行う。
 ○  ただし、精神病院、精神障害者社会復帰施設に入院等した者がグループホームに入居した場合は、精神病院等に入院等する前に居住地を有していた市町村()となるとしている。

(注) については、いずれも、出身世帯がある場合で、出身世帯が他市町村に転出するなど、利用者が他市町村に戻ることとなる場合には、当該出身世帯の転出先市町村との扱いとしている。

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