利用者負担について

1. 利用者負担の見直しに必要な手続き等
(1) 所得区分認定、個別減免、補足給付の認定方法について
(1) 月額負担上限額を定める際の所得区分の設定について
(2) 個別減免の収入、資産等の認定について
(3) 補足給付の認定について
(2) 月額上限額の管理方法
(3) 生活保護・境界層対象者に対する負担軽減措置について
(4) 高額障害福祉サービス費について
(5) 社会福祉法人減免について
(6) 利用者負担の見直しに係るスケジュール



1. 利用者負担の見直しに必要な手続き等

 (1) 所得区分認定、個別減免、補足給付の認定方法について

  (1)  負担上限額を定める際の所得区分の設定について

 所得区分の設定の際に低所得1の区分に該当するか否かの判定に当たっては、市町村の事務負担を考慮し、税情報を基本とする。 さらに、税情報に加えて、税情報では収入額を把握できないが、障害者に対する一般的な制度として給付される収入として、障害年金や、手当等による収入額を加えて判定することとする。

  【具体的な区分の算定方法】
 18年1月より利用者負担の月額上限額については、利用者本人の属する世帯の収入等に応じて、以下の4区分に設定する。
 (1)  生活保護・・ 生活保護受給世帯
 (2)
 低所得1・・・ 市町村民税非課税世帯であって障害者又は障害児の保護者の収入が80万円以下である者
具体的には以下のとおり。
ア) 市町村民税世帯非課税であること(注1)
イ) アに該当するもののうち、以下の合計額が年間80万円以下の者
地方税法上の合計所得金額(注2)
(合計所得金額がマイナスとなる者については、0と見なして計算する)
障害年金等(注3)
特別児童扶養手当等(注4)
(注)  老人保健制度における高額医療費の負担区分の低所得Iの基準では、雑所得での公的年金等控除額を65万円とした上で、地方税法上の各所得金額がそれぞれすべて0円であるときを要件としている。
 これと同様の方法を採用した場合、
各所得項目につき、それぞれ税情報を取り寄せる必要があることから、事務が繁雑となること。
黒字の所得項目がないこと(所得項目のいずれもが0円であること)が要件となっているため、黒字所得と赤字所得を相殺する損益通算後の合計所得金額を用いる場合より、対象者の範囲が狭くなること。
から、老人保健制度とは異なり合計所得金額を基本として、算定することとする。
 (3)  低所得2
 ・・市町村民税世帯非課税であるもののうち、(2)に該当しないもの
 (4)  一般・・ 市町村民税課税世帯

(注1) 市町村民税世帯非課税世帯・・その属する世帯の世帯主及びすべての世帯員が障害福祉サービスを受ける日の属する年度(障害福祉サービスを受ける日の属する月が4月又は5月である場合にあっては、前年度)分の地方税法(昭和25年法律第226号)の規定による市町村民税(同法の規定による特別区民税を含むものとし、同法第328条の規定によって課する所得割を除く。以下同じ)が課されていない者又は市町村の条例で定めるところにより当該市町村の条例で定めるところにより当該市町村民税を免除された者(当該市町村民税の賦課期日において同法の施行地に住所を有しない者を除く。)である世帯
(注2) 合計所得金額・・地方税法292条第1項第13号に規定する合計所得金額
(注3) 障害年金等・・障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金、遺族基礎年金、遺族厚生年金、遺族共済年金、老齢基礎年金、老齢厚生年金等の公的年金
(注4) 特別児童扶養手当等・・特別障害者手当、障害児福祉手当、経過的福祉手当、特別児童扶養手当

  【手続き等】
 障害者の申請により、どの区分に該当するか市町村が認定する。(申請がなければ、基本的に(4)の世帯に該当するものとみなす。)
 現在すでに障害福祉サービスを利用している障害者については、区分を設定するため、申請を出すように周知することが必要。
 負担上限額の申請と支給決定の申請は別の申請であるが、市町村の事務の便宜上、支給決定の申請様式と負担上限額の申請様式で共通化できる部分を共通化して利用することは可能。

 申請する際に、添付する必要のある書類は下記のとおり。
 なお、法律に基づき、市町村が必要な情報について調査を行うことは可能であるが、円滑に事務を行うため、申請の際に、必要な税情報、手当の受給状況等について調査同意を取る取り扱い等を行うことは差し支えない。
 本人の添付書類により状況が確認できる場合は、添付書類で確認する。添付書類だけで確認できない場合は、必要に応じ、税部局や社会保険事務所等に確認する。
(1) 利用者の属する世帯の市町村民税の課税状況等が分かる資料
市町村の証明書(利用者の属する世帯全員の市町村民税の課税・非課税状況)
生活保護世帯であれば、福祉事務所の証明書等
(2) 利用者の属する世帯の障害年金等、特別児童扶養手当等の受給状況がわかる資料
年金証書の写し、振込通知書の写し
特別児童扶養手当等の証書の写し

