介護給付費等に係る処分に関する
都道府県の不服審査について |
※法令名の略称表記
法: |
障害者自立支援法 |
令: |
同施行令 |
行審法: |
行政不服審査法 |
行手法: |
行政手続法 |
行訴法: |
行政事件訴訟法 |
|
○ |
法では、障害者(児)の障害福祉サービスの利用が適正に確保されるよう、障害者又は障害児の保護者(以下「障害者等」という。)が市町村の行った介護給付費等に係る処分に不服がある場合は、その請求により都道府県が客観的な立場から当該処分の適否について迅速に審査を行うこととしている。 |
○ |
都道府県知事である。
※ |
市町村の介護給付費等に係る処分は自治事務であり、行政機関が行う不服審査の一般法である行審法によれば、本来、上級庁ではない都道府県知事が不服審査を行うこととはならず、市町村長への異議申立てを行うこととなるが、法においては、市町村審査会による審査判定に加え、都道府県が客観的な立場から審査を行うこととして、障害者等の権利利益の保護に一層配慮している。
|
※ |
法第7章(第97条から第105条)の規定は、行審法の特別法に該当。したがって、行審法との適用関係は、法に規定されている事項については、法が優先適用されるが、法に定めのない事項については、行審法が適用される。(法第104条参照) |
|
○ |
都道府県知事は、条例で定めるところにより、審査請求の事件を取り扱わせるため、障害者介護給付費等不服審査会(以下「不服審査会」という。)を置くことができる。 |
(1) |
不服審査会の設置について
ア |
不服審査会の設置の考え方
○ |
地方分権の趣旨を踏まえ、どのような体制で不服申立ての審査を行うかについては、最終的には都道府県の判断とし、不服審査会の設置については、法律上は任意としている。 |
○ |
ただし、審査請求の内容には、認定された障害程度区分や非定型的な支給決定など、市町村が、決定に際して専門的な審査判定機関である市町村審査会の判断を経ているものが含まれることから、都道府県においても、専門的な立場からの審査判定の適否等を審査できる専門性を有する機関に判断を仰ぐことが適切と考えられるため、設置が望ましいものと考えている。 |
|
イ |
不服審査会の設置手続き
○ |
不服審査会の設置には、その設置根拠となる条例の制定が必要となる。 |
( |
参考)法
(不服審査会)
第 |
九十八条 都道府県知事は、条例で定めるところにより、前条第一項の審査請求の事件を取り扱わせるため、障害者介護給付費等不服審査会(以下「不服審査会」という。)を置くことができる。 |
2 |
不服審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い、条例で定める員数とする。 |
3 |
委員は、人格が高潔であって、介護給付費等に関する処分の審理に関し公正かつ中立な判断をすることができ、かつ、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。
※ |
設置条例は、単独の条例でも、附属機関を一本化した条例がある場合にはその条例に加える形でも差し支えない。 |
|
|
|
ウ |
設置条例の規定内容
○ |
設置条例には、設置する旨のほか、委員の定数、その他法令に定めのない事項のうち必要な事項を規定する。
※条例参考例 別紙のとおり |
|
|
(2) |
不服審査会の体制
ア |
委員の定数
○ |
不服審査会の委員の定数は、政令で定める基準に従い、条例で定める員数とする。 |
○ |
審査請求の事案は、委員のうちから会長が指名する者をもって構成する合議体で取り扱い、合議体を構成する委員の定数は、5人を標準として都道府県が定める。
※政令で定める基準(案)
不服審査会の介護給付費等に係る処分に関する審査請求の事件の件数その他の事情を勘案して、各都道府県が必要と認める数の合議体を設置することができる数。
・ |
審査請求件数については、各都道府県において、支援費制度での異議申立て状況や新たな障害程度区分の導入等を踏まえて見込んでいただきたい。
|
・ |
委員数は、審査請求のうち不服審査会に付議する(7参照)見込み件数とその件数の処理に必要な審査体制(必要と見込まれる開催回数と合議体の数など)を勘案して、各都道府県において決定いただくこととなる。
|
・ |
一合議体当たりの標準的な委員数は、市町村審査会と同様に、3障害を対象とすることなどを考慮して5人としている。 |
|
|
イ |
委員の要件
○ |
委員は、人格が高潔であって、介護給付費等に関する処分の審理に関し公正かつ中立な判断をすることができ、かつ、障害者等の保健又は福祉に関する学識経験を有する者のうちから、都道府県知事が任命する。 |
