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確定拠出年金制度の法令解釈について

 確定拠出年金法並びにこれに基づく政令及び省令の規定の解釈について、以下のとおりとりまとめ、地方厚生(支)局長、金融関係の業界団体などの関係機関あてに厚生労働省年金局長より通知(平成13年8月21日付年発第213号)しました。


確定拠出年金法並びにこれに基づく政令及び省令について(法令解釈)


第1 企業型年金規約の承認基準に関する事項

 企業型年金規約の承認基準については、確定拠出年金法(以下「法」という。)第3条第3項及び確定拠出年金法施行令(以下「令」という。)第6条に規定しているところであるが、企業型年金加入者の範囲(「一定の資格」の内容)、事業主掛金の算定方法、事務費の負担及び企業年金制度等からの資産の移換に関する事項については、それぞれ次の取扱いとすること。

1.企業型年金加入者とすることについての「一定の資格」の内容

(1)法第3条第3項第6号中の「一定の資格」として定めることができる資格とは、次の(1)から(4)に掲げる資格であり、これら以外のものを「一定の資格」として定めることは、基本的には特定の者に不当に差別的な取扱いとなるものであること。

(1)「一定の職種」
 「一定の職種」に属する従業員(企業型年金を実施する厚生年金適用事業所に使用される被用者年金被保険者をいう。以下同じ。)のみ企業型年金加入者とすること。
(注)「職種」とは、研究職、営業職、事務職などをいい、労働協約若しくは就業規則又はこれらに準ずるものにおいて、これらの職に属する従業員に係る給与や退職金等の労働条件が他の職に属する従業員の労働条件とは別に規定されているものであること。
(2)「一定の勤続期間」
 実施事業所に使用される期間(いわゆる勤続期間)のうち、「一定の勤続期間以上(又は未満)」の従業員のみ企業型年金加入者とすること。
(3)「一定の年齢」
 実施事業所において企業型年金を実施するときに、「一定の年齢未満」の従業員のみ企業型年金加入者とすること(合理的な理由がある場合に限る。)。
(注)一定の年齢で区分して加入資格に差に設けることは、基本的には合理的な理由がないと考えられることから認められないが、企業型年金の開始時に50歳以上の従業員は、自己責任で運用する期間が短く、また、60歳以降で定年退職してもそのときに給付を受けられないという不都合が生じるおそれがあることから、50歳以上の一定の年齢によって加入資格を区分し、当該一定の年齢以上の従業員を企業型年金加入者とせずに、当該一定の年齢未満の従業員のみ企業型年金加入者とすることはできるものであること。

 なお、見習期間中又は試用期間中の従業員については企業型年金加入者としないことができるものであること。

(4)「希望する者」
 従業員のうち、「加入者となることを希望した者」のみ企業型年金加入者とすること。

(2)企業型年金加入者とすることについて「一定の資格」を定める場合には、基本的には、

ア 上記(1)の(1)及び(2)に掲げる場合においては、企業型年金加入者とならない従業員については、厚生年金基金(加算部分)、適格退職年金又は退職手当制度(退職手当前払い制度を含む。)が適用されていること
イ 上記(1)の(3)及び(4)に掲げる場合においては、企業型年金加入者とならない従業員については、退職手当制度(退職金前払い制度を含む。)が適用されていること
とするとともに、当該制度において企業型年金への事業主掛金の拠出に代わる相当な措置が講じられ、企業型年金加入者とならない従業員について不当に差別的な取扱いを行うこととならないようにすること。

2.事業主掛金の算定方法

(1)「定額」の内容

 事業主掛金について、「定額」により算定する場合には、基本的には、当該企業型年金加入者の全員が同額の事業主掛金額となるようにしなければならないこと。

(2)「給与」の具体的な内容

 法第4条第1項第3号中の「給与」とは、以下の基準に該当するものとすること。

(1) 「給与」は、給与規程若しくは退職金規程又はこれらに準じるものに定められたものを使用することを原則とするが、年金制度のために特別に定められた給与であっても、事業主による恣意性が介入するおそれがないと認められるもの(厚生年金基金及び適格退職年金において認められているポイント制により算出した給与を含む。)については、給与規程若しくは退職金規程又はこれらに準じるものに定めることにより、法第4条第1項第3号の給与とすることができること。
(2) 役職手当、特殊勤務手当、技能手当等毎月一定額が支給され本来基準内賃金と見なされる給与については、法第4条第1項第3号の給与とすることができること。
(3) 厚生年金保険における標準報酬から実費弁償に類するもの及び不安定要素の大きいものを除いたものについて厚生年金保険の標準報酬等級区分によるものを法第4条第1項第3号の給与とすることができること。
(4) 就業規則又は労働協約に日給者及び月給者の区分が明定されている場合において、日給の月給換算は就業規則又は労働協約の定めによるものとし、その定めがない場合は、20〜30倍の範囲で換算するものとすること。