 世帯の範囲については住民基本台帳上の世帯を原則とする。
 →  同一の世帯に属する者を確認するため、住民票の提出か障害部局において調査を行う必要がある。

 ただし、下記の場合は、住民基本台帳上同一世帯であるが、特例的に、障害者及びその配偶者を別世帯とみなす場合の取り扱いを行う。
 特例的な取り扱いを認める場合は、障害者及びその配偶者は市町村民税非課税であるが、これ以外に同一の世帯に属する者が市町村民税課税である場合とする。
(1)   同一世帯に属する他の者が障害者及びその配偶者を地方税法上、扶養控除の対象としていないこと。
(2) 障害者及びその配偶者が同一世帯に属する他の者の健康保険の被扶養者となっていないこと。
 上記の特例的な取り扱いを行う際には、申請書の他、下記について確認することとする。
 ・ 同一世帯に属する者の市町村民税の税情報(障害者及びその配偶者が扶養控除の対象となっていないか確認するため)
 なお、次回税申告時に扶養控除をはずすことについての誓約書を取ることにより、扶養控除を受けていないものとみなす取り扱いができるものとする。
 ・ 障害者及びその配偶者が国民健康保険に加入していること又は健康保険の被保険者及び障害者又はその配偶者の被扶養者であることの証明(保険証のコピー等)

 月額負担上限額については、原則として、施設入所者は毎年7月に、それ以外の者については年1回、支給決定月に直近に把握した所得状況に基づき月額負担上限額を認定する。

 世帯員の構成等世帯の状況が変化した場合は、世帯の状況が把握できる書類を添付の上、速やかに変更の届け出をしてもらう。月額負担上限額の変更の必要があれば、変更し、翌月の初日から変更する。ただし、申請日が月の初日の場合は、当該月の初日から変更すること。

  【未申告者の取り扱いについて】
 非課税であることから、申告をしておらず、課税・非課税の確認がとれない方については、原則として、申告し、非課税の証明書を取り、提出してもらうよう促すこととする。
 ただし、当分の間は、利用者負担の見直しに伴い、利用者の所得状況の把握に関する市町村の事務量が増えることから、工賃収入がないこと、何年も申告していないこと等から非課税であるとみなすことができると市町村が判断できる場合等については、未申告であることをもって非課税者(所得0である)の取り扱いを取ることができることとする。


  (2)  個別減免の収入、資産等の認定について

(グループホーム入所者、施設入所者対象)

グループホーム、施設入所者に対する定率負担の個別減免の認定にあたっては、入所者本人の収入等の状況を把握すればよいこと、人数が一定程度限られていることから、実際の収入状況を基本に、認定を行うこととする。

  【手続き等】
 障害者の申請により、障害者の収入額、資産を市町村が認定する。(申請がなければ、個別減免は行わない。)
 このため、現在すでに入所している障害者については、申請を出すように周知することが必要。

  【個別減免の対象者】
 障害者本人名義の一定の資産を有している場合には、個別減免をしない。具体的な基準は以下の通り。
 個別減免については、障害者本人の収入、資産等の状況のみで簡易に負担能力を判断できることを要件とするため、住民票が入所(入居)前の世帯に残っている場合は、個別減免の対象としない。

 下記ア〜ウの要件をすべて満たすこと。
ア) 本人名義の預貯金等(障害者等の利子非課税(マル優)の対象となる預貯金、国債等)が350万円以下であること(2の資産を除く)。
マル優の対象となる預貯金等であるか、又は実際に預貯金の残高が350万以下であること。
イ) 以下の不動産を除き、本人名義の不動産を有さないこと。
現に配偶者、子、親、兄弟姉妹の一定の親族が居住している不動産(土地、建物)
資産価値が低いことにより現実的に処分が困難であると市町村が判断した不動産
(例)負債の額が不動産の評価額を上回る場合
ウ) その他、社会通念上、個別減免の対象とするには不適切と考えられる資産を保有していないと市町村が判断すること。
 (不適切と考えられる例)
 ・ 高価な貴金属を身につけている場合
 ・ 高額な株券を保有していることが明らかである場合