○ |
委員構成については、身体障害、知的障害、精神障害の各分野においてバランスの取れたものとすることが望ましいものと考える。 |
○ |
職種については、市町村審査会と同様、特に限定はされないので、法律上の要件、3障害のバランス等を勘案して各都道府県において適宜判断願いたい。 |
○ |
市町村審査会の委員や認定調査員とは兼務しないことが望ましいが、やむを得ず兼務する場合は当該者が関わった事案については審理から外す(合議体メンバーの差替え又は不参加)取扱いとする。 |
|
ウ |
その他
○ |
障害程度区分や支給決定に関する処分に対する審査請求があった場合には、その適否を審査するための基礎資料となる専門的な事項を調査する必要がある場合も考えられるため、審査委員以外に不服審査会に専門的な調査員(介護保険法第188条に規定する専門調査員に相当するもの)を置くことも差し支えない。 |
○ |
法第103条に基づき、個別に、医師その他都道府県知事の指定する者に診断その他の調査をさせることも可能。 |
|
|
(3) |
不服審査会の位置付け
○ |
都道府県が、審査請求の事件を取り扱わせるため、条例に定めて不服審査会を置く場合でも、都道府県知事が審査庁として、審査請求を受理し、裁決を行うこととなる。
すなわち、不服審査会は、都道府県知事が付議した審査請求事案を審理し、都道府県知事に審理結果を答申。都道府県知事は、その答申を尊重して裁決を行う。 |
○ |
なお、不服審査会を設置した場合でも、都道府県知事は、全ての審査請求事案を付議しなければならないものではない。(詳細は7の(1)参照) |
|
(4) |
不服審査会の設置時期
○ |
審査請求の対象となる市町村の処分は、18年4月以降のもの(施行前準備行為として行われたものを含む。)が対象となるが、不服審査会において取り扱う事案の範囲やその開始時期などを踏まえ、各都道府県において審査請求に適切に対応できるよう、不服審査会の設置時期を検討いただきたい。
※ |
都道府県による不服審査は、市町村が法附則第24条に定める施行前準備行為として法施行前に行った処分も対象となり、また、都道府県は、施行前準備行為として施行日前に不服審査(不服審査会の設置及び審理を含む。)を行うことができる。 |
|
|
○ |
市町村が行う障害福祉サービスの個別給付に係る処分が審査請求の対象となる。(法第97条第1項)
※ |
法附則に基づく「みなし支給決定」については、法律の規定に基づき市町村の裁量の余地なく行われる処分であるため、審査請求の対象とならない。ただし、「みなし支給決定」に併せて市町村が行う利用者負担に係る決定は、新たな行政処分であり、審査請求の対象となる。
|
※ |
18年4月から9月までの間の施設訓練等支援費に係る支給決定や利用者負担については、自立支援法ではなく、身体障害者福祉法又は知的障害者福祉法に基づく決定であるため、審査請求の対象とはならず、市町村への異議申立てとなる。 |
|
(1) |
障害程度区分に関する処分
○ |
障害程度区分の認定は、それ自体独立した行政処分であり、支給決定の勘案事項の一つとして介護給付費等に係る処分に当たるので、都道府県知事への審査請求の対象となる。
・ |
障害程度区分の認定(法第21条第1項) |
・ |
障害程度区分の変更認定(法第24条第4項) |
※ |
訓練等給付の支給決定に際して設定する「スコア」は、審査請求の対象とならない。(「スコア」は障害程度区分ではなく、サービス利用の優先度を判断するための指標であるため。) |
|
|
(2) |
支給決定に係る処分
○ |
介護給付費等の支給決定に係る処分には、支給決定(支給量等の決定)に関する処分と支払決定(サービス利用後の具体的な請求に対する支出決定)に関する処分のいずれもが含まれる。
具体的には、以下のとおり。 |
ア |
支給要否決定に関する処分
・ |
介護給付費等の支給要否決定(法第22条第1項) |
|
イ |
支給決定(支給量等の決定)に関する処分
・ |
支給決定(障害福祉サービスの種類、支給量、有効期間の決定)(法第22条第4項) |
・ |
支給決定の変更の決定(法第24条第2項) |
・ |
支給決定の取消しの決定(法第25条第1項) |
|
ウ |
支払決定に関する処分
・ |
介護給付費(法第29条第1項) |
・ |
特例介護給付費(法第30条第1項) |
・ |
訓練等給付費(法第29条第1項) |
・ |
特例訓練等給付費(法第30条第1項) |
・ |
サービス利用計画作成費(法第32条第1項) |
|
※ |
