平成17年4月18日

厚生労働省健康局疾病対策課
(内線)2354・2353

変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の診断及び
二次感染の防止に係る留意事項等の周知について(依頼)


 標記について、別添のとおり都道府県、保健所設置市、特別区及び関係団体あてに通知したのでお知らせします。


(別添)
 変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の診断及び
 二次感染の防止に係る留意事項等の周知について(依頼)



健疾発第0418001号
平成17年4月18日



都道府県
保健所設置市
特別区



衛生主管部(局)長  殿


厚生労働省健康局疾病対策課長


変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の診断及び二次感染の防止に
係る留意事項等の周知について(依頼)

 平成17年2月4日に開催された、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会(以下「委員会」という。)において、我が国初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(以下「変異型CJD」という。)の症例(以下「今回の症例」という。)が確認された。
 今回の症例は、臨床経過中に、世界保健機関が示している変異型CJDの診断基準に合致しない検査所見が確認されたことから、今後、CJDの診断に際してはこの点に留意した対応が必要となる。
 また、平成17年4月8日に開催された委員会においても言及されたとおり、医療行為に伴い医療用具等が異常プリオンに汚染される危険性があることから、医療用具等を介した二次感染防止の対策についても、引き続き推進していく必要があるところである。
 貴職におかれては、引き続き感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)に基づく感染症発生動向調査を含むCJD対策を推進いただくとともに、下記の事項につき、貴管内関係機関及び医療従事者への周知について特段の御配慮方お願いする。

 1 今回の症例においては、臨床経過中に実施された脳波検査及びMRI検査において、世界保健機関が示している変異型CJDの診断基準に合致しない所見が確認された(CJDサーベイランス実施時は孤発型CJDの所見を示した。)ことを踏まえ、今後、プリオン病を疑わせる症状を有する患者の診断(特に、分類の診断、除外の診断)等の際には、この点に特に留意の上対応いただきたいこと。

 2 平成17年4月8日に開催された委員会において、今回の症例に関し、消化管内視鏡検査に用いられた内視鏡等の医療用具等が異常プリオンに汚染される可能性について言及されたところであるが、従来より、プリオン病組織については、中枢神経組織、眼組織、リンパ組織、血液等に感染性があり得ることが指摘されていることから、このような組織に対する診療に際しては、医療用具等を介した二次感染の防止について、引き続き留意の上対応いただきたいこと。

 3 これらの事項を踏まえ、「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病対策の徹底等について(依頼)」(平成17年2月7日健疾発第0207010号・健感発第0207002号厚生労働省健康局疾病対策課長・結核感染症課長連名通知)(別添)において示されている事項について、引き続き留意の上対応いただきたいこと。



健疾発第0207010号
健感発第0207002号
平成17年2月7日



都道府県
保健所設置市
特別区



衛生主管部(局)長 殿

厚生労働省健康局疾病対策課長


結核感染症課長


変異型クロイツフェルト・ヤコブ病対策の徹底等について(依頼)


 平成17年2月4日、厚生科学審議会疾病対策部会クロイツフェルト・ヤコブ病等委員会において、国内初の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(以下「変異型CJD」という。)の症例が確認された。
 変異型CJDを含むプリオン病(以下「CJD等」という。)は日常生活で人から人へ感染するものではないが、症例ごとの感染源及び感染経路の特定が困難であり時間を要すること等から、国民の方々が不安に陥ることがないよう、CJD等発生動向の迅速な把握及び適切な診断支援が極めて重要である。
 貴職におかれては、引き続き感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号。以下「感染症法」という。)に基づく感染症発生動向調査を含むCJD等対策を推進いただくとともに、下記のとおり所要の変異型CJD対策を講じていただくよう、特段の御配慮方お願いする。
 なお、本通知は本年2月7日より適用し、平成15年11月12日健疾発第1112003号・健感発第1112001号厚生労働省健康局疾病対策課長・結核感染症課長連名通知「感染症発生動向調査におけるクロイツフェルト・ヤコブ病の届出に関する取扱いについて」は廃止する。

 感染症法に基づくCJD等の発生届の報告については、平成17年2月7日健感発第0207001号厚生労働省結核感染症課長通知「クロイツフェルト・ヤコブ病の発生届の報告について」によること(別紙中1)

 保健所等における一般向け相談窓口の速やかな設置と正しい知識の普及(別紙中2)

 医療従事者に対する「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル」等の周知徹底(別紙中3)


 なお、対策の詳細については別紙の「クロイツフェルト・ヤコブ病対策に関し」を参照されるとともに、専門的医療の提供についても、引き続き遺漏なきよう努められたい。



(別紙)

クロイツフェルト・ヤコブ病対策に関し


1. 感染症法に基づくCJD等の発生届の報告について

 上記の報告に関する、難治性疾患克服研究事業「プリオン病及び遅発性ウイルス感染調査研究班」クロイツフェルト・ヤコブ病サーベイランス委員会への協力依頼については、別途要請する予定であるのでご承知おき願いたい。
 なお、発生届の報告に当たり、医療機関においてCJD等の診断に苦慮する場合にあっては、「神経難病患者在宅医療支援事業(平成10年4月9日健医発第635号保健医療局長通知の別紙「難病特別対策推進事業実施要綱」中第5を参照。)」を活用されたい。


2. 保健所等における一般向け相談窓口の速やかな設置と正しい知識の普及

 平成17年2月4日付けFAX送付した「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病に関するQ&A」を積極的に活用し、一般の方々向け相談窓口の設置に努められたい。


3. 医療従事者に対する所要の周知徹底

 以下に掲げる事項につき、貴管下医療機関を通じ、医療従事者に対する周知徹底を図られたい。
(1) 「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル(入手先:http://www.nanbyou.or.jp/pdf/cjd_manual.pdf)」の啓発普及(平成14年2月27日健疾発第0227001号厚生労働省健康局疾病対策課長通知)
(2) 「クロイツフェルト・ヤコブ病感染予防ガイドライン(入手先:http://www.ncnp.go.jp/nin/guide/r7/pdf/CJDGuideline-9.pdf)」の周知徹底(平成16年9月14日医政指発第0914001号、健疾発第0914001号厚生労働省医政局指導課長・健康局疾病対策課長連名通知)

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