(3)「その他これに類する方法」の内容

 法第4条第1項第3号中の「その他これに類する方法」とは、定額と給与に一定の率を乗ずる方法により算定した額の合計額により算定する方法をいうものであること。

3.事務費の負担に関する事項

 企業型年金規約においては、事務費の負担に関する事項として、次に掲げる事項を記載するものとすること。

(1)運営管理機関に運営管理業務を委託した場合における当該運営管理機関に係る事務費の額又はその算定方法、その負担の方法(事業主の負担割合と企業型年金加入者等の負担割合に関することを含む。)

(2)資産管理機関に係る事務費の額又はその算定方法、その負担の方法(事業主の負担割合と企業型年金加入者等の負担割合に関することを含む。)

(3)法第22条に係る措置に要する費用の額又はその算定方法、その負担の方法

(4)法第25条第4項に係る措置に関し、それに要する費用が必要な場合における当該費用の負担の方法(事業主の負担割合と企業型年金加入者等の負担割合に関することを含む。)

4.厚生年金基金、適格退職年金等からの資産の移換に関する事項

 厚生年金基金、適格退職年金又は退職手当制度から企業型年金に資産を移換する場合においては、企業型年金規約には、次に掲げる事項を記載するものとすること。

(1)企業型年金に資産を移換する厚生年金基金、適格退職年金又は退職手当制度の種別
(2)資産の移換の対象となる企業型年金加入者の範囲
(3)個人別管理資産に充てる移換額
(4)通算加入者等期間に算入すべき期間の範囲
(5)企業型年金への資産の受入れ期日
(6)退職手当制度から資産の移換を受ける場合にあっては、当該資産の移換を受ける最後の年度

第2 資産の運用に関する情報提供(いわゆる投資教育)に関する事項

1.基本的な考え方

(1)確定拠出年金は、我が国の年金制度において、個々の加入者等が自己責任により運用し、その運用結果によって給付額が決定される初めての制度である。確定拠出年金が適切に運営され、老後の所得確保を図るための年金制度として国民に受け入れられ、定着していくためには、何よりも増して加入者等が適切な資産運用を行うことができるだけの情報・知識を有していることが重要である。したがって、法第22条の規定等に基づき、資産の運用に関する情報提供に係る業務を行うこととなる確定拠出年金を実施する事業主、国民年金基金連合会及びそれらから委託を受けて当該情報提供業務を行う確定拠出年金運営管理機関等(この第2の事項において「事業主等」という。)は、極めて重い責務を負っており、制度への加入時はもちろん、加入後においても、個々の加入者等の知識水準やニーズ等も踏まえつつ、加入者等が十分理解できるよう、必要かつ適切な情報提供を行わなければならないものであること。

(2)資産の運用に関する情報提供に係る業務を行う事業主等は、常時上記(1)に記した責務を十分認識した上で、加入者等の利益が図られるよう、当該業務を行う必要があること。

2.法第22条の規定に基づき加入者等に情報提供すべき具体的な内容

(1)資産の運用に関する情報提供に係る業務を行う事業主等は、少なくとも、次に掲げる事項を、制度への加入時及び加入後の個々の加入者等の必要性に応じて加入者等に情報提供すること。

(1) 確定拠出年金制度等の具体的な内容
ア わが国の年金制度の概要及び年金制度における確定拠出年金の位置づけ
イ 確定拠出年金制度の概要(次の(ア)から(キ)までに掲げる事項)
(ア) 制度に加入できる者とその拠出限度額
(イ) 運用商品(法第23条第1項に規定する運用の方法をいう。以下同じ。) の範囲、加入者等への運用商品の提示の方法及び運用商品の預替え機会の内容
(ウ) 給付の種類、受給要件、給付の開始時期及び給付(年金又は一時金別)の受取方法
(エ) 加入者等が転職又は離職した場合における資産の移換の方法
(オ) 拠出、運用及び給付の各段階における税制措置の内容
(カ) 事業主、国民年金基金連合会、運営管理機関及び資産管理機関の役割
(キ) 事業主、国民年金基金連合会、運営管理機関及び資産管理機関の行為準則(責務及び禁止行為)の内容