介護給付費等に係る処分について審査請求ができるのは、「障害者又は障害児の保護者」(法第97条第1項)であることから、サービス事業者・施設は不服申立てをすることはできない。(代理人として行うことは可能) |
|
(3) |
利用者負担に係る処分
○ |
利用者負担は、給付と表裏の関係にあることから、利用者負担に係る決定は、「介護給付費等に係る処分」として審査請求の対象となる。
具体的には、以下のものが対象となる。 |
ア |
利用者負担の月額上限に関する決定(法第29条第4項)
・ |
利用者負担月額上限区分の決定 |
・ |
生活保護境界層対象者に対する負担軽減措置の決定 |
・ |
施設入所者及びグループホーム等入居者に係る定率負担の個別減免の決定 |
|
イ |
利用者負担の災害減免等の決定(法第31条) |
ウ |
高額障害福祉サービス費の給付決定(法第33条第1項) |
エ |
補足給付の決定
・ |
特定障害者特別給付費(法第34条第1項) |
・ |
特例特定障害者特別給付費(法第35条第1項) |
|
※ |
社会福祉法人減免は、障害者自立支援法に基づく処分ではないため、その対象者の認定は審査請求の対象とはならない。 |
|
○ |
障害者等が審査請求をすることができる期間は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内である。(法第101条、行審法第14条第1項) |
○ |
なお、法の施行日(18年4月1日)より前に施行前準備行為として行われた処分(支給決定や利用者負担に係る決定)については、施行日前においては、都道府県の審査体制の状況を踏まえ、処分があったことを知った日が施行日前であっても、「施行日の翌日から起算して60日以内」とする。(なお、審査請求は、施行日前でも可能。)
※ |
新体系サービスに係る支給決定が18年10月1日より前に行われた場合の審査請求期間は、原則どおり、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内とする。 |
|
(1) |
審査請求(法第97条)
○ |
審査請求は、介護給付費等に係る処分の名あて人である障害者等が行うことができる。 |
○ |
代理人によって審査請求することもできる(行審法第12条第1項)。その場合、代理人は審査請求に関する一切の行為をすることができるが、審査請求の取下げができるのは、特別の委任がある場合に限られる。(同条第2項) |
○ |
市町村を経由して審査請求を行うことができるので(行審法第17条第1項)、市町村に審査請求があった場合には、都道府県に送付する。(同条第2項) |
○ |
審査請求を受け付けるに当たり、審理を適切かつ円滑に行うという観点から、当該審査請求人の審査請求の理由(認定調査、医師の意見書、障害程度区分の二次判定の瑕疵等)をできるだけ明確に記載してもらうことが望ましい。 |
○ |
審査請求書を受けた受けた後であっても、審査請求人の主張等に不明確な点がある場合、都道府県は、随時審査請求人に対して電話等でその趣旨等を確認する。 |
○ |
審査請求書の記載事項(行審法第15条第1項)
(1) |
原処分の名あて人たる障害者又は障害児の保護者の氏名、住所及び生年月日(押印) |
(2) |
審査請求が代理人によってなされたときは、代理人の氏名及び住所(押印及び委任状添付) |
(3) |
審査請求に係る処分 |
(4) |
審査請求に係る処分があったことを知った年月日 |
(5) |
審査請求の趣旨及び理由 |
(6) |
処分庁の教示の有無及びその内容 |
(7) |
審査請求の年月日 |
(審査請求書の様式は任意) |
|
|
(2) |
審査請求の方法(法第101条、行審法第9条第1項・第16条)
○ |
審査請求は、簡易迅速かつ正確に救済手続を進める趣旨から、原則として書面によることとされている。ただし、口頭での審査請求も可能とされている。 |
|
(3) |
補正命令(行審法第21条)
○ |
審査請求が不適法であっても、審査請求書について、審査請求人の氏名、審査請求に係る処分、審査請求の趣旨及び理由など、審査請求の内容の特定に欠かせない事項の記載が欠けており、かつ、それが補正可能なものである場合には、都道府県知事は、相当の期間を定めて補正を命じなければならない。
※ |
審査請求人が、所定の期間内に補正をしないときは、その審査請求は却下される。 |
|
|
(4) |
処分庁への通知及び弁明書(法第102条、行審法第22条)
○ |
審査請求を適法なものとして受理した場合、都道府県知事は、処分庁である市町村及び利害関係人に、審査請求書の副本若しくは審査請求録取書の写しを添えて通知しなければならない。また、処分庁である市町村に対し、相当の期間を定めて弁明書の提出を求める(ことができる)。 |
