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(別紙)
職発第0902001号
平成14年9月2日

 各都道府県労働局長 殿

厚生労働省職業安定局長  
(公印省略)


失業認定の在り方の見直し及び雇用保険受給資格者の早期再就職の促進等について

 平成13年4月1日の改正雇用保険法の施行以後、極めて厳しい雇用失業情勢の長期化により雇用保険を取り巻く状況が大きく変化する中で、平成14年4月5日から、労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会において、雇用保険制度の在り方について議論が重ねられ、7月19日に「雇用保険制度の見直しについて(中間報告)」として中間的なとりまとめが行われたところである。
 この中間報告では、前回制度改正後の予想を超える雇用失業情勢の悪化等の短期的な雇用、失業の動向に加え、労働移動の増加、雇用就業形態の多様化等中長期的な労働市場の構造的変化に対応し、その機能を十分に発揮できるようにするため、制度全般の見直しが必要とされている。また、当面の対応として、現行制度の範囲内で実施することが可能な、雇用保険受給資格者(雇用保険法(以下「法」という。)第15条第1項に規定する受給資格を有する者をいう。以下「受給資格者」という。)の早期再就職の促進等に係る措置については、制度本体の改正に先行して早急に実施に移すことが適当とされたところである。
 このような中間報告の趣旨を受けて、失業認定申告書(PDF 94KB)(雇用保険法施行規則(以下「則」という。)第14号様式)等の改正について、本日、「雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(平成14年厚生労働省令第114号)」が公布されたところである。
 ついては、失業認定の的確な実施、受給資格者の早期再就職の促進等に係る当面の対応と措置について下記のとおり定めることとしたので、その取扱いについて遺漏のないよう特段のご配慮をお願いする。

第1  趣旨・概要
 趣旨
   雇用失業情勢が依然として厳しい状況にあり、さらに倒産・解雇等の非自発的理由による離職者が増加傾向にある中では、雇用のセーフティ・ネットとしての雇用保険制度の安定的運営を確保しつつ、その十分な機能発揮を図ることが極めて重要であり、現行制度の範囲内で実施することが可能な、受給資格者の早期再就職の促進等に係る措置については、制度本体の改正に先行して早急に実施に移すことが必要である。
 これまでも受給資格者に対する的確な基本手当の支給や職業相談、職業紹介等の充実を図ってきたところであるが、制度の趣旨に適った基本手当の支給と職業相談、職業紹介をはじめとした求職活動への支援等とを、相互の連携を図りつつより一層積極的に推進していくという観点から、今般、失業認定等の業務取扱について以下のとおり必要な改正等を行うこととしたものであること。
 概要
   今般、1の趣旨を踏まえ、受給資格者の早期再就職を一層促進するため、基本手当に係る失業の認定の際の業務取扱等について必要な改正等を行うとともに、職業相談、職業紹介等をさらに積極的に実施することとしたものである。
 
(1)  雇用保険関係業務の改正等について(下記第2参照
 
 失業の認定業務に係る改正等について
 
(イ)  失業の認定業務に係る改正等について
 失業認定申告書(PDF 94KB)(則第14号様式)を改正し、受給資格者の認定対象期間中の求職活動の実績を具体的に申告させることとし、基本手当に係る失業の認定に当たっては、一定以上の求職活動を行った場合(法第33条の給付制限期間中を含む。)に、その認定対象期間中の失業の認定を行い得ることとしたこと。
(ロ)  循環的離職者に係る失業の認定等の留意点
 同一事業所から循環的に離職し、基本手当の受給を繰り返している者については、形式上は離職していても当該事業所に再雇用の予約がなされている場合が少なからずあると想定されることから、その労働の意思の確認を慎重に行うものとすること。
 法第32条の給付制限の一層的確な運用について
 法第32条の給付制限は、受給資格者が基本手当の受給のみに依存することを防止し、就職意欲を喚起することにより、その早期再就職促進を効果的に達成するためのものである。こうした給付制限制度の趣旨を踏まえ、その実効性を一層確保するため、公共職業安定所(以下「安定所」という。)の職業紹介、訓練受講指示、職業指導を拒んだものと解して給付制限を行う場合を明確化すること等により、その的確な運用を図ることとしたこと。
 雇用保険加入手続の有無の確認に係る照会手続について
 労働者が長年にわたって雇用保険料を賃金から控除されていたにもかかわらず、事業主が雇用保険被保険者資格取得届(以下「資格取得届」という。)の提出を怠っていたために、基本手当の所定給付日数を左右する被保険者であった期間について、2年間の遡及を行っても大きな不利益を被る事態を生じることがある。こうした事態を極力回避する方策として、労働者が自らの雇用保険加入手続がなされているか否かを確認するため安定所に照会を行う手続を設けることとしたこと。
 不正受給の防止、厳正な対処について
 不正受給事案の把握に努め、不正受給を発見した際には厳正に対処することとし、その防止対策の徹底を図るものとすること。
 私立学校教員等に対する適用促進について
 私立学校教員をはじめとして未だ雇用保険の加入手続をとっていない事業所に対する計画的な適用の促進に努めること。
(2)  職業指導・職業紹介関係業務について(下記第3参照
 