(2) 金融商品の仕組みと特徴
 預貯金、信託商品、投資信託、債券、株式、保険商品等それぞれの金融商品についての次の事項
ア その性格又は特徴
イ その種類
ウ 期待できるリターン
エ 考えられるリスク
オ 投資信託、債券、株式等の有価証券や変額保険等については、価格に影響を与える要因等

(3) 資産の運用の基礎知識
ア 資産の運用を行うに当たっての留意点(すなわち金融商品の仕組みや特徴を十分認識した上で運用する必要があること)
イ リスクの種類と内容(金利リスク、為替リスク、信用リスク、価格変動リク、インフレリスク等)
ウ リスクとリターンの関係
エ 長期運用の考え方とその効果
オ 分散投資の考え方とその効果

(2)加入者等に、運用プランモデル(老後までの期間や老後の目標資産額に応じて、どのような金融商品にどの程度の比率で資金を配分するかを例示したモデル)を示す場合にあっては、元本確保型の運用方法(令第16条各号に規定する運用の方法をいう。以下同じ。)のみで運用する方法による運用プランモデルを必ず含んでいるものとすること。

3.加入者等への具体的な提供方法等

(1)資産の運用に関する情報提供に係る業務を行う事業主等は、次に掲げる方法により、加入者等に情報提供すること。

(1) 資産の運用に関する情報提供の方法としては、例えば資料やビデオの配布(電磁的方法による提供を含む。)、説明会の開催等があるが、各加入者等ごとに、当該加入者の資産の運用に関する知識及び経験等応じて、最適と考えられる方法により行うこと。
(2) 事業主等は、加入者等がその内容を理解できるよう情報提供を行う責務があり、加入者等からその内容についての質問や照会等が寄せられた場合には、速やかにそれに対応すること。

(2)事業主が確定拠出年金運営管理機関に資産の運用に関する情報提供を委託する場合においては、当該事業主は、各企業型年金加入者への資料等の配布、就業時間中における説明会の実施、説明会の会場の用意等、できる限り協力することが望ましいこと。

4.資産の運用に関する情報提供と、確定拠出年金法で禁止されている特定の運用の方法に係る金融商品の勧奨行為との関係

(1)事業主等が上記2に掲げる資産の運用に関する情報を加入者等に提供する場合には、当該行為は法第100条第6号に規定する禁止行為には該当しないこと。

(2)なお、事業主等が、価格変動リスク又は為替リスクが高い株式、外国債券、外貨預金等(この(2)において「株式等」という。)のリスクの内容について加入者等に十分説明した上で、老後までの期間及び老後の目標資産額に応じて株式等での運用を含んだ複数の運用プランモデルの提示を行う場合にあっても、当該行為は法第100条第6号に規定する禁止行為には該当しないこと。

第3 運用の方法に係る金融商品の情報提供に関する事項

1.運用の方法に係る金融商品について情報提供すべき具体的な内容

 確定拠出年金運営管理機関(運営管理業務を営む事業主を含む。この第3及び第4の事項において同じ。)が加入者等に対し運用の方法に係る金融商品の情報提供を行う場合の具体的な内容については、法第24条に基づく確定拠出年金法施行規則(以下「施行規則」という。)第20条第1項に規定しているところであるが、同項第1号中「運用の方法の内容」に係る具体的な情報の内容及びその提供方法は、各運用の方法に係る金融商品ごとに、元本確保型の運用方法であるか否かを示した上で、次に掲げる内容及び方法とすること。

(1)預貯金(金融債を含む。)について

 銀行法施行規則(昭和57年大蔵省令第10号)第13条の3各号に規定する内容に相当するものについて、同条に準じた方法(電磁的方法による提供を含む。)により情報提供を行うものとすること。

(2)信託商品について

 次の掲げる事項を記載した書類の交付又は電磁的方法により(電磁的方法により情報提供を行うことが困難である場合にあっては書類の交付によること。以下同じ。)情報提供を行うものとすること。