|
(5) |
反論書(行審法第23条)
○ |
処分庁である市町村から弁明書の提出を受けた場合は、審査請求人に対して弁明書の副本を送付し、相当の期間を定めて反論書の提出を求める(ことができる)。
※ |
反論書の提出があった場合、更に必要がある場合には、処分庁である市町村に再弁明書の提出を求めることができる。この場合、再弁明書の副本を審査請求人に送付し、相当の期間を定めて再反論書の提出を求める(ことができる)。 |
|
|
(6) |
意見陳述機会の付与
○ |
審査請求を行った障害者等から都道府県知事に対し、意見陳述の申立てがあった場合には、都道府県知事は、口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。
その場合に、障害者等が、補佐人として、弁護人や介護者、手話通訳者等の援助者の同席を申し出たときは、これを許可することができる。(行審法第25条第1項・第2項) |
○ |
口頭意見陳述の方法については、各都道府県において適当と認められる方法により行うこととなる。
なお、必ずしも不服審査会に対する意見陳述の場を設ける必要はないものと考える。 |
(参考) |
行政不服審査法(抄)
(審理の方式)
第 |
二十五条 審査請求の審理は、書面による。ただし、審査請求人又は参加人の申立てがあつたときは、審査庁は、申立人に口頭で意見を述べる機会を与えなければならない。 |
2 |
前項ただし書の場合には、審査請求人又は参加人は、審査庁の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。 |
|
|
(1) |
付議する事案
○ |
不服審査会を設置する場合においても、都道府県知事は、全ての審査請求事案を不服審査会に付議しなければならないものではなく、障害保健福祉に係る専門的な審査を要すると認められる事案などに限定することは可能。 |
○ |
なお、付議する事案を限定する場合については、設置条例に付議する範囲を定めておくことが適当と考える。
※ |
付議を要しないものとする事案の参考例
・ |
審査請求が不適法であり、却下するとき。 |
・ |
審査請求の内容が利用者負担に関するものであるとき。 |
・ |
その他都道府県知事が障害保健福祉に係る専門的な審査を要しないと認めるとき。 |
|
|
|
(2) |
実質審理等
○ |
関係法令、処分を行った市町村の支給決定基準等に照らして審査を行う。
※ |
障害程度区分の認定について、手続き上の瑕疵(認定調査票の記入漏れ等)があり、市町村において審査・判定をやり直すことが適当と認められる場合は、正しい障害程度区分がどの程度かについてまで審理することなく認容することが可能。
|
※ |
支給決定については、基本的に市町村の支給決定基準を審査基準として判断する。すなわち、当該基準が公平かつ適正に適用されているかどうかを中心に審査を行う。 |
|
○ |
審理については、審査請求時点ではなく、原処分が行われた時点での事実関係について行う。 |
○ |
審査請求人の主張点及び行政庁の反論点を中心に審理を行う。 |
○ |
審理は基本的に書面で行う。ただし、審査請求人と市町村との間に事実関係の認識が著しく異なっている場合等特に必要と認める場合については、審査請求人や関係人に対して出頭を求めて、意見を述べさせることが必要と考える。 |
|
(3) |
裁決
○ |
不服審査会に付議(諮問)したものについては、都道府県知事は、その議決(答申)を尊重して裁決を行う。
※ |
裁決の種類(行審法第40条)
(1) |
却下(審査請求が不適法であるとき) |
(2) |
棄却(審査請求に理由がないとき) |
(3) |
認容(処分の全部又は一部の取消し。審査請求に理由があるとき) |
|
|
○ |
裁決により処分が取り消された場合は、処分は当初に遡って効力を否定される。
※ |
裁決書の記載事項(例)
(1) |
審査請求人(原処分の名あて人)たる障害者又は障害児の保護者の氏名、住所及び生年月日 |
(2) |
審査請求が代理人によってされたときは、代理人の氏名及び住所 |
(3) |
原処分をした市町村の名称 |
(4) |
裁決の主文 |
(5) |
裁決の理由 |
(6) |
裁決の年月日 |
|
|
|
(4) |
裁決があった場合における市町村の対応
○ |
裁決は、市町村を拘束する。(行審法第43条第1項) |
○ |
したがって、都道府県知事によって処分が取り消された場合には、市町村は、その趣旨に従い、改めて申請に対する処分をしなければならない。(行審法第43条第2項)