 職業指導等の積極的実施について
 受給資格者の早期再就職を促進するため、次により、これらの者を対象とする再就職支援を強化することとすること。
 
(イ)  雇用保険初回説明会において行っていた、職業紹介機関等のサービスの活用の仕方、管内労働市場の状況等の説明を、雇用保険初回説明会と分離し、内容を拡充して、全ての受給者を対象とした基礎的な求職活動の方法等に関する集団指導を行う講習として実施すること。
(ロ)  求職受理時にアンケートを実施し、受給資格者の状況及び希望の把握を行い、主として安定所を利用する者について、早期から相談、援助を行うことで早期に再就職が見込まれる者と計画的な支援を行う者に分類し、体系的な就職支援を行うこととすること。
 法第33条の給付制限期間中の者に対する就職支援について
 法第33条の給付制限期間中の者についても、上記イの(ロ)により、その状況にあった就職支援を行うこととすること。
 的確かつ早期の公共職業訓練受講指示及び訓練受講者等に対する職業指導・職業紹介の徹底について
 公共職業訓練の受講については、早期に的確な公共職業訓練を受講させ、これを通じて早期に再就職できるよう積極的な再就職支援を行うことが必要であり、このための職業指導、紹介の徹底を図ることとしたこと。
(3)  関係通達等所要の業務取扱要領の整備について(下記第4 略)
 施行日
   上記2のうち(1)のイの(イ)「求職活動実績に基づく失業の認定」、ハの「雇用保険加入手続の有無の確認に係る照会手続」、(2)「職業指導・職業紹介関係業務について」及び(3)関連部分については、平成14年9月20日から施行する。

第2  雇用保険関係業務の改正等について
 失業の認定業務に係る改正等について
 
(1)  求職活動実績に基づく失業の認定について
 
 失業の認定の対象となる求職活動実績の基準
 
(イ)  求職活動の回数
 
 基本手当に係る失業の認定日において、原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間(法第32条の給付制限の対象となっている期間を含む。以下「認定対象期間」という。)に、求職活動を行った実績(以下「求職活動実績」という。)が原則2回以上あることを確認できた場合に、当該認定対象期間に属する、他に不認定となる事由がある日以外の各日について失業の認定を行う。
 ただし、次のいずれかに該当する場合には、上記aにかかわらず認定対象期間中に行った求職活動実績は1回以上あれば足りるものとする。
 
(a)  法第22条第2項に規定する厚生労働省令で定める理由により就職が困難なものである場合
(b)  基本手当の支給に係る最初の失業の認定日(以下「初回支給認定日」という。)における認定対象期間(初回支給認定日については、待期期間を除く。)である場合
(c)  認定対象期間の日数が14日未満となる場合
(d)  求人への応募を行った場合(当該応募を当該認定対象期間における求職活動実績とする。)
(e)  巡回職業相談所における失業の認定及び市町村長の取次ぎによる失業の認定を行う場合
(ロ)  法第33条の給付制限を行う場合の取扱い
 
 法第33条の給付制限期間(給付制限期間が1ヶ月となる場合を除く。)満了後の初回支給認定日については、当該給付制限期間と初回支給認定日に係る給付制限満了後の認定対象期間をあわせた期間に求職活動を原則3回以上行った実績を確認できた場合に、他に不認定となる事由がある日以外の各日について失業の認定を行う。
 上記aの給付制限期間中の求職活動実績の要件は、初回支給認定日に係る認定対象期間のみを対象とするものであり、それ以外の認定日については、上記(イ)の基準によって判断するものとする。
(ハ)  就職した日がある場合の取扱い
 就職、就労した日については、その前提として、就職、就労した各日について求職活動が行われたものとみなす。
 求職活動の範囲
 求職活動実績として認められる求職活動は、就職しようとする積極的な意思を具体的かつ客観的に確認し得る活動であることを要し、受給資格者と再就職の援助者との間に、次のような就職の可能性を高める相互の働きかけがある活動及び求人への応募等がこれに該当するものである。
 このため、単なる、職業紹介機関への登録、知人への紹介依頼、新聞・インターネット等での求人情報の閲覧等だけでは求職活動実績には該当しない。
 
(イ)  安定所、許可・届出のある民間需給調整機関(民間職業紹介機関、労働者派遣機関をいう。以下同じ。)が行う職業相談、職業紹介等が該当するほか、公的機関等(雇用・能力開発機構、高年齢者雇用開発協会、地方自治体、求人情報提供会社、新聞社等)が行う求職活動に関する指導、個別相談が可能な企業説明会等を含める。なお、受給資格者の住居所を管轄する安定所以外の安定所が行う職業相談、職業紹介等を受けたことも当然に該当する。
(ロ)  求人への応募には、実際に面接を受けた場合だけではなく、応募書類の郵送、筆記試験の受験等も含める。ただし、書類選考、筆記試験、採用面接等が一の求人に係る一連の選考過程である場合には、そのいずれまでを受けたかにかかわらず、一の応募として取り扱う。
 求職活動実績の基準を適用しない場合
 
