1 運動の目的
2 実施主体
3 実施期間
4 実施事項
問い合わせ先 厚生労働省医薬局審査管理課 化学物質安全対策室 毒物劇物係 担当:中村(内線2798) |
医薬発第0524001号
14生産第1573号 平成14年5月24日 |
都道府県知事 各 保健所設置市市長 殿 特別区区長 |
農薬危害防止運動の実施については、従来から格別の御配慮をいただいているところであるが、依然、農薬の散布中の事故は後を絶たず、また、農薬の用途外使用や無登録農薬の違法な販売、使用等の事例もみられる状況にあり、さらに、昨年は土壌くん蒸剤の不適切な使用に起因する事故もみられたところである。このような中で、近年、国民の健康の保護や生活環境の保全、農産物の安全性の確保に対する社会的関心が高まっており、農薬の適正な使用及び保管管理の徹底が強く求められている。
このような状況にかんがみ、本年においても、国及び地方公共団体の緊密な連携の下に、関係諸団体の協力を得て、農薬危害防止運動を全国的に実施することとし、別紙のとおり農薬危害防止運動実施要綱を策定したので、貴職におかれても本運動の趣旨を御理解の上、特段の御配慮及び御協力をお願いする。
別紙
第1 趣旨
農薬の安全かつ適正な使用の確保及び適切な保管管理の徹底は、農業生産の安定のみならず、国民の健康の保護及び生活環境の保全の観点からも極めて重要である。
このため、従来から、農薬取締法(昭和23年法律第82号)及び毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)に基づく取締り等必要な施策の実施に努めてきたところである。
しかしながら、依然、農薬の散布中の事故は後を絶たず、また、農薬の用途外使用や無登録農薬の違法な販売、使用等の事例もみられる状況にあり、さらに、昨年は土壌くん蒸剤の不適切な使用に起因する事故もみられたところである。このような中で、近年、国民の健康の保護や生活環境の保全、農産物の安全性の確保に対する社会的関心が高まっており、農薬の適正な使用及び保管管理の徹底が強く求められている。
農薬による事故等は、農薬に関する正しい知識の欠如に起因する場合が少なくないので、農薬の性質及び作用、その危害の防止方法、その適正な使用及び保管管理の方法等を広く周知徹底させるとともに、関係法令等の周知を図ることを目的として、農薬危害防止運動を実施する。
第2 名称
農薬危害防止運動
第3 実施期間
原則として、平成14年6月1日から同年6月30日までの1か月間とする。
第4 実施主体
厚生労働省、農林水産省、都道府県、保健所を設置する市及び特別区
第5 実施事項
1 | 国が実施する事項 厚生労働省及び農林水産省は次に掲げる事項を実施する。
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2 | 都道府県等が実施する事項 都道府県、保健所を設置する市及び特別区は次に掲げる事項を実施する。
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1 農薬による事故の主な原因
(1) | 農薬の保管管理が不良であるため、老人、子供等が誤って飲んだこと。 |
(2) | 散布作業前日及び散布作業後に飲酒又は夜更かししたこと。 |
(3) | 病後、睡眠不足時等体調の優れない状態で散布作業に従事したこと。 |
(4) | 農薬用マスク、保護メガネ等の防護装備が不十分な状態で散布作業に従事したこと。 |
(5) | 炎天下で長時間散布作業に従事したこと。 |
(6) | 散布者の不注意により、散布途中で喫煙したこと又は散布後農薬が付着した手で食事をしたこと。 |
(7) | 防除機等の点検不備により薬液を浴びたこと。 |
(8) | 定められた使用方法以外の方法による散布等農薬を不適正な方法で使用したこと。 |
2 農薬による事故防止のための注意事項
(1) | 農薬の使用に当たっては、容器の表示事項等をよく読んで、安全かつ適正に使用すること。また、使用に関し不明な点がある場合は、病害虫防除所等に相談すること。 |
(2) | 安全な場所に鍵をかけて保管する等農薬の保管管理には十分注意すること。 |
(3) | 農薬を他の容器(清涼飲料水の容器等)へ移し替えないこと。 |
(4) | 散布作業前日及び作業後には、飲酒又は夜更かしをしないこと。 |
(5) | 体調の優れない、又は著しく疲労しているときは、散布作業に従事しないこと。 |
(6) | 農薬の調製又は散布を行うときは、農薬用マスク、保護メガネ等防護装備を着用し、かつ、農薬の取扱いを慎重に行うこと。 |
(7) | 散布に当たっては、事前に防除機等の十分な点検整備を行うこと。 |
(8) | 風下からの散布、水稲の病害虫防除の際の動力散粉機(多孔ホース噴頭)の中持ち等はやめ、農薬を浴びることのないように十分に注意すること。 |
(9) | 農薬を散布するときは、散布前に関係者に連絡し、必要に応じ立札を立てることなどにより、子供その他の散布に関係のない者が作業現場に近づかないよう配慮するとともに、居住者、通行人、家畜、蚕等に被害を及ぼさないよう、風向き等に十分注意すること。 |
(10) | 散布作業は、風の強くない、朝夕の涼しい時間を選び、2〜3時間ごとに交替して行うこと。 |
(11) | 農薬の散布によってめまいや頭痛が生じ、又は気分が少しでも悪くなった場合には、医師の診断を受けること。 |
(12) | 作業後は、手足はもちろん、全身を石けんでよく洗うとともに、眼を水洗し、衣服を取り替えること。 |
(13) | 使用残りの農薬を不注意に廃棄したり、不要になった農薬を放置したりすると、思わぬ事故を引き起こすことがあるので、その処理に当たっては関係法令を遵守して適正に行うこと。また、散布に使用した器具及び容器を洗浄した水は、河川等に流さず、散布むらの調整等に使用すること。特に、種子消毒剤等農薬の廃液処理に当たっては、周辺環境に影響を与えないよう十分配慮した処理を行うこと。 |
(14) | 農薬の空容器、空袋等の処理は、廃棄物処理業者に処理を委託する等により適切に行うこと。 |
(15) | クロルピクリン剤等土壌くん蒸剤の取扱いについては、表示された使用上の注意事項を遵守すること。また、薬剤が揮散し周辺に影響を与えないよう風向きなどに十分注意し、被覆を完全に行うこと。 |
(16) | 水質汚濁の防止に関する安全使用基準、水産動物の被害の防止に関する安全使用基準及び水質汚濁性農薬の使用規制に関する都道府県知事の規則を遵守し、水田周辺の養魚池における淡水魚又は沿岸養殖魚介類の被害及び河川、水道水源等の汚染の防止等環境の保全に万全を期すること。 |