 下記の場合には、資産を利用できる状態となった際に、負担能力を認定することが適当であるため、個別減免の対象外となるような資産を保有しているとみなさず、実際に資産を利用できる状態となった場合に収入認定する。
ア) 将来、現金化された際に収入認定することが可能である保険商品や個人年金等の一定期間は利用できない状態にある資産
生命保険料控除、個人年金保険料控除の対象となっている個人年金等を想定。
イ) 親等が障害者を受益者として設定する信託財産
特定贈与信託や他益信託で一定期間解約できないなどの要件を備えたものを想定。

  【個別減免の具体的な計算方法】
 上記の要件を満たし、個別減免の対象となる場合は、下記の計算方法により、定率負担額を減免する。
(1)  【収入の種類ごとの負担額】に記載された収入のイ(1)の収入のうち、6.6万円まで(イ(1)の収入が6.6万円に満たない場合は、不足分に、イ(2)の収入を充てる)・・全額控除(定率負担なし)
(2)  6.6万円を超える分については、収入の種類に応じて負担額を設定
A) 下記イ)(1)稼得等収入
グループホーム入居者・・3,000円控除の上、6.6万円を超える収入額の15%を負担。ただし、10.9万円(注)を超えた収入額以降は50%を負担。
施設入所者・・3,000円控除の上、6.6万円を超える収入額の50%を負担。

(注) 10.9万円は、6.6万円に3千円と4万円を足したもの。
 施設入所者、グループホーム入居者の平均的な工賃収入が4万円であり、4万円の収入があれば、平均的なグループホームの利用料6千円を払ってもらえるよう、15%を設定。
 就労収入については、特に他の収入と比較して低い負担額となるよう、上記の設定をしているが、平均的な工賃収入以上ある方については、負担能力があるものと考え、それ以降を50%の負担額としている。
 このため、6.6万円(全額控除額)+0.3万円(工賃控除額)+4万円(平均的な工賃額)=10.9万円を超える額は50%負担となる。

B) 下記イ)(2) その他の収入・・50%を負担。((1)で全額控除の対象となった収入除く)
上記A、Bの収入の種類ごとに計算した負担額の合計額を個別減免措置を講じた後に定率負担額とする。

例) グループホーム入居者、年金2級(6.6万円)受給、工賃収入2万円、仕送り1万円、国保保険料0.1万円の場合
  仕送り収入 10,000−1,000(国保保険料)=9,000円
年金2級分(6.6万分)・・全額控除(負担なし)
  工賃収入による負担 (20,000−3,000)×0.15=2,550
  仕送り収入による負担 9,000×0.5=4,500
  計 2,550+4,500=7,050円
  個別減免後の定率負担額・・7,050円

  【収入の種類ごとの負担額】
 一月あたりの負担額については、下記イ(1)及びイ(2)の収入の種類ごとに、障害福祉サービスを受ける日の属する前年(障害福祉サービスを受ける日の属する月が1月〜6月である場合にあっては、前々年)の収入の合計額を12で除した額をもとに算出する。
 その際、ウの障害福祉サービスを受ける日の属する前年(障害福祉サービスを受ける日の属する月が1月〜6月である場合にあっては、前々年)にかかる必要経費を12で除した額をイの(2)から控除した額をもとに負担額を算定すること。(ウの額がイ(2)の額を超える場合については、当該超えた額をイ(1)から控除する)
 ア) 負担を取らない収入
 特定目的収入・・国、地方公共団体等から特定の目的に充てるために支給されるもの
地方公共団体又はその長から家賃補助として支給される手当として、実際の家賃額を超えない額
 グループホームに入所することによって、特に必要となる家賃等に充てることを想定して地方自治体が給付している趣旨を考慮し、家賃額までは、利用者負担の負担に充てることができる収入に含まないこととする。
地方公共団体から医療費の自己負担分として支給される手当
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律により支給される医療特別手当及び特別手当のうち、生活保護基準の放射線障害者加算に相当する額
児童手当法により支給される児童手当等利用者本人の生活費以外の用途に充てることとされている金銭
生活保護法において収入として認定されないこととされている収入(下記イにおいて明記されているものを除く)
 イ) 負担を取る収入(アを除く収入)
(1)  稼得等収入・・就労により得た収入又は国により稼得能力の補填として給付される収入
工賃等の就労収入
障害年金等(障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金、老齢年金、遺族年金等の公的年金、障害補償年金等労災保険法に基づく給付等)
特別障害者手当等(特別障害者手当、障害児福祉手当、経過的福祉手当)
(2)  その他の収入・・イ(1)以外(アを除く)のすべての収入。
不動産等による家賃収入
地方公共団体から支給される手当等
親等から仕送り 等
 ウ) 必要経費とするもの
租税の課税額
社会保険料