(イ)  次の場合は、上記イの基準を適用せず、他に不認定となる事由がある場合を除き、労働の意思及び能力があるものとして取り扱う。
 
 安定所長の指示・推薦により公共職業訓練等を受講している場合、安定所の指導により各種養成施設に入校する場合及び公共職業訓練等や教育訓練給付の対象訓練等を受講している場合であって、労働の意思及び能力があると認められる場合。ただし、当該訓練等を受け終わる日(中途で取りやめる日を含む。)が含まれる認定対象期間を除く。
 なお、当該訓練等を受け終わったことを1回の求職活動実績とし、一の認定対象期間から当該訓練等を受け終わる日を除いた期間が14日未満の場合は、当該1回の求職活動実績で上記イの基準を満たしたものとする。
 また、ここでいう「安定所長の指示・推薦により公共職業訓練等を受講している場合」には、受講のために待期している期間及び変更指示により前後の訓練等の間に生じる訓練等を受けない日を含む。
 求人への応募に係る採否結果を得るまでに、一の認定対象期間の全期間を超えて時間を要する場合の当該一の認定対象期間。
 なお、求人への応募に係る採否結果通知を受けたことを1回の求職活動実績とし、一の認定対象期間から採否結果通知を待っている期間(採否結果通知を得た日の前日まで)を除いた期間が14日未満の場合は、当該1回の求職活動実績でイの基準を満たしたものとする。
 また、本来、職業紹介と求人への応募は一体的なものであることから、以上のような応募に係る採否結果を得るまでに期間を要する場合の取扱い及びイの(イ)のbの(d)については、安定所等から職業紹介を受けて応募した場合にも同様とする。
(ロ)  次の場合は上記イの基準を適用せず、失業の認定に係る手続きについては12年要領等のそれぞれの該当箇所に従って処理する。
 
 審査若しくは訴訟の結果により、安定所の処分を変更し、遡及して一括認定を行う場合及び受給資格決定時に就職困難者であるか否か判明していない場合であって当該一括認定の取扱いに準じて取り扱う場合
 受給資格者が死亡により失業の認定を受けることができなかった期間に係る基本手当の支給について、遺族の申請により失業の認定を行う場合
 激甚災害時における求職者給付の支給の特例、災害時における求職者給付の支給に関する特別措置に係る失業の認定を行う場合
 解雇の効力等について争いがある場合の失業の認定の場合。(なお、本人の申出による条件付給付の取扱いから本給付への変更を行った場合を除く。)
 法第15条第4項第1号又は第4号に規定する理由により安定所に出頭することができず失業の認定を証明書により行う場合(当該理由により安定所に出頭できなかった期間に限る。)
 安定所が策定、交付する「求職活動計画」の対象となっている受給資格者の取扱い
 安定所が策定、交付する第3の1の(2)のハの「求職活動計画」の対象となっている受給資格者については、認定日に失業認定申告書と合わせて第3の1の(2)のホの「求職活動計画」を提出させ、次のいずれかを満たす場合に失業の認定を行うものとする。
 
(イ)  当該認定日に係る認定対象期間において、当該期間に係る「求職活動計画」の計画事項が履行されている場合
(ロ)  上記イからハに照らして失業の認定を行うことができる場合
 求職活動実績の確認方法等
 
(イ)  自己申告に基づく判断
 求職活動実績については、失業認定申告書に記載された受給資格者の自己申告に基づいて判断することを原則とし、求職活動に利用した機関や応募先事業所の証明等(確認印等)は求めない。
(ロ)  サンプリングによる事実確認の調査
 各安定所ごとに、業務量等の実情を勘案して、サンプリング率(1%程度を目途)を設定し、利用した機関や応募先の事業所に問い合わせを行う等により求職活動実績の確認を行う。
 また、例えば、求職活動について虚偽の申告がなされている旨の通報があった場合には、原則として確認を行うとともに、求職条件と申告された求職活動内容に矛盾が見られる場合、記載漏れや誤記等が多い場合など、失業認定申告書の記載内容に疑義がある場合にも必要に応じ同様の確認を行う。
 これらの確認の結果が受給資格者の申告と一致しないときは、受給資格者に事実関係を確認し、申告が事実に反することが確認された場合は、失業の認定の際の虚偽の申告として、不正受給に係る取扱いに従って処理する。
 なお、求職活動実績の虚偽の申告を行った場合には、当該虚偽の求職活動を行ったと申告した認定対象期間に係る失業の認定日が不正の行為のあった日である。
(ハ)  求職活動実績に係る事実確認を行う旨の周知徹底
 失業認定申告書により申告のあった求職活動実績については、安定所から利用した機関や応募先事業所への問い合わせ等により事実確認を行うことがあり、事実と相違する場合は不正受給として取り扱う旨、あらゆる機会を通じ、受給資格者に対し周知徹底を図ること。
 経過措置等
 上記イの求職活動実績の基準の施行日(9月20日)以降に受給資格の決定を行った者については、初回支給認定日に係る認定対象期間から当該基準を適用する。
 また、当該基準の施行に伴う周知・指導期間とするため、施行前に受給資格の決定を行った者については、当該施行日以後の基本手当の支給に係る最初の失業の認定日における認定対象期間については、上記イの求職活動実績が確認できなくても差し支えないものとする。この場合は、次回の認定日からは上記イの求職活動実績が確認できた場合にのみ失業の認定を行う旨受給資格者に対し周知・指導を行い、次回以降は原則どおりの取扱いとする。
 求職活動実績が適用される求職者給付
 上記の失業の認定における求職活動実績の基準等は、基本手当の支給に係る失業の認定について適用し、高年齢求職者給付、短期特例求職者給付及び日雇労働求職者給付の支給に係る失業の認定には適用しない。
(2)  循環的離職者に係る失業の認定等の留意点
 同一事業所から循環的に離職し、基本手当の受給を繰り返している者については、形式上は離職していても当該事業所に再雇用の予約がなされている場合が少なからずあると想定されることから、その労働の意思の確認を慎重に行うものとすること。
 なお、この取扱いについては、今後、受給資格の決定又は失業の認定を行わない場合の基準を定め、改めて通知することとしているが、それまでの間においても今後当該基準が策定されることを念頭に置いて労働の意思の確認を慎重に行うこと。
 法第32条の給付制限の一層的確な運用について
 