※ |
都道府県は市町村の上級庁に当たらないので、都道府県知事の裁決によって直接市町村の処分を変更することはできない。
|
※ |
処分が取り消された場合、処分は最初からなかったものとなるため、市町村が認容裁決を受けて改めて行う処分の効果は、当初処分を行った日に遡って効力を有することとなる。 |
|
|
(5) |
標準処理期間
○ |
法律上、審査請求に対する裁決に係る標準処理期間の定めはない(行手法も適用除外とされている(行手法第3条第1項第15号)。)。 |
○ |
ただし、審査請求があつた日から3か月を経過しても裁決がないときは、障害者等は、行訴法に基づき、原処分の取消訴訟を提起することができることとされている。(行訴法第8条第2項参照) |
|
○ |
市町村は、審査請求ができる処分を行う場合には、処分の相手方に対し、所管の都道府県知事に審査請求ができる旨及び審査請求ができる期間を書面で教示(通常は決定通知に記載)しなければならない。(行審法第57条第1項) |
○ |
また、併せて、(1)当該処分に係る取消訴訟の被告とすべき者、(2)当該処分に係る取消訴訟の出訴期間、(3)審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨を教示しなければならない。(行訴法第46条第1項) |
○ |
これに加えて、審査請求をした場合は、都道府県知事に申し出ることにより、口頭で意見を述べることも可能である旨を教示することが望ましい。
※ |
教示文例 |
1 |
この決定について不服があるときは、この通知書を受け取った日(又は平成18年4月1日のいずれか遅い方の日:支給決定又は利用者負担に係る決定を18年3月以前に行う場合に追記)の翌日から起算して60日以内に○○県知事に対し審査請求をすることができます。なお、審査請求をした場合には、○○県知事に申し立てれば、口頭により意見を述べることができます。 |
2 |
また、処分の取消しの訴えは、前記の審査請求に対する裁決書を受け取った日の翌日から起算して6か月以内に○○市(町村)を被告として(訴訟において○○市(町村)を代表する者は○○市(町村)長となります。)、提起することができます。なお、処分の取消しの訴えは、前記の審査請求に対する裁決を経た後(次の(1)から(3)までのいずれかに該当するときを除く。)でなければ提起することができないこととされています。
(1) |
審査請求があった日から3か月を経過しても裁決がないとき。 |
(2) |
処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるとき。 |
(3) |
その他裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。 |
|
|
その他審査請求の審理に係る手続等は、法及び令並びに行審法を参照。 |
(別紙)
この参考例は、条例の規定振りの一つの例を示したものであり、文言、形式等を拘束する趣旨のものではないこと。
○○県障害者介護給付費等不服審査会設置条例(参考例)
第 |
1条 この条例は、障害者自立支援法(平成17年法律第123号。以下「法」という。)第98条第1項及び第2項並びに第104条の規定に基づき、○○県障害者介護給付費等不服審査会(以下「不服審査会」という。)の設置並びに組織及び運営に関して、法及び障害者自立支援法施行令(平成○○年政令第○○号。以下「令」という。)並びに行政不服審査法(昭和37年法律第160号)に定めるもののほか必要な事項を定めるもvのとする。 |
第 |
2条 知事は、法第97条第1項の審査請求の事件を取り扱わせるため、不服審査会を置く。 |
2 |
知事は、法第97条第1項に基づき審査請求があったときは、次の各号に該当する場合を除き、不服審査会に審査を求めなければならない。
(1) |
審査請求が不適法であり、却下するとき。 |
(2) |
審査請求に係る処分が次に掲げるものであるとき。
|
(3) |
その他知事が障害保健福祉に係る専門的な審査を要しないと認めるとき。 |
|
第 |
3条 不服審査会は、委員○○人で組織する。 |
2 |
不服審査会は、委員のうちから会長が指名する○人をもって構成する合議体で審査請求の事件を取り扱う。 |
第 |
4条 この条例に定めるもののほか、不服審査会に関して必要な事項は、知事が定める。 |
附則
(施行期日)
(経過措置)
2 |
この条例の施行の日以後最初に開かれる不服審査会は、令第○○条第○項の規定にかかわらず、知事が招集する。 |
|
(※ |
法第103条第2項の規定に基づく旅費等の支給については、別に条例で定めることを想定。) |