(1) 商品名
(2) 信託期間(契約期間、信託設定日、償還期日、自動継続扱いの有無)
(3) 運用の基本方針、運用制限の内容
(4) 信託金額の単位
(5) 収益金の計算方法、支払方法
(6) 予想配当率
(7) 他の運用商品への預替えの場合の取扱い

(3)有価証券について

(1) 特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令(平成5年大蔵省令第22号)第12条第1項第1号ロに規定する目論見書(要約目論見書)に記載される内容について、それを記載した書類の交付又は電磁的方法により情報提供を行うものとすること。
(2) なお、証券取引法第2条第10項に規定する目論見書に記載される内容については、少なくとも、加入者等から求めがあった場合に、次のいずれかの方法により速やかにその内容を提供するものとすること。
ア 書類の交付
イ 電磁的方法により内容を提供する方法
ウ 実施事業所の事務所又は確定拠出年金運営管理機関の営業所に備え置き、加入者等の縦覧に供する方法

(4)生命保険、簡易生命保険、生命共済及び損害保険について

 次の掲げる事項を記載した書類の交付又は電磁的方法により情報提供を行うものとすること。

(1) 保険又は共済契約の種類
(2) 一般勘定又は特別勘定に属するものの区別
(3) 保険料又は共済掛金の額
(4) 保険金額又は共済金額の算定方法
(5) 予定利率があるものについてはその率
(6) 保険期間又は共済期間(予定利率あるものについては、当該予定利率が適用される期間を含む。)
(7) 支払事由
(8) 加入者等の運用の指図により保険又は共済の全部又は一部を他の運用商品に変更する場合における取扱い
(9) 特別勘定に属するものについては、当該財産の運用の方針、種類及び評価の方法

2.加入者等に情報提供すべき過去10年間の実績の内容

 確定拠出年金運営管理機関は、施行規則第20条第1項第2号の規定に基づき、過去10年間における運用の方法に係る金融商品の利益又は損失の実績を加入者等に提供する場合には、少なくとも3ヶ月ごとの当該運用の方法に係る金融商品の利益又は損失の実績を提供しなければならないこと。

第4 障害給付金の支給要件に関する事項

 確定拠出年金の障害給付金については、令第19条の規定により、加入者等が国民年金法(昭和34年法律第141号)第30条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することをその支給要件としている。
 確定拠出年金運営管理機関は、加入者等から障害給付金の給付の裁定の請求が行われた場合において、当該加入者が次に掲げる者であることを確認したときは、障害給付金の支給の裁定を行っても差し支えないこと。

(1)障害基礎年金の受給者
(2)身体障害者手帳(1級から3級までの者に限る)の交付を受けた者
(3)療育手帳(重度の者に限る)の交付を受けた者
(4)精神保健福祉手帳(1級及び2級の者に限る)の交付を受けた者

第5 厚生年金基金、適格退職年金等から企業型年金への資産の移換に関する事項

1.厚生年金基金の加入員等が負担した掛金等を原資とする部分の算定方法

 令第22条第1項第1号から第3号に規定する「原資とする部分」とは、資産のうち、加入員等の負担に基づいて行われる給付であって、基準日(令第23条第1項に規定する基準日をいう。2において同じ。)までに発生しているとみなすことが合理的である給付に相当する部分をいうこと。

2.退職手当制度から企業型年金に移換できる資産の内容

 令第22条第1項第4号に規定する「相当する部分」とは、同号のイに掲げる額からロ及びハに掲げる額を控除した額に、基準日から資産の移換を受ける最後の年度までの期間に応ずる利子に相当する額を加えた額とすること。なお、この場合に用いる利率は、基準日における施行規則第29条第2号の規定に基づいて厚生労働大臣が定める率とすること。