(1)  趣旨
 法第32条の給付制限は、受給資格者が基本手当の受給のみに依存することを防止し、就職意欲を喚起することにより、その早期再就職促進を効果的に達成するためのものである。こうした給付制限制度の趣旨を踏まえ、その実効性を一層確保するため、安定所の職業紹介、訓練受講指示、職業指導を拒んだものと解して給付制限を行う場合を明確化すること等により、その的確な運用を図ることとしたものであること。
(2)  安定所の職業紹介等を拒んだものと解される行為
 正当な理由なく(法第32条第1項各号の規定により、安定所の紹介する職業に就くこと、安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒むことが正当な理由があると認められる場合の認定基準については、要領52152〜52153参照。また、安定所が行う職業指導を受けることを拒むことが正当な理由があると認められる場合の認定基準については、要領52154(4)参照。)次の行為をなした場合は、安定所の紹介する職業に就くこと、安定所長の指示した公共職業訓練等を受けること又は安定所が行う職業指導を受けることを拒んだ場合に含まれると解して法第32条の給付制限を行う。
 
 安定所の紹介する職業に就くことを拒んだことに含まれる場合
 
(イ)  安定所の紹介に応じたにもかかわらず指定された日に事業所に出頭しなかった場合
(ロ)  安定所に紹介された先の事業所における面接態度について、故意に不採用にさせるような言動により不採用になったと認められる場合
(ハ)  安定所に紹介された先の事業主のもとにおいて面接した際に採用を拒否する場合及び面接の結果採用になった後において就職することを拒否する場合
 安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだことに含まれる場合
 
(イ)  指示訓練の受講修了前に自己都合によって退校した場合
(ロ)  故意に懲戒処分を行わせる意図を持って懲戒処分理由に該当するに至り、退校処分を受けた場合
 安定所が行う職業指導を受けることを拒んだことに含まれる場合
 職業経験、知識、技能及び労働市場の状況等を考慮して、安定所長がその者の再就職のために綿密な職業指導を行う必要があると認めた者に対して行う職業指導を行うために、安定所が第3の1の(1)に規定する「初回講習」、同(2)のへに規定する「求職活動支援セミナー」等の受講を指導したにもかかわらず、当該講習等への参加を拒否した場合又は実施日に出頭しなかった場合。
(3)  安定所の紹介する職業に就くことを拒んだ日
 安定所の紹介した日と事業主のもとにおいて拒んだ日が異なるときは、安定所の紹介した日以後給付が制限される。ただし、安定所の紹介した日と事業主のもとにおいて拒んだ日との間に失業の認定日がある場合は、事業主のもとにおいて拒んだ日の直前の認定日以後給付が制限される。なお、安定所の紹介に応じたにもかかわらず指定された日に事業所に出頭しなかったときについても、同様に取り扱う。
(4)  面接態度の確認
 紹介された先の事業所における面接態度については、当該事業所から故意に不採用にさせるような言動であった旨の連絡があったときに原則として事実関係を確認するほか、紹介部門における採否確認の機会等を活用するなどにより、安定所ごとの業務量等の実情を勘案しつつ、サンプリング率を設定し、紹介先にこれを確認し、正当な理由なく故意に不採用にさせるような言動により不採用になったと認められるときは、紹介された職業に就くことを拒んだものと解して取り扱う。
(5)  紹介担当部門と認定担当部門との連携
 事業主のもとにおいて面接した際に受給資格者が採用されることを拒否した事実等を把握した場合の紹介担当部門から認定担当部門への連絡の実施を徹底する。
(6)  正当な理由があると認められる場合の認定基準の改正
 