  【添付書類等】
 障害者が申請する際に添付する必要のある書類は以下のとおり。
<資産の状況がわかる書類>
 (1)  保有する預貯金等の額が350万円未満であることが分かる資料
年金等が振り込まれる本人が主に利用している通帳、預貯金額が最も多い通帳の写し
マル優の非課税の証明書(非課税貯蓄申込書)
その他申告の内容により必要と認められる書類(例えば、国債等を保有していることを申告した場合の国債等の写しなど)
 (2)  居住用以外の不動産等を保有していないことが分かる資料
本人が居住する市町村における証明書(固定資産税)
本人名義の固定資産がある場合は、配偶者、子、親、兄弟姉妹の一定の親族が居住していることが分かるもの(住民票)
 (3)  その他市町村が必要と認める資料
<収入の状況がわかる書類>
 (1)  本人の収入額が分かるもの
年金証書、振込通知書、手当の証書等
工賃等の就労収入額の証明書(通所している先の事業所等の証明)
源泉徴収票
市町村の課税・非課税証明書
その他申告の内容により必要と認められる書類
 (2) 必要経費の額が分かるもの
市町村の課税・非課税証明書
国民健康保険の保険料等を納付した証明書等
 (3) その他
グループホームの家賃額(事業者の証明書)

 原則として、申告の際に必要な通帳の写しや税の証明書等が添付されていればよいこととする。
 ただし、申告の内容に虚偽の疑いがあると市町村が判断した場合等については、必要に応じて調査を行うこととする。
(具体的な調査方法の例)
税部局に対する情報の確認
申請者の居住する場所から最寄りの主要な金融機関への問いあわせ


  (3)  補足給付の認定について

  (1) 20歳以上の入所者
  【手続き等】
 障害者の申請により、障害者の収入額を市町村が認定する。(個別減免や月額負担上限額の認定の申請と併せて行う。)
 このため、現在すでに入所している障害者については、申請を出すように周知することが必要。

  【補足給付の対象者】・・・生活保護、低所得1、低所得2の者
  【具体的な認定方法】
 原則として、個別減免、月額負担上限額の認定の申請と併せて行う。
 収入額については、申告の際に必要な通帳の写しや税の証明書等が添付されていればよいこととする。(個別減免の際の添付書類を活用する)

 補足給付の算定に係る収入額については、個別減免における収入と基本的に同じ考え方とする。
 具体的には、障害福祉サービスを受ける日の属する前年(障害福祉サービスを受ける日の属する月が1月〜6月である場合にあっては、前々年)の収入の合計額を12で除した額をもとに算出する。
 その際、ウの障害福祉サービスを受ける日の属する前年(障害福祉サービスを受ける日の属する月が1月〜6月である場合にあっては、前々年)にかかる必要経費を12で除した額をイから控除した額をもとに負担額を算定すること。

ア) 負担を取らない収入
 特定目的収入・・国、地方公共団体等から特定の目的に充てるために支給されるもの
地方公共団体から医療費の自己負担分として支給される手当
原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律により支給される医療特別手当及び特別手当のうち、生活保護基準の放射線障害者加算に相当する額
児童手当法により支給される児童手当等利用者本人の生活費以外の用途に充てることとされている金銭
生活保護法において収入として認定されないこととされている収入(下記イに明記しているものを除く)
 地方公共団体又はその長から家賃補助等の施設に入所することによって係る費用について補助するものについては、すでに補足給付により施設に入所することによりかかる食費・光熱水費等について公費が給付されているため、グループホームとは異なり、特定目的収入としない。
イ) 負担を取る収入(アを除く収入)
ウ) 必要経費とするもの
所得税等の租税の課税額
社会保険料

  【具体的な計算方法】
(1)  上記イからウを控除した額を12で除して得た額(以下、認定収入額という。)が6.6万円以下の場合
 実費負担額=認定収入額−その他生活費の額※
 その他生活費の額
20歳〜59歳で障害基礎年金2級受給者 2.5万円
障害基礎年金1級受給者、60歳〜64歳の者、65歳以上で身体障害者療護施設入所者 2.8万円
65歳以上(身体障害者療護施設入所者除く) 3.0万円
 補足給付額=5.8万円*−実費負担額
(2)  認定収入額が6.6万円を超える場合
 実費負担額=(6.6万円−その他生活費)+(認定収入額−6.6万円)×0.5
 補足給付額=5.8−実費負担額

*  5.8万円については、補足給付を出す基準額として暫定的に設定しているが、今後、経営実態調査等の実績を踏まえ、変更する可能性がある。

(例) 55歳、年金2級(6.6万円)受給、工賃収入2万円、仕送り1万円、国保保険料0.1万円
 認定収入額=6.6+2.0+1.0−0.1=9.5
 負担額=6.6−2.5+(9.5−6.6)×0.5=4.1+1.45=5.55
 補足給付額=5.8−5.55=0.25

