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3 地域福祉の推進について(地域福祉課)

(1 )地域福祉の推進について
 国民生活の安心と幸せを実現するためには、公的な福祉サービスの充実はもちろんのこと、人々が手を携えて、生活の拠点である地域に根ざして助け合い、誰もがその人らしい安心で充実した生活が送れるような地域社会を基盤とした地域福祉を推進することが極めて重要であり、都道府県、指定都市及び中核市においては、今後、次のような取組みを通じて地域福祉の推進を積極的に図る必要がある。

 地域福祉計画の策定について
(ア )地域福祉計画は、住民の主体的な参加により、地域における生活ニーズを明らかにするとともに、その解決に向け公民協働により多様なサービスを総合的に提供する体制を計画的に整備するものであり、地域福祉の推進にとって大きな柱となるものである。その際には、コミュニティ(日常生活圏域)単位の小地域において、住民自身が座談会等をとおして地域の生活上の課題を明らかにし、その解決に向けた取組を検討する手法を基本とし、地域福祉計画が策定されることが重要である。このような策定過程を通して、住民が自らの地域に関心を持ち、互いに助け合い、支え合うような人と人との関係づくりを進めることが期待されるものである。
 都道府県においては、地域福祉計画策定ガイドライン及び地域福祉支援計画を策定するとともに、管内市町村において、住民の主体的な参加により地域福祉計画が策定されるよう支援願いたい。

(イ )昨年11月に行った「地域福祉計画の策定未定の要因に関する調査」結果によると、地域福祉計画について策定未定としている市町村のうち、3/4以上の市町村が、策定未定の要因として「市町村合併の予定がある」ことをあげている。
 しかしながら、地域福祉計画の策定は、上述のとおり、コミュニティ単位の小地域における取組が基盤となるものであり、こうしたコミュニティは市町村合併の動向によって変わるものではないことから、都道府県においては、合併を控えている市町村においても、まず住民に身近な地域の生活上の課題を住民自らが明らかにする過程から取り組まれるよう支援願いたい。

イ 社会福祉協議会について
 社会福祉協議会(以下「社協」という。)については、地域福祉の推進役として、地域福祉推進のため様々な活動を行う多様な主体の参加を得るとともに、地域住民の視点に立ち、その期待に十分応えるよう、また、市町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画の策定に当たって一定の役割を担うよう、平成13年12月11日の総合規制改革会議の答申(規制改革の推進に関する第1次答申)の内容も踏まえ、今後とも一層の指導、支援を願いたい。

(参考 )規制改革の推進に関する第1次答申(平成13年12月11日総合規制改革会議)では、主に次のような具体的な提言がなされている。
(1)  他の民間事業者、社会福祉法人では行いにくいサービスについて重点的に取り組むこと
(2)  在宅福祉サービスの実施に当たっては、公的助成のみに依存することなく当該地域におけるサービスの実態を踏まえ、他の事業主体の参入による競争を妨げることのないよう、適切な運営に努めること

 ボランティア活動の振興
(ア )住民の多様なニーズを解決するためには、公的サービスのみならず、住民の自発的な参加によるボランティア活動に対する期待は大きく、公的サービスとボランティアなどのインフォーマルなサービスが連携し、地域において総合的に福祉サービスを提供することが必要である。
 このため、ボランティア振興事業及びボランティア養成等事業の活用を図り、住民がボランティア活動に参加しやすくなる体制の整備、地域が求めるボランティア活動団体の育成、ボランティア活動リーダーの養成等、創意工夫によりボランティア活動の振興に努められたい。
(イ )平成16年度の「全国ボランティアフェスティバル」については、本年9月25日・26日に滋賀県で開催することとしており、各地方公共団体においては幅広い参加が得られるようボランティア関係者等への周知を願いたい。

 民生委員活動の推進
(ア )地域福祉を推進する上で、住民の生活実態を把握し、住民の立場に立って相談・援助を行う民生委員に対する期待と任務の重要性はますます高まっていくものであり、各地方公共団体においては、今後とも民生委員活動の円滑な遂行と充実が図られるよう努めるとともに、研修などを通じて、民生委員の資質向上が図られるよう配慮願いたい。

(イ )民生委員・児童委員の活動に必要な経費については、地方交付税における基準財政需要額算定の基礎となる単位費用積算基礎において、平成15年度からは、民生委員・児童委員1人当たりの活動費は表示されず、総額のみが表示されているところである。もとより、地方交付税は、地域の実情に応じて、各地方公共団体の自主的な判断により、その使途や金額を決定できるものである。
 厳しい社会・経済情勢の下、要支援者が増加し、民生委員・児童委員に求められる役割も増大しているところであり、都道府県におかれては、民生委員・児童委員活動の実態を踏まえ、一層の民生委員・児童委員活動の充実が図られるよう、所要の財政措置につき特段の配慮を願いたい。

(ウ )平成16年12月には、3年ごとに行われている民生委員の一斉改選が行われる。ついては、改選に際して民生委員活動に支障を来さないよう適任者の選任に特段の配慮を願いたい。

(エ )平成16年度の全国民生委員児童委員大会は、本年10月28日・29日に岡山県において開催することとしているので了知願いたい。

(2 )地域福祉権利擁護事業について
 本事業の実施状況を見ると、一定程度の事業の普及が図られてきているものの、都道府県・指定都市社協毎又は事業の一部の委託を受けた基幹的社協毎の相談件数、契約締結件数等には、大きな格差が生じている。

 都道府県・指定都市においては、管内社協に対して、利用ニーズの把握、本事業の実施方法の工夫、サービス内容の向上等について、一層の支援、指導等を行うことにより、本事業がさらに普及・定着するよう配慮願いたい。

(参考) 実施状況(事業開始〜平成15年10月末)
  利用契約件数  約1万4千件
  利用に関する相談や問い合わせ  約45万件


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