 法第32条第1項第1号の「紹介された職業が、受給資格者の能力から見て不適当な場合」の認定基準の改正
 要領52152(2)のイの(ハ)のbを次のように改める。
 
 b  専門の知識、技能を有し、それらを生かした業務に就こうとする者がそれらを必要としない業務に紹介された場合
 本人の希望する業務が明確であり、その内容が、本人の有する専門の知識、技能及び労働市場の状況から見て妥当なものである場合以外はこの基準を適用しない。
 この場合、求職票等により受給資格者の希望する業務が明確に把握できる場合であって、学歴、職歴等から見て、その者が当該業務を遂行するのに必要な専門の知識、技能を十分身に付けており、さらに該当する求人が現実に労働市場に存在し、就職が可能であると認められる場合に限り正当な理由ありとするものである。
 なお、この認定は、業務の実施に必要となる能力を有していれば、本人の希望如何にかかわらず、その業務に紹介してよいという最低の線と、本人の知識、技能を生かすことができる業務に紹介しなければならないという最上の線との間で、労働市場の状況等を踏まえた正常な常識による判断で行わなければならない。
 法第32条第1項第3号の「一般の賃金水準と比べて不当に低い場合」の認定基準の改正
 要領52152(2)のハ中、(イ)の前に「次の(イ)又は(ロ)のいずれかに該当する場合は、正当な理由があると認められる。」を加え、同(イ)中、「100分の100」を「100分の80」に、同(ロ)の次の「なお、就職先の賃金が、その地域の平均的な賃金の100分の100又は就職先の賃金の手取額が基本手当の額の100分の100よりも低いかどうかの認定に当たっては、「おおむね」とあるとおり、厳格に100分の100に限定せず、本人の失業していた期間及び将来本人が就職することのできる見込みを考慮してその基準額を多少上下させることは認められるのである。」を「なお、就職先の賃金が、その地域の平均的な賃金の100分の80又は就職先の賃金の手取額が基本手当の額の100分の100よりも低いかどうかの認定に当たっては、「おおむね」とあるとおり、厳格に100分の80又は100分の100に限定せず、本人の失業していた期間及び将来本人が就職することのできる見込みを考慮してその基準額を多少上下させることは認められるのである。」に改める。
 法第32条第1項第5号の「その他正当な理由があるとき」の認定基準の改正
 
(イ)  要領52152(2)のホの(イ)の「ここに」の前に次のように加える。
  「例えば、労働時間が休憩時間を除き1日について8時間、1週間について40時間を超えるものである場合(労働基準法第32条)、休憩時間が、労働時間が6時間を超える場合に45分未満、労働時間が8時間を超える場合に1時間未満である場合(労働基準法第34条第1項)、休日が毎週1回以上又は4週間で4日以上ない場合(労働基準法第35条)、6か月間継続勤務した出勤率8割以上の労働者に有給休暇を10日(その後勤務1年ごとに1〜10日を加算)以上与えない場合。ただし、出勤率8割以上の週所定労働時間30時間未満の短時間労働者については、週(又は年)所定労働日数と勤続年数に応じて労働基準法施行規則第24条の3第3項に定められた日数(1〜15日)以上与えない場合(労働基準法第39条)、最低賃金の適用を受ける労働者に対して支払われる賃金額がその最低賃金額未満である場合(最低賃金法第5条)などであって適用除外等に該当しない場合である。」
(ロ)  要領52152(2)のホの(ハ)中、「2箇月以上賃金不払の事業所(将来正当な時期に賃金が支払われるものと認められるものを除く。)に紹介された場合」を「2箇月以上賃金不払(賃金の3分の1を上回る額が支払われなかった場合を含む。)の事業所(将来正当な時期に賃金が支払われるものと認められるものを除く。)に紹介された場合」に改める。
(ハ)  要領52152(2)のホ中、(チ)を(リ)とし、(ト)を(チ)とし、(ヘ)を(ト)とし、(ホ)を(ヘ)とし、(ニ)の次に次のように加える。
「(ホ) 法令に違反する業務を行う事業所に紹介された場合
  事業所が法令違反の製品を製造し、あるいは販売している等の場合である。」
 公共職業訓練等の受講を拒否することが正当な理由があると認められる場合の認定基準の改正
 要領52153(3)のロの次に次のように加える。
「ハ 法第32条第1項第5号の「その他正当な理由があるとき」の認定基準
  就職が決まりその準備のため退校(所)する必要がある場合」
(7)  給付制限期間の改正
 受給資格者が安定所が行うその者の再就職を促進するために必要な職業指導を受けることを正当な理由なく拒んだ場合の法第32条の給付制限期間を「2週間」から「1ヵ月」に改める。
(8)  給付制限の周知徹底
 安定所に紹介された先の事業所において、正当な理由がなく故意に不採用にさせるような面接態度をとったなどの場合には、法第32条の給付制限が行われる旨、受給資格者、事業主等に対して幅広く周知徹底を図ること。
 雇用保険加入手続の有無の確認に係る照会手続について
 
(1)  雇用保険被保険者証による確認の周知
 労働者に対して、資格取得届の提出が適正に行われているか否かは、雇用保険被保険者証(以下「被保険者証」という。)の記載事項により確認できること、被保険者証は原則として安定所から事業主を通じて交付されるので、所持していない場合は事業主に照会すれば確認できることを周知する。
 その上で、被保険者証の記載事項と現在の事実が異なること、事業主に照会したが被保険者証が交付されないこと、事業主への照会が困難なことなどにより、労働者から安定所に対して自らの資格取得届の提出が適正に行われているか否かの確認について照会があった場合(以下「確認照会」という。)は、次の(2)の手続により対応するものとする。
(2)  確認照会に係る手続
 
 雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票の提出
 照会者の被保険者番号(特定できる場合)、氏名、生年月日、雇用されている(いた)事業所名を記載した「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会票」に、照会者の本人確認と住居所確認を行うための書類、被保険者証(本人に交付されている場合。原本又は写し。)を添付の上、原則として当該確認照会に係る事業所の所在地又は照会者の住居所を管轄する安定所に提出させることにより確認照会を受け付けること。
 この確認照会の受付は、代理人、又は郵送によっても可能とするが、代理人による場合は委任状を要するものである。また、電話による照会は受け付けないこと。
 なお、照会者の本人確認と住居所確認を行うための添付書類については、官公署が発行した証明書とし、具体的には、運転免許証、国民健康保険被保険者証、雇用保険受給資格者証(以下「受給資格者証」という。)、出稼労働者手帳、住民票の写し、印鑑証明書のいずれか原本又は写しとする。なお、郵送の場合は、これらの書類の写しか、原本の場合は、住民票の写し、印鑑証明書のいずれかに限る。
 安定所における処理
 被保険者番号が不明の場合は、照会者の氏名、生年月日、性別により該当者候補を出力し、雇用されている(いた)事業所名等により被保険者番号を特定し、その被保険者番号を雇用保険トータル・システムに入力することにより出力される被保険者総合照会により確認すること。
 雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書の交付
 「雇用保険被保険者資格取得届出確認照会回答書」(以下「回答書」という。)により、現在雇用されている事業所における被保険者資格の取得手続の有無、同被保険者となった年月日を照会者に通知する。
 なお、被保険者資格の取得手続がなされていない場合の回答は、回答書の注意書きの事項により、当該照会者に対して注意喚起することにより行う。
 不正受給の防止、厳正な対処について
 失業等給付の不正受給は、雇用保険制度の目的・趣旨を損ない、制度全般に対する信頼を失墜させ、その円滑かつ適正な運営を大きく阻害する行為である。不正受給の防止及び早期摘発に一層努めること。また、確認された不正受給に対しては、厳格な納付命令の運用、悪質な事案の告発などにより厳正に対処すること。
 未適用事業所に対する適用促進等について
 雇用保険制度の健全な運営の確保、費用の公平負担及び労働者の福祉の向上等の観点から、未適用事業所に対する適用促進及び被保険者となるべき労働者に係る適正な加入手続の促進はきわめて重要な課題である。
 なかでも、私立学校教員については、本年3月29日に閣議決定された「規制緩和推進3か年計画(改訂)」において「現在、低い加入水準にとどまっている私立学校教員等については、雇用保険への加入を速やかに促進する。」とされており、都道府県労働局においては、これに先だって昨年から、全国一斉に集団説明会の開催や個別の私立学校に対する加入勧奨を行ってきたところである。その結果、私立学校教員の新たな加入は徐々に増加しつつあるものの、総体的には依然として低い加入水準にとどまっており、引き続き適用促進の取り組みを積極的かつ継続的に進めることが必要である。
 これらのことから、制度の一層の周知徹底、事業主に対する助言・指導等により、未適用事業所に対する適用促進等を今後一層、着実かつ迅速に進めること。

第3  職業指導・職業紹介関係業務について
 職業指導等の積極的実施
 安定所は、当該安定所において受給資格者の早期再就職を促進するため、次により、これらの者を対象とする再就職支援を強化することとする。
 
(1)  すべての受給資格者に対する集団指導の実施
 
 安定所は、従来から、受給資格者全員に対し、受給資格者に対する受給資格決定後の最初の失業の認定日までに行う雇用保険受給に関する集団的説明会(以下「初回説明会」という。)を活用して、安定所を初めとした職業紹介機関等のサービスの活用の仕方、管内労働市場の状況、職業訓練・職業講習等のサービスについて簡易な説明を行い、紹介担当部門において職業相談を受けるよう勧奨してきたところであるが、今般、これを初回説明会と分離し、内容を拡充して、受給資格者全員に対する基礎的な求職活動の方法等に関する集団指導を行う講習(以下「初回講習」という。)として再構築すること。
 なお、初回講習の受講は、上記第2の1の(1)のイの基準の求職活動に該当するものである。
 初回講習においては、例えば次の点について説明を行うこと。
 
(イ)  再就職に当たっての賃金、労働時間、就業場所、就業形態等の希望条件とその優先順位等、求職活動を始めるに当たって自らあらかじめ検討すべき事項
(ロ)  職種別平均賃金、職種別業種別求人倍率、失業期間別再就職率等を含む管内の労働市場状況
(ハ)  安定所を始めとした職業紹介機関等のサービスの活用方法及び民間需給調整機関
(ニ)  実際の求人への応募から就職の決定までの一般的な流れとその注意点(履歴書、職務経歴書の書き方の基礎を含む。)
(ホ)  (2)のヘに規定する求職活動支援セミナーの紹介と予定に関すること
(ヘ)  公共職業訓練に関すること(早期受講指示の基準を含む。)
(2)  早期あっせん対象者と計画支援対象者の分類と就職支援
 