第6 行為準則に関する事項

1.事業主の行為準則

(1)忠実義務(法第43条第1項)の内容

 事業主は、少なくとも次の事項に留意しなければならないこと。

(1) 確定拠出年金運営管理機関及び資産管理機関については、もっぱら加入者等の利益の観点から、運営管理業務や資産管理業務の専門的能力の水準、業務・サービス内容(加入者等から企業型年金の運営状況に関する照会があったときは、誠実かつ迅速に対応できる体制を整備していることを含む。以下同じ。)、手数料の額等に関して、複数の確定拠出年金運営管理機関又は資産管理機関について適正な評価を行った上で選任すること。
 特に、事業主が、緊密な資本関係、取引関係又は人的関係がある確定拠出年金運営管理機関又は資産管理機関(確定拠出年金運営管理機関又は資産管理機関と緊密な資本又は人的関係のある法人を含む。)を選任できるのは、当該機関の専門的能力の水準、業務・サービス内容、手数料の額等に関して適正な評価を行った結果、合理的な理由がある場合に限られるものであること。
 また、法第3条第1項又は第5条第2項の規定に基づき、企業型年金に係る規約を作成する場合又は企業型年金規約に規定する事項のうち確定拠出年金運営管理機関若しくは資産管理機関の変更を行う場合にあっては、労働組合又は被用者年金被保険者等の過半数を代表する者の同意を得る際に、当該被用者年金被保険者等又は加入者等に対し、当該確定拠出年金運営管理機関又は資産管理機関を選定した理由を示すこと。
(2) 資産の運用に関する情報提供に係る業務(いわゆる投資教育)を確定拠出年金運営管理機関等に委託する場合においては、委託先の機関等が本通達第2の1から3まで規定する内容及び方法に沿って、加入者等の利益のみを考慮して適切に当該業務を行うことができるか否かを十分考慮した上で行うこと。
(3) 企業型年金加入者等に対し、自社株式又は関連企業の発行する株式(主に自社株式又は関連企業の発行する株式で運用する投資信託などを含む。以下同じ。)を運用の方法として提示することは、もっぱら加入者等の利益のみを考慮してその業務を遂行しなければならないという忠実義務の趣旨に照らし妥当であると認められる場合に限られるものであること。
 また、自社株式又は関連会社の発行する株式を運用の方法として提示したときは、当該株式を発行する企業が倒産した場合には、加入者等の個人別管理資産のうち当該株式での運用に係る部分の資産がゼロとなる可能性が高いこと(すなわち倒産リスクがあること)を、加入者等に対し、十分に情報提供するようにすること。
(4) 法、令及び施行規則に規定された事業主の行為準則等を遵守すること。
(5) 加入者等から企業型年金の実施状況に関し照会又は苦情があったときは、当該照会又は苦情に事業主自らが誠実かつ迅速に対応するか又は確定拠出年金運営管理機関に誠実かつ迅速に対応させること。
(6) 事業主が選任した確定拠出年金運営管理機関及び資産管理機関から、その業務の実施状況等について少なくとも年1回以上定期的に報告を受けるとともに、加入者等の立場から見て必要があると認められる場合には、その業務内容の是正又は改善を申し入れること。また、当該確定拠出年金運営管理機関及び資産管理機関が事業主の申入れに従わず、又はその業務の実施状況等により運営管理業務又は資産管理業務を継続することが困難であると認めるときは、法第5条に規定する手続きを経て、その委託契約等を取消し、当該運営管理業務を自ら実施するか又は他の確定拠出年金運営管理機関若しくは資産管理機関を選任すること。

(2)個人情報保護義務(法第43条第2項)の内容

 事業主は、加入者等の氏名、住所、生年月日その他の個人情報の保管・使用に当たっては、少なくとも次の事項に留意し、その適正な保管・使用に万全を期さなければならないこと。

(1) 事業主は、個人情報を企業型年金の実施に係る業務の遂行の目的のみに保管・使用し、当該業務以外の別の目的のために保管・使用してはならないこと。
(2) 記録関連業務を記録関連運営管理機関(記録関連運営管理業務を行う確定拠出年金運営管理機関をいう。以下同じ。)に委託した事業主は、各加入者等の個人別管理資産額を保管・使用する必要性がないことから、当該記録関連運営管理機関に対し、各加入者等の個人別管理資産額の提供の申入れ等を行ってはならないこと。
(3) 事業主は、加入者等の同意がある場合その他正当な事由がある場合(すなわち法令の規定に基づき裁判所、税務署等から個人情報の提出命令等があった場合)には、企業型年金の実施に係る業務以外の目的で他の者に個人情報を提供することは差し支えないこと。