   【添付書類】
<収入の状況がわかる書類>
 (個別減免の添付書類で足りる場合はそれにより確認)
 (1)  本人の収入額が分かるもの
年金証書、振込通知書、手当の証書等
工賃等の就労収入額の証明書(通所している先の事業所等の証明)
源泉徴収票
市町村の課税・非課税証明書
その他申告の内容により必要と認められる書類
 (2) 必要経費の額が分かるもの
市町村の課税・非課税証明書
国民健康保険の保険料等を納付した証明書等
 ただし、申告の内容に虚偽の疑いがあると市町村が判断した場合等については、必要に応じて調査を行うこととする。

  (2) 20歳未満の入所者
  【手続き等】
 障害者又は障害児の保護者(以下「障害者等」という。)の申請により、月額負担上限額の所得区分に応じて、市町村が認定する。
 このため、現在すでに入所している障害者等については、申請を出すように周知することが必要。
 なお、18,19歳の障害者については、保護者等の障害者を監護する者の属する世帯の所得区分を認定して、決定する。

  【具体的な認定方法】
 ○  原則として、月額負担上限額の認定の申請と併せて、補足給付の申請を行う。
 ○  月額負担上限額の区分に応じて下記の額を給付。
(1) 生活保護世帯  補足給付額=2.5万円+1.5+5.8万円−5万円=4.8万円
(2) 低所得1  補足給付額=2.5万円+1.5万円+5.8万円−5万円=4.8万円
(3) 低所得2  補足給付額=2.5万円+1.5万円+5.8万円−5万円=4.8万円
(4) 一般世帯  補足給付額=2.5万円+定率負担額*+5.8万円−7.9万円

 * 定率負担額については、当該利用者に係る単価/日×30.4×0.1により算出


  (2) 月額負担上限額の管理方法

  ○  現行の支援費制度と同様、月額負担管理表(事業者が利用者負担額と累積額を管理表に記入して利用者負担額を確認する方式)により管理。


  (3) 生活保護・境界層対象者に対する負担軽減措置について

  <考え方>
   利用者負担の見直しにより、障害福祉サービスを利用する者が生活保護の受給の対象者となる場合には、生活保護の適用対象でなくなるまで利用料を減額することとする。
 また、受給対象者施設に入所する障害者が、食費等実費負担が重いことにより、生活保護受給対象者となる場合については、定率負担にあわせ、食費等実費負担についても、一定額まで軽減することとする。

<軽減の方法>
(1)  定率負担の軽減措置(居宅・施設共通)
 障害福祉サービスの定率負担を負担しなければ、生活保護の適用対象でなくなる場合には、生活保護の適用対象でなくなるまで月額負担上限額の区分を下げる。
 負担上限額 40,200円→24,600円→15,000円→0円
(2)  施設入所者の食費負担軽減措置
(20歳以上)

 定率負担の利用者負担を0円まで減免しても生活保護対象者となる場合は、生活保護の適用対象にならなくなる範囲まで食費等を軽減する。
 軽減する範囲については、食費実費基準額(5.8万円)から食費最低負担額である2.2万円控除した額(3.6万円)を上限とし、生活保護の受給対象とならなくなるまで補足給付を支給。
 なお、生活保護の対象者については、収入額にかかわらず、3.6万円(5.8万円−2.2万円)を支給する。
2.2万円については、もっとも所得の低い世帯においても必ず負担する食費・光熱費等であるため、2.2万円までは負担を求めることとする。

    生保世帯 低所得世帯 一般世帯
(1) 定率負担 0 24,600→15,000→0 40,200→24,600→15,000→0
(2) 実費負担 22,000 58,000〜22,000(生保適用対象でなくなるまで減免)
補足給付 36,000 36,000〜10

 
  (20歳未満)
 一般世帯において、定率負担の利用者負担を0円まで減免しても生活保護対象者となる場合は、低所得者世帯とみなして、補足給付を支給。
 すでに低所得者世帯の補足給付を支給されている場合は、どこで暮らしていてもかかる費用の負担を求める考え方から、それ以上の補足給付の特例措置は講じないこととする。
 生活保護の対象者については、低所得者世帯と同様の実費負担を求めることとする。