 安定所は、求職受理時にアンケートを実施し、受給資格者が、主に求職活動に際し安定所を利用するか、民間需給調整機関を利用するか、具体的に応募希望企業等が決まっているか等の受給資格者の状況及び希望の把握を行うこと。
 主に民間受給調整機関を利用することを希望する者については、安定所以外での自主的な求職活動を促すこととするが、求職活動がうまくいかないなどにより安定所の利用を希望したときは、安定所において支援するものとする。
 主に安定所を利用して求職活動を行う受給資格者については、早期から相談、援助を行うことで早期に再就職が見込まれる者(以下「早期あっせん対象者」という。)とそれ以外の者(以下「計画支援対象者」という。)を分類すること。
 安定所は、早期あっせん対象者に対し、予約相談、求人開拓、通信紹介、呼出紹介等を活用した積極的な相談、援助を行い、これらの者の早期再就職を図ること。
 安定所は、計画支援対象者について、再就職希望業種及び職種、経験、職業能力、職種転換の必要性の有無並びに地域の労働市場状況等を勘案し、各計画支援対象者の早期再就職を図るために、次の点に留意して、個別の求職活動計画(別添4)中の「ハローワークによる計画」(以下「計画」という。)を作成すること。
 なお、求職活動計画は、失業の認定に際しても活用するものであり、失業の認定に際し、求職活動計画を持参し、上記第2の1の(1)のニ(イ)に該当していると認められる場合には、他に不認定となる事由がある日以外の各日について失業の認定を受けられるものである。
 おって、計画支援対象者以外の者との公平性の観点から、計画は、計画支援対象者以外の者に求められる求職活動実績を念頭に策定すること。
 
(イ)  計画は、遅くとも初回認定日以後早期に(給付制限のある者については給付制限期間中の早期に)策定すること。
(ロ)  一の求職活動計画中の計画は、計画支援対象者の所定給付日数等に配慮し、認定対象期間を1単位として、3〜4認定対象期間を対象に策定する。なお、所定給付日数の短い者については、所定給付日数の1/2の支給終了などを目途に計画支援対象者の早期再就職の促進に必要な期間を考慮して、認定対象期間を1単位として2〜3認定対象機関を対象に策定する等の工夫を行うこと。
(ハ)  計画は、本人の希望の明確化、応募先の選定のため、各計画支援対象者が抱える再就職を妨げている問題に着目し、これに対処するようセミナーによる集団指導を実施し、続いて、再就職先業種、職種、希望労働条件等が定まった時点で求人情報閲覧と求人応募を行わせ、応募に失敗した場合はその理由等を考慮して次の計画を策定するための職業相談(以下「総合相談」という。)を行うように策定する。また、2回目以後の計画は、前の計画における求人への応募の状況を踏まえて策定する。
(ニ)  応募できる求人がない者については、就職する意志のない形式的な求人応募が増えることが危惧されることから、計画支援対象者が応募できる、又は、応募したい求人がないと訴える場合は、同一の認定対象期間内に総合相談を実施して、新たな計画を策定することとする。
(ホ)  職業訓練の受講を検討する又は自ら民間の訓練を受講する者については、受講期間を考慮して計画を策定することとし、必ずしも求人への応募を盛り込まないことができる。
 安定所は、求職活動計画に確認印を押印して計画支援対象者に交付するとともに、求職活動計画裏面により、失業の認定との関係において各種の求職活動について活動の証明を受けることの重要性、求職活動計画中に自らの求職活動記録を記載する上での注意等を説明すること。
 安定所は、求職活動計画の写しを求職票に付して保存すること。また、セミナー、職業相談、管理選考等に際し、計画支援対象者が持参する求職活動計画にゴム印等を用いて、本人が計画を実行したことを簡易に記録すること。
 労働局は、受給資格者の再就職の促進のため、受給資格者を中心とする求職者が、効率的かつ適切に求職活動を行えるよう、求職活動を支援するセミナー(以下「求職活動支援セミナー」という。)を、直接に、又は、民間の就職支援会社等への委託により、計画的に実施するとともに、許可・届出のある民間機関や公的機関等が独自に実施している各種のセミナー、面接会等に関する情報を収集し、労働局内の各安定所に伝達すること。各安定所は、労働局からの情報及び自ら又は近隣の安定所と協力して実施するセミナー等がある場合はそれも考慮して、計画の策定を行うこと。
 なお、計画に基づく求職活動支援セミナーの受講は、受講指示に該当するものではなく、再就職促進講習給付金の支給対象とはならないことに留意すること。
 労働局は、求職活動支援セミナーとして、例えば次のようなセミナーを用意すること。
 