(3)自社株式の推奨等の禁止

 事業主の禁止行為については、法第43条第3項及び施行規則第23条に規定しているところであるが、特に、

(1) 事業主が、加入者等に対し、自社株式又は自社債券(これに類するものを含む。)や関連会社の株式又は債券(これに類するものを含む。)などの特定の運用の方法に係る金融商品ついて指図を行うことや、指図を行わないことを勧めること(施行規則第23条第3項)、
(2) 事業主が、企業型年金加入者等に対し、自己(すなわち当該事業主)又は自己と人的又は取引関係のある関連会社などの第三者に運用の指図を委任することを勧めること(施行規則第23条第4項)
などは、いかなる場合であっても禁止されるものであり、こうした禁止行為に該当する、あるいは該当するおそれがあるような行為を行わないよう留意すること。

2.確定拠出年金運営管理機関の行為準則

(1)忠実義務(法第99条第1項)の内容

 確定拠出年金運営管理機関は、少なくとも次の事項に留意しなければならないこと。

(1) 法、令、確定拠出年金運営管理機関に関する命令(以下「主務省令」という。)及び運営管理契約に従って運営管理業務を実施すること。
(2) 運用関連運営管理業務を行う確定拠出年金運営管理機関は、もっぱら加入者等の利益のみを考え、加入者等の利益が最大となるよう、資産の運用の専門家として社会通念上要求される程度の注意を払いながら運用の方法に係る金融商品の選定、提示及びそれに係る情報提供を行うこと。
(3) 加入者等に対し、株式(主に一の企業の発行する株式で運用する投資信託などを含む。以下同じ。)を運用の方法として提示することは、もっぱら加入者等の利益のみを考慮してその業務を遂行しなければならないという忠実義務の趣旨に照らし妥当であると認められる場合に限られるものであること。
 また、株式を運用の方法として提示したときは、当該株式を発行する企業が倒産した場合には、加入者等の個人別管理資産のうち当該株式での運用に係る部分の資産がゼロとなる可能性が高いこと(すなわち倒産リスクがあること)を加入者等に対し、十分に情報提供すること。
(4) 法、令及び主務省令に規定された確定拠出年金運営管理機関の行為準則等を遵守すること。
(5) 加入者等から確定拠出年金の実施状況に関し照会又は苦情があったときは、当該照会又は苦情に誠実かつ迅速に対応すること。
(6) 確定拠出年金運営管理機関が、その運営管理業務の一部を他の確定拠出年金運営管理機関に再委託している場合にあっては、当該再委託した確定拠出年金運営管理機関から、その業務の実施状況等について少なくとも年1回以上定期的に報告を受け、加入者等の立場から見て必要があると認められる場合には、その業務内容の是正又は改善を申し入れるとともに、その旨を事業主又は国民年金基金連合会に報告すること。また、当該再委託した確定拠出年金運営管理機関がその申入れに従わず、又はその再委託した業務の実施状況により再委託を継続することが困難であると認めるときは、事業主又は国民年金基金連合会にその旨を報告し、法第5条に規定する手続きにしたがって、その再委託契約を取消し、他の確定拠出年金運営管理機関に再委託すること。

(2)個人情報保護義務(法第99条第2項)の内容

 確定拠出年金運営管理機関は、加入者等の氏名、住所、生年月日、個人別管理資産額その他の個人情報の保管・使用に当たっては、少なくとも次の事項に留意し、その適正な保管・使用に万全を期さなければならないこと。

(1) 確定拠出年金運営管理機関は、個人情報を企業型年金又は個人型年金の実施に係る業務の遂行のためのみに保管・使用し、当該業務以外の別の目的のために保管・使用してはならないこと。
(2) 記録関連運営管理業務を行う確定拠出年金運営管理機関は、加入者等の同意がある場合を除き、記録関連運営管理業務を行わない事業主又は運用関連業務を行う他の確定拠出年金運営管理機関に対し、加入者等の個人別管理資産額を提供してはならないこと。
 また、運用関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関は、加入者等の同意がある場合を除き、記録関連業務を行う確定拠出年金運営管理機関に対し、加入者等の個人別管理資産額の提供の申入れ等を行ってはならないこと。
(3) 確定拠出年金運営管理機関は、加入者等の同意がある場合その他正当な事由がある場合(すなわち法令の規定に基づき裁判所、税務署等から個人情報の提出命令等があった場合)には、企業型年金又は個人型年金の実施に係る業務以外の目的で他の者に個人情報を提供することは差し支えないこと。

(3)「特別の利益を提供」の内容

 法第100条第2号中の「特別の利益を提供」とは、一般の場合と比較して有利な条件で与えられる利益又は一般には与えられない特恵的又は独占的利益の提供をいい、例えば、金銭の提供、有利な条件による物品等の譲渡、貸し付けその他信用の供与又は役務の提供等がこれに該当すること。

