海外で注意すべき感染症についての情報提供


1.はじめに
 4月29日から5月8日までの期間(大型連休、いわゆるゴールデンウイーク)中は、海外へ渡航される方も多いことから、安全で快適に旅行し帰国するために、現在海外で注意すべき感染症について情報提供します。

2.一般的に海外で注意しなければならない感染症(別紙1
 渡航先(国および地域)や活動内容によって、り罹患する可能性のある感染症は大きく異なりますが、最も多いのは食べ物や水を介した消化器系の感染症です。
(1)食べ物、水を介した感染症
 A型肝炎、コレラなどは、発展途上地域では広く発生する感染症です。生水・氷・生の魚介類の飲食は避けるようにしてください。
(2)蚊を介した感染症
 マラリア、デング熱は熱帯・亜熱帯地域で広く発生する感染症です。マラリアは全世界で年間3億〜5億人の患者、150万人〜270万人の死者があると報告されています。デング熱は全世界で年間数千万人の患者が発生しており、昨年は広い地域で爆発的な流行が頻発しました。
 ウエストナイル熱は、北米を中心に患者が報告されています。感染時期のピークは夏から秋です。原因となるウイルスは、アフリカ、ヨーロッパ、中東、中央アジア、北米など広い地域に分布しています。
 長袖着用や虫除けスプレーなど、蚊に刺されないための対策が必要です。
(3)動物を介した感染症
 狂犬病は、我が国では昭和32年以降発生はみられませんが、依然として世界中の国々で発生しています。犬だけではなく、他の哺乳動物(ネコ、アライグマ、キツネ、スカンク、コウモリなど)からも感染し、発症すると有効な治療方法はありません。野犬をはじめとする野生動物との接触を避けることが大切です。

3.現在、特定地域で発生している感染症
(1)鳥インフルエンザ;東南アジアで流行が見られています。感染した鳥と濃厚に接触した方が感染します。一般的なインフルエンザの予防に心がけ、生きた鳥が売られている市場や養鶏場にはむやみに近寄らないようにしましょう。
(2)マールブルグ病;現在、アフリカのアンゴラにおいて流行しており、死者も200人を超えています。患者の血液や体液に接触することにより感染することから、出血熱を疑う患者には近寄らないことが対策となります。

4.正しい予防知識
 海外で感染症にかからないようにするためには、感染症に対する正しい知識と予防方法を身につけることが必要です。特に、飲料水、虫刺され(蚊やダニなど)、動物との接触には注意が必要です。
 感染症には潜伏期間があり、帰国後しばらくたってから、具合が悪くなることがあります。その際はすぐに医療機関を受診し、渡航先、滞在期間を必ず申し出ることが重要です。
 空港や港の検疫所では健康相談を行っており、帰国時に具合が悪かったり、不安に思うことがあったりした場合には、積極的に利用してください。

5.海外の感染症に関する情報の入手(別紙2
 出発前に旅行プランに合わせた情報を入手しておくことが大切です。厚生労働省検疫所および外務省では、ホームページにより海外の安全に関する情報を提供しています。また、空港内検疫所においても、リーフレット等配置し、情報提供しています。


(照会先)
厚生労働省健康局結核感染症課
担当:前田(内2373)、金成(内線4609)


別紙1
海外で注意しなければいけない感染症
主な
感染源
注すべき
病気
主な発生地域 滞在地域 主な症状 予防方法
リゾート
観光地
都市部 地方の
町や村
森林・
原野
発熱 下痢 その他 予防接種 その他
食べ物
★ A型肝炎 発展途上地域     倦怠感
黄疸
十分火の通った食べ物を食べる
生水は飲まないようにする
★ 赤痢 発展途上地域  
ときに血便
激しい腹痛   十分火の通った食べ物を食べる
生水は飲まないようにする
★ 腸チフス 発展途上地域  
持続する高熱
  倦怠感
比較的徐脈
  十分火の通った食べ物を食べる
生水は飲まないようにする
★ コレラ 発展途上地域    
大量の水様
嘔吐
下痢による脱水
  十分火の通った食べ物を食べる
生水は飲まないようにする
事故
ケガ
★ 破傷風 世界各地     飲み込みにくい
しゃべりにくい
野生動物との接触を避ける
転倒やケガに注意する
★ マラリア 熱帯
亜熱帯地域

夜間

夜間

高熱・周期的
悪寒
冷汗
予防薬(飲み薬) 夜間外出を控える
虫除けローションの使用
長袖・長ズボンの着用
★ デング熱 熱帯
亜熱帯地域

日中

日中

日中
 
高熱
  目の奥の痛み
筋肉・関節痛、発疹
  虫除けローションの利用
室内での蚊取り線香の使用など
▲ 日本脳炎 アジア    
高熱
  昏睡
意識障害
水田地帯など田舎に出かける人は
予防接種を実施する
■ 黄熱 アフリカ
南アメリカ
   
日中

日中

高熱
  頭痛、筋肉痛
悪寒、嘔吐

発生地域では必須
虫除けローションの利用
長袖・長ズボンの着用
▲ ウエストナイル熱 北アメリカ   頭痛、筋肉痛
倦怠感
  虫除けローションの利用
長袖・長ズボンの着用
動物 ■ 狂犬病 世界各地   頭痛、嘔吐
倦怠感
野生動物との接触を避ける
▲ 鳥インフルエンザ 東南アジア         頭痛、筋肉痛
その他カゼ症状
  鳥類との接触を避ける
手洗い、うがいの励行
沼や湖
河川
▲ レプトスピラ症 世界各地         悪寒、頭痛、筋痛
腹痛、結膜充血
  淡水(川や湖)での水浴びを控える
その他 ▲ マールブルグ病 アフリカ
(アンゴラ)
     
突発的
悪寒、頭痛、
筋肉痛、嘔吐
  出血熱を疑う患者との接触を避ける
★ 寄生虫症 世界各地         衛生的な食堂での食事
こまめな手洗い
★: 最も注意をしなければいけない病気
▲: 渡航先、活動内容によって注意しなければいけない病気
■: その他
●: 感染する機会が多いので十分に注意
○: 感染する機会は少ないが注意が必要
△: 動物と接触する機会の多い場合には十分に注意
●: よくみられる症状
○: ときにみられる症状
予防接種は、渡航期間、地域、活動内容により、医師と相談の上考慮する。
 


別紙2
海外の感染症に関する情報提供サイト


1.世界各地の感染症発生状況
厚生労働省検疫所(海外渡航者のための感染症情報)ホームページ
(http://www.forth.go.jp/)
外務省海外安全ホームページ>感染症関連情報
http://www.anzen.mofa.go.jp/sars/sars.html

2.感染症別の詳細情報
厚生労働省検疫所(海外渡航者のための感染症情報)ホームページ>感染症別情報
(http://www.forth.go.jp/)
国立感染症研究所 感染症情報センターホームページ>疾患別情報
(http://idsc.nih.go.jp/disease.html)

3.予防接種に関する情報
厚生労働省検疫所(海外渡航者のための感染症情報)ホームページ
http://www.forth.go.jp/)
外務省ホームページ>渡航関連情報>在外公館医務官情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html

4.渡航先の医療機関等情報
外務省ホームページ>渡航関連情報>在外公館医務官情報
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/index.html

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