平成18年度 障害保健福祉関係予算(案)の概要
平成17年度予算 |
7,525億円 |
平成18年度予算(案) |
8,131億円 |
差引増▲減 |
606億円 |
(対前年度比8.1%増) |
障害者自立支援法に基づく新たな
障害保健福祉施策の実施 |
障害保健福祉施策については、障害者自立支援法に基づき、障害の種類に関わりなく福祉サービスを一元化することや、障害者の就労の支援、費用の公平な負担などを柱とする制度の抜本的な見直しを実施し、障害者の地域における自立した生活を支援する体制を整備する。
障害者自立支援法は、平成15年度から導入した支援費制度の「自己決定と自己選択」及び「利用者本位」の理念を継承しつつ、障害者の地域における自立した生活を支援する体制をより強固なものとするため、障害福祉サービスの一元化、施設・事業体系の再編、利用者負担の見直し、地域生活支援事業の創設など新たな障害保健福祉体系を構築する。
新制度の主なポイント
1 |
|
障害者の福祉サービスを「一元化」 |
|
・ |
サービス提供主体を市町村に一元化、都道府県はこれを支援 |
|
・ |
障害者の種類(身体障害、知的障害、精神障害)にかかわらず、共通の福祉サービスを提供
|
2 |
|
利用者本位のサービス体系に再編 |
|
・ |
障害種別毎の施設・事業体系を6つの事業に再編 |
|
・ |
地域の限られた社会資源を活用し、障害者が身近なところでサービスが利用できるよう、施設基準や運営基準等について規制を緩和
|
3 |
|
障害者が「もっと働ける社会」に就労支援の抜本的強化 |
|
・ |
働く意欲と能力のある障害者が企業等で働けるよう、雇用施策と連携しつつ、福祉側から支援 |
|
・ |
就労移行支援事業など、一般就労への移行を支援するための新たな事業を創設
|
4 |
|
公平なサービス利用のための「手続きや基準の透明化、明確化」 |
|
・ |
支援の必要度に関する客観的な尺度(障害程度区分)を導入 |
|
・ |
審査会の意見聴取など、支給決定プロセスを透明化
|
5 |
|
増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みの強化 |
|
( |
利用したサービスの量や所得に応じた「公平な負担」)
・ |
障害者自らも制度を支える一員となって、その費用を皆で支え合うという観点から、食費等の実費負担やサービスの利用量に応じた負担を求める。その際には、過大な負担とならないよう、きめ細やかな負担軽減措置を設ける |
|
|
( |
国の「財政責任の強化」)
・ |
福祉サービス等の費用について、これまで国が補助する仕組みであった在宅サービスも含め、国が義務的に負担する仕組みに改める |
|
|
< |
平成18年4月> |
|
○ |
利用者負担の見直しに関する事項 |
|
○ |
国等の「義務的負担化」に関する事項 等 |
< |
平成18年10月> |
|
○ |
新たな施設・事業体系への移行に関する事項 |
|
○ |
地域生活支援事業に関する事項 |
|
○ |
障害児施設についての利用契約制度への移行に関する事項 等 |
1 |
障害者の自立した地域生活を支援するための施策の推進 |
|
4,131億円
|
介護給付・訓練等給付等については、制度の見直し及び直近までのサービス量の増加を踏まえて所要額を確保するとともに、その報酬単価については、平成18年4月から△1.3%とする。
ただし、居宅系サービス及び新体系のサービスについては△1.0%とし、併せて旧体系からの移行施設については移行時支援措置を講じる。 |
930億円
|
障害者の心身の障害の状態の軽減を図るための自立支援医療(精神通院医療、育成医療、更生医療)等を提供する。 |
200億円
|
障害者の自立を支援するため、地域の特性や利用者の状況に応じて下記の事業を効率的・効果的に実施。(平成18年10月〜) |
○ |
市町村事業
相談支援、コミュニケーション支援事業(手話通訳等)、日常生活用具の給付等、移動支援、地域活動支援センター 等
|
○ |
都道府県事業
専門性の高い相談支援事業等の広域的な事業やサービスの質の向上のため養成研修 等 |
|
発達障害に関する各般の問題について、在宅の自閉症等の特有な発達障害を有する障害者とその家族に対し、相談、助言、情報提供、就労等にかかる支援を総合的に行う「発達障害者支援センター」の充実を図る。(地域生活支援事業(200億円)の内数) |
129億円
|
低所得の利用者への対策として社会福祉法人等が行う定率負担の減免に対する公費助成、また、自治体による制度を円滑に施行するための事業等を実施する。 |
○ |
利用者負担の軽減策について
障害福祉サービスに関する利用者負担については、その負担の軽減を図る一環として、負担上限月額を以下のとおりとする。
┌
│
│
│
│
└ |
一般 |
|
37,200円 |
低所得II |
|
24,600円 |
低所得I |
|
15,000円 |
生活保護世帯 |
|
0円 |
|
┐
│
│
│
│
┘
|
|
○ |
低所得者にきめ細かく配慮するため、社会福祉法人等が定率負担の減免を行う場合の助成。
|
○ |
障害者自立支援法施行当初において、自治体が行う支給決定等システム改修、制度の普及啓発や広域的な対応等に必要な経費の助成並びに障害者の保健福祉の推進に必要な先駆的・革新的なモデル事業に対する助成。
|
○ |
既存の障害者施設等が就労移行支援等の新たな障害福祉サービスを実施するために必要な設備等を整備する場合の助成。(定額補助) |
新たな障害福祉サービス体系である生活介護、自立訓練、就労移行支援等の日中活動に係る事業の場等の整備を計画的に促進するため、社会福祉施設等施設整備費において、必要な経費を確保する。(社会・援護局一括計上)
※ |
なお、公立施設の整備分については地方に税源移譲(三位一体改革関連) |
1,267億円
特別児童扶養手当、特別障害者手当等に必要な経費を確保する。平成17年の消費者物価指数は、1月〜10月までの実績値は△0.2%である。仮に平成17年の物価が下落した場合には、児童扶養手当法による児童扶養手当の額等の改定の特例に関する法律の規定に基づき、物価スライドにより手当額が引き下げられることとなる。
665億円
知的障害児施設等の障害児施設において、障害のある児童に対する保護・訓練を行うために必要な経費を確保する。
(1) |
自殺予防総合対策センター(仮称)の設置をはじめとする自殺予防対策の推進 |
「自殺予防総合対策センター(仮称)」を設置し、総合的な自殺予防対策を実施する体制を整備するとともに、地域・職域において、相談体制の整備、自殺防止のための啓発、自殺問題に関する調査研究の推進などの自殺予防対策の充実を図る。
思春期児童の心のケアの専門家やPTSD(心的外傷後ストレス障害)専門家の養成研修を行い、精神保健福祉センター、病院、保健所等で専門相談等を取り入れ、各機関での精神保健活動の充実を図る。
5 |
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に関する医療体制の整備 |
|
心神喪失者等医療観察法を適切に施行するため、引き続き、指定入院医療機関の確保を図るとともに、医療従事者等の研修を行うなど医療の提供体制の整備を推進する。