(4)「特定の運用の方法を勧めること」の内容

(1) 法第100条第6号中の「特定のものについて指図を行うこと、又は行わないことを勧めること」としては、例えば、以下の場合が該当すること。
ア 加入者等に対し、特定の金融商品への資産の投資、預替え等を推奨又は助言すること。
イ 加入者等に対し、価格変動リスク又は為替リスクが高い外貨預金、有価証券、変額保険等について、将来利益が生じることや将来の利益の見込み額が確実であると告げ、又は表示すること。
ウ 加入者等に対し、提示した他の金融商品と比較して、特定の金融商品が有利であることを告げ、又は表示すること。

(2) 運用の方法に係る金融商品の「提示」の際の留意点
 加入者等への運用の方法に係る金融商品の「提示」とは、確定拠出年金運営管理機関が選定した運用の方法に係る金融商品の名称(例えば、「○○銀行の1年もの定期預金の預入」等)を加入者等に示すことであり、その提示の際に、確定拠出年金運営管理機関は、当該運用の方法に係る金融商品への運用の指図を行うことを推奨又は助言してはならないこと。
 なお、加入者等から質問又は照会を受けた場合にあっても、特定の運用の方法に係る金融商品への運用の指図を行うことを推奨又は助言してはならないこと。

(3) 「推奨」及び「助言」の内容
ア 「推奨」の内容
 運用の方法に係る金融商品に関する「推奨」とは、当該金融商品を評価し、当該金融商品への運用の指図を行うことは良いこと又は好ましいことであるということを加入者等に伝えること。
 例えば、「この○○会社の発行する株式は、将来値上がり確実でいいものであるので、当該株式で運用する方がよい」ということを加入者等に述べること。
イ「助言」の内容
 運用の方法に係る金融商品に関する「助言」とは、当該金融商品への運用の指図を行うよう加入者等に伝えること。
 例えば、「この○○会社の発行する株式で運用すべきである」ということを加入者等に述べること。

(5)いわゆる営業職員に係る運用関連業務の兼務の禁止

(1) 禁止の趣旨
 確定拠出年金運営管理機関は、制度上もっぱら加入者等の利益のみを考慮して中立な立場で運営管理業務を行うものとして位置づけられているところであり、こうした趣旨に基づき、法第100条において、特定の運用の方法に係る金融商品について指図を行うことを勧める行為の禁止をはじめ、各種の禁止行為が規定されているところである。したがって、金融商品の販売等を行う金融機関及び国(郵政事業庁)が自ら確定拠出年金運営管理機関として運用関連業務を行う場合には、あくまでも中立な立場で業務を行い、当該禁止行為が確実に行われないようにするとともに、確定拠出年金運営管理機関に対する国民の信頼が確保されるよう、金融商品の販売等を行ういわゆる営業職員(主務省令第10条第1号に規定する「運用の方法に係る商品の販売若しくはその代理若しくは媒介又はそれらに係る勧誘に係る事務を行う者」をいう。)は運用関連業務を兼務してはならないこととしたものであること。

(2) 運用関連業務を行うことができる者(以下「運用関連業務者」という。)について
 上記(1)の趣旨を踏まえ、運用関連業務者は運営管理業務の専任者が行うことを基本とし、やむを得ず兼任者で対応する場合にあっても、当該兼任者は、個人に対し商品の販売若しくはその代理若しくは媒介又はそれらに係る勧誘に関する事務を行う者であってはならないこと。

(3) 「役員、営業所の長その他これに類する者」について
 主務省令第10条第1号中の「その他これに類する者」とは、営業所の長が欠けたときにその職務を代理することとなる者であり、例えば、副支店長、副支社長、副支部長等をいうものであること。
 この規定は、役員、営業所の長その他これに類する者は、あくまでも主たる事務所又は営業所における運用関連業務の責任者として、当該業務を総括することができるようにするという観点から、禁止行為の対象外としているものであって、これらの者は、やむを得ず加入者等からの苦情に対応する場合等を除き、基本的には、個々の加入者等に対して運用関連業務を行わないこと。


照会先:
厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課
厚生労働省代表 03ー5253ー1111(内線3370)
夜間直通 03ー3595ー2865
担当:尾崎、今井、立石

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