 補足給付の計算方法
低所得者世帯、生活保護世帯
 補足給付額=2.5(その他生活費*)+1.5(定率負担相当分として固定)+5.8(食費等実費基準額)−5.0(所得階層ごとの標準支出額)=1.0万円
一般世帯
 補足給付額=2.5(その他生活費*)+定率負担相当分(一人当たり報酬単価/日×30.4日×0.1)+5.8(食費等実費基準額)−7.9(所得階層ごとの標準支出額)
* 18歳未満の場合は0.9万円加算して、3.4万円とする。

定率負担を1.9万円とした場合
    生保世帯 低所得世帯* 一般世帯
(1) 定率負担 0 24,600→15,000→0 40,200→24,600→15,000→0
(2) 実費負担 10,000
(1,000)
10,000
(1,000)
35,000→10,000
(26,000→1,000)
補足給付 48,000
(57,000)
48,000
(57,000)
23,000→48,000
(32,000→57,000)
 ( ) 内は18歳未満の場合
 * 低所得者世帯については、補足給付の特例措置は行われない。

  <手続き>
   福祉事務所において、生活保護の申請をした者について、
(1)  定率負担のみ軽減すれば生活保護の対象者とならない場合
 保護の却下を行うとともに、却下通知書に定率負担を24,600円または15,000円または0円とすることを記載する。
 利用者は保護の却下通知書を添えて、市町村に定率負担の減免の申請を行う。
 市町村においては、申請を受けた場合は、定率負担の減免措置を講ずる。なお、申請された日の属する月の初日にさかのぼって、当該上限額を適用し、次の定期月額負担上限額の見直し(年に1回の支給決定の見直し)が行われるまで適用する。
(2)  (1)に加え、食費負担を減免すれば生活保護の対象者とならない場合 保護の却下を行うとともに、却下通知書に、下記事項を記載する。
 ・ 「特例補足給付対象者」
 ・ 生活保護において認定した収入額、その者に適用される生活保護の最低生活費の額
 利用者は保護の却下申請書を添えて、市町村に定率負担の減免及び補足給付の特例額の申請を行う。
 市町村においては、保護の却下申請通知書に記載された情報を元に、特例補足給付の額を決定する。
 なお、申請された日の属する月の初日にさかのぼって、当該補足給付の額を適用し、次の定期月額負担上限額の見直し(年に1回の支給決定の見直し)が行われるまで適用する。

<市町村及び福祉事務所での具体的な事務の流れ>

 1  障害福祉サービスを利用する者が、福祉事務所に生活保護の申請を行った場合、福祉事務所に対し、市町村の障害部局は
(1)  該当者の定率負担の額(個別減免後の額)
(2)  食費等実費負担額(すでに支給されている補足給付の額を控除した額)
(3)  補足給付の額
を情報提供する。

 2  福祉事務所においては、生活保護基準に上記(1)及び(2)の額を加算した額と、申請者の収入額を比較し、
A  (1)の額を減免しなくても生活保護の受給対象とならない場合
 生活保護を却下する。(障害部局での対応は不要)
B  (1)の額を24,600→15,000→0に減免すれば生活保護の受給対象とならない場合
 保護を却下し、却下通知書に「定率負担減免相当」及びどの段階であるかを記載する。
C  (1)の額を0円にしても、生活保護の受給対象となるが、(3)の額を最大3.6万円まで増額すれば食費等実費負担額が軽減され、生活保護の受給対象とならない場合
 保護を却下し、却下通知書に以下のことを記載する。
「定率負担減免相当」及びその額が0円であること。
「補足給付特例対象」であること。
D  (1)の額を0円にしても、(3)の額を3.6万円まで増額しても食費等実費負担額が重く、生活保護基準を下回る場合
 生活保護の対象となる。

 3  利用者は却下通知書を添えて、市町村の障害部局に定率負担減免または補足給付特例申請を行う。

 4  利用者から申請された市町村の障害部局は、
 Bの場合は、却下通知書に記載された額まで定率負担を減免する。
 Cの場合は、定率負担を0円にしたうえで、却下申請書に記載された情報を元に、生活保護基準に1(2)の額を加えた額から認定収入額を控除した額を、現在支給している補足給付の額に加えて支給することとする。
 変更後の定率負担及び補足給付の額は申請のあった月の属する日の初日にさかのぼって適用する。