(イ)  労働市場における自己の価値を認識させ、再就職の可能性を高めるための労働市場圏内の賃金、求人求職の状況等の平均的な状況に関するセミナー
(ロ)  失業期間と就職状況、就職条件の関係等失業期間の長期化により生じる問題点に焦点を当てたセミナー
(ハ)  管轄地域内に特に求人の多い業種、職種等に関する紹介を行うセミナー
(ニ)  職務の棚卸しとアピールポイントの探し方などキャリアプランニングに関するセミナー
(ホ)  実際の求人応募を成功させるための職務経歴書の書き方や求職活動に失敗する要因とその改善策等の具体的な求職活動の方法を教授するセミナー
 主に民間受給調整機関を利用することを希望する者、主に安定所を利用する早期あっせん対象者についても、応募・不採用を繰り返すなど区分の変更を要すると認められる場合には、分類を見直し、適切な応募先の選定等のための支援を行うこと。同様に、計画支援対象者についても、固定的にとらえるべきでなく、その後の相談、援助の過程で適宜変更すること。
(3)  キャリア・コンサルタントの活用によるカウンセリングの実施
 安定所は、個別の職業相談、職業紹介、初回講習、求職活動支援セミナー等による支援を受けたにもかかわらず、個々に抱える問題を解決できず、的確な求職活動を行うために綿密なカウンセリングが必要であると認められる受給資格者に対しては、就職支援アドバイザーによる予約相談制等も活用し、個々に抱える問題に応じカウンセリングを実施し、問題点の解決と再就職の促進に努めること。
(4)  求職活動の記録
 安定所は、1(2)の分類にかかわらず、雇用保険の認定担当部門からの求職活動状況の問い合わせに回答できるよう、職業相談等に関する求職票の裏面への記録を徹底するとともに、求職活動支援セミナー、面接会等については参加者名簿を作成する等により求職活動実績の確認を行えるようにしておくこと。
 また、早期あっせん対象者については受給資格者証裏面「処理状況」欄24番以後を空白としその部分に、計画支援対象者については求職活動計画に、求職活動状況についてゴム印等を用いて簡易に記録して雇用保険の認定担当部門において確認できるよう取りはからうこと。
 法第33条の給付制限期間中の者に対する就職支援
 法第33条の給付制限期間中の者の就職支援についても、上記1の(2)により、早期あっせん対象者と計画支援対象者に分類して、それぞれにあった支援を行うこと。特に、計画支援対象者については、当該給付制限期間中から計画的な求職活動を促すため、遅くとも初回講習のあと早期に計画を策定すること。
 的確かつ早期の公共職業訓練受講指示及び訓練受講者等に対する職業指導・職業紹介の徹底
 
(1)  早期受講指示の徹底
 安定所は、受給資格者の早期再就職の促進のため、公共職業訓練を受講させようとするときは、受講指示に際し、早期受講指示の基準に従うことはもとより、特に所定給付日数の長い者を中心に、できる限り早期に受講指示を行うよう努めること。
(2)  的確な受講指示の徹底
 安定所は、公共職業訓練の受講指示に先だって、必要に応じて、雇用・能力開発機構都道府県センターが安定所に配置し、又は、巡回させている能力開発支援アドバイザーも活用し、能力開発に係る相談を実施して、受給資格者の置かれている状況、意欲、能力等を踏まえ、当該受給資格者が職業生活設計を踏まえた再就職を実現するために適当な訓練を選定すること。
 特に、公共職業訓練の受講指示は、求職活動を容易にし再就職を促進する観点から行うものであり、受給資格者が習得を希望する職業能力に着目するだけでなく、安定所が日々の業務の中で把握している求人者の求める職業能力にも着目の上、受給資格者の再就職の機会の確実な拡大に資するように実施することが重要であること。
(3)  公共職業訓練受講修了者等に対する職業指導、職業紹介の強化
 公共職業訓練の受講修了予定者及び修了者(以下「職業訓練修了者等」という。)の再就職は、公共職業訓練の実施及び公共職業訓練への受講指示といった訓練に関する各種施策の最終的な政策目標である。
 このため、安定所は、「職業訓練修了者等の職業紹介について」(平成13年9月1日付け職発第501号)により規定する職業訓練修了者等の就職促進策について、就職支援アドバイザーも適宜活用しつつ、訓練修了日の3月後の日の属する月の末日までの約3ヵ月間において集中的に実施し、これらの者の早期再就職の促進に努めることとすること。
 なお、職業訓練修了者等の就職促進については、特に積極的に推進すべき重点項目であるので、各安定所の業務運営にあたって留意すること。
 求人者に対する周知
 第2の1にあるとおり、今般、基本手当の失業の認定に係る業務取扱い等について必要な改正を行うことに伴い、従来、時間をかけて再就職先の選定を行った後に求人応募を行っていた求職者が、求人に応募することによって、直接求人者と接触し、労働市場の状況を体感しつつ、自分にあった再就職先を選定しようとすることが多くなると見込まれる。
 また、求人に対する応募が増加すると同時に、求職者が、求人事業所及びその事業主等に直接接触して、自らの再就職先として当該企業が適当であるかを検討することとなる結果、求人者が採用を希望しても求職者から断られる可能性も高くなるなど、募集・採用の在り方に大きな影響を与える可能性がある。
 以上を踏まえ、安定所は、求人者に対し、次の点について、適宜、注意喚起を行うこと。
 なお、安定所の職業紹介に際しては、求職者が特定の求人への応募を強く希望した場合であっても、当該求人の提示する条件に求職者が合致しない場合には、安定所窓口においてむやみに紹介を行わないことは当然であり、必要に応じて求人者に対して条件緩和指導を行いつつ、求人者の選考の負担を軽減し、安定所による職業紹介に対する信頼を向上するよう努めること。
 
(1)  求人に対する応募・問い合わせが増加することが見込まれること。
(2)  必要に応じて採用・選考について面接日を事前に設定する、筆記試験を行う等も一つの方法であること。
(3)  求職者側も、求人企業をみて、自らの再就職先として当該企業が適切かどうかを検討しており、企業側が採用を希望しても求職者が断る可能性があること。
(記の第4以下 略)


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