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認定調査の基本的な考え方
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認定調査を行う趣旨
(1) |
障害者自立支援法における介護給付費、特例介護給付費、訓練等給付費、特例訓練等給付費の支給を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、市町村の支給決定を受けなければならない。 |
(2) |
支給決定を受けようとする障害者又は障害児から申請があった場合、市町村は、障害程度区分の認定や支給の要否決定を行うため、障害者等と面接をし、その心身の状況、その置かれている環境等について調査を行う。 |
(3) |
障害程度区分とは、障害者に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため当該障害者の心身の状態を総合的に表す区分であり、市町村がサービスの種類や提供する量を決定する場合に勘案すべき事項のひとつである。 |
(4) |
認定調査は、その結果が障害程度区分の基本的な資料であることから、全国一律の基準及び方法によって、公平公正で客観的かつ正確に行われる必要がある。 |
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(2) |
法令の規定について
(1) |
認定調査については、市町村職員が行うほか、市町村はその業務を指定相談支援事業者等に委託できることとしている。(第20条第2項) |
(2) |
認定調査を委託された指定相談支援事業者等は、障害者等の保健又は福祉に関する専門的知識及び技術を有するものとして厚生労働省令で定める者に当該委託に係る調査を行わせることとしている。(第20条第3項) |
(3) |
認定調査を委託された指定相談支援事業者等の役員若しくは認定調査の従事者(過去に従事した者を含む)は、認定調査に関して知り得た個人の秘密に関して守秘義務を負う。(第20条第4項)【これに違反した場合、罰則が適用される。(第20条第5項)】 |
(4) |
市町村は、障害者又は障害児の保護者の居住地が遠隔地にある場合、認定調査を他の市町村に嘱託することができる。(第20条第6項) |
【 |
参考】障害者自立支援法(抄)
(申請)
第 |
20条 支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者は、厚生労働省令で定めるところにより、市町村に申請をしなければならない。 |
2 |
市町村は、前項の申請があったときは、次条第1項及び第22条第1項の規定により障害程度区分の認定及び同項に規定する支給要否決定を行うため、厚生労働省令で定めるところにより、当該職員をして、当該申請に係る障害者等又は障害児の保護者に面接をさせ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査をさせるものとする。この場合において、市町村は、当該調査を第32条第1項に規定する指定相談支援事業者その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「指定相談支援事業者等」という。)に委託することができる。 |
3 |
前項後段の規定により委託を受けた指定相談支援事業者等は、障害者等の保健又は福祉に関する専門的知識及び技術を有するものとして厚生労働省令で定める者に当該委託に係る調査を行わせるものとする。 |
4 |
第2項後段の規定により委託を受けた指定相談支援事業者等の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下同じ。)若しくは前項の厚生労働省令で定める者又はこれらの職にあった者は、正当な理由なしに、当該委託業務に関して知り得た個人の秘密を漏らしてはな
らない。 |
5 |
第2項後段の規定により委託を受けた指定相談支援事業者等の役員又は第3項の厚生労働省令で定める者で、当該委託業務に従事するものは、刑法(明治40年法律第45号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみ
なす。 |
6 |
第2項の場合において、市町村は、当該障害者等又は障害児の保護者が遠隔の地に居住地又は現在地を有するときは、当該調査を他の市町村に嘱託することができる。 |
(障害程度区分の認定)
第 |
21条 市町村は、前条第一項の申請があったときは、政令で定めるところにより、市町村審査会が行う当該申請に係る障害者等の障害程度区分に関する審査及び判定の結果に基づき、障害程度区分の認定を行うものとする。 |
2 |
市町村審査会は、前項の審査及び判定を行うに当たって必要があると認めるときは、当該審査及び判定に係る障害者等、その家族、医師その他の関係者の意見を聴くことができる。 |
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2 |
認定調査の委託の考え方
認定調査は、支給決定の基本となる重要な業務であり、その実施に当たっては、専門性に加え、中立性・公平性の確保が重要であり、安易に外部に委託することなく、まずは市町村職員による実施、あるいは認定調査の能力があると認められる者を嘱託職員として活用する等による実施を検討することが適当である。
ただし、地域内に中立かつ公正な立場で調査を実施できる主体が存在する場合には、市町村の判断により委託することが可能である。
(1) |
平成18年9月末までの委託先等について
(1) |
中立かつ公正な立場で調査を行える以下の者に委託が可能。
ア |
現行の各法に基づく相談支援事業を行っている事業者
○ |
市町村障害者生活支援事業 |
等 |
○ |
障害児(者)地域療育等支援事業 |
○ |
精神障害者地域生活支援センター |
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イ |
介護保険法に規定する次の者
○ |
指定市町村事務受託法人 |
※ |
なお、平成18年9月末までの間は、相当数の認定調査件数が予想されること
から、居宅介護支援事業者についても可能とする。 |
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(2) |
認定調査を行う者(以下「調査員」という。)は、都道府県又は指定都市が行う障害程度区分認定調査員研修の受講を要件とする。 |
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(2) |