 5  市町村の障害部局はDの場合については、補足給付を3.6万円支給する。この場合、保護が開始された月に属する月にさかのぼって効力を有するものとする。


  (4) 高額障害福祉サービス費について

  <合算の対象とする費用>
   同一世帯に属するものが同一月に受けたサービスによりかかる下記(1)の利用者負担額と(2)〜(5)のいずれかの利用者負担額を合算する。
(1)  障害者自立支援法に基づく介護給付費、訓練等給付費、特例介護給付費、特例訓練等給付費(以下「介護給付費等」という。)に係る定率負担額
(2)  身体障害者福祉法に基づく施設訓練等支援費の定率負担額(18年1月〜9月まで)
(3)  知的障害者福祉法に基づく施設訓練等支援費の定率負担額(18年1月〜9月まで)
(4)  児童福祉法に基づく障害児施設給付費(高額障害児施設給付費として償還された費用を除く。)
(5)  介護保険の利用者負担額(高額介護サービス費により償還された費用を除く。)ただし、当該者が、障害福祉サービスに基づく介護給付等を受けた者である場合に限る。

 (1)〜(4)につき、
ア) 通所施設利用者、ホームヘルプ利用者に係る社会福祉法人減免
イ) 災害等による利用者負担減免
が講じられた場合は、講じた後の利用者負担額を合算する。
 障害者自立支援法のサービスを利用せずに、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福祉法のサービスのみを利用した場合については、それぞれ、各法の規定に基づき償還する。

<支給額>
   一人当たりの負担上限額が、合算基準額を超えた世帯合算負担額(上記(1)〜(4)を合算したもの)を個人の負担額の割合で按分した額となるよう、高額障害福祉サービス費を支払う。
(1)  低所得1・・15,000円
(2)  低所得2・・24,600円
(3)  一般世帯・・・40,200円
(階層については、月額負担上限額と同じ。生活保護減免により、月額負担上限額が下がった者については、当該額)
1人当たりの負担上限額=(利用者負担全体合算額―合算基準額)× 利用者負担額(1人当たり)/利用者負担全体合算額
1人当たりの高額障害福祉サービス費= 利用者負担額(1人当たり)−1人当たり負担上限額
低所得1については、15,000円が個人としての負担上限額であるため、上記の計算額が15,000円を超える場合には、15,000円となるよう高額障害福祉サービス費を支払う。

<事例>
事例1 介護保険と障害サービスの合算(単身世帯)
 
Aさんが低所得2に該当する場合
Aさんの利用者負担額
 介護保険 35,000円 障害福祉サービス 24,600円
(1) 介護保険の負担額は、高額介護サービス費により15,400円(35,000−24,600=10,400)は償還されるため、介護保険の合算の対象となる額は、24,600円
(2) 49,200(=24,600×2)−24,600=24,600円(高額障害福祉サービス費の額)

事例2 同一世帯における合算(1)
 
Aさん,Bさん,Cさんとも低所得2に該当する場合
Aさん(利用者負担額) 介護保険35,000円 障害福祉サービス24,600円
Bさん(利用者負担額) 介護保険15,000円
Cさん(利用者負担額) 施設訓練等支援費 24,600円

(1) 介護保険の利用による負担額は、高額介護サービス費により下記の額となる
Aさん 24,600×35,000円/(35,000+15,000)=17,220円→実際にAさんが負担する介護保険の利用者負担額
Bさん 24,600×15,000円/(35,000+15,000)=7,380円→実際にBさんが負担する介護保険の利用者負担額
(2) Bさんは介護保険のみ利用しているため、高額障害福祉サービス費の対象外。
 このため、
Aさんの介護保険の利用者負担(17,220円)
 障害福祉サービスの利用者負担(24,600円)、
Cさんの施設訓練等支援費の利用者負担(24,600円)
を合算し、Aさん、Cさんの負担を合わせて24,600円となるよう割り振って高額費を支給。

A  24,600×(17,220+24,600)/(17,220+24,600+24,600)=15,488→Aさんの合算後の利用者負担額
 41,820(=17,220+24,600)−15,488=26,332→Aさんに支給される高額費
C  24,600×24,600/(17,220+24,600+24,600)=9,111→Cさんの合算後の利用者負担額
 24,600−9,111=15,489→Cさんに支給される高額費

事例3 同一世帯における合算(2)
 
世帯では低所得2に属するが、Aさん,Cさん単独でみると低所得1の場合
Aさん(利用者負担額) 介護保険35,000円 障害福祉サービス15,000円
Bさん(利用者負担額) 介護保険20,000円
Cさん(利用者負担額) 施設訓練等支援費 15,000円

(1) 介護保険の利用による負担額は、高額介護サービス費により下記の額となる
A  24,600×35,000円/(35,000+20,000)=15,654円→15,000円
B  24,600×20,000円/(35,000+20,000)=8,945円
(2) Bさんは介護保険のみ利用しているため、高額障害福祉サービス費の対象外。
 このため、
Aさんの介護保険の利用者負担額(15,000円)
 障害福祉サービスの利用者負担額(15,000円)
Cさんの施設訓練等支援費の利用者負担額(15,000円)
を合算し、AさんとCさんの負担を合わせて15,000円となるよう割り振って高額費を支給。

A  24,600×(15,000+15,000)/(15,000+15,000+15,000)=16,399→15,000(負担額)
 30,000(=15,000+15,000)−15,000=15,000(高額費)
C  24,600×15,000/(15,000+15,000+15,000)=8,199(負担額)
 15,000−8,199=6,801(高額費)


  (5) 社会福祉法人減免について

  【基本的考え方】

 社会福祉法人については、低所得者も福祉サービスを利用できるようにすることを目的とする公共性の高い法人として制度上位置づけられているものであり、このため、社会福祉法人が利用料を自ら負担することで、利用者負担を減免することができるものとする。
 その際、激変緩和の観点から、一定の範囲の者に対する利用料減免措置については、経過的に、特に公費による助成を行うことによりその実施を促進する。

  【公費負担による減免対象】
 減免対象
下記サービスを利用する場合の一の事業者に係る一月の利用額のうち、月額負担上限額の半額を超える額を減免
 低所得1・・・7,500円を超える額
 低所得2・・・12,300円((1)については、7,500円で検討中)を超える額
(1)  在宅で生活をする者のうち、通所施設、デイサービスを利用する場合の定率負担分
(2)  20歳未満の施設入所者の定率負担分
(3)  ホームヘルプ等の定率負担分
 実費負担については、すでに低所得者に対する配慮措置を講じていることから、減免の対象としない。

  【公費負担による減免対象となる低所得者】
 低所得1,2の者のうち、申請者及び申請者の属する世帯の主たる生計維持者(以下「申請者等」という。)が一定の固定資産以外の固定資産等*を有さず、申請者等の収入及び預貯金等の額が一定額**以下の者
*  一定の固定資産
現に申請者、配偶者、子、親、兄弟姉妹の一定の親族が居住している不動産(土地、建物)
資産価値が低いことにより現実的に処分が困難であると市町村が判断した不動産
(例) 負債の額が不動産の評価額を上回る場合
**  額については、生活保護の最低生活費、グループホーム入所者等の個別減免の基準等を参考に設定。世帯の人数に応じて額を変更ことを検討。

(対象者の認定方法)
 減免対象者であることを利用者が必要書類を添付して申請する。ただし、実際の申請を行う場合には、事業者がとりまとめて、市町村に申請書を提出することも認める。
 市町村において対象者である認定を行った場合は、社会福祉法人減免の公費助成対象者である旨の確認証を発行する。
 在宅で暮らす者について、収入や資産額を認定するものであるため、多様な生活実態があることを踏まえ、市町村の事務の簡素化の観点等から、申請者の属する世帯の主たる生計維持者*の収入額及び障害者の受ける年金額、資産を確認することで、当該世帯における収入額、資産額を確認したものとみなす。
* 主たる生計維持者は世帯でもっとも収入額の多い者とするが、住民票の世帯主等を収入の多い者としてみなすことができることとする。

 認定方法
申請者及び主たる生計維持者の収入額並びに障害年金の額の合計額が基準額以下であること。
 申請者及び主たる生計維持者の収入額を確認できるもの(給与の証明書、事業収入がわかる資料)及び年金証書、年金振り込み通知書の写しを申請書に添付。
預貯金額が一定額以下であること、一定の固定資産を有していないこと
 申請者及び主たる生計維持者の主たる収入を管理する通帳の写し、居住用以外の固定資産を有していないこと証明できるもの(固定資産税の写し、住民票の写し等)

  【社会福祉法人に対する公費助成】
   減免対象額のうち一定割合を公費助成対象とする。(具体的な割合については、今後検討)
 (負担割合は、国1/2、市町村・都道府県1/4ずつ)

  【社会福祉法人減免の対象となる法人について】
 社会福祉法人を原則とする。
 なお、市町村が、当該市町村が属する地域(都道府県障害福祉計画における都道府県が定める区域)において障害福祉サービスを提供する社会福祉法人がないと認めた場合は、例外的に社会福祉法人以外の法人も対象とする。
 社会福祉法人減免を行う法人は都道府県知事に届け出るものとする。

  【高額障害福祉サービス費及び月額負担上限額の関係について】
 高額障害福祉サービス費については、社会福祉法人減免を適用後の利用者負担額をもとに算定すること。
 月額負担上限額の算定についても、各事業者ごとに講じられた社会福祉法人減免を適用した後の利用者負担額をもとに行うこと。


(6) 利用者負担の見直しに伴うスケジュールについて

利用者負担の見直しに伴うスケジュールについての図

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