平成18年10月以降の委託先等について
(1) |
中立かつ公正な立場で調査を行える以下の者に委託が可能とする予定。
ア |
指定相談支援事業者のうち、当該市町村から相談支援事業の委託を受けている者 |
イ |
介護保険法に規定する指定市町村事務受託法人 |
ウ |
障害者支援施設(新規認定に係る調査の委託はできない。) |
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(2) |
調査員は、都道府県又は指定都市が行う障害程度区分認定調査員研修の受講を要件とする。 |
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(3) |
認定調査を委託する場合、市町村は委託先の事業者等と委託契約を締結するとともに、
調査員の資格を確認する。《別添委託契約書案を参照。》 |
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障害程度区分認定調査委託契約書様式(案)
○○市(以下「甲」という。)と
《事業者名》(以下「乙」という。)とは、障害程度区分認定調査(以下「調査」という。)の業務の委託に関して、次のとおり契約を締結し、信義に従い誠実にこれを履行するものとする。
第 |
1条 甲は、調査の業務を乙に委託し、乙はこれを受託するものとする。 |
第 |
2条 甲は、乙に対し、調査対象者を通知する。乙は当該調査対象者に対し、調査を実施し、その結果を甲の定める期日まで甲に報告する。
また、本契約書に定めのない事項等については、甲乙協議のうえ、別途定めるものとす
る。 |
第 |
3条 乙は、障害者自立支援法第20条第3項に基づく厚生労働省令で定める者に調査を行わせるものとする。
2 |
乙は、受託業務の開始に際しては、予め調査に従事する者に係る名簿及び資格等を有する証明書等の写しを甲に提出するものとする。 |
3 |
乙は、調査に従事する者について、その研修の機会を確保し、もってその資質の向上に努めるものとする。 |
4 |
乙は、調査に従事する者に対し、以下の任務を遂行させる義務を甲に対して負うものとする。
(1) |
対象者への訪問を行うとともに、調査を適正に実施する。 |
(2) |
前号の調査結果を、速やかに甲に報告する。 |
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第 |
4条 甲は、調査の業務の委託料として、次に定めるところにより算定される額を、乙に支払うものとする。
調査1件当たり 円(消費税及び地方消費税を含む。) |
第 |
5条 乙は、毎月業務終了後、甲の定める期日までに、当該月の費用を甲に請求するものとする。
2 |
甲は、前項に基づき、乙からの適正なる請求書の受理後○○日以内に、乙に対し委託料を支払うものとする。 |
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第 |
6条 乙は、本契約により生ずる権利又は義務を第三者に譲渡し、若しくは継承させ又はその権利を担保に供してはならない。 |
第 |
7条 乙は、委託業務の全部方は一部を、第三者に再委託してはならない。ただし、甲が特別に認める場合については、この限りではない。 |
第 |
8条 甲は、委託業務について、乙に必要な指示をすることができるものとする。 |
第 |
9条 調査に必要な交通の手段は、乙が用意するものとする。 |
第 |
10条 乙及び調査に従事する者は、委託業務の実施に当たり、業務上知り得た調査の対象者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。 |
【 |
2 |
乙は、この契約による事務を処理するための個人情報の取扱いについては、別記「個人情報取扱特記事項」を遵守しなければならない。】 |
( |
※「個人情報の取扱い」に関する規定は、各自治体において追加すること。) |
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第 |
11条 乙は、調査の際に事故が発生した場合には、速やかに、甲、調査の対象者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 |
乙は、調査の対象者に対する調査により賠償すべき事故が発生した場合には、速やかに損害賠償を行わなければならない。 |
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第 |
12条 乙は、受託業務に関する書類を事業所に整備しなければならない。 |
第 |
13条 乙は、毎月の受託業務の実施状況を、甲の定める期日までに、文書により甲に報告しなければならない。
2 |
甲は、必要と認めるときは、乙に受託業務の実施状況の報告を求めることができる。 |
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第 |
14条 甲は、委託業務について、乙の事業所に対し、立ち入り調査し、必要な報告を求め、委託業務の実施について必要な指示を乙に与えることができる。 |
第 |
15条 甲は、乙が次の各号の一に該当するときは、この契約を解除することができる。
(1) |
指定相談支援事業者及び指定障害者支援施設の指定を取り消されたとき。 |
(2) |
指定相談支援等の事業の人員及び運営に関する基準等に違反し、委託業務を適切に行
うことが困難であると認められるとき。 |
(3) |
不正な調査を行うなど、本契約又は本契約に基づく指示に違反し、その違反により、
この契約の目的を達することができないと認められるとき。 |
(4) |
契約の解除を申し出たとき。 |
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第 |
16条 本契約に定める事項その他調査の業務上の必要な事項について疑義が生じた場合には、甲乙協議して解決するものとする。 |
第 |
17条 本契約の有効期間は、平成 年 月 日から平成 年 月 日までとする。 |
本契約の締結を証するため、本書2通を作成し、当事者双方記名押印のうえ、各自1通を保有するものとする。
平成 年 月 日
(甲)委託者 |
所在地
名称
代表者職氏名
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(乙)受託者 |
所在地
名称
代表者職氏名 |
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